大屋地爵士のJAZZYな生活

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マーケッターとしてのシニア考(9)    ~ ヒット曲の定義 ~ 

少し古くて恐縮だが、朝日新聞の記事によると、音楽産業界で最も重要な指標である、「ベストセラー」、「ヒット曲」という定義がどうも揺らいできているらしい。昨年のヒット曲といえば「千の風になって」を思い浮かべる人が多いはず。事実シングルCDでは唯一のミリオンセラー。でも、もう一つのミリオンシングルがあったのをご存じですか。携帯電話向けに音楽配信された新人バンドGReeeeNの「愛唄(あいうた)」だそうだ。この歌を知っている団塊の世代、中高年層はほとんどいないといっていいだろう。事実、私もグループ名も曲名も今もってまったく知りません。

さらに、記事を引用すれば、この「愛唄」は04年に始まった音楽配信サービス「着うたフル」で初めて100万回のダウンロードを記録したそうだ。「着うたフル」というのは、曲の一部である「着うた」に対し、「フル」は一曲丸ごとの完全版である。「千の風」はオリコンのシングルCDチャートこそ年間1位だが、「着うたフル」では配信されていない。一方、「愛唄」はCDチャートでは、24位である。さらに、宇多田ヒカルの「Flavor Of Life」という曲は、CD2位、フル3位である。しかも、このCDは、昨年のゴールドディスク大賞で年間1位シングルに選ばれた。
こうなってくると大きな疑問が湧いてくる。「千の風になって」、「愛唄」、「Flavor Of Life」のうちで、どれが昨年最大のヒット曲なのか?

オリコンの社長小池氏は「もちろん千の風です」と答えは明快だ。「何故千の風か?」、小池氏の見解はこうである。「本当に好きなアーティストの音は手元に形として持っておきたいもの。シングルヒットはアルバム購入の道筋をつけ、ひいてはアーティストへの忠誠度を高める役目を果たしてきた。配信はまだ宣伝道具の域を出ていないのではないか・・・。」

だが、一方でこんなデータもある。日本レコード協会によると、昨年のCDシングル生産金額は前年比92%の469億円、一方で配信シングル(パソコン含む)は右肩上がりの383億円。1000円を超えるCDに対し、フルは1曲300~400円ほど。枚数にあたるダウンロード数ではすでに勝っており、金額も08年に逆転するかもしれない。シングル曲の流通手段として、配信がCDに肩を並べる存在になったといえる。

さらにこんな例はどう考えたらいいのだろうか? 昨年、洋楽で人気曲となったR&B歌手「ニーヨ」の「ビコーズ・オブ・ユー」は「着うたフル」で約20万ダウンロードされたにもかかわらず、シングルチャートに名前が出てこない。理由は、CDを出していないからだ。CDを出していない、配信だけの歌手が現実に存在するのだ。

携帯電話の技術革新により、音楽配信は急成長した。電車の中でも、i-Podのような音楽端末でなく携帯電話でダウンロードした配信音楽を聞いている若者が急速に増えたような気がする。洋楽のCD一枚2500~3000円であることを考えると、年金生活者である私自身も、そう頻繁に買う訳にも行かなくなってきたことも事実で、音楽サイトで試聴した上で、気に入った曲のみを買うというPCでの音楽購入(配信)も最近多くなってきている。この場合150~200円/曲なので、CD購入に比べ、かなり安上がりである。勿論、愛用のi-podにダウンロードも出来、CDへバックアップすることも出来ます。

このようにCD、配信など流通の多様化、多極化がさらに進めば、ヒット曲、ベストセラーの定義は曖昧となり、ぼやけてくるであろう。今後の配信とヒット曲の行方について、音楽ジャーナリストの津田大介氏は「“携帯で音楽を聴く”という行為がはやっているだけで、音楽文化を豊かにはしていない。 80年代まで所有するものだった音楽は、90年代以降、消費財の一面を強めていった。配信でそんな音楽の“聴き捨て文化”が加速している気がする。時代のヒットとはランキングといったデータではなく、むしろ音楽体験の記憶から語り継がれていくものではないか」 と危惧している。

さすれば、数百枚のCDを抱え、収納場所の問題から「i-pod」をメインのハードとして選択し、「所有する音楽」から離れられずにウロウロし、JAZZをBGMとしながら、自分の生活や過去の人生と照らし合わせている、この私のブログの存在意義も多少あるのかなあと意を強くする。

いわゆる時代を映す「ヒット曲集」から「R35」。「SAY YES」、「TRUE LOVE」など、90年代前半のトレンディ・ドラマを飾った美しいラヴ・バラード集。私より大分若い世代層を対象にしています。「バブル期の思い出のヒットアルバム」といってしまえば、みもふたもありませんが・・・・。最近、新聞の広告なんかに「もう一度妻を口説こうか」とかいうこのCDのコピーがでていますが、そういわれても私は戸惑うばかりですが・・・。

R35 Sweet J-Ballads

オムニバス / ワーナーミュージック・ジャパン



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【追記】

本5月21日(水)「Prisoner Of Love」をDVD付CDシングルとしてリリースした宇多田ヒカル。すでにドラマ『ラスト・フレンズ』主題歌としてアルバム収録曲ながらデジタル配信でも爆発的にヒットを続けてきたこの曲が早くも累計150万ダウンロードを突破したことが明らかになった
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by knakano0311 | 2008-04-29 23:44 | マーケッターとしてのシニアから | Trackback | Comments(0)

もしもピアノが弾けたなら(5)   ~ イタリア式恋愛術(2) ~

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(斜塔をふくむピサの大聖堂)


さらに甘い甘いピアノ・トリオはないかというお尋ねをいただきましたが、勿論ありますよ。「ダニーロ・レア・トリオ/Danilo Rea Trio」。ニニ・ロッソ(なつかしい~~!)の来日時のバンドのピアニストを務めたというから、その甘さは期待できますね。その「ダニーロ・レア」のリーダー・アルバムで、「カタリ・カタリ」、 「サンタ・ルチア」 、「帰れソレントへ」などのナポリ民謡やイタリアの美しいラブ・ソングを集めたアルバム「Romantica」がまずオススメ。ラテン系であるイタリア音楽の持っている情熱と哀愁がひしひしとつたわってくるようなエモーショナルな演奏を堪能できる一枚。アルバム最後の曲は、なつかしのトランペッター、ニニ・ロッソへのオマージュ「夜空のトランペット」で、抒情あふれる見事なJAZZで締めくくられる。

ロマンティカ
ダニーロ・レア・トリオ / / ヴィーナス・レコード
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「Danilo Rea - Torna a Surriento (帰れソレントへ)」

          

そして、フィラデルフィア出身でアメリカで活躍しているが、名前からして「ムンムン・ムキムキ」のれっきとしたイタリア男のDNAを持つ「ジョン・ディ・マルチーノ」率いる「ロマンティック・ジャズ・トリオ」。それにしても「ロマンティック・ジャズ・トリオ」とは、なんというバンド名だろうか。「くさあ~~~ぁ!」という声が聞こえてきそう。しかし、中身はちっともくさくないのだ。大変甘いのだ。「ジョン・ディ・マルチーノ」は、シモーネのピアニスト兼アレンジャーで、彼女のアルバムのバックも勤め、その甘さはすでに折り紙付きである。(「第7回 秘密の花園」参照) 

次におすすめする2枚のCDは、いずれも人気があり、よく知られている、いわゆる「いい曲ばかり」を中心に集め、やはりラテン男のDNAが呼ぶのか、日本人好みの哀愁漂うラテンの名曲などを混ぜ、スウィート&スウィート、そしてちょっぴりビターなアルバムに仕立て、美しい演奏で我々を魅了くれる。

このJAZZは、肩肘張らずに、恋人と過ごす時間や、日々の生活の傍らにおいて、時折甘さが必要なときに楽しむべきJAZZアルバムといえるかもしれない。とはいうものの決してイージーに軽く流している演奏ではない。イタリア男が、真剣に「イタリア的甘さ」と取り組んだまともなJAZZアルバムである。「これからJAZZピアノでも・・・」という人には、間違いなくおすすめできる、私も愛聴しているアルバムである。

甘き調べ(紙)
ロマンティック・ジャズ・トリオ / / ヴィーナス・レコード
ISBN : B00078RQDE
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ソー・イン・ラブ(紙ジャケット仕様)
ロマンティック・ジャズ・トリオ / / ヴィーナス・レコード
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前回とこの回で紹介したうちアルバムのほとんどが、ヴィーナス・レコードよりリリースされている。思わずジャケ買いをさせてしまうオヤジ好みの過激なジャケットといい、オヤジ好みの曲目選びといい、オヤジ好みの演奏の甘さ加減といい、ほとほとヴィーナス・レコードのマーケティングのうまさには感心しますね。

ただし、これらのアルバムを決して一度に全部聴かないように注意してください。間違いなくJAZZ的糖尿病になりますよ!

そして、とどめのデザートは、ビターな隠し味が効いた、ジョヴァンニ・ヴェロネージ監督の映画「イタリア的、恋愛マニュアル」を味わってみたらどうでしょうか。
世代が変われども誰もが経験するであろう愛の姿を、4組のカップルによる4章仕立てのオムニバス形式で爽やかに描く大人のロマンティック・ラブストーリー。甘い恋の中に潜む人生の真実のほろ苦さ、そんな人生の哀歓を綴った4つのエピソード。この映画は2005年のイタリア映画祭で上映されたが、そのイタリア映画祭は、今年も有楽町でゴールデン・ウイークに開催されるという。


イタリア的、恋愛マニュアル

Happinet(SB)(D)


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by knakano0311 | 2008-04-26 13:40 | もしもピアノが弾けたなら | Trackback | Comments(0)

もしもピアノが弾けたなら(4)   ~ イタリア式恋愛術(1) ~

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(フィレンツエの丘からの眺め)

イタリアでピアノが発明されたから、今年で丁度300周年なんだそうだ。それを記念して、「もしもピアノが弾けたなら ~JAZZピアノの旅」を、まずは、北欧JAZZについで今日本で熱いといわれているイタリアン・ジャズ、イタリアン・ジェラードよりも、あまいかも知れないイタリアン・ジャズから始めようと思う。

かって映画少年だった頃、早熟にも恋愛映画は、イタリア映画かフランス映画だと決めていた。意味もよく分かっていないのに、「フェデリコ・フェリーニ」の「甘い生活」や、主演のマストロヤンニなどについて、浅薄な能書きをたれていたようにも思う。たぶん退廃の真の意味などまるでわかっていなかったのに。しかし、アニタ・エクバーグのあの圧倒されるグラマラスな肢体と、有名なトレビの泉のシーンは克明に覚えている。「刑事」、「二人の女」、「鉄道員」、「山猫」、「イタリア式離婚協奏曲」、「ひまわり」・・・・・あまたのイタリア映画に人生を教えてもらったような気がする。そのイタリア映画にオマージュとして捧げたピアノ・トリオのアルバムがある。

「アンドレア・パガーニ・トリオ Andrea Pagani Trio/イタリア物語」。
イタリア・ローマ生まれ。我が国でも今注目のジャズ・ピアニストのひとりで、現在35歳。『イタリア物語』は、おなじみの名画『甘い生活」』『ゴッドファーザー』『海の上のピアニスト』~『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『刑事』『旅情』からのナンバーを中心に12曲を収録。彼のイタリア(人)映画に寄せる想いが溢れた素晴らしい演奏を聞かせてくれる。ジャズ・アレンジを施したイタリア国歌「イタリアン・ブラザーズ(Fratelli D'Italia)」の史上初演奏も注目。甘くて華麗な演奏は、かって見たイタリア映画の名場面とイタリアで見た数々の名所旧跡を偲ばせる。

イタリア物語

アンドレア・パガーニ・トリオ / ポニーキャニオン



私が知ったかぶりをして能書きをたれていた映画「甘い生活」の原題は、「La Dolce Vita」、フィレンツエに同名のJAZZクラブがあるというので訪ねてみたが、若者がたむろし、ただうるさいだけのクラブで、早々に退散した。

甘い生活 デジタルニューマスター版
/ 東北新社
ISBN : B0009J8KAO
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さて、本題に入りましょう。モテモテのイタリア男のアルバムから、サブタイトル「イタリア式恋愛術」にふさわしい恋・愛をテーマにしたアルバムを選んで見ました。
ヨーロッパ期待のイケメン・ピアニスト、現在35歳の「ステファノ・ボラーニ/stefano bollani」。2002年10月に発売されるやいなや話題となったのが、日本デビュー盤「ヴォラーレ」。それに続くヴィーナスレコード第5弾のアルバムが、「恋の気分で」で、スタンダード曲を中心に構成。1999年にジャンゴ・ラインハルト賞を受賞したというだけあって、そのイケメンぶりだけではなく、十分な実力も備え、ヨーロッパでは相当な人気を集めているという。演奏は、2曲目「Cheek To Cheek」に代表されるように、スインギーなリズムの流れの中で奔放ともいえる自由自在なアドリブを展開する。一転3曲目の表題曲「I’m In The Mood For Love」では、かわいらしく弾むような、甘くて小粋なピアノを聴かせる。

恋の気分で

ステファノ・ボラーニ・トリオ / ヴィーナス・レコード



そして、彼のイケメン振りを確かめたければ、第2弾のアルバム「黒と褐色の幻想」のジャケットを見てください。第1弾「ヴォラーレ」がイタリアン・ソングを集めたのに対し、アメリカン・スタンダード中心のアルバムであるが、そこにたぎるラテンの情熱は隠しようがない。

黒と褐色の幻想(紙ジャケット仕様)
ステファノ・ボラーニ・トリオ / / ヴィーナスレコード
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「Stefano Bollani Trio - La Ultima Noche」

          


もともと歌手になることを夢見てピアノを始めたというステファノ・ボラーニ自身が「口説き歌?」を歌っているアルバムがあります。「けれど恋は」。「ヒアズ・トウ・ライフ」、「アリベデルチ」や「ほほにかかる涙」など、カンツォーネやポピュラー・ソングを中心にした選曲で、低音でささやくように、告白するかのように弾き語る、まさにこれは「口説き歌」。しかしこのモテモテ男、いろいろやりますねえ!歌手を志したというだけあって、お遊びではなく、新しいスタイルのジャズ・ヴォーカル・アルバムになっているのが憎たらしい。「JAZZピアノ、男性ボーカル、イケメン」の3点セットで女性ファンへおすすめのアルバム。

けれど恋は

ステファノ・ボラーニ・トリオ / ヴィーナスレコード




次は帯にいわく、「イタリアンジャズピアノの巨匠、イントロの魔術師、本邦デビュー・アルバム」。「レナート・セラーニ・トリオ、Renato Sellani Trio/マイ・フーリッシュ・ハート」。
ちょっと危ないジャケットに包まれたこのアルバム、「ベサメ・ムーチョ」、「マイ・フーリッシュ・ハート」、「ソー・イン・ラブ」、「星影のステラ」、「マイ・ファニー・バレンタイン」など曲名を聴いただけで口の中が甘くなるようなスタンダード集。しかし帯に言うだけあってそのイントロはどれも凝ったアレンジである。「レナート・セラーニ」は1927年1月生まれの81歳のご長寿ピアニスト。その爺さんがこんな甘い流麗なピアノを弾くとは、さすがイタリア男は侮れませんね。

マイ・フーリッシュ・ハート

レナート・セラーニ・トリオ / ヴィーナス・レコード



「Renato Sellani Trio - So In Love ~ I Love You」

          


「トスカーナの休日」とならんで、我々夫婦をフィレンツエへの旅へと誘ったもう一つの映画は「眺めのいい部屋」であった。
20世紀初頭、まだ封建的思想の色濃いイギリスの上流階級の令嬢が、フィレンツェ旅行に赴いた際、情熱的な青年と恋に落ちていく。しかし帰国後、彼女は名門の紳士と婚約するはめになり…。恋に揺れる女性の心理状況が、美しい映像で繊細に描かれた佳品。きっとイタリアには人を恋に駆り立てる何かがあるのでしょう・・。

眺めのいい部屋 <完全版>
/ ハピネット・ピクチャーズ
ISBN : B00009PN1D
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by knakano0311 | 2008-04-24 17:03 | もしもピアノが弾けたなら | Trackback | Comments(0)

我が家の歳時記 ~ 武田尾の山桜 ~

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サクラは植物学上、バラ科、サクラ亜科、サクラ属の落葉高木または低木の樹木です。日本にはヤマザクラ、オオシマザクラなど9種を基本にして、変種をあわせると100以上のサクラが自生しており、これらから育成された園芸品種は200以上もあります。(財団法人 日本さくらの会 HPより)

「染井吉野」は、江戸時代の末期に江戸染井村(現在の東京都豊島区)の植木屋から「吉野桜」と名づけて売り出され、その後、本家吉野のヤマザクラとまぎらわしいということで「染井吉野」と改名されたそうです。葉より先に花が咲くので華やかに見える、環境に強いので育てやすいなどの理由で一気に日本中に広まったらしい。

宝塚から武庫川渓谷をJR福知山線の廃線沿いに入った武田尾近くに、桜博士と呼ばれ、水上勉の小説「櫻守」のモデルとなった故・笹部新太郎氏の「桜の園」と、「亦楽(えきらく)山荘」があった跡地をいまも地元の人たちが整備して守っている場所があります。(「我が家の歳時記~武田尾・廃線の紅葉ハイキング~」参照) 去年紅葉の時期に訪れて、櫻の時期にまた訪れてみようと思い、行って来ました。

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「桜の園」は、観光や人に見せるために櫻を植えたのではなく、日本古来の山桜の種が絶えるのを憂えた笹部氏が、昭和40年代ごろまで桜の研究に使用した演習林で、面積は約40ヘクタール。全国から集めた山桜を接ぎ木するなどして丹念に植栽し、桜の本数は5千本を超えたとも言われている。昭和53年に笹部氏が亡くなったあと、市や地元の人たちが、桜の園を遺族より買い受け、森林や遊歩道整備などを実施し、廃線後も地元の「桜守」たちが「桜の園」を守り、廃線沿いに、桜を植え、今も守り、春は桜、秋は紅葉の名所となっている。
演習林のため、一箇所に固まって櫻があるのではなく、自然のままにあるがごとく、山全体に点在している。従って観るためには、山を登らなければならず、その辺が普通の「花見」とはちょっと違う。しかし、染井吉野とはすこし趣が違う、凛とした山桜を見ると、山を登ってきた苦労も忘れるほどである。


櫻に由来する小説は沢山あるが、まず櫻の園をモデルとした水上勉の小説「櫻守」。

櫻守 (新潮文庫 み 7-9)
水上 勉 / / 新潮社
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そして、最近はすっかり「山本周五郎」の後継者と目されている「藤沢周平」の「山桜」が所収されている「時雨みち」。

時雨みち (新潮文庫)

藤沢 周平 / 新潮社






ちなみに、「山桜」は、篠原哲雄監督、東山紀之、田中麗奈主演で映画化され、5月に公開される予定である。「さらば、我が愛 覇王別姫」で「いもたこなんきん」入りした??「東山紀之」主演となれば、これはぜひ見に行かねば納得しないであろう。そしてこの映画の主題歌は、「一青窈」がうたう「栞」で、これは最新のアルバム「Key」に収録されている。

Key(DVD付)

一青窈 / Columbia Music Entertainment,inc.( C)(M)





吉野に住んで孤高の歌人といわれ、つい先日他界した歌人「前 登志夫」氏の代表作から。

   山櫻 そのひとつだに 伐(き)らざりき いさぎよく 山の家 棄てざりき
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by knakano0311 | 2008-04-18 11:49 | 我が家の歳時記 | Trackback | Comments(0)

「女だてらに・・・・」

「自転車の二人乗りを、警官に注意された中三女子生徒が、注意した警官にけり、唾吐きなどの暴行を加え、公務執行妨害の現行犯で逮捕された。」とのニュース。決して容認できる行為ではないが、むしろその勇気というか、怖いもの知らずの行為にびっくりしてしました。多分、とても私には出来ませんね。このニュースを聞いて、かって母親が新聞やTVのニュースを観てよく言っていた「女だてらに・・・・」という言葉を思い出しました。「女だてらに・・・・」、この言葉、いまではすっかり死語になりましたね。いろいろの事件、ニュースで次々と主役となって登場する女性たち、街を勇ましく闊歩する若い女性たちを観ていると、まだ私たちの世代の頭の片隅に残っている、「女だてらに・・・・」という価値観はすっかり過去のものになったと感じます。

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JAZZの世界でも、「女だてらに・・・・」という価値観を時代遅れにしてしまうような流れが、大分前から、はっきりと見えてきています。勿論、もともと音楽に性別による区別けなどあるはずもない訳ですが、JAZZの場合は、黒人音楽にルーツをおき、かっては、酒、麻薬、女などにおぼれるプレイヤーが多く、退廃芸術の象徴とみなされてきた側面があったことも、この世界に女性がなかなか近づけない理由の一つだったかも知れない。しかし、昨今の女性のJAZZファンの増加を見ると、むしろ音楽のジャンルとして健全な成長を遂げていると思えるし、そのことは喜ばしいことである。日本でも、新人女性JAZZアーティストの相次ぐ登場は、ブームに拍車をかけているようにも思える。ピアノやボーカルは当たり前、ヴァイオリンの寺井尚子でもかなりポピュラーとなり、綾戸智恵は、いまや「おばさんたちの星」である。

ウッド・ベースを弾きながら金髪をなびかせ歌う「ニッキ・パロット」(師走に見つけたBeauty On Bass ~Nicki Parrott~」参照 )にも驚嘆したが、毎週金曜日の夜、NHK神戸放送局がニュース枠の中で、ライブでJAZZを放映しているが、ローゼンバーグ風ジプシー・スイング・トリオで女性がウッド・ベースを弾いているのを先日観て、私のほうが認識が遅れているとしらされた。

さて、日本で今後期待される、非ボーカル、非ピアノの若い「じゃじゃ馬ならぬ、JAZZウーマン」を紹介してみよう。まずは、アルト・サキソフォンの矢野沙織。
小学校のブラスバンドでアルトサックスを吹いていたが、6年生でチャリー・パーカーを聞いてJAZZに目覚め、14歳で「ビリー・ホリデイ」の伝記を読み、同じ年齢でビリーがすでに生活のため、ライブハウスに出演していたことを知ってから、都内のライブハウスに片っ端から出演したいと電話をかけた交渉したという。そのガッツ、根性に感心するが、音楽性に関しても、彼女は、20歳にして正しいビ・バップの継承者に思えるのだ。

Groovin’High
矢野沙織 / / コロムビアミュージックエンタテインメント
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トランペッターの「市原ひかり」。 2005年のデビュー時は若冠22歳。2ndアルバムは、名うてのミュージシャン、ルイス・ナッシュ(D)、グラント・スチュアート(Sax)、ドミニク・ファリナッチ(Tp)らとコラボしたニューヨーク録音の「サラ・スマイル」。CDのレビューを読むと「完全に対等に渡り合っている」という絶賛する評価と、「彼女のトランペットには何ものってない。まるで練習を聴いてるよう」という最悪の評価とが混在する。評価は各人好き好きに任せればいいのだが、20歳代の女性が、これほどのビッグネームと渡り合いながら、JAZZに挑戦していくその生き方には共感を覚え、拍手したくなる。

サラ・スマイル
市原ひかり / / ポニーキャニオン
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そして、浪花の熱血ギター娘、「安達久美」。兄の影響で11歳のときにギターを手にしてから、のめりこんだという。元T-スクエアの則竹ら手練れからなる「クラブ パンゲア」を従えての2ndアルバムは、「WINNERS!」。米国の音楽学校に留学したり、大物バンドのライブで押しかけセッションをしたり、こちらもその突貫振りはたいした物。この新作アルバムは、サンタナの「哀愁のヨーロッパ」も収められており、ロックおやじも、JAZZオヤジも釘付けのパワフルなサウンドに満ちている。

WINNERS!

安達久美クラブパンゲア / ビデオアーツ・ミュージック



「Winners ! - Adachi kumi club Pangaea」

          

それにしても、若手男性JAZZスターの不作が叫ばれてから久しいが、「男だてらに・・・」なんて言葉がまさか復活しないでしょうね・・・。

男顔負けのスーパー・アクション・ヒロイン。これは映画の世界ではよくあること。日本では、昭和40年代前半の「緋牡丹博徒」シリーズの「矢野竜子」こと、「お竜さん」の「藤純子」(いまの富司純子)や「極道の妻たち」シリーズなどがその代表格か。洋画では、「イーオン・フラックス」、「キル・ビル」、「ツーム・レイダース」、 「バイオハザード」、「ウルトラ・ヴァイオレット」など枚挙に暇がない。しかし、そのルーツはエイリアン・シリーズ、特に「エイリアン2」にあるのではないかと思う。「シガニー・ウィーパー」扮するリプリーが、パワーアシスト・スーツに乗り込み、「カムオーーーーーーーン!!」と叫んでエイリアンに立ち向かっていく様は惚れ惚れするほどカッコよかったなあ。

エイリアン2 完全版
/ 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
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by knakano0311 | 2008-04-16 15:30 | おやじのジャズ | Trackback | Comments(0)

蜷川版「さらば、わが愛 覇王別姫」を観て・・・

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(公演パンフレットより)

久し振りに芝居を観てきました。話題の芝居、蜷川幸雄演出、東山紀之主演「さらば、わが愛 覇王別姫(はおうべっき)」です。東山紀之が主演というミーハー的な興味も勿論あったのですが(妻のいもたこなんきん的動機のほとんどがこれか?)、私は、これまでに観た中国映画で間違いなく5本の指に入ると思われる同名の中国映画があり、それをどう蜷川が舞台劇として見せてくれるのか、多大なる興味があったからです。

映画「さらば、わが愛 覇王別姫」。チェン・カイコー監督1993年の中国作品で、同年のカンヌ映画祭パルム・ドール賞、ゴールデン・グローブ最優秀外国語映画賞など数々の映画賞の受賞作である。
開放改革後の間もない中国にあって、これほどの映画が創れたとは!と誰もが驚嘆し、絶賛した映画であり、私もその一人に他ならない。

日中戦争~文化大革命という、激動の時代の中国に生きた京劇俳優の程蝶衣と段小樓。女形の蝶衣は段小樓を愛していたが、彼は娼婦と結婚してしまう…。戦争や革命が、京劇という芸術の世界も侵しつつあった時代を背景に描かれる、愛と演劇を貫くふたりの男たちの愛憎のドラマ。段小樓を愛しながらも、その愛を得ることができず、苦悩する程蝶衣を演じるは、レスリー・チャン、段小樓と結ばれる娼婦はコン・リー。

さらば、わが愛 覇王別姫

アスミック




蜷川演出による初の舞台化作品で、程蝶衣を初の女形で挑戦する東山紀之 。段小樓は遠藤憲一、段小樓と結ばれる娼婦・菊仙を木村佳乃が好演。そして京劇の権威、袁世卿を「東山をベッドに連れて行くことができる俳優として他に想像できなかった」と蜷川が語る、西岡徳馬が演じている。蜷川演出は、中国の歴史、京劇の伝統、権力の変遷という太い3本の縦糸に男女の愛憎をからめ、原作映画のストーリーを忠実になぞっているが、映画よりも、程蝶衣の愛するがゆえの心の悲しみに強く焦点をあてている。幕間などのストーリーを中断するような間や休憩を取らず、クライマックスまでの2時間をまったく長いと感じさせない演出はさすがであった。また映画と違って、音楽劇という形式をとっているが、歌手の東山の歌唱力を活かすのがその動機であったかもしれないが、京劇のきらびやかな衣装や世界を際立たせる一方、男同士の愛憎、三角関係という生々しい世界にうまくベールを掛け、豪華絢爛さと愛の悲しみを両立させた演出として成功しているように思える。ただ、映画がチェン・カイコー監督の体験に基づく文化大革命の恐怖や大衆の狂気、歴史の非情さを描いている歴史叙事詩としての色合いはかなり薄れてしまっている様に感じた。

いずれにせよ、この日をもって、妻の「いもたこなんきんメニュー」が間違いなく一つ増えました。

それにしても、多分その日のお客さんの99%は女性。「恐るべしジャニーズ・パワー!」を実感。
     
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by knakano0311 | 2008-04-13 18:39 | いもたこなんきん | Trackback | Comments(0)

フェスティバルホール一時閉館に思う

朝日新聞記事によると朝日新聞社大阪本社やフェスティバルホールの入る中之島のビル3棟を超高層ビルに立て替えるため、フェスティバルホールは、1958年の開館から丁度50年経った今年の年末にいったん幕を降ろすという。

振り返れば、MJQ、越路吹雪、ナット・キング・コール、ナルシソ・イエペス、綾戸智絵・・・幾多のいろいろなジャンルの音楽家たちのコンサートをここで聞いて感動もした。入社当時はお金もあまりなく、たしか3階の奥の一番安い席で、越路吹雪のリサイタルを聞いて感動したことを今でも覚えている。(「心のお遍路さん  ~ シャンソンによせて~』参照)ホールの音響特性は、カラヤンに高く評価されたほどで、世界に通用するレベルであるという。そのため3階の奥の席でも、越路の息づかいや繊細なピアノのタッチもあまさず聞こえたような気がする。

2013年ごろ、新ホールは、その音響特性を継承し、より豊かな響きを生み出す最新設備と、現在と同じ2700席を備えた新しい「音楽の殿堂」として生まれ変わる予定だそうだ。

クラシック・ファンでないので私は行くことはなかったが、開館当時から毎年行われている「大阪国際フェスティバル」など、いままで大阪の地で数多くの良質の音楽環境を提供し、音楽ファンを育ててくれたことに感謝。

さて、フェスティバルホール開館の年に産声を上げ、いまやフェスティバルホールでのコンサートの常連となったのは「歌う吉本」こと「綾戸智恵(智絵)」。遅まきのデビュー10年、御年50歳を記念したアルバムが出た。ますます元気、パワー全開、いまや中年おばさんたちの星。

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綾戸智恵 / インディーズ・メーカー


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by knakano0311 | 2008-04-10 09:43 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

継ぐものたち・・・・・・

新入社員、新入生の季節です。電車ですぐそれと分かるいささか緊張した面持ちの彼・彼女らをみると、40年近く前のあの頃の緊張感が甦ってきます。
(財)社会経済生産性本部というところから毎年、今年の新入社員のタイプについての命名が発表されます。これは昭和48年以来30年間にわたり、坂川山輝夫氏が命名されてきたものを平成15年度から引き継いで命名及び発表を行っている。

ことしの新入社員のタイプは「カーリング型」だそうである。その心は、「磨けば光るとばかりに、育成の方向を定め、そっと背中を押し、ブラシでこすりつつ、周りは働きやすい環境作りに腐心する。しかし、少しでもブラシでこするのをやめると、減速したり、止まってしまったりしかねない。」ということだ。伸びるのも止まるのも伯楽次第ということか。最近は、先輩たるその伯楽のほうが怪しいというか手本にもならない例が多いことは最近の報道を見れば明らかであるのもむなしい思い。HPには、昭和48年以来のタイプの一覧があるので、自分の入社したときの命名を調べてみるのも一興か。(私は44年なのでありませんが・・・)

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さて、デビュー当時から注目してきた二人の女性シンガーが相次いで新アルバムをリリースした。
「Lizz Wright/リズ・ライト」。まだ20歳そこそこのジョージア州出身の女性シンガーであるが、デビュー作「ソルト」、第二作「ドリーミング・ワイド・アウェイク」とゴスペル、ソウルの薫りに満ちたアルバムで一躍注目された。牧師の娘で、幼少よりゴスペルに親しんできたため、彼女にとっての音楽の原風景はゴスペルにあるという。最新作「オーチャード~禁断の果実」が彼女の本領が発揮された出色のできばえのアルバムである。1曲目の「Coming Home」から、彼女の独特の深みのある歌の表情は、引き込まれてしまう魅力に溢れている。プロデューサーは、N.ジョーンズ、C.ウィルソンを手がけたクレイグ・ストリート。まさしく名伯楽でLizzの内面を見事に引き出すことに成功している。
ソウル、ジャズ、R&B、ゴスペルといった豊富な素材を見事に料理したこのアルバムは、カサンドラ・ウィルソンを彷彿とさせる。まさしく、彼女を継ぐであろうシンガーの誕生といって良いだろう。三作目にして本領発揮。ソウル、ブルース大好きのJAZZファン!これは買いですよ!

The Orchard
Lizz Wright / / Verve Forecast
ISBN : B000Y14TXO
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オーチャード~禁断の果実
リズ・ライト / / ユニバーサル ミュージック クラシック
ISBN : B000YY6696
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私は輸入盤のほうが安いのでそちらを購入しましたが、日本盤との違いは、日本盤には更なるボーナストラックがついているとありましたが、輸入盤も曲リストに載っていないだけで、最後13曲目に隠しでばっちり入っていました。さすれば歌詞カードとお宝映像だけか違いは・・・・・。

「Lizz Wright - Leave me standing alone」

        



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さて、「Lyambiko」。2002年にリリースされたデビュー作『Out Of This Mood』で一気に注目された、アフリカ系にルーツを持ち、JAZZ不毛?のドイツで活躍の女性シンガー、「リャンビコ」。最新の6枚目のアルバムは、ニーナ・シモンが主にレパートリーとしていた楽曲をカバー、ニーナへのオマージュとなっている。「行かないで」、「悲しき願い」、「Feeling Good」に続き「Black Is The Colour Of My True Love’s Hair」で魅せる抜群の歌唱力。圧巻は皮膚の色の違う4人の女性を歌ったポリティカル・メッセージ色の強い「Four Women」は、ニーナ・シモンに肉迫するかのような説得力と魅力に圧倒される曲。アルバム・タイトルの「Saffronia」は、4人の女性の中の一人の名前である。抜群の存在感、歌唱力、そして個性を持った彼女のヴォーカルは、まさにニーナ・シモンを継ぐシンガー。

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リャンビコ/Saffronia


「Lyambiko-Don't Let Me Be Misunderstood」

          
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by knakano0311 | 2008-04-09 23:45 | ミューズたちの歌声 | Trackback | Comments(0)

一冊の本から謎が解けた・・・・ 

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一年前ぐらいから、家の近所にできた小さなお店が気になっていました。国道沿いの小さなお店で、立ち寄るには少し不便な感じ・・・。何のお店かよく分からなかったけど、「ロピスラボ」という覚えにくい不思議な店の名前がかすかに頭に引っ掛かっていましたがすっかり忘れていました。

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今年になってたまたま、妻がインテリアのお店で買い求めた一冊の本がありました。北欧の生活スタイルとその普段の生活で使われているおしゃれなものを紹介する「北欧のなつかしいモノ暮らし~白夜の季節のスウェーデンから」という本でした。なにげなく読んだその本の中に、スエーデンの蚤の市であるロピス(Loppis)を紹介する一文があり、それがかすかに頭に引っ掛かっていたお店のことを思い出すきっかけとなったのです。巻末の著者のプロフィールをみると、北欧雑貨店「ロピスラボ」の店主とあり、早速インターネットで調べると、まさに気にかかっていたそのお店でした。

ロピスラボ Scandinavian design shop + studio
HPの紹介によれば、「ロピスとは、スウェーデン語で蚤の市、ラボは実験室(研究室)ラボラトリーの意味です。スウェーデンの蚤の市で買いつけてきたヴィンテージ雑貨から、現地でも最新のスウェーデンデザインものまで、気ままなセレクトの雑貨店。・・・・・」とあり、きょうは満開の櫻散策の帰り道にお店を覗いて、気に入った皿と翌日の結婚記念日のプレゼントなどを買って、すこしハッピーな気分に・・・・。
スエーデン人と日本人の若いご夫妻による、スエーデンのスローライフな生活を彩るモノや道具の数々に溢れる暖かい素敵なお店でした。  (写真はHPより)

北欧のなつかしいモノ暮らしーー白夜の季節のスウェーデンから
道田 聖子 / / インターシフト
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オーナーのブログ「アネヒル日記」も若い女性のみずみずしい感性溢れたに素敵なブログ。


わたしが買い求めたのは、スエーデンの女性JAZZボーカルのCD、「ジャネット・リンドストレム/In the Middle of This Riddle ~この謎解きの途中で」。
しっとりとした優しいジャネットの歌声とあとをひくような繊細なバラード。
このCDは、一冊の本が導いた小さな「謎解き」とささやかな「発見と出会い」の今回のエピソードにふさわしいCD。

In the Middle of This Riddle
Jeanette Lindstrom / / Amigo
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別のアルバムからですが、「Jeanette Lindström with Steve Dobrogosz - Both sides now」。

          
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by knakano0311 | 2008-04-05 17:51 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

我が家の歳時記   ~ やはり花見は櫻かな ~

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(甘樫丘より畝傍山を望む)

さあ、今年も花見の季節がやってきましたね。現役時代は、花見といえば「夜桜」、それも「宴」付きが当たり前となっていましたが、定年後はじっくりと櫻を観る、それも「少し遠出をしてでも見たい櫻、もう一度観たい櫻を!」と思うようになりました。今年我々夫婦が期せずして一致した「見たい櫻」は「明日香・甘樫丘の櫻」。わたしは20数年前のこの櫻の季節に、まだ健在であった両親をつれて、この丘に登ったことがあり、そんな想い出から、「もう一度この甘樫丘の櫻を見たい」とおもい、妻はかって恩師や親友と飛鳥めぐりをしたことがあり、「櫻の季節に登ってみたい」と思っていたようです。久し振りの飛鳥、甘樫丘。期待したとおり、満開の素晴らしい櫻と大和三山を望む素晴らしい眺めであった。かって蘇我氏の邸宅があったといわれるこの丘一帯は、国営飛鳥歴史公園として見違えるようにきれいに整備されており、散策路の一部は、万葉の植物園路として万葉集、古事記、日本書紀にうたわれた40種類の万葉植物を観察しながら散策が出来ます。そんな散策路で覚えた、我々にもなじみのある万葉集に詠われた木や花の歌を早速あげてみます。

安治佐為の 八重咲く如く 禰つ代にを いませわが背子 見つつ偲はむ (橘諸兄);あじさい

わが園の の花か 庭に落る はだれのいまだに 残りたるかも (大伴家持);李/すもも

昼は咲き 夜は恋ひ宿る 合歓木の花 君のみ見めや 戯奴さへに見よ (紀女郎);ねむのき

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(橘寺と石舞台)

甘樫丘をくだり、天武・持統天皇陵~亀石~橘寺~石舞台古墳~岡寺~犬養万葉記念館~酒船石~飛鳥寺~水落遺跡 と約4時間の散策、前首相の魂胆みえみえのスローガンなどではなく、心から「美(うま)し国日本」を満喫した一日でした。

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禅、侘び寂びに代表されるように、千年以上に及ぶ日本の都として、日本独自の文化を育み、完成させ、それが凝縮した京の都。中国からの政治、文化、技術をとりいれ 新しい国づくりへのおおらかな息吹と情熱や、いたるところに大陸やアジアの色と匂いを感じさせる奈良の都。そして、日本人の心に訴えかけてくる「原風景」ともいえる飛鳥の、のびやかでゆったりとした風景。とりわけ私が飛鳥に心惹かれるのは、日本人として私の持つ「血脈」や「DNA」が、飛鳥にこよなくサウダージ、郷愁を感じさせるのかもしれない・・・・。


万葉集を愛し、全国の万葉ゆかりの地を生涯歩き続けた犬養孝。飛鳥には彼の功績を偲ぶ「犬養万葉記念館」があるが、万葉の入門書として、昭和48年にNHKで放送されたものを書にまとめた「万葉の人びと」あたりがおすすめか・・・。

万葉の人びと
犬養 孝 / / 新潮社
ISBN : 4101261016
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こんな飛鳥の春の、のどかな風景に包まれると、「芸能山城組」が、「刈干し切唄」、「わらべ唄」などの懐かしい日本の民謡をパフォーマンスする「やまと幻唱」を久し振りに聴いてみたくなった。

やまと幻唱
芸能山城組 / / ビクターエンタテインメント
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by knakano0311 | 2008-04-04 16:35 | 我が家の歳時記 | Trackback(1) | Comments(0)