大屋地爵士のJAZZYな生活

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「百寿」の祝いとお食い初め

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92歳で詩作を始め、書きためた作品を自費出版した初詩集「くじけないで」が、発行部数100万部を突破したという宇都宮市の「柴田トヨ」さん(99)の記事が新聞に載っていた。

また、夜のTVでは、70歳で現役のJAZZダンスの女性振付師が見事なダンスを披露しているのを見た。世の中には、我々に勇気や希望を与えてくれる人生の大先達がまだまだいるものなのです。

くじけないで

柴田 トヨ / 飛鳥新社



古来より、日本においては、次のような長寿を祝う「祝い歳」がある。「祝い歳」は「数え」で年を数えるのが普通であるが、現在では満年齢で祝う場合も多いという。(Wikipediaより)

61歳(満60歳) ;還暦(かんれき)、華甲(かこう)/70歳;古希(こき)/77歳;喜寿(きじゅ)/80歳;傘寿(さんじゅ)/88歳;米寿(べいじゅ)/90歳;卒寿(そつじゅ)/99歳;白寿(はくじゅ)/100歳;百寿(ひゃくじゅ・ももじゅ)、紀寿(きじゅ)/108歳;茶寿(ちゃじゅ)、不枠(ふわく)/111歳;皇寿(こうじゅ)、川寿(せんじゅ)/120歳;大還暦(だいかんれき)、昔寿(せきじゅ)

厚生労働省は、平成18年簡易生命表において、「日本の男性の平均寿命は79.00歳」、「日本の女性の平均寿命は85.81歳」と発表している。正直な話、「長寿」が本当にいいことかどうなのか時々考え込んでしまう今の日本である。

先ほどの「柴田トヨ」さん、今年6月に満で百歳、「百寿」を迎える。ちなみに、妻の母はこの3月で、満九十九歳、「数え」で百歳であるから、「百寿」の祝いをする。そして、私の母は、今年満九十歳、「卒寿」を迎える。妻は去年「還暦」を迎え、私は3月からいよいよ「高齢者」の仲間入り。そして、昨日は、はやいものでもう、初孫の「お食い初め」。このように人の人生は緩やかに、めぐりめぐっていくのである。

「宮崎駿」監督のアニメ「ハウルの動く城」のテーマ曲に歌詞をつけた「人生のメリーゴーランド」という泣かせる歌がある。「♪ ・・・・・ 回れ 星のように/歌え 花火のように/向かい風にも止められない/メリーゴーランド … /めくるめく浮世に/まだ愛は探せそうで/のばした指の先/まだ明日がありそうで ♪」(覚 和歌子;作詞/久石 譲;作曲)

シャンソン歌手の「クミコ」が実に深くていい味を出して歌っているし、私の好きなイタリア出身のJAZZピアニスト、「ジョバンニ・ミラバッシ/Giovanni Mirabassi」も、トランペットの「フラヴィオ・ボルトロ/Flavio Boltro」を迎えてのアルバム「PRIMA O POI」で、この曲を演奏している。(かってミラバッシのアルバムを一手にリリースしていた澤野工房からも同名のアルバム「PRIMA O POI~ジョバンニ・ミラバッシ・トリオwithフラヴィオ・ボルトロ」がリリースされている)

クミコ・ベスト わが麗しき恋物語
クミコ / エイベックス イオ
ISBN : B000E42PU0

 

プリマ・オ・ポワ

ジョバンニ・ミラバッシ・トリオ with フラビオ・ボルトロ / ビデオアーツ・ミュージック



そしてYOUTUBEは、久石譲、演奏指揮による「人生のメリーゴーランド」、映画「ハウルの動く城」から。

          
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by knakano0311 | 2011-02-28 10:49 | 想うことなど・・・ | Trackback | Comments(0)

路傍の花、樹々の鳥 (13) ~ 梅に鶯 ~

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ウォーキングの途中、鶯(うぐいす)の「初鳴き」を聞いた。春告鳥(ハルツゲドリ)の別名。メロディ・ライン(?)もしっかりしていて、幼さを感じさせないその鳴き声に、すっかり春の気配を感じる。そして、鶯との組み合わせの代表である一方の「梅」も、ここ数日来の暖かい陽気で、一斉に咲きほころんだ。ウォーキングの道筋にある庭に植えられているいくつもの梅からは、ほのかな香りが漂ってきて、ここにも濃厚な春の気配。しかし、鶯はその姿をなかなか見せない。それもそのはず、「梅に鶯」という常套句、実際には梅の蜜を吸いにくるのはメジロであり、藪の中で虫を食べる鶯はそのような姿で見かけられることはまずないという。花札などの絵柄にもあるように、ウグイスとメジロ、日本では昔からよく混同されているようだ。近くには「鶯の森」、「鶯台」などという地名もあり、隣町の宝塚の「市鳥」は鶯だという。この辺は鶯とは縁のある土地柄なのであろうか。   

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冬の間は水鳥とメジロ、ヒヨドリくらいしか見かけなかったウォーキング路、今日はジョービタキ、ツグミ、シジュウカラ、ムクドリなども顔を出してきたようだ。そして、「梅」とよく混同される「木瓜(ぼけ)」の花も咲き出していた。

春のスタンダードの名曲といえば、「三月の水/Water Of March」、 「It Might As Well Be Spring」、「Spring Is Here」、「April In Paris」、「I'll Remember April」などが頭に浮かんでくるが、やはり代表的なこの曲に落ち着く。「You Must Believe In Spring」。「カトリーヌ・ドヌーヴ/Catherine Deneuve」主演、「ジャック・ドゥミ/Jacques Demy」監督のフランス映画「ロシュフォールの恋人たち/Les Demoiselles de Rochefort」で使われた名曲。名コンビ「アラン&マリリン・バーグマン/Alan & Marilyn Bergman」作詞、「ミシェル・ルグラン/Michel Legrand」作曲。 

この曲を聴くといつも、イギリスの詩人「シェリー/Percy B. Shelley」の「西風に寄せる歌/Ode to the West Wind」の一節が起源だといわれる「冬来たりなば 春遠からじ」という格言を思い浮かべてしまう。 

「ビル・エヴァンス/Bill Evans」のアルバムなどがよく知られているが、先年惜しくも亡くなった「エディ・ヒギンス/Eddie Higgins」のロマンチックな演奏はどうでしょうか。私が最初に「エディ・ヒギンス」に魅せられたアルバム「魅惑のとりこ/Bewitched」から。

魅惑のとりこ

エディ・ヒギンズ・トリオ / ヴィーナス・レコード


 
Eddie Higgins Trio - You Mast Believe In Spring  

          
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by knakano0311 | 2011-02-27 09:47 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

S&W M36  ~フィリップ・マーロウの拳銃~

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久しぶりに出かけた図書館で、ふと眼に留まった本があった。「フィリップ・マーロウの拳銃」という詩集。「フィリップ・マーロウの拳銃」といえば、たしか「S&W M36」、通称「チーフ・スペシャル」である。ガン・マニアでもない私が何故こんなことを知っているのかといえば、昔、ハードボイルドの大ファン、とりわけ、「レイモンド・チャンドラー/Raymond Chandler」の「フィリップ・マーロウ/Philip Marlowe」シリーズが大好きだった時期があるからだ。「大いなる眠り/The Big Sleep(1939年)」、「さらば愛しき女よ/Farewell, My Lovely(1940年)」など、長編シリーズはたった7作であるが、ずいぶん夢中になって読んだものである。しかし、マーロウは拳銃を所有しているが、普段は携行しておらず、滅多に撃つことはなかったはずである。

「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない。」(プレイバック)、「さよならをいうのは、少しだけ死ぬことだ。」(ロング・グッドバイ)、なんて名セリフを皆さんもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?わたしは、とりわけ「長いお別れ/ロング・グッドバイ/The Long Goodbye(1953年)」が好きであった。

さて、以倉紘平(いくら こうへい)の詩集、「フィリップ・マーロウの拳銃」の一篇、「定年」。定年を迎えた男の心情を描いた詩であるが、最後はこんな詩句で終わっている。

「 ・・・ 拳銃を隠し持つフィリップ・マーロウみたいに / ぼくはまだやる気でいる」

この詩句、私はすっかり気に入ってしまった。

フィリップ・マーロウの拳銃―以倉紘平詩集

以倉 紘平 / 沖積舎



そして、かって読んだ「清水俊二」訳ではなく、「村上春樹」訳の「ロング・グッドバイ」を急に読みたくなった。

ロング・グッドバイ

レイモンド・チャンドラー / 早川書房



「フィリップ・マーロウ」シリーズは、そのほとんどが映画化されているが、マーロウ役は、トレンチコートを着てソフト帽をかぶり、キャメルのタバコをふかしているという、「ハンフリー・ボガード/Humphrey Bogart」のイメージが定着しているかもしれない。しかし、1974年製作「ロバート・アルトマン/Robert Altman」監督の映画「ロング・グッドバイ」のマーロウを演ずるのは、「エリオット・グールド/Elliott Gould」。私は、せりふが多いボガードのマーロウ映画とは違って、アクション・シーンも多く、ハードボイルドの色が濃く、テンポや歯切れのいいこの作品の方が好きである。「エリオット・グールド」、すこし「松田優作」に似ている ・・・ 。

ロング・グッドバイ [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン



そして、この映画「ジョン・ウィリアムス/John Williams」のテーマ音楽が最高にいい。演奏は「ディヴ・グルーシン・トリオ/Dave Grusin Trio」や「ジャック・シェルダン/Jack Sheldon」、女性ボーカル、トランペット、スパニッシュ・ギターなど作品中いろんなバージョンで出てくるが、いずれもJAZZYでこの映画の雰囲気にマッチしている。歌手はわかりませんが、女性ボーカルのバージョンで「ロング・グッドバイ」のテーマを。

The Long Goodbye Theme - Vocal Version

          


 
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by knakano0311 | 2011-02-25 09:48 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

読むJAZZ(12) ~村上春樹の音楽観~

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芦屋市で中学・高校時代を過ごした作家の「村上春樹」氏に関する知識を試す「村上春樹 芦屋大検定」なる検定が、同市で初めて行われたというニュース。「我こそハルキスト」と自負する200人を超えるファンが集まったという。私はファンという自覚はほとんどないのだが、著作のいくつかを読んでいるので、新聞に載っていたいくつかの問題を試してみたが、まったく歯が立たなかった。たとえばこんな問題。

第5問 デビュー作「風の歌を聴け」が映画化されたとき、「ジェイムズ・バー」の撮影に使われたバーが神戸・三宮にある。このバーの名前は?   
(A) レフトアローン  (B) プレイバッハ  (C) ハーフタイム  (D) メートル・ド・テル

答えは(C)であるのだが、私は、かってこの本は読んだことがあるにもかかわらず、まったくわからなかったのだ。まっ、そんな程度なのである。

「村上春樹」は、1949年1月12日生まれのほぼ同世代。京都府京都市伏見区に生まれ、兵庫県西宮市・芦屋市に育つ。早稲田大学在学中の1974年、国分寺に開いた、以前飼っていた猫の名前に由来するジャズ喫茶「ピーター・キャット」の経営を経て、1979年「風の歌を聴け」で「群像新人文学賞」を受賞しデビュー。昨年映画化もされた1987年発表の「ノルウェイの森」は上下430万部を売るベストセラーとなった。2009年に発売された「1Q84-BOOK1」、「同-BOOK2」、2010年に発売された「同-BOOK3」も国内外で記録的なベストセラーをつづけ、ノーベル文学賞に最も近い日本人作家といわれていることはご承知のとおり。

最初に読んだのは「ノルウェイの森」。そこから私が関心を持ったのは、村上の作品にはJAZZやPOPSなど一定の音楽性があったからである。そして、短編集、翻訳集、エッセイなどを中心に読むようになっていった。(参考拙ブログ「読むJAZZ(2) 或いは読みたいJAZZ ~村上春樹の世界~」) 

再びこの「読むJAZZ」で取り上げるのは、まず「雑文集」。インタビュー、受賞の挨拶、海外版への序文、音楽論、書評、人物論、結婚式の祝電など、1979‐2010年の初収録エッセイから、未発表超短編小説まで、著者自身がセレクトした69篇の「雑文集」である。その中の 「音楽について」の章、「余白のある音楽は聞き飽きない」では、同世代の洋楽ファンとおなじような、少年期、青年期の音楽遍歴が語られている。そして最後には、こんな音楽観で締めくくられているのである。

「僕にとって音楽というものの最大のすばらしさは何か?それは、いいものと悪いものの差がはっきりとわかる、というところじゃないかな。 ・・・・・ ただの個人的な基準に過ぎないわけだけど、その差がわかるのとわからないのとでは、人生の質みたいなのは大きく違ってきますよね。価値判断の絶え間ない堆積が僕らの人生をつくっていく。それは人によって絵画であったり、ワインであったり、料理であったりするわけだけど、僕の場合は音楽です。それだけに本当にいい音楽に巡り合ったときの喜びというのは、文句なく素晴らしいです。極端な話、生きていてよかったなあと思います。」

村上春樹 雑文集

村上春樹 / 新潮社



そしてもう一冊は、「村上ソングズ」。厖大なレコード・コレクションから、ビーチボーイズ、ドアーズ、H.メリル、T.モンク、B.ホリデイ、S.クロウ、スプリングスティーンほか、ジャズ、スタンダード、ロックの多彩なアーティストをピックアップ、訳詞とエッセイで紹介するジャズ、スタンダード、ロックの名曲集である。私にとって、初めて知る曲もいくつもあった。「読むJAZZから聴くJAZZ」への橋渡しをしてくれた楽しい本である。

村上ソングズ (村上春樹翻訳ライブラリー)

村上 春樹 / 中央公論新社



その中から曲をひとつだけ選んでみましょうか。「この家は今は空っぽだ/This House Is Empty Now」。  「バート・バカラック/Burt Bacharach」と「エルヴィス・コステロ/Elvis Costello」の共作になる歌である。村上はこんな風に評し、こんな風に訳している。

「現代のスタンダード・ソングと呼んで差し支えないほどの、美しい奥行きを持った曲だ。バカラックのたどってきた人生の年輪のようなものが、しみじみとメロディの中に漂っている。」

「♪  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
   そう、この家は今は空っぽだ。
   君をここにとどめておくための
   言葉はもうどこにもない。
   君なしでどのように生きていけばいいのか?
            ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・      ♪」 (村上春樹訳)

この曲が収録されている私のお気に入りのアルバムは、二人が共演したオリジナル・アルバム、「Painted from Memory」。村上がイチオシしているのは、ストックホルム生まれのスウェーデン人で、有名なメゾ・ソプラノのオペラ歌手「アンネ・ゾフィー・フォン・オッター/Anne Sofie von Otter」が、コステロとのプロデュースで実現した名盤「For the Stars」。

Painted from Memory

Elvis Costello with Burt Bacharach Mercury



For the Stars

Elvis Costello / Deutsche Grammophon



ここではバカラックとのライブを聴いてみましょうか。 Elvis Costello feat Burt Bacharach - This House Is Empty Now 

          
 
 
 
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by knakano0311 | 2011-02-23 09:22 | 読むJAZZ | Trackback | Comments(0)

おやじシェフ

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(写真は窯口を開けた後の内部の様子)

今日は今年3回目の炭出し、シーズン最後の炭出しである。前回2回があまり良い出来ではなかったので、今回の炭出しに期待がかかっていた。「くどさし」の時の諸条件がいままでで最高であったので、ある程度予想はしていたが、果たして今季最高の炭ができていた。色といい、焼け具合といい、申し分ない出来栄えである。またひとつノウハウが積みあがったのである。

そして、この日のもうひとつの楽しみは、事故もなく無事3回の炭焼きを終えることができた「炭焼き打ち上げ祝い」をかねて行う昼食パーティである。料理の腕に覚えのある会員がシェフをかってでて、彼らが作る「おやじシェフ」料理。メニューの考案、材料の買い付けから調理、盛り付けまで一切彼らが仕切るのだ。メニューは、チキン・スープ、ピリカラ味のパスタ、ご飯、チキンの丸焼き、何故かぜんざい、シナモン・クッキー、コーヒー という豪華メニュー。

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全てが野趣にあふれ、おいしく頂け、ふりそそぐ陽の光の下での食事がなんと豪華で贅沢なことか ・・・。ほんとうに、わがクラブにはいろいろな「技」を持った人材がいるものだと感心する一日でもあった。お土産は我々自身が伐採し、窯で焼いた、我々のブランドの「菊炭」と、この山で採集した椿の実から絞った「椿油」。もう2月も下旬、「コブシ」や「サンシュユ」の蕾も大きく膨らみ、開花も間近であろう。また山遊びが最高に楽しくなる季節が訪れるのだ。

さて、こんな野外のランチ・タイムでのおすすめの音楽はというと、トロンボーンの名手、「カーティス・フラー/Curtis Fuller」の「サウス・アメリカン・クッキン/South American Cookin'」なんてアルバムはいかがでしょうか。「ベサメ・ムーチョ」、「ワン・ノート・サンバ」、「枯葉」などボサノバの肩のこらないノリであるが、「ズート・シムス/Zoot Sims(ts)」、「トミー・フラナガン/Tommy Flanagan(p)」らによるくつろいだ中にもJAZZの楽しさが満喫できる演奏が繰り広げられる。

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サウス・アメリカン・クッキン

カーティス・フラー / ソニーミュージックエンタテインメント


 
 

 
  
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by knakano0311 | 2011-02-21 10:48 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)

凧、凧 あがれ

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私が参加している地域の子ども達に遊びや工作を教えるボランティア活動、今日は、「凧」作りと「雛飾り」作り。事前に準備しておいた和紙、竹ひご、型紙、色紙、台紙などをつかって子ども達に作らせる。結構我々が手伝うことも多かったが、なんとか子ども達は自力で作って、快晴の空に揚げて遊んだ。午後は孫が訪ねてきたので、今日は、「子どもづくし」の一日。どちらかといえば、昔は、子どもが少し苦手だった私も、いまや子どもと遊んで和む歳になったのだ。人間変われば変わるもの ・・・ 。

「子ども」がタイトルに入るJAZZのもっとも有名な曲といえば、「God Bless The Child」であろうか。「ビリー・ホリディ/Billie Holiday」の作品の中で最も評価が高いもののひとつで、多くの歌手によってカバーされているし、彼女自身にも多くのバージョンがある。「ビリー・ホリディ」自身が作詞し、それに「アーサー・ハーツォグ/Arthur Herzog Jr.」が曲をつけ、1941年にリリースした曲。ホリディ自身が自伝の中で回想しているところによると、母親との金をめぐってのトラブルの時、母親から投げつけられた言葉がきっかけで、この曲を書いたという。

「♪ 富める者はさらに富み/貧しき者はさらに貧する/聖書に書いてあるとおり ・・・・・・ 神が祝福するのは、自活できる力を持つ子供だけ ♪」という、「素直に子どもを祝福する」という意味の歌詞ではないのが面白い。

「Billie Holiday/God Bless The Child」

          
 
 
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by knakano0311 | 2011-02-20 14:17 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

セラフィーヌの奇跡 ~映画「セラフィーヌの庭」~ 

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「セラフィーヌ・ルイ」という画家を知っていますか? 私はこの映画(DVD)、「セラフィーヌの庭/原題;Séraphine」を観るまでは、まったく知りませんでした。この映画は、「セラフィーヌ・ルイ/Séraphine Louis」(1864-1942)という素朴派と呼ばれ、フランスに実在した孤高の女性画家を描いた映画である。

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1912年、パリ郊外、サンリスで家政婦として貧しい暮らしを立てていた「セラフィーヌ」が、画を描き始めたのは、40歳を過ぎてからであった。しかも、そのきっかけは、ある日、守護天使から「絵を描きなさい」というお告げを受けたからであるという。もちろん美術の教育などまったく受けたことがない彼女の絵の技法は独特で、絵具も貧しさもあったためか、市販のものではなく、動物の血や植物を材料に自分で作っていたそうである。人一倍強い神への信仰、自然との対話、そして何よりも絵を描くことを唯一の生きがいとして、ただひたすらに絵を描く孤独な毎日を過ごしていた。そんな彼女を見出したのが、ピカソをいち早く評価したドイツ人の画商「ヴィルヘルム・ウーデ」であった。ウーデの家にセラフィーヌが家政婦として入ったことが、彼女の絵がウーデの目に留まるきっかけとなった。ウーデは彼女の絵の才能に惚れこんで、世に出そうと思うが、第一次世界大戦や、金融恐慌などの激動が二人を襲う。やがてセラフィーヌは精神のバランスを崩していく ・・・ 。

セラフィーヌを演じる女優「ヨランド・モロー/Yolande Moreau」の演技がすさまじい。まさに入魂の演技とはこのことであろう。祈りの眼、絵を描くときの眼、家政婦のときの眼、自然に向かい合う時の眼、その使い分けがすごい。そして、映画の中に出てくる独特のタッチ、雰囲気の絵にも魅了された。映画の中で見ただけであるが、まるで一つ一つの花や葉が動いているかのような印象をあたえる。

この映画は、2009年度のセザール賞で7部門を受賞。セラフィーヌの絵画とその数奇な人生。監督・脚本、「マルタン・プロヴォスト/Martin Provost」による映画「セラフィーヌの庭」(2008) は、私に静かな感動をもたらした。

セラフィーヌの庭 [DVD]

ジーダス



『セラフィーヌの庭』 予告編

          
 
 
 
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by knakano0311 | 2011-02-19 17:29 | シネマな生活 | Trackback | Comments(0)

「ミシェル・ペトルチアーニ」の奇跡

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全盲というハンディ・キャップを背負いながらも人気を博したジャズ・ピアニスト「ジョージ・シアリング」逝去の記事を見ながら、同じようにハンディ・キャップを背負いながらも、大変な人気のあった、もう一人のジャズ・ピアニストに思いを馳せた。

かってこのブログでも一度取り上げたことがある「ミシェル・ペトルチアーニ/Michel Petrucciani (1962年12月28日 - 1999年1月6日)」である。すこしショッキングではあるが、写真を見ていただければ、そのハンディキャップはお分かりいただけると思う。フランス出身のジャズ・ピアニスト。生まれつきの骨形成不全症という障害を克服し、フランス最高のジャズ・ピアニストと評価されるほどの成功を収めた。

「ペトルチアーニ」は、障害のため、身長は成長期になっても1メートルほどにしか伸びず、しかも様々な病気にも悩まされ、同年代の普通の少年ができるようなことは一切できなかったため、彼の関心はもっぱら音楽、それもJAZZに向けられるようになった。なんと15歳でプロ・デビュー、そして18歳でトリオを組み、CDデビューを果たしたという。ピアノまで他人に運んでもらわねばならず、またペダルに足が届かないため、ペダル踏み機を使わねばならなかったが、腕は標準的なサイズであったため、鍵盤を弾くことができたのである。デビューするや否や、その天才的な演奏ぶりは広くファンの注目と話題を集めたのである。「寿命は20歳程度まで」と言われていたが、実際には、それよりはるかに寿命を長らえ、ツアー先のニューヨークで急性肺炎を起こし、他界したときは36歳であった。

「ペトルチアーニ」は大変な人気があったし、いまでもそうである。もし写真を見ずに、演奏だけ聴いているならば、とても大変なハンディキャップを背負ったピアニストだとは思わないでしょう。その人気はハンディキャップとは関係なく、天才的とも評された彼の音楽性にあったのである。豪快、ロマンチック、繊細、メランコリック、ダイナミック、鮮烈、清清しさ ・・・。すべて「ペトルチアーニ」の演奏の印象に当てはまるほど、多彩な表現ができたのである。千変万化、鮮烈なタッチで縦横無尽に鍵盤上を駆けめぐる、その独自性の強い演奏スタイルはファンを虜にしたのである。

「ミシェル・ペトルチアーニ」の生き生きとした生命力に満ちた演奏、その一方で繊細でロマンチックな演奏は、1997年11月に行われた「ブルーノート東京」でのライヴ演奏にも遺憾なく発揮されている。「Trio in Tokyo」として組んだ「スティーヴ・ガッド/Steve Gadd」のドラム、「アンソニー・ジャクソン/Anthony Jackson」のベースに一歩も引けを取っていないのだ。

ライヴ・アット・ブルーノート東京

ミシェル・ペトルチアーニ / ビデオアーツ・ミュージック



オリジナルの中でただ一曲、ひときわ異彩を放つ、マイルスの「So What」。
Michel Petrucciani - So What (Trio in Tokyo)

          
 
 
 
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by knakano0311 | 2011-02-18 09:07 | もしもピアノが弾けたなら | Trackback | Comments(0)

「ジョージ・シアリング」さん逝く

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ジョージ・シアリングさん(ジャズピアニスト)が14日、うっ血性心不全のため、ニューヨーク市内で死去した。91歳。米ニューヨーク・タイムズ紙などが伝えた。
 ジャズ界の巨匠で、「バードランドの子守唄」(1952年)などで知られる盲目のピアニスト。ロンドンで生まれ、16歳からプロ活動を始め、27歳で拠点を米国に移す。「九月の雨」(1949年)が世界でヒットして注目を集め、約300曲を作曲した。ニューヨークのジャズクラブにちなんだ代表作「子守唄」は、サラ・ボーンらが歌った。82年と83年に、メル・トーメとともにグラミー賞を受賞した。 (9/15朝日新聞夕刊より)

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

「ジョージ・シアリング/George Shearing」氏が逝った。享年91歳。ジャズの歴史を刻んできたご長寿ピアニストをまた一人失った。世の習いとはいえ、悲しいことである。ロンドンの労働者家庭出身で、生まれつき目が見えなかった。大きなハンディ・キャップを背負っていたにもかかわらず、英国で人気ピアニストとなった後の1947年に米国に移住。49年に発表した「9月の雨」が大ヒットした。80歳を超えてもCDを出すなど意欲的な活動を続けたが2004年に自宅で倒れ、その後活動を控えていた。

ビ・バップやファンキーなどに代表される黒人ジャズとはちがって、小粋でしゃれた響きが新鮮なJAZZであった。特に代表曲「バードランドの子守歌」、「九月の雨」にはそのことを強く感じたものだ。「カル・ジェイダー/Cal Tjader」のヴィブラフォンがやさしく響く「バードランドの子守歌」を久しぶりに聴いてみようか ・・・ 。

合掌 ・・・・ 。

バードランドの子守唄

ジョージ・シアリング / ユニバーサル ミュージック クラシック



George Shearing Quintet play "Lullaby of Birdland"

          
 
 
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by knakano0311 | 2011-02-16 18:15 | 訃報を聞いて | Trackback | Comments(0)

ニホン人のチカラ、NETのチカラ

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(写真;金の蓄音機でできているグラミー賞のトロフィー)

今日、パソコンを開けてみてびっくり。私のブログへのアクセス数、訪問者数が異常に増えているのだ。1日で1週間をはるかに超える数。原因はすぐに推定できた。日本時間で、今日14日はグラミー賞受賞発表の日。日本人アーティスト4人が受賞したという快挙があったからである。だから、2月1日のブログ記事「グラミー賞にノミネートされた日本人」にNETで検索が大量にかかったためである。

今年のグラミー賞受賞は、クラシック界でのピアニスト&指揮者の「内田光子」さん、JAZZピアニストの「上原ひろみ」さん、琴奏者の「松山夕貴子」さん、そして「B's」の「松本孝弘」氏という快挙である。しかも女性が3人、JAZZ関連アルバムが二つ、また「琴」という日本の伝統音楽と洋楽との融合に対しても評価が与えられたのである。残念ながら、私のブログで取り上げたブルーグラスの「渡辺敏雄」氏は受賞を逃した。

言葉にならないくらい本当にすごいことである。先日の記事でも書いたが、日本人の個のポテンシャルは十分にあるのだ。政治や企業が、その個のポテンシャルをどう引き出し、どう育て、どう発信していくかが問われているのである。国内でみとめられないなら、思い切って海外やグローバル規模で活躍の場を求めてみたらどうだろうか。情報発信は簡単にできるのだ。そんな時代なのである。

「上原ひろみ」さんが参加したベーシスト、「スタンリー・クラーク/Stanley Clarke」が率いる「スタンリー・クラーク・バンド」で、最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバム賞を受賞したアルバムは、「スタンリー・クラーク・バンド フィーチャリング 上原ひろみ」。

スタンリー・クラーク・バンド フィーチャリング 上原ひろみ

スタンリー・クラーク・バンド フィーチャリング 上原ひろみ / ユニバーサルクラシック



最優秀インストゥルメンタル・ポップ・アルバムを受賞した「松本孝弘」氏のアルバムは、JAZZフュージョン界における人気ギタリスト「ラリー・カールトン/Larry Carlton」とのデュオ・インスツルメンツ・アルバムTAKE YOUR PICKであった。

TAKE YOUR PICK

Larry Carlton & Tak Matsumoto / バーミリオンレコード



          

そして、「内田光子」さんが「内田光子/モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番・第24番」で、最優秀インストゥルメンタル・ソロリスト・パフォーマンス(ウィズ・オーケストラ)を、「松山夕貴子」さんが参加し、日本でレコーディングされたアルバム「ミホ:ジャーニー・トゥー・ザ・マウンテン」は、最優秀ニュー・エイジ・アルバム賞を受賞。
 
尖閣諸島事件でのビデオ流出、「WikiLeaks」への機密情報漏洩問題。チュニジアに続くエジプト・ムバラク独裁政権崩壊。そして実感したビッグ・ニュース直後の私のブログへのアクセス。もはや「NETのチカラ」をとめることはできないだろう。このいってみれば、「NETによる市民革命」によって、アラブ世界は歴史の転換点を迎え、この動きは、やがて世界の独裁政権国へ大きなうねりになって押し寄せていくのではないだろうか。ベルリンの壁崩壊のときは確か「TVのチカラ」であったと思うが、今回は止めることができない「NETのチカラ」、それも「フェイスブック」のチカラが大きかったという。

ムバラク政権を倒した原動力となったのは「フェイス・ブック」。いま公開中の映画、「デヴィッド・フィンチャー」監督のソーシャル・ネットワークは、世界最大のSNS「Facebook」誕生の裏側を描いた伝記ドラマで、アカデミー賞にノミネートされている。

          
 
 
 
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by knakano0311 | 2011-02-14 14:25 | 音楽のチカラ | Trackback | Comments(0)