大屋地爵士のJAZZYな生活

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無残にも ・・・

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木漏れ日の林の中で一際目立つ異様な木。樹皮が剥げ、露出した木肌が真っ黒になっている。この山に住む野生の鹿の仕業である。被害木は、自生している柿の木。樹皮が剥がされたあと、自分を守るため、柿が樹液(タンニン?)を出し、こんな色になったのである。柿の栽培農家では、樹皮の下は害虫の住家になるので、病害虫予防のために、敢えて樹皮を剥ぐというが、それとは全く違う。この鹿による樹皮食害、この山の柿の木だけならば、どうってことはないように思えるが、実は柿の実は冬には野鳥の大好物となっているのだ。被害は、「菊炭」の原木となるクヌギの再生林にまでも及んでいる。そして、スギ(杉)、ヒノキ(檜)など近隣の林業の現場でも深刻な問題となっている。若芽や若枝を食べられてしまった台場クヌギは成長しないし、幹の全周を剥皮されたスギ、ヒノキはやがて枯死してしまう。また、一部を剥かれただけでも菌が侵入、材質が低下し商品価値が全くなくなってしまうという。 

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この近辺の多くの里山林では、鹿が背伸びして樹木の約1.5m以下の枝葉を全て食べ尽くしてしまうため、 枝の下の線が揃い、林の奥まで見通すことができる。これを「ディア・ライン/deer line (鹿摂食線)」と呼び、「奈良公園」などで最も顕著に見られる。(写真は奈良公園、NETより拝借)

適応力の強い種だけが生き残っていく、それが自然の摂理には違いないのだが、一方で「生物の多様化が必要」ということが言われてから久しい。しかし、森に関して言えば、この鹿の食害問題を解決しないことには、多様化した植生を持つ森林など再生できないことも事実。

しかし、山で出会う鹿、特に小鹿は愛くるしい。鹿に因んだ映画といえば、「仔鹿物語」、「バンビ」、「鹿皮服の男」などが思いつくが、やはり鮮烈な印象を持つのは、「マイケル・チミノ/Michael Cimino」監督、1979年公開のアカデミー賞受賞映画「ディア・ハンター/The Deer Hunter」であろう。その中で使われたあの美しくも鮮烈な曲が、「カヴァティーナ/Cavatina」という曲である。

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「ミルチョ・レヴィエフ/Milcho Leviev」のピアノと「デイヴ・ホランド/Dave Holland」のベースのデュオで、アルバム「Up and Down」に収録されているこの曲が私のお気に入りである。

「ミルチョ・レヴィエフ」。1937年12月、旧共産圏ブルガリア生まれ。1960年にブルガリア国立音楽院卒業という、クラシックにベースを持つJAZZピアニスト。1965年にモントルー・ジャズ・フェスティバルで、自身のバンドが、ベスト・ヨーロピアン・ジャズ・グループに選ばれたが満足せず、東西冷戦のまっただ中、1971年彼はJAZZのため、音楽のため、家族も祖国も捨てて、アメリカに渡った。雪の中を丘に向かって続く一本の道。このアルバムのジャケットの絵もレヴィエフの心根を表しているようで私の好きな一枚。録音は1987年9月、東京サントリー・ホールでのライブ。(再録)

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「デイヴ・ホランド」。1946年10月生まれの、英国出身のジャズ・ベーシスト。1965年から'68年まで、ロンドンの名門「ギルドホール音楽学校」に学び、その後、ロンドンのクラブ・シーンで頭角を現したという。1968年に英国にツアーにきていた「マイルス・デイヴィス/Miles Davis」に誘われ、彼のバンドに参加し、「イン・ア・サイレント・ウェイ/In A Silent Way」や「ビッチェズ・ブリュー/Bitches Brew」のアルバムに参加。1970年には、「チック・コリア/Chick Corea」らとフリー・ジャズのバンド「サークル/Circle」を結成。さらに、1975年には「ジョン・アバークロンビー/John Abercrombie (g)」と「ジャック・ディジョネット/Jack Dejohnette (ds)」とギター・トリオ「ゲイトウェイ/Gateway」を組んでいる。初めて自己のバンドによるアルバムをリリースしたのは、1983年、それからずっと、メンバーを交代しながらバンドを維持している。目立ったプレイではなく、リズム・セクションに徹した職人気質の演奏。デュオではそれが、いぶし銀のような風合いを放つ。
  

レヴィエフ&ホランド、ヨーロッパ、クラシックに出自を持つふたりが、長くて数奇なジャズ・キャリアを経て積み重ねたものをここで全開したようにも思える。ヨーロッパへの懐古、東欧への郷愁、アメリカへの感謝が ・・・。

Up and Down

Milcho LevievM.a. Recordings



このブログでも、もう何回かアップしました。真夏にはそぐわない曲かも知れませんが、お付き合いください。「カヴァティーナ/Cavatina」。

「milcho leviev - dave holland - cavatina」 
 
          
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by knakano0311 | 2014-07-30 10:11 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(2)

故郷のあじさい寺で

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あじさいの寺。おそらく、どこの地方にもあるであろう紫陽花が名物の寺のひとつ。松本での葬儀に参列した帰り道、塩尻ICへと向かう東山山麓線にある、「あじさいの寺、法船寺」という看板が目に付いた。何回となく通ったこの道、いつもは、看板に特に気に止めることもなく通り過ぎていた。今回は、「ちょっと心を休められるかな」と寄ってみた。

松本平、北アルプスを一望に望む、なだらかな斜面にあるこの寺、永禄4年(1561年)の開山と言い伝えられている真言宗智山派の寺である。境内全域には、約80種・約1500株の色とりどりの紫陽花が咲くことから、「あじさい寺」として市内外から大勢の人々が来山、親しまれているという。関西よりひと月くらい遅れで、今が満開。心が少し和んだところで、塩尻ICへと向かった。

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夏の定番、ピアノ・アルバムのひとつはこの人、「ビル・チャーラップ/Bill Charlap」率いる「ニューヨーク・トリオ/New York Trio」の演奏の「The Things We Did Last Summer(過ぎし夏の想い出)」(2002)。波の音が聴こえる渚で、或いは山稜に沈む夕日を眺めながら、グラスを片手に、じっくりと夏の夜に聴くには最高のアルバム。「i-POD」がない時代、海外出張の鞄には、いつもこのCDが入っていた。

1966年、ニューヨーク生まれ。父親はブロードウェイのミュージカル作曲家、母親は歌手という音楽一家に育った。ピアノを始めたのは、3歳の時だという。クラシックから始め、ほどなくジャズに興味を持ち、「ジェリー・マリガン/Gerry Mulligan」、「ベニー・カーター/Benny Carter」、「トニー・ベネット/Tony Bennett」などの大物とも共演したという。2001年には、「ピーター・ワシントン/Peter Washington(b)」、「ケニー・ワシントン/Kenny Washington(ds)」と「ビル・チャーラップ・トリオ」を結成する一方で、「ジェイ・レオンハート/Jay Leonhart」、「ビル・スチュアート/Bill Stewart(ds)」と「ニューヨーク・トリオ」を組んで活躍している。

歌心溢れる普通よりはゆっくりとしたテンポで、特にスタンダードな歌ものをたっぷりと聴かせてくれる。

過ぎし夏の想い出

ニューヨーク・トリオ ビル・チャーラップ ジェイ・レオンハート ビル・スチュアートヴィーナスレコード



2曲続けて ・・・。パーソネルは、「Bill Charlap (Piano)」、「Jay Leonhart (Bass)」、「Bill Stewart (Drums)」。 

  
「Bill Charlap/New York Trio - The Things We Did Last Summer/How Long Has This Been Going On」 

         
 




 
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by knakano0311 | 2014-07-28 09:51 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

メタモルフォーゼ

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1週間ほど前のことである。山作業から帰ってきたら、妻が「ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)」が午前中に羽化したという。我が家の庭先に「サナギ(蛹)」を発見したので、羽化を楽しみに毎日観察していた「サナギ」である。(参照拙ブログ「やがては華麗なメタモルフォーゼへと ・・・」「庭先の宇宙」) 妻によると、見事に羽化し、元気に飛んでいったという。携帯で撮ったピンボケ写真を見せてくれた。オスのようである。いや、見たかったなあ。

そして今朝。今度は「ニオイバンマツリ(匂蕃茉莉)」の葉に、蝉が抜け殻を残していた。昨日は気付かなかったことから、今朝、庭の土の中から出てきたものであろう。抜け殻からではよくわからないが、比較的大きな抜け殻であるので、「アブラゼミ(油蝉)」か「クマゼミ(熊蝉)」であろうと思われる。

夏休みに入ってから、遊びの山にも、捕虫網を持った親子連れが、多く訪れる。それを見ながら、私も昔、小学校の夏休みの宿題で、昆虫標本を作るため、捕虫網をもって一日中採集に駆けずり回ったことや、三角紙、注射器や虫眼鏡、ピンセット、虫ピン、防腐剤などが入った「昆虫標本作成キット」を親に買ってもらったことを思い出した。それから60年、いたずらに脱皮?だけは重ねたが、果たして成長やメタモルフォーゼはできたのであろうか?

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さて、夏の定番アルバムのひとつ。「ワルター・ワンダレイ/Walter Wanderley」の軽快で涼しげなボッサ・オルガンのサウンドを。アルバムは、「サマー・サンバ/原題:Samba de Verão (夏のサンバ)、英題:So nice」。この曲は、「マルコス・ヴァーリ/Marcos Valle」が1966年に作曲したサンバの代表曲のひとつ。

「ワルター・ワンダレイ」。1931年、ブラジル生まれのオルガニスト。60年代後半から70年代前半にかけて、このアルバム、この1曲が大ヒットし、日本のジャズ・ファンの間で知られるようになった。我が青春のジャズグラフィティの1曲でもある。

サマー・サンバ

ワルター・ワンダレイ / ユニバーサル ミュージック クラシック



「Summer Samba - Walter Wanderley」
 
          
 
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by knakano0311 | 2014-07-27 10:21 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

ちょっと怖い名前のお客さん

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10日ほど前のことである。階下で妻が呼んでいる。「おおきなトンボが家に入ってきた、どうしよう。」「照明を消して、窓を開けておけば、自然に出ていくよ」と、私。日本最大のトンボとして知られる「オニヤンマ(鬼蜻蜓、馬大頭)」である。まあ、この時期になると、我が家にはいろいろな客がやってくる。虫や蝶、蛾の類は言うにおよばず、「ヤモリ(守宮)」、「ムカデ(百足)」、「鳩」までもが入り込んでくる。妻は嫌がっているが、私は、自然が近いがための恩恵であろうと感謝し、この来客を歓迎している。さて、このお客、しばらくして、「サヨナラ」とばかり羽を打ち鳴らして出て行った。

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最近のブログ記事、蝶、蝉、ときて、今回は「蜻蛉(トンボ)」である。私が50年前に通った高校の校章がこの「トンボ」であった。「トンボ」の校章は、ちょっと珍しいかも知れない。初代校長の「小林有也」が校章に定めたが、たしか「古事記」か「日本書紀」に由来していたと記憶している。「イザナギ」、「イザナミ」により八つの国が生み出され、日本が形づくられた。その一つが「豊秋津島(とよあきつしま)」で、今の本州地域にあたるという。「秋津」とは、「蜻蛉(とんぼ)」という意味であり、「豊秋津島(とよあきつしま)」とは、「豊かに穀物が実って、とんぼが飛び交う島」という意味だそうだ。

しかし、あの校章のトンボの種類はなんであっただろうか? 多分、秋に平地に群を成して出現する「アキアカネ(秋茜)」、いわゆる「アカトンボ」だろう。故郷で法事を終え、帰ってきたら、梅雨は明け、何という暑さであろうか。「ニイニイゼミ」がうるさい程に鳴き、最近そのテリトリーを大きく拡げている「クマゼミ(熊蝉)」が、羽化したばかりのヨタヨタした足取りで迷い込んできた。すっかり夏 ・・・。

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いつもコメントを寄せていただく「風呂井戸」さんがそのブログで、「この複雑にしてメロディアス、そして多彩な音の緊張感の連続の世界」と評したピアノトリオが、ベーシストの「ジャン・フィリップ・ヴィレ/Jean-Philippe Viret」が率いるピアノトリオ。(参照「ベーシスト~ジャン・フィリップ・ヴィレJean-Philippe Viret のピアノ・トリオ」) それならばと、ずっと昔に一度聞いたまま、しまい込んであったCDを引っ張り出して聴いてみた。

「ジャン・フィリップ・ヴィレ」。1959年、フランスのサン・クエンティンに生まれる。18歳になるまでは音楽を学んだことはなかったそうだ。やがてベースと出会い、ボルドー地方でトリオを組んで活動していたという。1979年パリに移り、1981年には、「the Double Basse orchestra」なるユニットを結成、6枚ほどのアルバムを残したという。様々なミュージシャンとの交流を経て、1998年には、ピアノの「エドワード・フェレ/Edouard Feret」、ドラムの「アントワン・バンヴィル/Antoine Banville」(後に「ファブリス・モロー/Fabrice Moreau」に代わる)とトリオを結成、今に至っている。

引っ張り出してきたのは、2002年のトリオ・セカンド・アルバム「Etant Donnes」。プログレッシブなアプローチとメロディアスな音世界が微妙なバランスで調和し、3人の見事なその調和が生み出す現代最高峰のジャズと評してもいい。久しぶりにジャズらしい世界に浸ることができた。


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品番:SKE333025
ETANT DONNES
ジャン・フィリップ・ヴィレ・トリオ/澤野工房




上記アルバムから2曲ほど ・・・。

「Jean-Philippe Viret Trio - Dérives」
 
          


「Jean-Philippe Viret Trio - Pilou」


          
 


 
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by knakano0311 | 2014-07-25 16:46 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(2)

小椎の原生林で姫春蝉の合唱を聞く

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近くの大型スーパーへの買い物の帰りにちょっと寄り道。場所は兵庫県猪名川町にある「天沢寺または天澤寺(てんたくじ)」。この寺は、奈良時代の高僧、「行基」が開いたという「楊津院(やないづのいん)」の後身と伝えられている地方の古刹。応永10年(1403)の銘が入っている境内にある石灯籠は、兵庫県指定文化財になっている。

私のお目当ては、この石灯篭ではなく、隣接する「八坂神社」との裏山一帯に茂る、「コジイ(小椎)」の原生林。それと、最近ではめっきり減少して、この地域では、そこだけにしか生息していないという「ヒメハルゼミ(姫春蝉)」の声。7月にしか出現しないこの蝉、兵庫県のレッドリスト、要注意に挙げられている。先日、「猪名川上流域の貴重な自然」というセミナーを受講して、そのことを知ってから、是非とも聞いてみたいと思ったのである。   

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「コジイ(小椎)」。ブナ科シイ属に属する常緑高木。「ツブラジイ(円椎)」ともいい、秋になると砲弾型の「どんぐり(団栗)」ができる照葉樹林の代表的な樹木である。この「コジイ」の原生林が、この猪名川上流域にはたくさん残されていて、そのほとんどが神社、寺院に隣接する森である。「シイ(椎)」は、海抜300m以下のより温暖で湿潤な場所で活発に育つため、長い間、人の手が入らなかった神社の森などに、「シイ」が優占する照葉樹林が、昔のまま原生林として残ったのである。従って、いまこの地にある里山も、全く手をつけず放っておけば、やがては、「シイ」がメインの照葉樹林化してしまうと言われている。

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「ヒメハルゼミ(姫春蝉)」(写真はNETより拝借)。成虫の体長はオス24-28mm、メス21-25mmほどでやや小型。生息域は西日本各地の「シイ」、「カシ」などからなる丘陵地や山地の人の手が入っていない照葉樹林に集団で生息するという。成虫が発生するのは、ほぼ7月に限られていて、他の蝉より一足早く、短期集中で発生し、集団で「合唱」することが知られている。

椎林に入ってみました。いや鳴いていましたね。「ニイニイゼミ」より少し甲高く、大きな声で、「ギー、ギー ・・・」と鳴いている。しかも一匹が鳴き出すと、それに和唱するように次々に鳴きだし、一匹が鳴き止むと、同調してピタッと鳴き止む。残念ながら、個体は確認できなかったが、「ヒメハルゼミ」の合唱の初聞き、いや興味深かった。参考までにYOUTUBEにアップされていた「鳴き声」を紹介しておきます。
「ヒメハルゼミの鳴き声」

さて、合唱。60年代アメリカのPOPSの世界では、「プラターズ/The Platters」、「ドリフターズ/The Drifters」、「テンプテーションズ/The Temptations」、「シュープリームス/The Supremes」など多くの黒人中心のコーラス・グループが人気を競い合った。JAZZの世界で覚えているのは、「フォー・フレッシュメン/The Four Freshmen」、「スウィングル・シンガーズ/The Swingle Singers」くらいであろうか。その後、70年代では、アカペラの「シンガーズ・アンリミテッド/The Singers Unlimited」、現在でも活躍しているグループといえば、「マンハッタン・トランスファー/The Manhattan Transfer」、アカペラ・コーラス・グループ、「Take 6」であろうか。いずれもスイング感いっぱいの素晴らしいハーモニーを聞かせてくれる。

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それに加えて上げておかなければならないのが、少し前に紹介した「ザ・リアル・グループ/The Real Group」。「ザ・リアル・グループ」は、2014年で結成30周年を迎えるスウェーデンのジャズ・アカペラ・グループである。世界におけるアカペラ・グープのなかでも、そのハーモニーの美しさは傑出している。(参照拙ブログ「みすぼらしくなってしまうが欠かせない ・・・・」

YOUTUBEにアップされていたライブの動画を二つほど ・・・・。2005年、ストックホルムのコンサート・ホールのライブから、「スウィングしなけりゃ意味がない」。

「The Real Group - It Don't Mean A Thing」

          

ストックホルム近郊の島、「Södermalm島」での、プライベートなライブから、「Pass Me The Jazz」。

「The Real Group - Pass Me The Jazz - Södermalm Sessions (live)」

          

 


 
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by knakano0311 | 2014-07-19 20:45 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(4)

路傍の花、樹々の鳥(41) ~ これも炎天の花 ・・・ ~

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今年初めて「ニイニイゼミ」の声を聞いた。この地域で最初に鳴き始める蝉である。ジリジリと太陽が照りつけるが、まだ梅雨明けではないそうだ。「炎天の花」もこれからが本番。「サルスベリ(百日紅)」、「ムクゲ(木槿)」、「フヨウ(芙蓉)」、「ノウゼンカズラ(凌霄花)」、「ヒマワリ(向日葵)」、「キョウチクトウ(夾竹桃)」などに混じって、ここのお宅の家先でしか見たことのない黄色の花が咲く。以前、読者の方から教えていただいた「ハマボウ(浜朴あるいは黄槿)」である。朝開き、夕方にはしぼんでしまうが、大きな木には夏に毎日次々と開花する。

 
和名は「浜辺に生えるホオノキ」の意味らしく、漢字も「浜朴」と書いたり、「黄色のムクゲ」という意味で「黄槿」とも書くが、なんとなくピンと来ない。しかし、この花が咲くと夏を実感するし、9月ころまで次々と咲いて、ウォーキングしている私の目を楽しませてくれる。

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さて、お久しぶりピアニストは、「ジャネット・サイデル/Janet Seidel」と並ぶ、オーストラリア・ジャズ界の第一人者、「ジョー・チンダモ/Joe Chindamo」。

1961年、メルボルンに生まれた「ジョー・チンダモ」はイタリア系移民の息子として成長し、6歳でアコーディオンを手にし、その早熟ぶりを発揮、13歳から次々と音楽の賞を獲得し、14歳で初録音をしたという。15歳で「オスカー・ピーターソン/Oscar Peterson」に感化されてピアノに転向、18歳でメルボルン州立大学に入学、初めてのピアノレッスンを受けた。その後、映画音楽界に活路を見つけたジョーは、60本もの映画音楽に関わると共に。着実にキャリアを重ね、澤野工房からの「Joy of Standards 」で日本での人気を獲得した。

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そんな「ジョー・チンダモ」のピアノ・トリオによる「ポール・サイモン/Paul Simon」へのトリビュート・アルバムが「AMERICA!」。 素材が元々素晴らしいので、どんなアレンジでも、安心して楽しめるメロディアスな作品に仕上がっている。誰でも知っている、「明日に架ける橋」や「ミセス・ロビンソン」、「サウンド・オブ・サイレンス」など、名曲が満載。気楽に聴ける一枚。

AMERICA! - Joe Chindamo Trio plays the Paul Simon songbook -

ジョー・チンダモ・トリオ / 澤野工房



イタリアの伝統あるジャズ祭「Umbria Jazz」で行ったソロ・ピアノ・ライヴ演奏でタイトル曲「AMERICA」。

「Joe Chindamo - AMERICA」

          

そして、「ジョー・チンダモ」の映画音楽集が、「Paradiso-the Joy of Film Music」。ピアノ・トリオにギター、バイオリン、パーカッションを加えた編成でご存知の映画音楽、「ピンク・パンサー」、「続・夕日のガンマン」、「ボルサリーノ」、「ゴールド・フィンガー」、「男と女」、「スマイル」、「黒いオルフェ」などを奏でる。

Paradiso-the Joy of Film Music

Joe Chindamo / Imports



上記アルバムから2曲ほど ・・・。

「Borsalino - Joe Chindamo」
 
          
 

「The Pink Panther - Joe Chindamo」


          



 
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by knakano0311 | 2014-07-18 09:32 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

路傍の花、樹々の鳥(40) ~ 花言葉は「人嫌い」 ~

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風に揺れる蔓に咲く、花弁は白色、中心は紅紫色の可憐な花。ウォーキングの道筋で見かけた「ヘクソカズラ」である。漢字で表すと、なんとまあ、「屁糞葛、屁屎葛」。私が知っている中で、最もユニーク?かつ醜悪な漢字表記の植物である。

「ヘクソカズラ」は、アカネ科ヘクソカズラ属の蔓性多年草で、至る所に生えている、まあ、「雑草」と呼ばれる類の植物である。葉や茎に悪臭があることから「屁糞葛」の名があり、古名は「クソカズラ(糞葛・屎葛)」で、万葉集に詠われているという。(Wikipedia参照) たぶん進化の過程で、自分の身を守るため、他の動物を寄せつけないようにしたのだろう。しかし、手で花や、葉、茎などをちぎって嗅いでみたが、なぜか少しも臭くはなかったのである。その臭さを一度は体験してみたいものである。なんと、花言葉は、その臭いが人を寄せつけないことから、「人嫌い」だそうだ。

「有川浩」の恋愛小説、「植物図鑑」の第1章にこの花が出てくる。「有川浩」には珍しい淡々としたストーリー仕立ての恋愛小説である。そこには、「花の姿の愛らしさは『雑草』の中でもかなり上位に入る」と弁護するように書かれている。また、「『雑草という名の草はない。すべての草には名前がある』と昭和天皇は仰ったそうです」とも書かれていた。

「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。噛みません。躾のできた良い子です。」 思わず拾ってしまったイケメンは、家事万能のスーパー家政夫のうえ、重度の植物オタクだった。「樹(イツキ)」という名前しか知らされぬまま、風変わりな同棲生活が始まった。野草料理のレシピ付き。

植物図鑑 (幻冬舎文庫)

有川 浩 / 幻冬舎


 
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前回、「チャーリーヘイデン/Charlie Haden」とのデュオ・アルバム「Jasmine」を聴いて、私の「キース・ジャレット/Keith Jarrett」への違和感が少し是正されたことを書いた。食わず嫌いの抵抗感が薄れた後、少しさかのぼって、うめき声を我慢しながらいくつか聴いてみた。そんな過程で見つけたソロ・ピアノによるスタンダード曲集が、「The Melody At Night, With You」である。

1996年のイタリアでのコンサート中、ジャレットは「慢性疲労症候群」のため、演奏することもままならない状態に陥り、自宅での療養を余儀なくされた。一時期はピアノを弾くことや外出はおろか人と会話する体力さえ無く、暗い闘病生活を送ったという。1998年に入ってやっとピアノが弾けるようになるまでになり、ようやく復活の兆しが見えた頃に、自宅のスタジオにて録音されたのがピアノ・ソロ作品。この作品は療養中、彼を献身的に支えた妻の「ローズ・アン・ジャレット/Rose Anne Jarrett」に捧げられている。5トラック目にさりげなく忍び込ませた「My Wild Irish Rose」にその深い思いも感じられる。

 
よく言えば、ユニーク、個性的。ややもすれば、アレンジやアドリブに押し付けがましもを感じながら、完全には違和感は払拭できなかったものの、このアルバムは、シンプルで、素直に原曲の美しさを際立たせ、祈りすら感じられる。まさに名盤と言って差し支えないほどのスタンダード・バラード集。

The Melody At Night, With You

Keith Jarrett / Ecm Records


 
フル・アルバムがYOUTUBEにアップされていました。トラック4の「Someone To Watch Over Me」、トラック9の「Shenandoah」などは思わず涙が溢れそうな祈りに満ちている。

「Keith Jarrett - The Melody At Night, With You (Full Album)」
 
          
 


 
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by knakano0311 | 2014-07-16 16:31 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(2)

すわ!大捕物か?

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ウォーキングの途中のことである。前方の路上にパトカーが3台、パトライトを点滅して止まっている。オートバイで駆けつけたおまわりさんも含め、10名程の警官が集まっている。昨今の物騒なご時世、「すわ!大捕物!」と思い、野次馬よろしく近づいてみた。軽トラの運転手と思しきオジサンが職務質問を受けている。自治会の役員さんが立ち会っているので事情を聞いてみたら、「窃盗容疑の現行犯」ということだった。

我が団地では、新聞紙、雑誌、ダンボールなどの廃品回収を特定の業者さんに委託をしていて、その売上の何%かが自治会や子供会などにバックされ、貴重な財源となっている。ちょうどこの日は月2回の廃品回収の日で、各戸の前には、新聞紙等が山積みになっていた。たぶん古紙の相場が上がっているのであろう。それを狙って、指定業者以外の輩が盗りにきて、通報により御用となったのだ。新聞紙等は「捨てたゴミ」ではなく、自治会の財産なので、「窃盗」に当たるのだ。ニュースなどで、全国各地で、電線、水道や消防ホースの蛇口、神社の銅瓦などが窃盗にあっていると報じられていたが、我が団地にも、「せこさ」、「せちがらさ」が犯罪となって及んできたのだ。わが兵庫県議会はその「せこさ」で、天下に恥をさらしてしまったが ・・・。

高齢者を狙った犯罪は増加し、その手口も巧妙化する一方。高齢化率が35%に達した我が団地。住民たちの防犯意識は高いとは言うものの、ますます高齢化は進んでいく。もっともっと住民相互の連帯による防犯対策が必要になってくる。

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さて、今宵は、「ヨーロピアン・ジャズ・トリオ/European Jazz Trio (EJT)」である。私がヨーロッパ・ジャズ、とりわけピアノ・トリオに強く興味を抱いたのは、このEJTを聴いてからであった。(参照拙ブログ「もしもピアノが弾けたなら(11) ~アムステルダムの陽だまり~」

数多くのアルバムから選んだのは、「夜のタンゴ/TANGO NOTTURNO」。コンチネンタル・タンゴ、「夜のタンゴ」、「真珠採りのタンゴ」、「ジェラシー」を取り上げた最高傑作とも言われているアルバム。勿論タンゴだけでなく、ボサノヴァやビートルズ・ナンバー、「ノラ・ジョーンズ」まで取り上げている。夜更けにじっくり聴くにはこれまたおすすめの一枚。


夜のタンゴ/ヨーロピアン・ジャズ・トリオ / / エム アンド アイ カンパニー


などといってみたが、実は「アバ/ABBA」がオリジナルの「money money money」がカバーされているからである。せちがらき世の中にちょっと風刺を込めて ・・・。

「European Jazz Trio - money money money」

          
 



 
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by knakano0311 | 2014-07-15 22:51 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(2)

庭先の宇宙

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台風一過の昨日のことである。庭先に羽化したばかりと思われるの「ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)」のメスが、やっとやっとといった体で、ひらひらというか、ヨタヨタと飛んでいる。日数からして、どう考えても、先日ブログに書いた幼虫が羽化したとは思えない。

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近辺を探すと、「サナギ(蛹)」が見つかった。他の「ヒョウモンチョウ」類は、ほとんど年1回しか発生しないのに対し、この蝶は4、5回発生するというから、気がつかなかったが、庭のどこかにあった蛹が、羽化したものであろう。成虫⇒卵⇒幼虫⇒蛹⇒成虫と変態を遂げていく、生態のサイクルが狭き我が庭で行われている。大げさかもしれないが、一つの宇宙が完結しているのだ。そんな新鮮な驚きと感動を覚えた。この蛹もいずれ羽化して成虫になるのである。しばらく観察を続け、その時が見たいものだ。

「チャーリー・ヘイデン/Charlie Haden」死去のショックがまだ尾を引いているようだ。久しぶりに、彼が「キース・ジャレット/Keith Jarrett」と組んだその「宇宙」を聴いてみたいと思った。中腰の姿勢で、時折うめき声を出しながらピアノを弾くスタイルに、違和感を感じて、私はあまり聴くことがなかったピアニストである。その評価を変えたのが、永年の盟友とも言うべき「チャーリー・ヘイデン」とのデュオ・アルバム、「ジャスミン/Jasmine」(2007年録音;2010年リリース)であった。

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「キース・ジャレット/Keith Jarrett」。1945年生まれの、アメリカのジャズ・クラシック・ピアニスト、作曲家。ペンシルベニア州出身。ヘイデンとは「盟友」といっていいくらい付き合いが長い。幼少期はクラシックの教育を受けていたが、高校時代からジャズに傾倒するようになったという。1967年には後のアメリカン・カルテットでも共演する今は亡き「ポール・モチアン/Paul Motian」、「チャーリー・ヘイデン」の2人を擁したトリオで初リーダー作、「人生の二つの扉/Life Between the Exit Signs 」を発表している。

そして、70年代においては、ピアノ・ソロでの活動と並行して2つのバンドを率いたが、その一つは、以前からトリオを組んで活動していた「チャーリー・ヘイデン」、「ポール・モチアン」にサックスの「デューイ・レッドマン/Dewey Redman」を加えた、通称「アメリカン・カルテット」と呼ばれるユニットであった。

1996年のイタリアでのコンサート中、ジャレットは激しい疲労感に襲われ、そのまま演奏することもままならない状態に陥ってしまい、、闘病生活を余儀なくされた。一時期は、ピアノを弾くことや、外出はおろか人と会話する体力さえ無かったという。復活の兆しが見えた1998年に自宅のスタジオにて録音されたのが、療養中彼を献身的に支えた妻に捧げられたピアノ・ソロ作品「メロディ・アット・ナイト・ウィズ・ユー/The Melody At Night, With You」。翌年の同作の発表をもって、ジャレットは本格的に演奏活動を再開し、現在に至るまでソロとトリオの双方で精力的な活動を続けている。(参照Wikipedia)

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正直言って、あの独特のスタイルに違和感を感じていた私の評価を変えたアルバム、「Jasmine」は、2007年に「The Melody At Night, With You」が録音された自宅を訪れた盟友ヘイデンと自然な形でコラボが始まったという。盟友ふたりの30年ぶりの再会がもたらしたセッション。その宇宙はなんだったのか。キースはこの作品のライナーノーツにこう書いている。『Call your wife or husband or lover in late at night and sit down listen.』。

Jasmine

Jarrett / Ecm Records



上記アルバムから3曲。

「Don't Ever Leave Me - Keith Jarrett & Charlie Haden」

          

「For All We Know ‐ Keith Jarrett & Charlie Haden」

          

「Keith Jarrett, Charlie Haden - Where Can I Go Without You」

          

まるでなにかの因縁でもあるかのように、奇しくも1か月前、2014年6月12日に、前作「Jasmine」から4年ぶりに発売されたのが、タイトルも暗示的な「Last Dance」。クレジットを見ると2007年の自宅録音、すなわち「Jasmine」の時に録音されたものである。4年もたってから今リリースされたことに、なにか予兆的なものを感じるのは考えすぎでしょうか ・・・。

Last Dance

Keith Jarrett / Ecm Records



「Keith Jarrett & Charlie Haden - Every Time We Say Goodbye」

          
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by knakano0311 | 2014-07-14 10:08 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

最高のベーシスト逝く

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突然飛び込んできた訃報 ・・・。

『チャーリー・ヘイデン氏(米ジャズ奏者、作曲家)米メディアによると、11日、ロサンゼルスで死去、76歳。闘病生活が続いていた。アイオワ州シェナンドア生まれ。音楽家の家庭に育ち、幼少期から音楽を始めた。97年のアルバム「ミズーリの空高く」などでグラミー賞を3度獲得。リンゴ・スターや富樫雅彦ら多数の音楽家と共演した。13年にはグラミー賞生涯功労賞を授与された。』

7月9日についで、今日の拙ブログ「やがては華麗なメタモルフォーゼへと ・・・」で取り上げたばかりである。

 
「チャーリー・ヘイデン/Charlie Haden」。その卓越したベースラインの美しさがゆえ、私が現在、最高と思ってきたベーシストである。そして、共演者から思いがけない美しい旋律を引出し、奏でさせるマジックを駆使するようにも思えた「デュオの名匠」でもある。(参照拙ブログ「デュオの名匠  チャーリー・ヘイデンの伝説」「棚田の稲穂」「棚田の赤とんぼ」などなど)

驚きと落胆を抑えきれないが、今はただ冥福を祈りばかり。合掌 ・・・・・。

「チャーリー・ヘイデン/Charlie Haden 」が、ピアニストの「ゴンサロ・ルバルカバ/Gonzalo Rubalcaba」や、パーカッショニストの「イグナシオ・ベロア/Ignacio Berroa 」というキューバ出身のチームとトリオを組み、ボレロの名曲をプレイしているアルバム、「ノクターン/Nocturne」で彼を偲ぼう。

Nocturne

Charlie Haden / Umvd Labels



このアルバムから何曲か ・・・。

「Charlie Haden & Gonzalo Rubalcaba - Tres Palabras(Three Words)」

          

哀切のヴァイオリンの調べ ・・・。「Charlie Haden & Gonzalo Rubalcaba - El Ciego(The Blind)」

          
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by knakano0311 | 2014-07-12 14:50 | 訃報を聞いて | Trackback | Comments(0)