大屋地爵士のJAZZYな生活

<   2007年 11月 ( 12 )   > この月の画像一覧

我が家の歳時記  ~ 正倉院展、和のルーツ ~

b0102572_176311.jpg
奈良国立博物館HPより
南倉52 紫檀金鈿柄香炉(したんきんでんのえごうろ);僧侶が法要のときに手に持って使う香炉。


近畿地方に住んでいてよかったと思うことのひとつに、歴史との身近なふれあいがある。京都、奈良、飛鳥、丹波などは我が家から車で、いずれも1時間前後で行くことが出来る。毎年この時期、秋の深まる古都奈良に彩を添えるのは、恒例の奈良国立博物館の「正倉院展」。正倉院は、古来行われた曝涼(ばくりょう;虫干し)の伝統に則り、毎年秋にのみ開封される。そして「正倉院展」はその開封期間にあわせて行われ、今年で、奈良での開催はもう59回を数える。正倉院とは、8世紀半ばに、東大寺のために建てられた「正倉」と呼ばれる倉庫群のうちのひとつが残ったものである。「校倉造」という独特の構造で建てられ、756年に亡くなった聖武天皇の法要の際、大仏に奉納された約650件の宝物の収蔵を始まりとして、その後、9000件以上の宝物を1200年以上守ってきたのである。宝物の中には、シルクロードを通じて伝来したものもあり、天平時代へのロマンをかき立てるとともに、古の日本と世界とのつながりを感じさせてくれるため、毎回大変な人気の展覧会である。

現役時代は、休日にでかけ、大変な混雑を何回か経験したため、しばらく足が遠のいていたが、週日にいけるようになったため、早速出かけてきました。今回の出陳は、例年のように70点。聖武天皇・光明皇后遺愛の品々を始め、天平時代の遊戯具、文房具、楽器、染織品など。天皇皇后のそばに置かれたいた異国情緒豊かなデザインのろうけつ染めの屏風、墨絵弾弓に描かれた躍動する生気にあふれる散楽・雑技団の図、まばゆいばかりの金銀水晶細工の施された、冒頭写真の香炉。法要で妙なる調べを奏でたはずの竽(う)や新羅琴。その匠の技の素晴らしさにただ感じ入るばかりであった。


b0102572_17592167.jpg
奈良国立博物館HPより
南倉108 竽(う);日本には7世紀に伝わり、唐楽(とうがく)に用いられた。長短様々な長さの17本の竹管(ちくかん)を木製の壺(つぼ)にさしこみ、壺の吹口(ふきくち)には吹管(すいかん)が付けられている。竹管の中には簧(こう)(リード)があり、吹口から息を吹き込みあるいは吸うことで振動して音を発する。


天平当時は東大寺以外にもあまたの「正倉」があったという。1200年の間の、幾多の戦乱や天災、盗みの被害などを潜り抜け、東大寺の正倉のうち、たった一棟のみが現在まで残った。まさに奇跡に近いのではないかとおもわれる。そして天平以後、日本の歴史の中で、独自の「和の様式」、「和の美」を形作っていく基礎となる工芸技法、美的センスといったもののルーツがこの正倉院の宝物に在るのではないかと「正倉院展」を観るたびに思う。

正倉院展の後は、名前とはうらはらなあどけない少年の顔を持つ、国宝「阿修羅」像が現在公開されている興福寺から、情緒あふれる奈良町を散策。久しぶりの奈良を満喫し帰路へ。
また、鑑真和上の唐招提寺の国宝・金堂の大屋根の修理がほぼ終わり、一般公開され、2mの至近で観られることができると新聞に報じられていた。これも日本建築のルーツを知る意味でぜひ観たかった企画であったが残念。

雅楽の枠を超えて活躍している、雅楽界のプリンスが本来の出自である雅楽の世界でのアルバム。「東儀秀樹/千年の優雅」。笙、篳篥、龍笛、琵琶、和琴など、はるかシルクロードを越えて伝わってきた、「和」の古典楽器のルーツといえる楽器が「正倉院」にまさに保管されているのだ。その楽器の音色は、このアルバムを聴けば実感できるが、その響きに新鮮な驚きを感じる。


雅楽〈天・地・空~千年の悠雅~
東儀秀樹 / / 東芝EMI
スコア選択:
[PR]
by knakano0311 | 2007-11-02 21:30 | 我が家の歳時記 | Trackback(1) | Comments(0)

検定ブームにのせられて  ~マーケッターとしてのシニア考(7)~

世の中、「検定」ブームだそうだ。確かにYahooやGoogleで検索してみても、驚くべき数の「検定」に関する記事やHPが出てくる。特に趣味の分野では、「映画」、「コーヒー」、「時刻表」、「世界遺産」、「漢字」、「世界の麺」、「自動車」、「エンタ!」などに加え「京都」、「アロハ」などのご当地検定など、こんなものまでと驚くカテゴリーが検定対象となっている。少し昔までは、いろいろな分野に「国家認定・検定」という制度があって、業界団体、天下りというマイナス面もあったが、主に技能系を中心として、一定の基準をクリアした技能スキル保有者を送り出していた。その後、「行政改革」の一環として必要最低限の資格を残して、かなりの部分が「国家検定」から「民間検定」に移行した。しかし最近は、趣味の多様化、高齢化社会、生涯学習の普及を反映してか、先にあげたような各種の「検定」がブームである。

かくいう私も、そのブームにまんまと乗せられて、検定を受けた一人である。レコード検定協議会のCD検定である。協会のHPにはこんなことが書いてありました。

『日本のレコード文化は世界にまれにみる発展を続けてきました。エジソンが発明した音を記録する技術は世界中に広がりましたが、レコードを文化として日本ほど高めた国はありません。
それは世界からクラシック・ロックなど西洋音楽を取り入れると共に日本固有の伝統的な音楽と融合させ新しい日本の音楽を創りだしてきたからです。日本人の豊かな感受性と共に世界をリードしてきた録音やオーデイオ機器の技術が世界に誇れるレコード文化を形成してきたことに違いありません。
音楽CD検定は 日本初の音楽CDの総合分野を対象とする検定試験です。熟年~団塊~の世代が経験、体験してきた音楽を題材として検定を設け、マスターディプロマ認定取得者が、レコード文化を通じて社会貢献や熟年起業できることを目指します。・・・』

熟年起業は、さておいても、40年間、「人生のBGM」として、私が聴いてきたJAZZとはどのような音楽であったのかということを、少し系統だって勉強したくなったこと、40年間の蓄積が、客観的にどの程度のレベルのものかを知りたくなったこと、この二つが検定を受けた大きな動機でした。検定試験は結構難しかったのですが、結果は「ジャズ部門 1級ディプロマ合格」ということで、家族への面目も一応保てました。

これを、金銭的な側面からみると、まずテキストが上下巻で5,000円、葉書による2級検定合格のあと1級を受験するのであるが、サブテキストが上下巻で3,200円、受験料5,000円、合格語の登録料が10,500円と、受験のための交通費は別で、ここまでに23,700円の投資をしているのである。このあと講座開講などが出来るマスター認定を取得、(財)日本余暇文化振興会の会員資格を得ようと思えば、さらに70,000円程度の費用が必要である。
この費用が、高いか安いかは別の議論を待つとしても、単に、シニア層を購買層としてのみ捉えるのでなく、その知識・経験に一定の客観的評価を与え、社会的活動や起業を促すという趣旨には大いに賛同できると思う。このような多方面にわたるキャリアやノウハウを持ったシニアたちをNETWORKとして組織化し、地域でのいろいろな活動や、シニア層へのマーケティングに活かせることが出来るなら何か新しいものが生み出せるようにも思えるがどうだろうか。


1級検定試験に出るかもしれないジャズ歴史的名盤、マイルス・デヴィスの軌跡から。
ハードバップと呼ばれるジャズのスタイルを確立させた歴史的アルバム、「'Round About Midnight」。この曲の作曲でセロニアス・モンクの名も不滅のものとなった。

ラウンド・アバウト・ミッドナイト

マイルス・デイビス / ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル



「Miles Davis Quintet - 'Round Midnight (1956 Columbia Records Version)」  Personnel: Miles Davis (trumpet), John Coltrane (tenor sax), Red Garland (piano), Paul Chambers (bass), Philly Joe Jones (drums)

          



彼が確立し、ジャズの中心的なスタイルとなったハードバップに飽き足らないものを感じた、マイルス・ディヴィスは、音楽の一新を計るべく、ジャズの演奏原理に「モード」と呼ばれる新しい音楽理念を導入した。そのときに作ったのがこのアルバムである。この「モード」奏法が今日のいわゆるJAZZの演奏スタイルである。

Kind of Blue

Miles Davis / Sony International



前衛芸術のようなアルバムで、一般的音楽感覚の人は聴いているのが辛いかも知れないが、エレクトリック楽器や機材を多用し、ロックともJAZZともとれる新しい世界を創出したアルバム。

Bitches Brew

Miles Davis / Sony Jazz


[PR]
by knakano0311 | 2007-11-01 15:04 | マーケッターとしてのシニアから | Trackback | Comments(0)