大屋地爵士のJAZZYな生活

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消えゆく野生、残る野性

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先だっての梅雨明けの朝、いつもの山遊びのフィールドで、親子連れ4頭の野生の鹿を見かけた。この山に野生の鹿が多くいるということは、あちらこちらにころがっている糞で分かってはいたのだが、私は見るのははじめてであった。今年の春生まれたばかりとおもわれる小鹿2頭を連れ、仲良く芝生をゆっくり横断していった。奈良公園の鹿と違って、この辺の野生の鹿は極めて用心深く、普段は人が近寄らない急峻な崖あたりに潜んでいて、人前に出てくることは滅多にない。それでも、丹波あたりをドライブしていたとき、私の目の前の道路を大きくジャンプして林へと消えていった鹿に驚いたり、無惨にも車と衝突したらしく道路わきで死んでいた鹿を見たこともある。このように私が住んでいる北摂地域は猪や鹿など、まだまだ野生動物が多く住んでいるのである。しかしこの猪や鹿、近年は里山がなくなったためか、里や畑に降りてきて新芽や作物を食い荒らすため、農家にとっては迷惑な存在でいつも問題になっているが、野鳥同様、許可なしには一切捕獲はできない。トキやコウノトリなどのように一端途絶えかけた種を復活するのは容易なことではないからである。野生動物の保護と人間の営みとの共存、両立は永遠に続く課題である。

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いまの住いに引っ越してきた当時は、近所の雑木林やゴルフ場で狸の親子、狐、雉(きじ)などをよく見かけたが最近はめっきり見かけなくなってしまった。それに下水道や水洗便所などが普及したためか、金蝿、銀蝿、ごきぶりも、家では殆ど見なくなった。そして妻がいつも悲鳴を上げていたオオムカデも ・・・ 。そしてあれほど多く光っていた蛍もそうである。通勤帰りの夜、お寺の壁にびっしりとへばりついていて、なんとなくユーモラスで日本の夏を感じさせた「やもり」もいつの間にか見かけなくなってしまった。これも虫が減ったことによる食物連鎖なのであろうか。すこしづつ野生が消えていっているという実感がある。人にとってだけの環境や衛生事情は格段によくなったことの裏返しであろうか。

打ち水、簾、甚平、浴衣、蚊取り線香、今では死語となってしまった蚊帳(かや)なども家庭から消えてしまった。嫌になるほど暑くて、生活の回りに沢山の虫がいた頃の懐かしい日本の夏の風物詩が昔は一杯あった。一時の感傷にすぎないかもしれないが、スーパーの縁日で豚の蚊取り器と金魚の風鈴を買ってきた。もうすっかり夏をのっとられてしまった感のあるクマゼミの「シャワシャワシャワ・・・」という鳴き声がこれからしばらくは続く ・・・ 。

高校時代、感傷をさそう夏の定番曲といえば映画「避暑地の出来事」の主題曲、「夏の日の恋/The Summer Place」と「浪路はるかに/Sail Along Silvery Moon 」が双璧だったように思う。「パーシーフェイス・オーケストラ/Percy Faith Orchestra」、「ビリー・ボーン楽団/Billy Vaughn And His Orchestra」。夏向きのムード・ミュージックなら、この二つのオーケストラがダントツ。夕闇迫る文化祭の野外コンサートでいつもリクエストのトップはこの曲だった。

パーシー・フェイス・オーケストラのすべて

パーシー・フェイス・オーケストラ / ビクターエンタテインメント



ビリー・ヴォーン

ビリー・ボーン / MCAビクター



聴いてみますか? 「夏の日の恋/The Summer Place」。

          

そして「浪路はるかに」も。

          
 
 
 
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by knakano0311 | 2010-07-29 09:28 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)

テルミンを奏でようとしたが ・・・

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「テルミン」を手にいれました。動機は新聞で「テルミンで音を奏でよう!」というT社の広告を見たからです。前々からテルミンには興味があったのですが、本格的な楽器としてのテルミンは高価なため、なかなか手が出なかったのです。そこで、ひまつぶしに鳴らして遊んでみる程度の電子玩具としては、2,000円という手ごろな価格なため、まっ興味津々で飛びついたという訳。テルミンは、1920年にロシアの発明家「レフ・テルミン」が発明した世界初の電子楽器です。発明者テルミンの数奇な運命については、以前このブログで触れたのでそちらを参考にしてください。(参照「科学者?芸術家?音楽家?スパイ?天才? テルミンの数奇な人生」 )

テルミンで音を奏でよう!

宝島社



箱から取り出してみる。127×68×40mmの文庫本程度の大きさで、水平にヴォリューム・アンテナ(実際は飾りであったが)、たよりなさそうであるが、垂直にピッチ・アンテナがちゃんと出ている。単4電池を入れ、マニュアルに従ってチューニングを開始しようとSWをいれてみる。「うんっ??××・・・!!」。音がでない。電池を確かめたり、つまみをいじってみるが、やっぱり音が出ない。わたしもかっては技術者の端くれ、沽券に関わるとも思ったが、ギブアップしてお客様相談センターに電話。説明で、やっとあのテルミン独特の発信音が出るようになったが、今度は音が出っぱなしか、まったく出ないかでチューニングができない。電話で説明をうけながらチューニングを試みたがなかなか上手くいかない。音階や休止符がコントロールできなければ、これは楽器ではなく、ただピーピーとやかましい音が出るだけの箱にすぎない。相当微妙な調整が必要のようである。マニュアルを見ると、さも簡単にできるように錯覚してしまうが、これは普通の人ができる範囲を超えているように思う。普通の人なら音が出ただけで満足し、ここであきらめてしまうかもしれない。そうはいきませんのや。わても「蝮の爵士」と呼ばれた男、2000円のもととらんと・・・。

この暑いさなか、あきらめずにチューニングに挑戦してみようか。そういえば、この種のトラブルというか、つまづきは3回目である。最初はずいぶん昔であるが、息子ために買ってあげたパソコン版英語辞書。出版は、辞書で有名なS堂であった。機種の違いのためまったく動作せず、そのことへの注意書きもなかった上、クレームへの対応が極めてお粗末であった。2回目は二足歩行ロボット。パーツつきマガジンで大ヒットしたD社。本体の組み立てはマニュアルも分かりやすく、極めてスムースに行ったのだが、パソコンを使ってロボットと通信しながらプログラムするステージになると、とたんに不親切なマニュアルになる。特殊なIFがついている通信ケーブルを読者が用意することが必要なのだが、そのケーブルについての説明が極めて不備なため、用意してもエラーで通信ができず、未だにそこでストップしたままなのである。消費者サイドのデジタル・デバイドばかりが強調されるが、それを助長している責任の一端は供給サイドにもあるのではないだろうか。極めて分かりにくい不親切なマニュアル、重大な情報の記載漏れ、トラブルの予測とそれへの対応の悪さ ・・・・。技術者でもあり、比較的このような技術商品へのハードルが低いと思っていた私のつまづきの事例が、3例とも出版社からのデジタル、電子商品であったことに、何か共通するものを感じるのだが。

ところでテルミン、キャッチには「テルミンでを奏でよう」と書いてあり、「音楽を・・」とは確かに書いてなかったのが ・・・ 。自動チューニング、簡易チューニングがコスト的に難しいのであれば、せめてマニュアルをもっと分かりやすくさせるとか、HP上にチューニングのやり方を映像や音で公開するとか、なんとか読者への理解の手助けの手段もありそうなもの。出版のプロであっても、家電機器やおもちゃ販売のプロではなかったということですか。

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こんな玩具が発売されたり、テルミンのコンサートが開かれたり、そして、テルミン奏者が主人公の映画が作られたりしている。何か「テルミン」がブームになっているんでしょうか? 触れずに音が出る楽器。儚げで頼りないが、どこか郷愁を誘うような音色が今の時代にあっているのかな。

テルミン奏者をヒロインにした映画は、shin監督長編デビュー作、邑羽莉(ゆうり)主演、「フローズンライフ」(2006年)。少し頭でっかちな映画かなとも感じたが、邑羽莉と映像と音は美しく魅力的。

凍結精子を巡って繰り広げられる切ない人間模様を透明感あふれる美しい映像で綴る。誕生日に八城りり(邑羽莉)の下に、亡くなった最愛の夫から彼の凍結精子が届く。夫の死を受け入れられずにいたりりは、テルミンを持ち、田舎の古民家で、独り静かに暮らすりり。そんな彼女のもとに、カメラを手にした謎の青年、渉がやって来る…。海外の映画祭で絶賛され、国内上映時には記録的な動員数を誇ったとかでDVD化もされている。 

 
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フローズンライフ インターフィルム


 


 
 
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by knakano0311 | 2010-07-28 10:13 | マーケッターとしてのシニアから | Trackback | Comments(0)

我家が極楽

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少し前に、「我が家の睡蓮が咲く気配がない」と愚痴っぽく書きましたが、昨日、盆が近づいてきたせいか、水鉢に蕾が伸びてきているに気がつきました。そして今朝、純白の一輪が見事に咲いたのです。いやぁ、すがすがしい花ですね、見ているだけで心もすがすがしくなるような花。だからこそ、極楽浄土に咲く花とされるのかもしれません。我が家もやっと極楽であることが証明されましたかな ・・・ 。「睡蓮=睡眠をとる蓮」の名の謂われどおり、朝咲いて、午後3時頃には眠るように花が閉じる。そして私はといえば、冷房の効いた我が家の部屋で、心地よい音楽を聴きながら午睡をとり、起きては美味しいコーヒーと「きんつば」に舌鼓をうつという怠惰な午後を過ごす。これもまさしく極楽には違いありませんが ・・・ 。


かってジャケットに仏像を使った(有難い?or罰当り?)レコードがありましたね。その斬新なデザインのレコード・ジャケットで大変な人気があった「CTIシリーズ」、A&M SP 3005番は、 「ナット・アダレイ/Nat Adderley」の「YOU, BABY」。   

そうですね、我が家の睡蓮を献じておきましょうか。 合掌。

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「ナット・アダレイ」(1931年11月-2000年1月)は、アメリカのジャズ・コルネット奏者で、ファンキー・ジャズを代表するプレイヤーの一人。有名なサックス奏者「キャノンボール・アダレイ/Julian Edwin "Cannonball" Adderley」の実弟でもある。「Work Song」(1960年)が代表作。

 
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by knakano0311 | 2010-07-26 09:50 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

夏に観たい「じじばば」映画 ~八月の鯨~

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いやあ暑いですね。こんな日は外出はせずに、エアコンの効いた部屋で映画でも観ようか考えておいでのじじばばの皆さんにオススメの映画があります。おっと何故かDVD化がされてませんので、運がよければTSUTAYAあたりにVHSであるかもしれません。わたしは昔TVからVTRに録画してあったものを見ていますが ・・・。

その映画は、「八月の鯨/The Whales of August 」。「リンゼイ・アンダースン/Lindsay Anderson」監督による1987年公開のアメリカ映画である。主演は「リリアン・ギッシュ/Lillian Gish」、「ベティ・デイビス/Bette Davis」という往年のハリウッド大スター。アメリカ・メイン州の小さな島で暮らす老姉妹の夏の日々を淡々と描く傑作である。撮影当時、「リリアン・ギッシュ」は93歳、「ベティ・デイビス」は79歳であったというから驚き。

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サラ(リリアン・ギッシュ)とリビー(ベティ・デイビス)の老姉妹は60年来、夏になると海辺の小さな島にあるサラの別荘にやって来る。老いても少女のように無邪気で社交的な妹サラに比べ、目の不自由な姉リビーは人間嫌いで毒舌家と対照的な二人。 リビーは、第1次世界大戦でサラの夫が死んだ時、彼女の面倒をみた。しかしリビーは病のため目が不自由になり、今はサラが2人の人生の責任を持つようになる。リビーはだんだんわがままで言葉に棘を持つようになり、他人に依存しなければ生きてゆけない自分に腹を立てていた。 ・・・

物語的には大きな事件も無いが、人生の黄昏を迎えた老姉妹と二人を取り巻く男女のささやかな日常を、老いることへの心理描写も含め、キメ細やかに描き出したドラマ。タイトルの「八月の鯨」とは、毎年2人が別荘を訪れる時期に鯨が水平線に姿を現すらしいという、映画の中で交わされる会話からのもので、「まだ実際この目で見たことはないけれど、今年こそはと楽しみにしているの」というサラの言葉に、このタイトルが、明日への希望や夢の象徴として捉えられていることが分かる。

何にもまして素晴らしいのは、その自然な二人の演技。80歳、90歳の女優の演技とは思えない。しかも、妹サラを演じた「リリアン・ギッシュ」の方が、「ベティ・デイビス」より一回りも年上だなんて ・・・ 。人生の黄昏時にあっても、なお生きる希望や夢、強さを失わず、前向きに生きていくことの素晴らしさを、しみじみ感じさせてくれる傑作。DVD化がなされることが本当に望まれる作品。

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八月の鯨(字幕版) [VHS]

ビクターエンタテインメント





イタリア語で「夏」という意味の「エスターテ/estate」というボサノバの美しい曲がある。多くのアーティスト達にカバーされているが、「夏」のいう言葉の響きの裏側にある哀愁、秋への予感を感じさせる名曲で私の好きな曲の一つ。

説明不要。「ボサノバの法皇」と呼ばれた「ジョアン・ジルベルト/Joao Gilberto」。「Amoroso」と「Brasil」の二枚がカップリングされている。法皇がギターと共に語り、聴かせる、ボサノバの真髄。

Amoroso & Brasil

Joao Gilberto / Warner Bros / Wea



「ファブリチオ・ボッソ/Fabrizio Bosso」。イタリアの若き名手である。古くは、「ニニ・ロッソ」、最近では「ドミニック・ファリナッチ」と、イタリア人には、トランペットの名手が多い。忙しくて暑かった夏の一日の終わりに、ビール片手に聴くのにオススメの一枚。

ニュー・シネマ・パラダイス

ファブリッツィオ・ボッソ / EMIミュージック・ジャパン



「マリエール・コーマンwith ヨス・ヴァン・ビースト・トリオ/Marielle Koeman With Jos Van Beest Trio」。 このブログで何度もとりあげている彼ら夫妻の作品はヨーロッパの知られざるJazzの名盤を発掘することで有名な浪花のJAZZ工房、「澤野工房」からリリースされているアルバムである。
「エスターテ」は、「From The Heart」に収録されているトリオだけの曲だが、いつ聴いても、奇をてらうようなアレンジも超絶的な技巧もなく、甘くなりすぎることもない、さらっとしたさわやかな気持ちよさを味わえる佳作。特にこの「Estate」は、今まで聴いた数ある「Estate」のなかで一番美しいピアノではないかと思う。

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FROM THE HEART  マリエル・コーマン&ヨス・ヴァン・ビースト・トリオ 澤野工房


聴いてみます? 「ジョアン・ジルベルト」の「夏(エスターテ)」。

          

  
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by knakano0311 | 2010-07-25 09:41 | シネマな生活 | Trackback | Comments(0)

なんてたってアイドル!

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前回の記事、「昔の名前が売れてます」で売れ行き好調なJAZZ復刻盤の話題を紹介した。 少子高齢化JAZZ界、「高齢化」のほうばかりでなく、「少子」のほうも紹介しておきましょうか。

今月号をもって休刊する「スイングジャーナル7月号」にこんな記事を見つけて、びっくり。「加護亜依(かご あい)」。そう、元「モーニング娘」の「加護亜依」、あの「加護ちゃん」である。その彼女が、JAZZに初挑戦し、初アルバムを出したというのだ。天下のSJ誌の「ボーカル精選2010」という記事に取り上げられているのである。しかも「・・・・ ミュージカル女優が演じ、歌い踊っているかのような光景。そこには豊かで多彩な表情を見せるシンガーがいた。 ・・・ 」と、高評価なのである。ホンマかいな。耳、いやぁ目を疑いましたね。いくら何千倍ものオーディションをくぐりぬけ、合格してきたとはいえアイドルである。JAZZボーカルや英語発音の基本的トレーニングができているのであろうか?そもそもアーティストとしての要求されるレベル、基準がアイドルとはちがうはずである。CD紹介を見てみたが、「キュートなヴォイシングで、ウィスパーかつsexyに熱唱」とコピーにあるし、しかも歌っている曲は、「how high the moon」、「night and day」、「you'd be so nice to come home to」、「fly me to the moon」など、超有名スタンダードがずらり。こうなると「新し物好き」なだけに食指がちょっとだけ動く。しかし、怖いものみたさで、聴きたくもあり、聴きたくもなし、と迷っていた。

AI KAGO meets JAZZ

加護亜依 / P-VINE RECORDS



ここはぐっと我慢のしどころと、探してみたら、動画がYOUTUBEにありました。怖いけどほんのちょっとだけ聴いてみますか? ほんのちょっとだけですよ!「Fly Me To The Moon」。

          

やっぱり怖かったですか? えっ、怖さを通り越して寒かったって ・・・。同感。聞くところによると、このライブのフィーは5000円だという、そしてデビューCDは2500円。加護の責任ではないのだが、レコード会社やプロダクション、SJ誌の大人たちよ、これでお金を取ってはいけないのだ。もし自腹で買っていたとしたら、「てやんでえ! こちとら伊達に40年もJAZZを聴いてはいないのだ!」と啖呵の一つも切りたくなったろう。救いはインタビュー記事などから、彼女が歌うことが好きであり、JAZZが好きらしいということは十分うかがえること。それならば、少子高齢化JAZZ、JAZZ好きのご老人へのボランティアなどからはじめてはいかがでしょうか。なんてたってアイドルなんだから ・・・・。

かって同じような体験をしたことを思い出した。人気アイドル・ユニット「SPEED」のメンバー「HIRO」がJAZZデビューしたことがある。「ココドール/CoCo d’Or」という名前で2枚ほどリリースされた。そのデビュー作は、ジャズ・アルバムとしては記録的なセールスとなり、なんと、2004年の「輝く!日本レコード大賞企画賞」、「日本ゴールドディスク大賞JAZZ部門」を受賞したのである。沖縄時代にJAZZ好きな両親という環境下で育ったらしくJAZZが好きというのはよく分かるが、歌は少し首を傾げたくなる代物だった。日本人の女性JAZZ歌手に総じて共通することであるが、彼女も例外でなく躯体が貧弱なのである。だから、音を体で響かせられないのである。高い声や大きな声量になるとまったくスイングしないのだ。このときも何とか買わずに踏み留まって、TSUTAYAのお世話になったのだが、以後、このアルバムは聴くことがなかった。なんてたってアイドル、HIROファンの方ゴメンナサイ。

CoCo d’Or (CCCD)

Coco d’Or / エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ



Coco d’Or2

Coco d’Or / SONIC GROOVE



18歳の現役女子高校生のアルト・サックス・プレイヤー「寺久保エレナ」をデビューさせ、デビュー・アルバム「ノース・バード」に「SJゴールド・ディスク」を与えてしまう。新しいスターやアイドルをのどから手が出るほど欲しいJAZZ界の情況はよく分かるが、いくら若手スター不在とはいえ、業界関係者は、すこし急ぎすぎてはいないだろうか。アセってはいないだろうか ・・・。ここはじっくり時間をかけてでも育てることをしないと、せっかくの才能を瞬く間に消耗してしまうという結果になりはしないだろうか。

この記事、カテゴリーは「ジャズ的トリビア」のほうがよかったかもしれない ・・・。

 
 
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by knakano0311 | 2010-07-23 08:59 | マーケッターとしてのシニアから | Trackback | Comments(0)

昔の名前が売れてます

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CDとして復刻された往年のJAZZの名盤が売れているそうだ。たしかにCDショップへ行って見ると、JAZZコーナーの一番目立つところ各社の復刻シリーズが並んでいる。名門レーベル「ブルーノート」からは超名盤から初CD化までの全220タイトルのアルバムが1100円で買える多分このシリーズでブルーノートの名盤はすべてカバーしていると思われる。この米ブルーノート・レーベル創立70周年を記念して発売された「ベスト&モア シリーズ」、累計出荷60万枚を超えたという。私がJAZZを聞きだした頃、JAZZのLPなんてまったく手が届かなかったほどの高価格。多分そんな同じ世代のファンの購買意欲を刺激したのであろうか、この「昔の名前」作戦は当たったのである。ユニバーサル・ミュージックからは没後30年を経ても未だに人気の衰えない「ビル・エバンス」を中心にした、こちらも1100円のシリーズが50タイトル 

そして女性ボーカルファンにとっての最大の朗報は、没後10年、永遠のセクシー・ヴォイス、あの「ジュリー・ロンドン」のオリジナル・紙ジャケ・コレクション30枚の一挙発売であろう。こちらは1800円とちょっと高めであるが、あの映画女優としても活躍した美形と抜群のスタイルがジャケで、セクシーボイスがCDで、見聴きできるとなれば、リーゾナブルといってもよいだろう。このシリーズも、全体で5万枚を超える出荷であるという。私の美脚ジャケ・コレクションに加えたいジュリーのアルバムは、冒頭のジャケほかに以下の3アルバムである。

なお私の美脚ジャケ・コレクションに関心のある方は次のブログ記事にどうぞ! (参照「JAZZ的トリビア(2) ~JAZZと美脚との素敵な関係~ ・・ (6) ~JAZZと美脚との最後の関係~ など」)

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レコード会社のちょうちん持ちのようなことを書いてしまったが、いじわるな見方をすれば、今まで再販価格制度に胡坐をかいて、ファンの方を見てこなかったレコード業界が、CD離れの危機に直面して真っ青になり、やっと従来とはちがうマーケットへのアプローチ、すなわち低価格戦略をとらざるを得なくなったということか ・・・。コンサートやCDコーナーへ行って見ればすぐ分かるように、JAZZ音楽のファン、購買層は間違いなく少子高齢化、そしてクラシックはもっとその傾向が激しそう。いずれの業界も、いままでのマーケットを維持していくだけでなく、新しいファンや購買層を獲得していくための新しい戦略やスターの登場が、今まで以上に必要となってくる。まっ、期間限定ではあるが、1100円CD、年金生活者にとって安いに超したことはなく、とりあえず、私が買ったのは以下の2枚。

「シーラ・ジョーダン/ポートレイト・オブ・シーラ」。「ブルーノートに残された幻のヴォーカル・アルバム」というキャッチに魅かれた買ったが、「Dat Dere」、「Let's Face The Music And Dance」、「Who Can I Turn To Now」などなるほど趣味のいいスタンダードをクールに歌っている。そして私の大好きな「I'm A Fool ToWant You」の切なさは最高。国内初CD化ながら、出荷は5千枚を超えたという。

ポートレイト・オブ・シーラ

シーラ・ジョーダン / EMIミュージックジャパン



「ジュリー美脚ジャケ・コレクション」の1枚目にと、「ジュリー・ロンドン/ジュリー」。名ピアニスト、「ジミー・ロウルズ」が率いるオーケストラをバックに、スインギーなナンバーや、しっとりとしたバラッドを歌う。ひときわ悩ましいジャケットはジャケ買いOKの国内初CD化。

ジュリー(紙ジャケット仕様)

ジュリー・ロンドン / EMIミュージックジャパン



聴いてみます? セクシー・オーラ全開、全盛期の「Julie London」がうたう「Cry Me a River」を 1968年を境に歌から遠ざかってしまったジュリー、動画は珍しい。

          
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by knakano0311 | 2010-07-21 09:42 | マーケッターとしてのシニアから | Trackback(1) | Comments(0)

雨中の狛犬

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先日の雨降り続きのなか、所要の途中、小雨になったのを幸いに、前から少し気になっていた神社によって見た。「戸隠神社」。隣町の谷あいの集落にぽつんとある、いわゆる「村の鎮守さま」である。天の岩戸伝説にゆかりのある信州・戸隠神社と同じ祭神、岩戸を力ずくで開いた「天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)」を奉っていること、それと本殿が国指定重要文化財であるということから興味を持っていた神社である。案内板によると、創立についてはよく分からないらしく、また信州・戸隠神社との関係を窺わせるような記述もなかった。ただ、大永四年(1524年)に本殿上棟の記録が残っているという。

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小雨のなかを長めの石段を登って詣ってみた。人一人としていない狭い境内には、保護のための覆い屋の中に極彩色に彩られた小さな本殿が鎮座していた。これが国指定重要文化財であろう、その鮮やかな色の蟇股(かえるまた)や柱が目に焼きついた。関西に住んでいると、村の鎮守さま、お地蔵さん、お稲荷さん、祠など昔からの信仰が生活の中に息づいている風景をよく見かける。どこでもちゃんと地域の人々がお世話やお祀りをしているのだが、この神社もその一つ。高齢化や過疎化によってそんな伝統が途絶えたとしたら、日本人を日本人たらしめてきた日本の原風景も失われてしまうかもしれない ・・・。

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そして社殿の前には定番の一対の狛犬。「狛犬(こまいぬ)、中国語:石獅子」とは、犬に似た想像上の獣の像で、神社や寺院の入口、あるいは本殿・本堂の正面左右などに一対で置かれている。スフィンクスなどに見られる古代インド、古代エジプトやメソポタミアあたりの神域を守るライオンの像がその源流と考えられているらしい。この狛犬、誰もが知っている存在でありながら、今までほとんどと言っていいほど学術的な研究がされてこなかったという。従って今でも、定説というものはないという。正しくは、仁王像と同じように、向かって右側が角はなく口を開いた「阿(あ)像」で「獅子」、左側が角がある口を閉じた「吽(うん)像」で「狛犬」というそうだ。この「阿吽」の形になっているのは日本特有の形式で、中国の獅子像などは阿吽にはなっていないらしい。

私も、一般同様に、狛犬の「狛(こま)」は、「高麗(こま)」、「巨麻(こま)」に通じ、古代朝鮮半島の文化や氏族と何らかのつながりがあるのではと漠然と考えてきたが、ちょっとしらべてみると、狛犬が神社などに普及したのは江戸時代の頃らしく、また朝鮮半島に「狛犬」文化があったという証拠はなく、どうもこれは「狛」という字からくる誤解であるという説が有力であるようだ。

そんなことを思い浮かべながら、懐かしい気持ちで、この社に置かれた、すこしユーモラスにも思える雨中の狛犬をしばし眺めていた。説はともかく、狛犬は日本の寺社にはなくてはならない風景のようである。  

関西には古代朝鮮につながりがあるであろうと思われる文化遺跡や地名が、極めて濃密にあることを感じる。渡来人である秦(はた)氏、高麗(こま)氏などにつながる地名や寺が多いのだ。秦氏が機織(はたおり)技術を伝えた京都・太秦(うずまさ)の地、その氏寺である、弥勒菩薩で有名な広隆寺はその代表的な例である。

「金達寿(キム・タルス)」氏のシリーズ「日本の中の朝鮮文化」は、文学者である氏が日本国中にある渡来人の痕跡である寺や神社をたずねる調査紀行シリーズ。たしか全巻12巻が刊行されている。歴史学者からは反論もあったが、隠された古代の日本の貌(かお)が新しい歴史の姿を纏って浮かび上がってくる知的興奮をかきたてられる好著。「金達寿」氏は、韓国慶尚南道馬山市出身の在日朝鮮人文学者。

日本の中の朝鮮文化―相模・武蔵・上野・房総ほか (講談社学術文庫)

金 達寿 / 講談社



日本の中の朝鮮文化―山城・摂津・和泉・河内 (講談社学術文庫)

金 達寿 / 講談社


 
狛犬が朝鮮渡来の文化であるか否かは別にして、最近亡くなった「つかこうへい」氏、「パク・ヨンハ」氏など、韓流スターの人気や在日朝鮮人の芸術、芸能の分野での活躍は著しい。この分野に関する感受性の深いところで、DNA的に日韓に共通するものが何かあるかもしれない。そして、韓国JAZZミュージシャンの日本での人気も話題になっている。去年デビューしたトランペトと女性ボーカルのデュオ・ユニット「Waterplay」や、女性ボーカル「ウン・サン/Woong San」が大変話題になったことは、このブログでもとりあげたところ。(参照 「韓の国より吹いてきたJAZZYな風」、「これはヤバイ!韓流JAZZ」 )
 

ソングス・オブ・カラード・ラヴ

WINTERPLAY / ユニバーサル ミュージック クラシック



Close Your Eyes

ウンサン / ポニーキャニオン


 
聴いてみますか? 「WINTERPLAY」。「EGO-WRAPPIN'」のカバー「色彩のブルース」を。 (埋め込みに対応してませんのでクリックしてください) う~~~ん、クール・ビューティですね。

デビュー・アルバムのタイトルにもなっている「Woong San」のオリジナルで軽快にスイングする「Close Your Eyes」。 それでいて「マデリン・ペルー」のような雰囲気も魅力。
 
          
 
 
 
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by knakano0311 | 2010-07-20 09:11 | おやじの遠足・街歩き | Trackback | Comments(0)

欧州JAZZY紀行(14) ~ネアンデルタール渓谷で~

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(写真;ラミダス猿人「アルディ」の骨格化石と復元像)

「発見!ラミダス猿人 ~440万年前の人類~」。先日、NHK-Bsハイビジョンでこんな番組を放映していた。実は高校時代、考古学をちょっとかじった私としてはこんな番組にも関心があるのだ。アメリカの科学雑誌「サイエンス」が発表した2009年最大のニュースは、エチオピアで化石で発見され、復元された440万年前の猿人、「アルディピテクス・ラミダス/Ardipithecus ramidus/ラミダス猿人」のニュースであった。「ラミダス猿人」は、1992年12月にエチオピアのアファール低地で、東京大学の「諏訪元」教授らを中心とする国際調査チームによって発見され、チームによる大規模調査で百数十点の骨の化石がさらに発見され、その後15年という時間をかけて慎重に解析・復元が行われた。番組はその解析・復元のプロセスに密着取材したドキュメンタリー番組である。この猿人は発見された地層の分析から、約440万年前に生きていたことが判明、性別は女性と推定、愛称を「アルディ」と名づけられた。身長120センチで体重50キロ、脳の大きさは、チンパンジーよりやや小さめの300~350ccくらい。これは「ルーシー」の愛称で有名な「アウストラロピテクス/Australopithecus」から、人類の進化の系統樹をさらに100万年以上さかのぼることができるとされる。

復元された「アルディ」は、「ルーシー」より大きく、チンパンジーに近いが、チンパンジーとは大きく違う特徴を持っていた。それは、人類を他の動物と区別する、ある決定的な特徴、すなわち「直立二足歩行」ができることだった。しかも、その足はチンパンジーのように、枝を握ることができる形になっていた。すなわち樹上生活と直立二足歩行の両方ができたらしいのだ。現時点で人類最古の祖と考えられる「ラミダス猿人」はチンパンジーでもないヒトでもない新しい「種」だったのだ。彼らは森で暮らし、木登りをする一方で、二足歩行も可能だった。かくして、人類や他の類人猿はチンパンジーから進化したという定説は、「アルディ」の発見で、否定されることになった。いやあ、大いに知的好奇心を刺激される番組であった。(Wikipedia参照)

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この番組を見ながら、かってデュッセルドルフの東約15kmにある「ネアンデルタール博物館」を訪れたことを思い出した。エッセンで開催された展示会の帰り道、アウトバーン脇の「Neanderthal Museum」の標識に気がつき、もしやと思って降りてみたら、案の定「ネアンデルタール人」が発掘された谷に建てられた博物館であった。ネアンデルタール人の化石が見つかったのは1856年、ダーウィンの進化論、「種の起源」が発表される3年前のことである。場所はネアンデル谷にあった「フェルトホッファー洞窟」。実際にネアンデルタール人が発見された洞窟は、落盤か何かで完全に破壊されてしまったとのことで、実際にここの場所で発見されたわけではないようだ。

「ネアンデルタール人/ホモ・ネアンデルターレンシス/Homo neanderthalensis」は、約20万年前に出現し、2万数千年前に絶滅したヒト属の一種であり、我々現生人類である「ホモ・サピエンス/Homo sapiens」の最も近い近縁種とされている。かつて、ネアンデルタール人は、我々ホモ・サピエンスの祖先とする説があった。しかしながら、化石から得られたDNAの解析結果から、ネアンデルタール人は我々の直接の祖先ではなく別系統の人類であることがほぼ明らかになった。

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ドイツをはじめ北ヨーロッパには古い地層が残っているところが多く、ライン河やネッカ河などの何万年もの侵食によって、そこだけは深い谷や急峻な崖になっているところがある。ネアンデルタール渓谷もそんな一つのようだ。そして、そのような所から映画「ジュラシックパーク」の話の発端となった古代の蚊などが封入された琥珀やアンモナイトの化石などが多く採集されるという。写真は30年ほど前、ドイツ出張時、その幾何学模様の美しさに惹かれ、妻のために買い求めたアンモナイト?の化石を加工したイアリング。

そして映画は「マイケル・クライトン」の原作で、抜群のエンターテイメント性で大ヒットした「スティーヴン・スピルバーグ」監督「ジュラシック・パーク」(1993年)。

ジュラシック・パーク コレクターズ・エディション [DVD]

ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント



ところで、話は飛ぶが、科学や技術の進歩・進化に比べ、この国の政治の進歩・進化は一体どうなってしまったのだろうか。「塩野七生」氏に、「国のあり方、政治のあり方、質の向上を古代ローマ帝国に学べ!」と諭されるようでは本当に情けないのだが ・・・・ 。

「北京原人」や「ネアンデルタール人」などはロマンを掻き立てるためかミステリーや冒険小説になりやすいようだ。「ネアンデルタール人」を題材にした冒険小説に、タイトルもズバリ「ネアンデルタール」がある。

古人類学者のマットとスーザンは、恩師がタジキスタンでの発掘中に行方不明となったとの連絡を受け、米国メリーランド州にある先史調査研究所に向かった。ふたりはそこで、25年前のネアンデルタール人の頭蓋骨を見せられ、恩師が今なお生息するというネアンデルタール人を追って行方不明になったことを知る。捜索に協力するふたりに、人類の起源をめぐる冒険がはじまる。

ネアンデルタール (ソニー・マガジンズ文庫)

ジョン ダーントン / ソニーマガジンズ



われわれの生活に欠かすことのできない音楽。この音楽は、いつごろ、どのようにして人類の歴史に誕生したのだろう。こんな疑問から出発した一冊のユニークな本がある。認知考古学の第一人者で、ヒトの心の進化を追究しつづける「スティーヴン・ミズン/Steven Mithen」著「歌うネアンデルタール―音楽と言語から見るヒトの進化」である。

音楽は進化の過程でことばの副産物として誕生したというのが、これまでの定説であった。しかし、ミズンは、初期の人類はむしろ歌いながら会話をしていたはずだとし、彼らの音楽様のコミュニケーションを「Hmmmmm」と名づけ、絶滅した人類「ネアンデルタール」はじゅうぶんに発達した咽頭と大きな脳容量をもっているので、この「Hmmmmm」を使うのにふさわしい進化を遂げていたという。そして20万年前の地球に満ちていた彼らの歌声を再現する。狩りをし、異性を口説き、子どもをあやす時にも音楽様の会話をし、「太古の地球は音楽に満ちていた」という光景は、なかなか夢があって楽しそうではないか。

歌うネアンデルタール―音楽と言語から見るヒトの進化

スティーヴン ミズン / 早川書房



「猿人」をタイトルに持つJAZZといえば、もうこれしかない。「チャールス・ミンガス/直立猿人」。人間の進化をテーマにした4章からなるJAZZ叙事詩。

直立猿人

チャールス・ミンガス / Warner Music Japan =music=



デキシーランド~スイング~ビ・バップ~ハード・バップ~モード~フリー ・・・ と流れるJAZZの進化のなかでエポックメイキングなアルバムといえば、「マイルス・デイビス/Miles Davis」の「カインド・オブ・ブルー/Kind Of Blue」(1959年録音)があげられよう。マイルスはこのアルバムで、今日もJAZZの主流となっている演奏スタイルの「モード」という奏法を確立した。このアルバムには、その後も「モード」を追求し続けた「ビル・エヴァンス/Bill Evans」と「ジョン・コルトレーン/John Coltrane」というJAZZの二人の巨人も参加している。

カインド・オブ・ブルー+1

マイルス・デイビス / ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル




 
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by knakano0311 | 2010-07-18 10:09 | JAZZY紀行 | Trackback | Comments(0)

路傍の花、樹々の鳥 (7) ~炎天の花~

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いやあぁ!凄い雨でしたね。降雨量、降雨時間とも、あまり経験したことのないくらいの激しさ。しぶきを上げて降る雨を「白雨(はくう)」というそうだが、先日の雨は、あたり一面が白っぽく見えるほどのまさしく「白雨」であった。豪雨の被害にあった方にはお見舞い申し上げます。うってかわって、昨日、今日は夏到来を思わせるような空と雲。明るさといい、色合いといい、明らかに気配が変わってきたのが分かる。たまりかねたようにウォーキングに出た。近くの雑木林では、やっと蝉も鳴き出したようだ。私の住む北摂地域、この地域で一番はじめに鳴くのは、「ジ~~~」と鳴く「ニイニイゼミ」である。まだちらほらであるが、多分来週あたりは梅雨明け、うるさいくらい一斉に鳴きだすのであろう。

ウォーキングの道筋では、百日紅(さるすべり)、夾竹桃(きょうちくとう)、槿(むくげ)、向日葵(ひまわり)など、「炎天の花」の季節が始まっている。

             炎天の 地上花あり 百日紅 (高浜虚子)

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これからの暑い時期、音楽くらい涼しさを感じるものということになると、やはりボサノバか ・・・ 。ボサノバの創始者「アントニオ・カルロス・ジョビン」は実に多くのボサノバの名曲を書いているが、この時期のBGMとして、私の大のお気に入りは「Wave(波)」。1967年に録音した本アルバムは、誰が聞いてもどこで聞いても違和感がなく、とても気持よく聴けるインストゥルメンタル作品ということで人気がある。「クラウス・オガーマン」編曲・指揮のオーケストラとの共演による心地良いサウンド。さすが「クリード・テイラー」がプロデュースしたおしゃれなCTIシリーズ。

Wave

Antonio Carlos JobimPolygram Brazil



聴いてみますか? 1986年、Montreal Jazz Festival でのライブを。

          

ヴォーカルのほうが・・・という方はこちらをどうぞ。「A.C.Jobim」と関係あるのかどうか分からないが、この「Daniel Jobim & Luiza Jobim」の「Wave」、なかなか心地よいのである。

          
 

そういえば、「雨あがる」なんて時代劇の佳品がありましたね。

雨あがる [DVD]

アスミック


 
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by knakano0311 | 2010-07-17 10:14 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

優しき巨人、「J.P.ホーガン」氏逝く

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「星を継ぐもの」などハードSFの巨匠として、日本では3度にわたって星雲賞を受賞したほどの人気SF作家、「ジェイムズ・P・ホーガン」氏が、7月12日にアイルランドの自宅で死去したことが報じられた。享年69歳。

「ジェイムズ・パトリック・ホーガン/James Patrick Hogan (1941年6月27日 - 2010年7月12日)は、イギリス、ロンドン生まれのSF作家。16歳で学校を卒業して職を転々としていたが、奨学金を得て工業専門学校で5年間、電気工学、電子工学、機械工学を学んだ。その後、いくつかの企業で設計技術者として働き、1960年代にはハネウェル社のセールス・エンジニアとしてヨーロッパ中を渡り歩いた。1970年代にはDEC社に転職して マサチューセッツ州ボストンに移住し、DECの仕事の傍ら書き上げたハードSF「星を継ぐもの/Inherit the Stars」で1977年、デビュー。その後専業作家となり、晩年はアイルランドで暮らした。(Wikipedia参照)

「ガニメアン」シリーズ3部作、私は夢中になって読みましたね。いまでも時々読み返すことがあるくらいです。「現実を説明するための理論は、実証に基づいてのみ構築されるべきであり、現実を説明できないなら、その理論は捨てられるべきである」というホーガンの科学史観にもとづいて展開されるSFミステリーといってもいいこのシリーズに心が躍ったものである。自らも技術者であるホーガンのこの科学史観は、科学者や工学者のファンにも違和感なく受け入れられ、大きな支持を受けたのではないだろうか。

月面調査員が真紅の宇宙服をまとった人間の遺体を発見した。この出だしからもうワクワクもの。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。5万年前の宇宙飛行士の遺体がなぜ月面にあったのか、現人類とのつながりはいかなるものなのか。その後も新たな事実が次々と発見され、理論や仮説が次々と構築されていく。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見された……。1981年第12回星雲賞海外長編賞受賞のシリーズ第一作、「星を継ぐもの/Inherit the Stars」(1978年)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

ジェイムズ・P・ホーガン / 東京創元社



木星の衛星ガニメデで発見された異星の宇宙船は2500万年前のものと推定された。調査隊の科学者たちは、初めて見る異星人の進歩した技術の所産に驚きを禁じ得ない。そのとき、宇宙からガニメデ目指して接近する物体があった。遥か昔に飛びたったガニメアンの宇宙船が故郷に戻って来たのだ。シリーズ第二作「ガニメデの優しい巨人/The Gentle Giants of Ganymede」(1978年)

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

ジェイムズ・P・ホーガン / 東京創元社



そして完結偏。地球人そして太陽系の起源に迫る「巨人たちの星/Giants’ Star」(1981年)。

巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))

ジェイムズ・P・ホーガン / 東京創元社



本シリーズや、光瀬龍「百億の昼と千億の夜」、小松左京「果しなき流れの果てに」など、壮大な宇宙の空間と時間の流れをテーマに持つSF作品に夢中になった時代が私にもあったのです。

最後に、「星」に関わるスタンダード曲をもって霊前に献じ、冥福を祈ろう。  合掌 ・・・・ 。

「Stairway To The Stars/星への階(きざはし)」。

星へのきざはし

ニューヨーク・トリオ / ヴィーナス・レコード



ムーンビームス

ビル・エヴァンス / ユニバーサルミュージック


 
そしてもう一曲は、「Stella by Starlight(星影のステラ) - Bill Evans Trio」 。 Piano : Bill Evans/Double Bass : Eddie Gomez/Drums : Alex Riel/Oslo on October 28, 1966.

          
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by knakano0311 | 2010-07-16 09:25 | 訃報を聞いて | Trackback | Comments(0)