大屋地爵士のJAZZYな生活

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さて、3年後は ・・・

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3月11日。そう、2年前のあの日が私の65歳の誕生日になってしまったのである。そして、今年のその日は運転免許証の有効期限でもある。まあ早めにと、伊丹にある更新センターに更新手続きに行ってきた。最近は老眼が進んできたので、今回は「眼鏡着用」が条件になるかなと思っていたが、何とか裸眼で検査をパスできた。妙な優越感 ・・・。2時間半ほどで無事免許を更新できたが、5年前ぎりぎりに駐車違反があったため、今回は残念ながら「ゴールド」とはならず、「青色」、3年間の有効期間である。

3年後といえば、ちょうど70歳。次回は「高齢運転者」になることに気が付いた。「涙マーク」とか、「枯葉マーク」、「落ち葉マーク」とか呼ばれ、あのすこぶる評判の悪かった標識を車に表示しなければならない歳になるのである。あまりにも評判が悪く、つける人が少なかったためか、あのマークは、「四つ葉のクローバー」とシニアの「S」をモチーフにした冒頭のマークに変わった。

私の団地では、多分車は必需品。そして、高齢化率が35%に達しているため、日中のドライバーのほとんどが、女性か高齢者である。しかし、違反罰則がないためか、このマークを付けている車はそう見当たらない。しかし、付けていた方がいいのではと思うような危なっかしい運転の高齢者ドライバーを見かけることはしょっちゅうである。よほどのことがない限り、私は間違いなく3年後も運転していると思うが、何となく抵抗感のあるあのマーク、さて私は表示して走っているであろうか ・・・。

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車、ドライブをテーマにした曲、アルバム、ジャケットはいろいろあるが、私が真っ先に思い浮かぶ曲は、「ルート66/Route 66」である。アメリカに出張していた休日、アリゾナ州の州都フェニックスの北、奇岩が連なることで有名な景勝地「Sedona/セドナ」を目指して車を走らせていたとき、ふと眼にした道路標識に、「この30マイル先、Flagstaff」とあったのに感激したことを思い出す。そう、あの「・・・・ Amarillo,Gallup,New Mexico,Flagstaff,Arizona,Don't Forget ・・・」の「Flagstaff」です。まっ、何の変哲もない田舎町でしたが ・・・。

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そして、私にJAZZボーカルの「Route 66」の楽しさを教えてくれたアルバムは、「ヴィヴィアン・ロード/Vivian Lord」の「Route 66」。どういう動機でこのアルバムを入手したかは覚えていないが、モノクロのハイヒールをあしらったジャケットに魅かれたからかもしれない。1曲目の「Route 66」を聴いて、彼女の虜になった。しかし、プロフィルやディスコグラフィがよくわからない幻の歌手。このCD版「Route 66」も、1987年にLPでリリースされたものを、1991年に再リリースしたものらしく、現在は廃盤となっているようだ。

都会的な洗練されたフィーリング、抜群のスイング感の、「ヴィヴィアン・ロード」の「ルート66」。ずっと「ナット・キング・コール」や「ジョージ・マハリス」で、この曲に親しんできた私には全く新鮮な「Route 66」であった。リリースされた1987年、約20数年前に彼女は50歳ぐらいと推定されているから、多分この1枚をのこしたあと引退したのか他界したかも知れない。寡聞にしてこの1枚しか私は知らないのが、圧倒的な存在感で人生経験の豊かさを感じさせる味わい深いJAZZボーカルが好きである。そして、なんといっても「ケニー・カークランド/Kenny Kirkland」のピアノがいい。

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ヴィヴィアン・ロード/ルート66

株式会社ソニー・ミュージックレコーズ



そして、なんとYOUTUBEにアルバム全曲がアップされていました。

「Kenny Kirkland & Vivian Lord / Route66」
1) Route 66  2) `Round Midnight  3) Try a Little Tenderness  4) Blue Skies  5) Gee,Baby Ain`t I Good To You  6) Travlin` Light  7) Black Coffee  8) My Foolish Heart  9) If You Could See Mee Now  10) I Hear Music
Vivian Lord(Vo)、Kenny Kirkland(P、Musical Director)、Anthony Cox(Bass)、Ronnie Burrage (Drm)、Jerry Gonzalez(Tp) 1986録音

          
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by knakano0311 | 2013-02-28 00:03 | マーケッターとしてのシニアから | Trackback | Comments(0)

60歳過ぎたら聴きたい歌(85) ~ A Cottage for Sale ~

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年が明けてしばらくたったころだったであろうか、近くの家に「売家」の看板がかかった。多分、まだ築後5、6年だったであろうか、そんなに古くない家なのに、売りに出たのである。しかし、いまだに売れていないようだ。たしか、顔もあまり見ていないが、新婚と思しき若い夫婦が住んでいたように思う。

その「売家」の看板を見ていると、まったくのところ、余計なお世話ではあるが、あれこれとドラマティックな想像や憶測がかってに湧いてくる。実際のところは、単なる転勤だったかも知れないのだが ・・・・ 。

古いポピュラー・ソングに、「A Cottage for Sale」という歌がある。1929年に「ウィラード・ロビンソン/Willard Robison」が作曲し、「ラリー・コンレイ/Larry Conley」作詞によって発表された歌である。以後、「フランク・シナトラ/Frank Sinatra」、「ビリー・エクスタイン/Billy Eckstine」、「ナット・キング・コール/ Nat King Cole」、「ダイナ・ワシントン/Dinah Washington」、「ジュリー・ロンドン/Julie London」、「ペギー・リー/Peggy Lee」など、あまたの有名シンガーによってカバーされた曲でもある。

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「60歳過ぎたら聴きたい歌」に取り上げようと思ったのは、その「空家」の看板を見たのがきっかけで、「A Cottage for Sale」という古い歌があったのを思い出し、あらためて聴いてみたら、妙に心にひっかかってくるようになった歌詞だっただからである。間違いなく、「歳」が私のセンチメンタリズムを刺激したのである。

夫婦関係が破たんしたか、あるいはどちらか一方が先に亡くなって、独りぼっちになり、今は売りに出ている「売家」の看板を見て、過去に思いを馳せる ・・・・。そんな歌です。

「♪ Our little dream castle      過ぎ去った夢が一杯詰まっていた
   With every dream gone     小さいかったが私たちの夢の城
   Is lonely and silent         いまは寂しく静かに佇んでいる
   The shades are all drawn    あの夢の影はすっかり色褪せ
   And my heart is heavy      私の心は重く沈んでしまう
    As I gaze upon            「売家」の看板を
   A cottage for sale           じっと眺めていると
    ・・・・・・・・・・・・・・・・            ・・・・・・・・・・・・・・・  ♪」

そして、こんなフレーズも浮かんできた。「♪ 二人でドアを閉めて、二人で名前消して ・・・」。  

1991年にRHINOレーベルより発売された、「ジュリー・ロンドン」のべスト盤、「Time for Love: The Best of Julie London」からの歌唱を選んでみました。

Time for Love

Julie London / Rhino / Wea



「Julie London ‐ A Cottage For Sale」

         
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by knakano0311 | 2013-02-26 10:22 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Trackback | Comments(0)

一期一会のコンサート ~小曽根真/プレシャス・タイム~

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4か月ほど前にこのブログで書いた「小曽根真」のコンサート、「プレシャス・タイム」。(参照拙ブログ「プレシャス・タイム」) 公演日の23日兵庫県立芸術文化センター・小ホールへいってきました。土曜日の午後三時開演とあってか、いつもより若い人も多く、7~8割が女性のお客さん。たしか発売後すぐにチケットは完売したと記憶しているが、女性ファンが多いという「小曽根人気」を目の当たりにした。

ホールに入ってすぐに気が付いたのがピアノ。ステージに置かれているピアノは「ヤマハ」製。いままで私が聴いた、ここでのコンサートは、全て「スタインウェイ」製を使っていたので、これは小曽根の指定であったに違いない。「さあ、どんな音がするのか」と興味津々。そして、いつものコンサートなら、セットされているアンプ、スピーカー、PA、そして録音用機材などは一切なし。ステージに置かれているのは、MC用のマイク、2本のみであった。このことから、前出のブログでも紹介した小曽根の言葉、「一回一回のステージが完全燃焼。人生のラスト・ステージも熱い心でいたい」が思い浮かび、まさに「一期一会のコンサート」がこれから開演するのだという予感を強くする。

開演。この400人収容の全て木貼りの小ホール、音の通りが極めていい。たしかにPAなどは必要ないのである。日本のジャズ・トロンボーンの第一人者「中川英二郎」がゲスト。開演前は、小曽根のソロが殆どで、数曲、中川とのデュエットがあるのでは、と思っていたが、各々1曲づつのソロがあっただけで、後はすべてデュエットであった。スタインウェイより明るい感じのするYAMAHAの音、切れのいい中川のトロンボーン。すべての音が粒だって耳に届く。

絶妙のコラボ、白熱のインタープレイ。いままで私が観た多くのジャズ・ライブの中でもベストにあげてもいいくらいの、スリリングでエキサイティングなライブであった。小曽根と中川にとっても、二人と観客にとっても、「一期一会」、そして私にとっては、まさにプレシャスタイムのコンサートであった。

アンコール曲は、多分と半ば予想していたが、ハンガリーの民族舞曲の「チャルダッシュ」。前出のブログから再録しておきます。

「中川英二郎(eijiro nakagawa) & 小曽根真(makoto Ozone) - chardash」

          

そして、参考までにコンサートの演目をあげておきます。

【コンサート演目】

 1) Journey of A Rose (中川英二郎)
 2) Sidewinder (Lee Morgan)
 3) But Beautiful (Johnny Burke)
 4) G線上のアリア (J.S.Bach)
 5) Donna Lee (Miles Davis)*注)
 ~ 休憩 ~
 6) Nova Alborada (新しい朝) (小曽根真)
 7) Longing for Past (小曽根真)
 8) Itar Park (小曽根真);小曽根真ソロ
 9) 懐かしのニューオリンズ(Louis Alter);中川英二郎ソロ
10) Into The Sky (中川英二郎)

アンコール) チャルダッシュ/chardash (Monti)

*注)「チャーリー・パーカー/Charlie Parker」作と言われてきたが、本当はマイルス・デイヴィス作で印刷ミスでパーカー作と表記されてしまったという。

本コンサート演目のうち、4曲は小曽根が参加している「中川英二郎」のアルバム、「E」からであり、2曲は小曽根のトリオ最新アルバム、「My Witch's Blue」からであった。

E

中川英二郎 / キングレコード



マイ・ウィッチズ・ブルー

クリスチャン・マクブライド,ジェフ“テイン"ワッツ 小曽根真 / ユニバーサルクラシック


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by knakano0311 | 2013-02-24 21:26 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(2)

春節祭の名残り

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ぱらつく小雪。六甲山山頂には雪雲が覆いかぶさり、中腹までうっすらと雪化粧している。そんな景色を見ながら、阪神高速、名神高速を乗り継いで神戸へと ・・・。

1ケ月ぶりの神戸。南京町。「春節祭」は先週で終わってしまったが、この町には、紅い提灯や新年を祝うディスプレイなどに、まだその名残が残っていた。老舗の豚まん屋「老祥記」のまえには、相変わらずの長い列が ・・・。そして、修学旅行と思しき学生の団体が多く行き交っている。

いつものように、ご贔屓のアジアン・ダイニングでの昼食。そして、栄町・乙仲通り。西洋雑貨屋でのちょっとした買い物。そして、いつもの中古CDショップと一巡りして、締めはカフェでの「ぜんざい」。今年も始まったいつもの神戸街歩き。

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さて、「お久しぶりピアノトリオ」。今宵はヨーロッパを離れて、アメリカへ。「デヴィッド・ヘイゼルタイン・トリオ/David Hazeltine Trio」。アメリカ生まれのアメリカ育ち。しかし、バリバリのアメリカン・ピアノという訳ではなく、圧倒的なスウィング感をベースに、不思議にもどことなくヨーロッパ的というか、そんな雰囲気も漂っていると感じてしまう。

1958年生まれというから、54歳。13歳の時からプロのピアニストとして活動を始めたというから、かなりの早熟。カレッジに入るまでは音楽に対してそう深く考えたことはなかったと言うが、共演した「チェットベイカー/Chet Baker」に背中を押され、ニューヨークで本格的にジャズの道を志す。もっとも影響を受けたのは、「チャリー・パーカー/Charlie Parker」だという。演奏活動の傍ら、現在は「バークリー音楽院」でジャズを教えているという。

ヴィーナス・レコードから何枚かリリースされているが、「ワルツ・フォー・デビー」(1999年)、「不思議の国のアリス」(2004年)、「クレオパトラの夢」(2006年)の3部作がご贔屓。エヴァンスへのオマージュ、スタンダード集、パウエルへのオマージュ集である。ジャズ・ピアニストに対し、あまり意味があるとは思えないが、私も含めて、よくエヴァンス派、パウエル派などとカテゴライズしがちであるが、3部作を通して聴けば、その両方に共通した面も、それらを超える独自の境地も窺える。そこに3部作の意味もあろう。と言っても決して尖ったところや小難しいところがあるわけではなく、素直に「いいね」とうなずけるリリカルな演奏である。この辺がヴィーナス・レコードの巧みさ、単なるエロ・ジャケのレーベルではないことを、見事に証明している。

ワルツ・フォー・デビー

デビッド・ヘイゼルタイン・トリオ / ヴィーナス・レコード



不思議の国のアリス

デヴィッド・ヘイゼルタイン・トリオ / ヴィーナス・レコード



クレオパトラの夢

デヴィッド・ヘイゼルタイン・トリオ / ヴィーナス・レコード



「不思議の国のアリス」から、「ビクター・ヤング/Victor Young」のスタンダード、「Beautiful Love(美しき人)」。

「David Hazeltine Trio - Beautiful Love」

          
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by knakano0311 | 2013-02-20 10:16 | おやじの遠足・街歩き | Trackback | Comments(0)

記憶の中の赤

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燃えている炭の「赤」である。何という美しい「赤」であろうか。

我々の山遊びでは、いまや家庭ではあまり見ることもなくなった「七輪(しちりん)」を色々な場面で使っている。もちろん、炭はふんだんにある我々が焼いた炭を燃やすのである。この「七輪」、爺さんたちは湯を沸かしたり、餅を焼いたり、汁粉(しるこ)やぜんざいを作ったり、存外と重宝しているのである。

贅沢にも、燃料は我々が丹精込めて焼いた「菊炭」であるが、この炭は、その断面が菊の花のように美しいだけでなく、煙が出ない、爆(は)ぜない、火付がよく、火持ちもいい、また薫りがいい、といったところから、太閤秀吉の古来から格式のあるお茶席でも重用されているのである。

それにもまして、私が美しいと思うのは、この炭の燃える色、「赤」である。透明感のあるその一方で、柔らかさを感じさせる「赤」、それでいて神秘的な奥深さをも感じさせてくれるきれいな「赤」である。燃える「炭」を見ながら、古の人の知恵の深さと、自然が与えてくれた不思議さを感じ、いつまでもこの「赤」に見入ってしまうのである。

そして、子供の頃はどこの家にもあった「七輪」を囲んで、家族で餅を焼いたことを不意に思い出した。記憶の中の赤 ・・・。

1960年代後半、学生の頃から夢中になって読んでいた雑誌の一つが、青林堂の「月刊漫画ガロ」。1970年代初頭、そこに連載された作品に「林静一」の代表作「赤色エレジー」があった。漫画家を目指す駆け出しのアニメーター、一郎とトレーサーの幸子。ふたりの出口の見えない哀しく切ない恋を描いたストーリー。全共闘時代の閉塞した状況にあって、今は団塊世代となっている当時の多くの若者の支持を得た。すこしくすんだ赤が、ストーリーのイメージとして残っている。

私は観てませんが、その漫画を、原作者「林静一」が、自ら監督・作画を手掛けて、2007年に「画ニメ」化(映画化)された。そして、挿入歌は「あがた森魚(あがた もりお)」のあの「赤色エレジー」。歌い手は、「浜田真理子」。

もう一つの記憶の中の赤 ・・・。

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「赤色エレジー  - 浜田真理子」
 
          
 


 
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by knakano0311 | 2013-02-14 12:21 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

しゃがれ声が好き

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ずっと山での「遊び」が続いていたためか、少し風邪気味である。大したことはないが、声が嗄(しゃが)れ声。「しょうが湯」を飲んで、熱めの風呂に入りながら、一節うなってみる。

山では、日当たりの良いところでは、もう「馬酔木(あせび)」と「三叉(ミツマタ)」が咲き出した。今年も、春は確実に近づいてきているようだ。

ところで、私は嗄れ声、だみ声が大好きである。「ルイ・アームストロング/Louis Armstrong」、「レイ・チャールズ/Ray Charles」、「レナード・コーエン/Leonard Cohen」、「ジョー・コッカー/Joe' Cocker」、「トム・ウェイツ/Tom Waits」、「クリス・レア/Chris Rea」などが ・・・。 そうそう、かって一世を風靡したブルース・バンド「憂歌団」のリード・ヴォーカルであった「木村充揮(きむら あつき)」もその一人である。とりわけ、「レイ・チャールズ」は、学生バンドで歌っている頃は、なりたい声の一人であった。

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いずれもこのブログでは、既にご紹介しているので、新しい嗄れ声の歌い手をご紹介しましょうか ・・・。スペインは、フラメンコの歌い手、「フラメンコ・カンタオール/flamenco cantador」と呼ばれる「ディエゴ・エル・シガーラ/Diego el Cigala」。

マドリッド出身、1968年生まれ。私はフラメンコの世界はよく知りませんが、この世界で絶大なる人気を持っているそうです。その「エル・シガーラ」が、キューバ音楽界の伝説的ピアニスト、「ベボ・バルデス/Bebo Valdés」と組んで、2003年に発表したのが、「ラグリマス・ネグラス/Lágrimas negras(黒い涙)」。このアルバムは、世界的大ヒットとなり、2004年のラテン・グラミー賞の最優秀トラディショナル・トロピカル・アルバム賞を受賞したという。

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「ベボ・バルデス/Bebo Valdés」。キューバ・ジャズの「ゴッドファーザー」とも呼ばれる、キューバ音楽界の伝説的ピアニストである。1918年、キューバ、ハバナ出身で、現在も活動していれば94歳である。1950年代のハバナのナイトクラブでピアニストとしてキャリアをスタートさせ、キューバ音楽の黄金期に活躍したが、1960年に「フィデル・カストロ/Fidel Castro」率いる革命政権後のキューバを去り、どのような政治信条であろうとも、独裁的な政権のある場所には二度と戻らないという本人の意思から、妻の故郷のストックホルムに住み、その後一度もキューバを訪れていないという硬骨の音楽家。

76歳となった1994年にリリースしたアルバムをきっかけに、再度世界的な音楽市場の表舞台に立つこととなった。さらに、2003年制作の「Lágrimas negras(黒い涙)」が大ヒットを記録、普通のミュージシャンならとっくに引退している歳になって、初めて世界的な評価を獲得したのである。

アメリカのギタリスト、歌手、作曲家である「ライ・クーダ/Ry Cooder」によって、現在もハバナに息づいているキューバの伝統的音楽と、それを受け継いでいる老ミュージシャンたちにスポットを当て、1997年に制作された「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ/Buena Vista Social Club」というアルバムがある。

私が、「Lágrimas negras(黒い涙)」という曲を知ったのは、そのアルバムをもとに、クーダーの友人、「ヴィム・ヴェンダース/Wim Wenders」監督により、1999年に制作された同名の音楽ドキュメンタリー映画の中で、1930年生まれで、現在も現役の女性歌手、「オマーラ・ポルトゥオンド/Omara Portuondo」が、この曲を歌っていたからである。

ブエナ★ビスタ★ソシアル★クラブ Film Telecine Version [DVD]

東北新社



その記憶から、バルデスとエル・シガーラのアルバムに興味を持ったのである。「Lágrimas negras(黒い涙)」は、失恋した心の痛みを唄ったキューバの名曲。そしてこのアルバムは、キューバ音楽とフラメンコというジャンルを越えたいわば、フュージョンの傑作である。

Lagrimas Negras

Bebo Valdes & Diego El Cigala / Bmg



「♪ あなたが去ってしまったので深く傷ついてしまったわ
    あなたの知ら ない所で私は涙にくれる
      私の命のような黒い涙をながして 
        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ♪」

フラメンコ独特の絞り出すようなしゃがれ声、キューバのリズムに乗って哀愁ほとばしるピアノ、言葉に詰まり、胸の奥深いところに、深々と沁みてくるような嘆き節 ・・・・。スペインを旅し、こんな声を聴いたフラメンコ酒場を思い出す。

「Bebo Valdés y Diego "El Cigala" - Lagrimas Negras (Black Tears)」

          
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by knakano0311 | 2013-02-11 23:06 | おやじのジャズ | Trackback | Comments(0)

何とも怪しげな格好ですが ・・・  

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左の写真 ・・・。この格好で街をうろついていたら、間違いなく職務質問を受けるであろうと思われる怪しげな出で立ち ・・・。炭窯へ入るため、完全武装の私である。

さて、本題です。私たちが活動拠点としている一庫公園では、毎年この時期に、計3回の炭を焼いている。毎回、それぞれ担当責任者を決めて実施しているが、第2回目は私を含む3人が責任者である。1月26日から始めて、今日が「窯だし(炭だし)」の日である。今までの工程も温度管理も、条件は全て順調に推移してきた。「これで良い炭が焼けない理由はない」と密かに思っていたが、やはり窯を開けてみるまではなんとも不安なのである。

さて、我が焼きし「炭」の出来はどうだったか。自画自賛ではあるが、実にいい菊炭が焼けたのである。私は、いままでに10回を超える炭焼きを体験しているが、その中でも最高の出来栄えであったと言っていい。窯を開け、中に入った瞬間に、いい炭が焼けたのが分かった。

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右の写真が、開けた直後の窯の中の様子である。焼いた後、材は、体積で約60%、重さで約30%ほどに縮小してしまうのであるが、最初に窯入れした状態のまま、炭化しているのがよくわかる。窯木のうえに積まれた細い枝を束ねた「バイタ」も、灰になったり、崩れたりせずに綺麗に残っている。そして何よりも窯木。これも倒れたり、崩れたりせずに、樹皮をつけたまま、これも綺麗に炭になって立っている。

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窯に入れた窯木の数は360本ほど、そのうち良炭として出てきた炭の本数は、313本。「歩留り87%」という驚異的な出来の良さであった。ハイテクなどは何もないのである。土で作った窯に、山で育てた木を伐って入れ、ただ焼く(乾留)するだけなのである。このことにより、煙も出ず、爆ぜもせず、室内で使える火力も強く、火持ちのいい燃料、薫りもよく、見た目も美しい「炭」ができるのである。数百年も前から続くこの技術、先人の知恵にはつくづく感心するしかない。

色々あって、昨年4月から独立して、森の手入れ活動を始めた我がクラブ。初めて単独で焼いた炭が、第1回目にもましての成功、1年間の地道な努力が報われて、仲間の感激もひとしおであった。今宵の酒は間違いなく美味いであろう。

さて、祝杯のお供は ・・・。久しぶりンに、「エンリコ・ピエラヌンツィ/Enrico Pieranunzi」とまいりましょうか。「ジョバンニ・ミラバッシ/Giovanni Mirabassi」もリスペクトする、イタリアン・ジャズ・ピアノの巨匠である。「ヨーロピアン・ジャズ・トリオ/EJT」以後、ヨーロッパ・ジャズ、特にピアノへと導いてくれた一人である。最後のゴールは多分エヴァンスであろうが、そこまでの私のピアノ旅、ミラバッシと並ぶ一里塚である。(参照拙ブログ「もしもピアノが弾けたなら(20) ~彼岸のBGMは・・・~」など) 

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イタリアのレーベルEGEAからリリースされているピエラヌンツィのCD群が、そのジャケットとともに私のお気に入り。このEGEAレーベルからのCDは、ピエラヌンツィのクラシック音楽的な一面が強く出ていると思うし、それに私が強く魅かれたのである。

特に、ピアノ・ソロによる4枚、「Con Infinite Voci(無数の声と共に)」(1998)、「Un' Alba Dipinta Sui Muri(壁に描かれた朝日)」(1998)、「Perugia Suite(ペルージァ組曲)」(1999)、「Canto Nascosto(秘められた歌)」(2000)、エヴァンス・トリオのベース奏者だった「マーク・ジョンソン/Marc Johnson とのデュオ、「Transnoche(夜を越えて)」(2002)、これにクラリネット奏者「ガブリエル・ミラバッシ/Gabriele Mirabassi」を加えたトリオによる「Racconti Mediterranei(地中海物語)」(2000)、さらに、これに弦楽四重奏を加えた「Les Amants(恋する人たち)」(2004)などの美しさは際立っているというしかない。

Racconti Mediterranei

Enrico Pieranunzi / Egea



アルバム、「地中海物語」から、「ガブリエル・ミラバッシ」、「マーク・ジョンソン」とのトリオ、「Les Amants(恋する人たち)」を。ドラムレス・トリオが一層クラシカルで優雅な雰囲気を醸し出す。

「Enrico Pieranunzi - Les amants」

          
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by knakano0311 | 2013-02-09 23:08 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)

風良し、波良し、天気良し

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上天気にさそわれて出かけた、阪神高速・湾岸線ドライブ。前回の続きです。

さて、おとぎの国の城を後に、舞洲から橋をひとつわたると、「大阪北港ヨットハーバー」。ここには、かって時々ヨットと海を見ながら、ランチを食べたご贔屓のカフェ・レストラン「パパ・ヘミングウェイ」があるところ。(参照拙ブログ「大阪北港ヨットハーバー  ~人生の寄港地にて~」「続ける・・・・・・」 など) ひさしぶりにと思って寄ってみたが、悲しいかな閉店となっていた。ロケーションも雰囲気も味もいい店だったのに ・・・。ご贔屓の店がまた一つなくなってしまった。

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湾岸線ドライブ、いつもの終点は「新西宮ヨットハーバー」。そこまで昼飯は我慢しようと再び湾岸線にのり、車を走らせる。鳴り物入りで新築したばかりだが、すぐに閉鎖が決まってしまったP社のプラズマ・ディスプレイ工場を脇を走り抜け、太陽にきらめく大阪湾、はるかに関西空港、淡路島、明石大橋、六甲山系を見ながら、15分ほど走れば、「新西宮ヨットハーバー」へと到着。このハーバーは「堀江謙一」氏のポートとしても有名である。30~40年も前の若き日の私が、週末はいつもヨットに明け暮れていたのが、すぐ近くの「西宮ヨットハーバー」。そんなこともあって、湾岸線ドライブの終わりは、いつもこのヨットハーバーへ。(参照拙ブログ 「夏の気配  ~潮風の記憶~」「風よ 波よ 空よ 星よ!」 など) 

ハーバーを見渡すカフェで、遅めのランチを頂く。暖かな春を思わすような日差しとさざ波のきらめき。桟橋や隣接する公園には、近所の団地からだろうか、子供連れや愛犬連れが三々五々憩っている。沖には学生さんでしょうか、ヨットレースのスタート練習を繰り返しているようだ。

そんな光景を眺め、ヨットに明け暮れた若い日を思い出しながら、潮の薫りに癒される至福の時を過ごす。


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さて、海を見たあとは、このブログでも何回か取り上げた事がある、「クリス・レア/Cris Rea」の「オン・ザ・ビーチ/On The Beach」が聴きたくなる。同じ「レア」の姓も持つが、こちらはイギリス生まれ。この歌は、夏ではなく、季節外れに聴くのがいい。決して派手ではないけど、あの嗄れ声がなんとも魅力で、その声の魅力にとりつかれたファンが多いようである。私もそんな一人である。最近は消息を聞かないけど、どうしているのかな ・・・。


「♪ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・           ・・・・・・・・・・・・・・・・・
  The secret of the summer            あのひと夏の秘密は
  I will keep                      僕の心の中にしまってある
  The sands of time will blow a mystery  砂時計の砂はミステリアスな想い出もかき消す
  No one but you and I               君と僕のほかにはだれもいなかった
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・             ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
   Down on the beach.               あのビーチへ ・・・         ♪」


オン・ザ・ビーチ
クリス・レア / / イーストウエスト・ジャパン




美しい海辺の映像と共に流れる渋いクリスの声。私は、ほかのバージョンに比べややスローテンポの、このバージョンが好きである。 「ON THE BEACH - Chris Rea」

          
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by knakano0311 | 2013-02-06 09:53 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

おやじのハコものがたり(11) ~おとぎ話のお城?~

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上の写真は一体なんでしょうか? テーマパークのおとぎ話のお城? いえいえそうではありません。これは、大阪湾の埋め立て地、舞洲(まいしま)にある大阪市環境局の、ごみの焼却施設と粗大ごみの破砕設備、「舞洲工場」です。舞洲は、かって大阪市が2008年夏季オリンピック招致を計画した際の会場予定地だったところ。広大な埋め立て地であるが、2001年IOC総会で北京に敗れたその年に竣工した。環境保護建築でも有名なオーストリア・ウィーンの芸術家「フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー/Friedensreich Hundertwasser」氏のデザイン。上天気と暖かさに誘われての阪神高速・湾岸線のドライブの途中に寄ってみました。

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そして、その道路の反対側、少し隔てたところには、おなじく「フンデルトヴァッサー」氏のデザインになる、下水汚泥処理をする「舞洲スラッジセンター」が建っている。この二つの建物、出来た当初は、近くにある「ユニヴァーサル・スタジオ・ジャパン/USJ」と間違って観光客が来たという話もあるくらい、メルヘンチックで美しい外観は、今でも多数の見学者が訪れるという。竣工当初は、そのユニークさ、奇抜さが戸惑いを招いたのか、論議を呼んだが今では観光名所ともなって、舞洲地域のランドマーク的な建物になっている。住民から敬遠されがちなゴミの焼却施設にあって、環境と美観、エンターテイメントを両立させたこの建物、いいではないか。一度内部を見学してみたいと思った。

本日の「お久しぶりピアノ・トリオ」は、またしてもイタリアン・ジャズ・ピアノで、恐縮です。「ダニーロ・レア/Danilo Rea」の第2弾。

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先日、ちょっと触れたように、「Enzo Pietropaoli(b)」、「Fabrizio Sferra (ds)」らと組んだ、 「ドクター3/Doctor 3」というトリオでのアルバム。このトリオのほうが本命のようで、ヴィーナス・レコードの「ダニーロ・レア・トリオ/Danilo Rea Trio」は、確証はないのですが、私が知る限り、同じメンバーによるアルバムは、一枚だけのリリースであったことからしても、レコード会社の要請に応えたテンポラリーなトリオだったのではないでしょうか。

しかし、本命トリオ「Doctor 3」の活躍は目覚ましく、最優秀ジャズ・イタリアン・グループ賞を1998年、2001年、2003年に受賞。さらに、アルバム、「ザ・テイルズ・オブ・ドクター3/The Tales of Doctor 3」は、1999年に最優秀イタリアンCD賞を受賞しているという。

さて、ご紹介するそのアルバムは、「ブルー/Blue」(2006年録音)。「バート・バカラック/Burt Bacharach」、「ジェームス・テイラー/James Taylor」などのポップスのカバーや、映画、「アラバマ物語」、「シンドラーのリスト」などの映画音楽を素材に、イタ系美メロのインタープレイがたっぷりと酔わせてくれます。

Blue

DOCTOR 3 / Via Veneto



そのバカラックのナンバーから、「Close to you(邦題;遙かなる影)」。こんなにもゆっくりで耽美的な「Close to you」は、いままでに聴いた事がないような気がする。

「Doctor 3 - Close to you」

          
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by knakano0311 | 2013-02-04 11:37 | おやじのハコものがたり | Trackback | Comments(0)

バレンタイン・チョコにびっくり

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買い物に出かけた駅前の商業施設。バレンタイン商戦の真っただ中である。そのバレンタイン・ギフト用のチョコレートを見てびっくりしました。思わず、妻も私も「可愛い~~!!」。

私の学生時代は、クリスマス・プレゼントという習慣はあっても、多分バレンタインに女性からチョコレートをもらったというような記憶がありません。(私だけかもしれませんが ・・・) 職場の女性から、いわゆる「義理チョコ」といわれるものをもらうようになったのは、会社に入ってから大分経ってのことだったように思います。それも普通のチョコか、せいぜいハート型の地味?なデザインのチョコ。

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それが何ということでしょう。特設コーナーは、色鮮やか、デザインもお洒落、まるでお花畑か、おもちゃ箱、宝石箱のよう。そして値段も結構な値段がついている。いやあ~、びっくりしましたね。ここ何年も、バレンタイン・チョコ売り場なんて、じっくり見た事がなかった。時代はかわっているんですね。多分、私にはもう縁が全くないと思ったのでしょう、妻はいくつか買っていました。シニアにはむしろ馴染の節分の豆などは、すっかり片隅に追いやられているようです。

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甘~いチョコレートとくれば、またまたイタリアン・ジャズ・ピアニストとなってしまう。今宵の「お久しぶりピアノ・トリオ」は、「リッカルド・アッリギーニ・トリオ/Riccardo Arrighini Trio」。

「リッカルド・アッリギーニ」は1967年生まれ。7歳でピアノを学び、ルッカの「ルイジ・ボッケリーニ音楽院」を1986年、19歳で卒業。その後、ボストンの「バークリー音楽大学」に留学。1996年には「バルガ・ジャズ・1996」のコンクール新人音楽家部門にトリオで参加し受賞し、早くからその才能を認められたという。2006年からは、ベースの「リッカルド・フィオラバンティ/Riccardo Fioravanti」、ドラムスの「ステファノ・バニョーリ/Stefano Bagnoli」らとともに、「アッリギーニ・トリオ」を組んでいるという。どちらかというと、イタリア・ジャズ界が誇る名サイドマンのひとりとして名を馳せたようだが、近年トリオとしての評価も高まっているという。

Cambio Di Marcia

Riccardo Arrighini Trio / Egea



La Donna Cannone

Riccardo Arrighini / Philology



2007年リリースの「Cambio Di Marcia」から、「Voci di Massaciuccoli」をライブ演奏で ・・・。出だしの前衛的奏法から一転、甘く哀愁を帯びた美メロ・プレイへ ・・・。

「RICCARDO ARRIGHINI TRIO - Voci di Massaciuccoli」

          
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by knakano0311 | 2013-02-02 11:11 | マーケッターとしてのシニアから | Trackback | Comments(0)