大屋地爵士のJAZZYな生活

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路傍の花、樹々の鳥(59 ) ~ 一番咲き ~

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「ロウバイ(蝋梅、蠟梅、唐梅)」である。1月から2月にかけて黄色い花を付け、ビオラやパンジーなどを除くと、ウォーキングの道筋で、最初に花が咲くのは、この「ロウバイ」か「スイセン(水仙)」である。花の香りは強く、近づくとすぐわかる。花弁が蝋のような色であり、唐の国から来たこともあり、「唐梅」とも呼ばれ、中国名も「蝋梅」であったことにもちなむという。この花が咲いたのを見ると、春まであと一息と元気づけられる。

明日は、今年2度目の弾丸帰省。厳しい冬の真っ只中の故郷へと車を走らせる。

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わたしが音楽、ジャズを聴く時間は車の中が間違いなく一番長い。そんな状況の中で楽しめるCDが、私のヘビー・ローテとなっているようだ。さて、北へ向かう車の中で聴きたいアルバムは、「ヒューバート・ロウズ/Hubert Laws」の「春の祭典/The Rite of Spring」(1971)。プロデューサーの「クリード・テイラー/Creed Taylor」によって創設され、そのジャケットの画期的とも言える斬新さと音楽性の多様さ、時代感覚で、1970年代に巻き起こったジャズの新潮流〈クロスオーヴァー/フュージョン〉ムーヴメントを牽引したアメリカのジャズ・レーベル「CTI」シリーズ(Creed Taylor IncorporatedまたはCreed Taylor International)のアルバムである。私もそんなCTIシリーズに魅せられたひとりでもあり、このアルバムを含めCTIのいくつかは「我が青春のジャズ・グラフィティ」となっている。(参照拙ブログ「我が青春のジャズ・グラフィティ(6)~ 続・大人の眼差し ~」「我が青春のジャズ・グラフィティ(7)~ 青春の光と影 ~」

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「ヒューバート・ロウズ」。1939年、テキサス州ヒューストン生まれ。アフリカ系アメリカ人のジャズ/フュージョン・フルート奏者。ロウズ一家は音楽一家として知られており、6人兄弟すべてがミュージシャンであるという。

ヒューバートは次男で、10代の頃、テキサスで初期の「ジャズ・クルセイダーズ/The Jazz Crusaders」に参加。やがて、「ジュリアード音楽院」卒業後、本格的なプロ活動を開始。70年代にCTIレーベルからジャズとクラシックを融合した「春の祭典」、「アフロ・クラシック」などのヒットを次々に飛ばし、フュージョン系のスターになる。1970年代にグラミー賞に3回ノミネートされている。

「パバーヌ/Pavane」、「春の祭典/Rite of Spring」、「パンの笛/Syrinx」、そして「ブランデンブルグ協奏曲No. 3 の第一、二楽章/Brandenburg Concerto No. 3」が、とてもアコースティックで印象的に演奏される。「ボブ・ジェームズ/Bob James」のエレクトリック・ピアノ、「アイアート・モレイラ/Airto Moreira」のパーカッション、「ロン・カーター/Ron Carter」のベース、そんな全ての楽器を超越して、ロウズのフルートはどこまでも軽やかに飛翔してゆく。

春の祭典

ヒューバート・ロウズ / キングレコード




「Hubert Laws - Pavane (1971) 」


          
 
「Rite of Spring - Hubert Laws」

          


「Hubert Laws - Brandenburg Concerto No 3」


          
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by knakano0311 | 2015-01-28 23:18 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(2)

今シーズンの炭焼きを終えて反省しきり ・・・

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2回目の炭焼きの「くどさし」を終えた。後は2月7日の窯出し(炭出し)を待つばかりである。それをもって、今シーズンの炭焼きは終了である。今回は2回ともトラブル続きであった。第一回目は、窯が冷えていたことに加え、薪の管理が不十分で、乾燥が十分でなく、強い火力を得られなかった。結果、一部は美しい菊炭が得られたものの、総じて端部は生焼けが多く、合格点は得られなかったと思う。薪の乾燥の重要さを改めて認識させられた。毎回毎回、釜木やその生育条件、窯の状態、薪、燃焼状態、天候などがどれひとつとして同じではない。それに、多かれ少なかれ起こるトラブル。いつも思うことなのだが、炭焼きとは、それらを乗り越えて、いい炭に到達する推理ゲームのようなものである。

続く第2回目は、前回の反省を活かし、十分に乾燥した薪を使ったので、火力は申し分なかったが、木酢液、タールが煙道に流入し、温度計測に不具合が生じた。これも、システム改修後のトラブル予測が不十分だったと言わざるを得ない。しかし、応急的な対策を施してからは、順調に温度も推移し、当初からの新しい試みの「煉らし」も試みることができた。多分、2回目はいい炭が焼けていると思う。いや、願うばかり ・・・。

とにもかくにも、疲れたというのが本音。しかし、昨年までは3回の炭焼きをこなしていたのだから、気力、体力の衰えだろうか ・・・・。「くどさし」を終える頃には、朝からの小雨もあがり、遊びの山は霧に包まれていた。午後には寒冷前線が通り過ぎ、急激に冷え込んでくるという。

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さて、疲れた体にはお風呂とピアノでしょう。今宵のピアノはご贔屓、「エンリコ・ピエラヌンツィ/Enrico Pieranunzi」。このブログでも、もう何回も登場していますね。炭焼きの後には決まってこの人のピアノを聴いているような気もします。

「エンリコ・ピエラヌンツィ」は1949年、ローマ生まれ。5歳でピアノを始め、10代後半に伊・フロジオーネ音楽院で作曲とピアノ学位を取得した後、ジャズに関心を抱き19歳でプロ入り。'80年アート・ファーマーとの共演で世界的知名度を上げると、以後はヨーロッパやアメリカの多数著名アーティストと共演し、国内外で自身のトリオを持つなどベテラン・ピアニストとしての地位を不動のものにしていく。多作でも知られ、ほとんどが彼のオリジナル作品となるアルバムをこれまでに30枚以上もリリースしている。

アルバムは、「Ballads」(2006)。結晶格子が放つ光のようにも見えるジャケット・・・。静謐の暗闇から徐々にかすかに見えてくる彼岸の明かり。トリオのメンバーは、ベース、「マーク・ジョンソン/Marc Johnson」、ドラムは「ジョーイ・バロン/Joey Baron」。

Ballads

Enrico Pieranunzi / Carrion



アルバムは、28歳でピストル自殺したというイタリアの歌手、「ルイジ・テンコ/Luiggi Tenco」が、「ダリダ/Dalida」に捧げた歌だという、1962年のヒット曲、「Mi sono innamorato di Te (君に恋して)」で幕を開ける。


「Enrico Pieranunzi - Mi sono innamorato di Te」


          

ピエラヌンツィのオリジナル、「Sundays」。「マーク・ジョンソン」のベースをフィーチャー。

「Enrico Pieranunzi - Sundays」

          
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by knakano0311 | 2015-01-27 17:39 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)

寒・・・暖・・・懐

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「冬の間はすこしお休み ・・・」と思っていたが、そうもいかなくて、今年もまた「弾丸帰省」が始まった。今回初めてスタッドレス・タイヤを装着し、故郷へ。実家に着いてまずすることは雪掻き。松本地方、寒さは例年通り厳しいが、今年の積雪はまだ大したことがなく、そんなに苦労することもなく雪掻きを終える。そして、施設に入っている母親のケアと訪問看護の段取りだけをつけ、慌ただしく故郷を後にする。

そして、第1回目の炭出しと、第2回目の窯入れとを行った今日は快晴、山でも10度を超えるポカポカ陽気。一面の雪。零下6度まで冷え込んだ故郷とは大変な差である。公園の「シデコブシ(幣辛夷、四手拳)」の蕾も大きく膨らんできた。もう1ヶ月半もすると、白い花が咲く。

関西地方に移り住んでから、46年。もうあの厳しい寒さには体がとてもついてはいけないだろうが、あの雪景色には懐かしさを覚えてしまう。

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さて、今日は久しぶりにピアノ・トリオを ・・・。「ヘルゲ・リエン・トリオ/Helge Lien Trio」の「Natsukashii(懐かしい)」。なぜ日本語のタイトルなのかはわかりませんが、2011年リリースのアルバム。

「ヘルゲ・リエン」。ノルウェーを代表するピアニスト。1975年、ノルウェイ生まれの弱冠39歳。最初に音楽的影響を受けたのが、「ピンク・フロイド/Pink Floyd」だという。16歳でクラシックを志したが、「オスカー・ピーターソン/Oscar Peterson」を聴いて、JAZZの世界に。最初、ピアノ+チューバ+サックスという変則トリオを立ち上げるも、それと時期を同じくして、標準的編成のピアノ・トリオ、「ヘルゲ・リエン・トリオ」も立ち上げたという。デビュー・アルバムは、「What Are You Doing The Rest Of Your Life」(2001)。(拙ブログ「木槿、利休、そしてノルウェイへと ・・・」より)

Natsukashii

Helge Lien / Ozella Music



日本の自然を紹介する映像のバックに流れていたとしても、全く違和感はないタイトル曲、「Natsukashii」。

「Helge Lien Trio - Natsukashii」

          
 


 
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by knakano0311 | 2015-01-25 23:00 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

今年も新春から子供達と遊ぶ

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今年も新春から子供たちと遊ぶイベントが続いている。いずれもここ数年ほど毎年の恒例になっているイベントで、最初にあったのが、「新春餅つき大会」。園内にある竈(かまど)でもち米を蒸し、石臼で子供たちと一緒に餅を搗き、あんころ餅、きなこ餅、納豆おろし餅、雑煮などにしてみんなで食べる。やってきた50数人ほどの親子連れと、この公園で活動する団体の有志30人ほどで、瞬く間に10臼ほどの餅を搗き上げ、美味しく頂いた。朝は雪であったが、すぐに晴れ、穏やかな一日。

そして、「こども里山探検隊」。これは、子供達と一緒に森に入り、葉っぱやどんぐり、木の実などを集めて、いろんなものを炭にしてみようというイベントである。早速、森の中の探検で大量の材料を集めてきた。そのほかにも、竈で薪を燃やす体験や、クヌギを原木にして、椎茸のほだ木づくりをしてもらう。

いずれも、里山体験で寒いが冬の一日を精一杯遊んでもらうのが狙いのイベント。いずれも大好評、大満足で帰ってもらったようだ。さて、次は我々が精一杯楽しむ番の2回目の炭焼きが待っている。公園の「コブシ(辛夷)」の芽も大分大きく膨らんできた。春の足音はかすかながら聞こえてきているのである。


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さて、今宵のお久しぶり歌姫は、前回、「リザ・ヴァーラント/Lisa Wahlandt」に続くロリータ・ボイス、「ソフィア・ペターソン(ペテルソン)/Sofia Pettersson」。1970年生まれ、スウェーデンのジャズシンガー 、作曲家、作詞家、ボーカルコーチ。 私も何回も仕事で訪れた街、「マルモ(マルメ)」の音楽院で学んだ。その後、1987年から歌手活動を開始し、1998年にアルバム、「Oasis」でデビュー。1999年にはストックホルムへ移り、そこを活動の拠点としているという。ジャズ風に歌うポップス・シンガーといった感じであるが、影響を受けた歌手に、「スティーヴィー·ワンダー/Stevie Wonder」、「ダニー·ハサウェイ/Donny Hathaway」、「ポール·サイモン/Paul Simon」、「ジョニ·ミッチェル/Joni Mitchell」などを上げていることから、納得もできよう 。

セカンド・アルバム、「スローダウン/Slow Down」(2002)。「プリンス/Prince」や「ポール・サイモン」、「バート・バカラック/Burt Bacharach」、「レナード・コーエン/Leonard Cohen」などの秀逸なカバーが収められ、やや太目で力強い声であるが、まぎれもなく「ロリータ・ヴォイス」である。

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Slow Down

Sofia Pettersson / Prophone




 
「Sofia Petersson - Can't Take My Eyes Off You」

          

「Sofia Pettersson - Close To You」

          

「sofia pettersson - hallelujah」

          






 
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by knakano0311 | 2015-01-22 22:51 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)

三九郎の記憶

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「小正月の火祭り」を松本地方では「三九郎(さんくろう)」と言う。正月松の内が開けたあと、子供たちが家々を周り、門松や注連飾りなどを集め、近くの田んぼに長い竹とでピラミッド状に組んだ小屋を建て、子供たちはその中で餅を焼いたりしながら一日遊ぶのである。そして私の記憶では、1月14日の夜だったと思うが、小正月にその小屋を焼くのである。この行事は、ここ関西地方を始め、全国的で「どんど焼き」と呼ばれて広く行われているようですが、関西の一部では、「とんど焼き」、「左義長」などとも呼ばれています。

なぜか故郷松本では「三九郎(さんくろう)」と読んでいた。「三九郎」の日には、正月の飾り物、縁起もの、書き初めなども持ち寄って焼くのであるが、とりわけ、かって養蚕が盛んであった松本地方では、家に飾ってあった柳の枝に刺した繭に見立てた団子、「繭玉(まゆだま)」あるいは「繭団子」と呼んだと思うが、それを持ってきて「三九郎」の火であぶって食べる風習がある。団子を焼いて食べると、その年は無病息災でいられるという言い伝えからである。子供たちだけで、自由に小屋の中で遊べるこの行事が待ち遠しかったことを覚えている。

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それともう一つ、この時期、1月上旬行われるのが、「飴市(あめいち)」。「飴市」の始まりは、今から約400年以上前にさかのぼるという。戦国時代、今川、北条両氏により、塩の供給を断たれ困っている敵将の「武田信玄」に「上杉謙信」が、越後から信濃経由で塩を送り、この塩が松本の地に届いたのが永禄11年(1568年)1月11日だという。いわゆる「敵に塩を送る」の故事を記念して「塩市」が始まり、いつしか「飴市」になったと言い伝えられている。その時に牛を繋いだといわれる「牛つなぎ石」が、現在でも市街の中心部には残っている。正月明け、真冬のお祭り。家族みんなで飴やダルマを買いに街にでる。厳しい寒さや、正月で家の中にこもりがちな子供たちにとっては、この二つの祭りは、年の明けとともにやってくる嬉しい行事であった。 (写真はいずれもNETより拝借)

そんなことを思い出しながら、明日は今年最初の弾丸帰省、天候を気にしながら、雪国に向けて車を走らせる。

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さて、今宵のお久しぶり歌姫は、「リザ・ヴァーラント/Lisa Wahlandt」。アルバムは、「ハートに火をつけて/原題;Stay a while ~ A Love Story in 9 Songs」。このアルバムを思い出したのは、よくお邪魔するブログに、「ウォルター・ラング・トリオ」が紹介され、それで思い出したからである。

「リザ・ヴァーラント」。ドイツを代表するジャズ・シンガーとなったという彼女は、ドイツ南部のバイエルンで生まれた。アコーディオン奏者だった父を持つ「リザ・ヴァーラント」は幼少の頃から様々な音楽に触れ、人前で歌うことが好きな子だったという。高校時代はアマチュア・バンド活動もしたが、卒業後OLとして働くも、音楽への夢断ち難く、オーストリアの音楽院で本格的にジャズの勉強をする。特にブラジル音楽からは多大な影響を受け、「アストラッド・ジルベルト/」や「スタン・ゲッツ/」に捧げたアルバムやボサノヴァ・アルバムをリリースし高い評価を得たのち、2003年、初の彼女名義のアルバム、「マレーネ/Marlene」がリリース。

Marlene

Lisa Wahlandt / Finem



そして、「ハートに火をつけて」は、彼女にとって6枚目のアルバム。ロリータ・ボイスといっていいでしょう、そんなリザが歌うのは、アルバム・タイトルにもなっている「ドアーズ/The Doors」の「ハートに火をつけて/Light my fire」や、「ローリング・ストーンズ/The Rolling Stones」の「As tears go by(涙あふれて)」、「ビートルズ/The Beatles」の「Here there and everywhere」などのロック/ポップス・カヴァーである。そしてドイツを代表するピアニスト、「ウォルター・ラング」率いるピアノ・トリオがサポート、リリカルなピアノがリザのボーカルをひきたてる。

ハートに火をつけて

リザ・ヴァーラント+ウォルター・ラング / ミューザック



「Lisa Wahlandt-Here,There And Everywhere」

          

同じ歌かと耳を疑うように驚いたのは2曲、一つはシューベルトの歌曲「おやすみ/Gute Nacht」をこんなにJAZZYなバラードとして歌ったこと。もう一つは、パワフルな強い女のイメージで「グロリア・ゲイナー/Gloria Gaynor」が絶唱して世界的に大ヒットしたあのディスコ・チューン「恋のサヴァイヴァル/I Will Survive」。囁くようにまるで180度転換した歌い方で耳と心をくすぐる。

「Lisa Wahlandt - I will survive」

          
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by knakano0311 | 2015-01-19 23:34 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Trackback | Comments(0)

炭焼きの合間に楽しむ

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さて皆さん、上の写真、容器に入った真っ黒いものに炭化したものは何でしょうか? 答えは、うどんとお揚げさん。カップ麺の食材です。そうです、こんなものまでが炭になるです。

炭焼きの二日目は、最低でも8時間、ただひたすらに薪を燃やして、窯の温度を上げる一日。正直に言うと、「火の番」の担当以外は、暇なのです。そこで、一般参加者の皆さんを飽きさせずに、その時間をなんとか楽しんでもらおうと、いろいろな体験をしてもらっている。その一つが、飾り炭づくり、とにかくいろんなものを炭にしてみようという遊びである。そこでできたのが、なんと「うどん炭」。

作り方はいたって簡単。山にあるどんぐり、葉っぱ、栗、野生の柿など、あるいは蜜柑、バナナなどを小さな孔を開けた缶に入れ、炭の上で蒸し焼きにすれば、「遊び炭」というか「飾り炭」が出来上がる。細い栗のイガの一本一本まできれいに炭化される。その他過去の経験では、蜘蛛の巣、蛾の繭(まゆ)なども炭にしたことがある。

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そのほかの楽しみ方は、ふんだんにある炭を使って、七輪での炭火熾しの仕方、焼き芋づくり、縁起ものの炭細工、薪割り機を使っての薪割りや、竈(かまど)で薪を使ってのの炊飯、火打石による発火など ・・・。次回は、クヌギを使って、椎茸のほだ木づくりもしてもらおうかなと思っている。こんなふうに楽しむことはいっぱいあるし、また、それはサバイバルの知恵ともなっている。


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さて、CD収納チェストを整理していたら、出てきた本当にお久しぶりシンガー。「ジェニファー・ウォーンズ/Jennifer Warnes」。あまり馴染みがないかもしれませんが、映画「愛と青春の旅だち(原題:An Officer and a Gentleman)」(1982年)の主題歌、「Up Where We Belong」を、つい先日旅立ってしまった、「ジョー・コッカー/Joe Cocker」とデュエットで歌い、アカデミー歌曲賞を受賞した歌手といえば、思い出される方がいるでしょう。

「Joe Cocker & Jennifer Warnes - Up Where We Belong」




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「ジェニファー・ウォーンズ」は、1947年生まれのアメリカ、ワシントン州シアトル出身で、南カルフォルニア育ちの歌手。私も「愛と青春の旅だち」の主題歌を歌った歌手、そんな程度の認識しかなかったが、聴くことになったいきさつは、もう大分前のことですが、私の好きな「レナード・コーエン/Leonard Cohen」の作品群を歌ったアルバムをTSUTATAで見つけたからである。それが「ソング・オブ・バーナデット 〜レナード・コーエンを歌う/原タイトル;Famous Blue Raincoat」。

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「レナード・コーエン(Leonard Norman Cohen)」は、1934年カナダ・モントリオール生まれ。デカダンな雰囲気で特にヨーロッパで絶大な人気を獲得。日本でも熱心なファンも多い詩人、小説家、シンガー・ソングライター。同じカナダ出身の「マデリン・ペルー/madeleine peyroux」のアルバム「ケアレス・ラブ」で知った曲、「Dance Me To The End Of Love/哀しみのダンス」のオリジナルがコーエンだった。(参照拙ブログ「60歳過ぎたら聴きたい歌(15) ~ Dance Me To The End Of Love~」

全曲がコーエンの曲であるアルバム「Famous Blue Raincoat」は1986年リリースのLPアルバムの再発。

ソング・オブ・バーナデット 〜レナード・コーエンを歌う

ジェニファー・ウォーンズ / BMG JAPAN



コーエンがこのアルバムのために書き下ろしたという曲、「First We Take Manhattan」。ギターは「スティーヴィー・レイ・ヴォーン/Stevie Ray Vaughan」。

「Jennifer Warnes - First We Take Manhattan」

          

アルバム・タイトル曲、「Famous Blue Raincoat(素敵な青いレインコート)」

「Jennifer Warnes - Famous Blue Raincoat」

          

カントリー・タッチの「Ain't No Cure For Love」。

「Jennifer Warnes - Ain't No Cure For Love」

          

このアルバム最大の収穫は、私は見ていませんが、「ユースケ・サンタマリア」、「菅野美穂」主演のフジテレビ系ドラマ「アルジャーノンに花束を」(2002年10月~放映)の主題歌、「ソング・オブ・バーナデット/Song of Bernadette」。ロマンティックなピアノで優しくしっとり歌い上げる。

「Jennifer Warnes - Song of Bernadette」

          


    




 
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by knakano0311 | 2015-01-18 17:56 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)

はばタン、遊びの山に来たる

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兵庫県以外に住んでいる人には多分馴染みが薄いでしょうが、兵庫県のゆるキャラ、「はばタン」が、我々の遊びの山にやってきた。ちょっと見は「ひよこ」に似ているが、この「はばタン」、「阪神・淡路大震災」から復興する兵庫の姿を、甦っては元気に羽ばたく「フェニックス(不死鳥)」になぞらえてデザインされたもので、最初は、平成18年(2006年)に開催された「のじぎく兵庫国体」のマスコットであったが、現在は県のマスコットに指定され、県のPRやイベントなど、いろいろなところで一役かっているので、兵庫県民には結構人気があるらしい。

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なぜ「はばタン」が山にやってきたのかって? 兵庫県のローカル民放TV局の番組に、兵庫県が提供している県民情報番組がある。我々の活動している遊びの山は県立公園なので、その番組が、公園とそこで里山保全のボランティア活動をしている我々とを、PRを兼ねて取材に来たというわけである。女性レポーターやTV局クルーと一緒にやってきた「はばタン」、森やクヌギ林の手入れ、薪割り、飾り炭の炭焼きなどを、ほぼ一日がかりで体験取材していった。なんと私もちょこっとインタビューを受けたので、放映されるとか ・・・。

明日、1月17日は、平成7年(1995年)の「阪神・淡路大震災」発生から20周年。そして「はばタン」は、それから8年後にあたる平成15年(2003年)1月17日が誕生日とされている。あの日の記憶、少しずつは薄れていってはいるが、まだまだ鮮明に覚えている。今年は節目の20年、追悼の行事が各地で行われる。

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これは本当にお久しぶりである。今宵の歌姫は「フェイ・クラーセン/Fay Claassen」。1969年生まれのオランダのジャズ・シンガー。最初はダンスとバレーを学んだが、1990年頃からアムステルダムの音楽学校でジャズ・ボーカルを学び始めた。天賦の才は隠せないらしく、在学中に2つの賞を獲得したという。やがてプロ歌手としての活動を始め、多くのジャズ・フェスなどで著名なミュージシャンたちとのコラボも重ね、もうベテランといってもいい20年のキャリアが積み重ねられ現在に至っている。

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オランダはジャズの盛んな国。この国も、「アン・バートン/Ann Burton」、「リタ・ライス/Rita Reys」、「ローラ・フィジィ/Laura Fygi」など、多くの女性歌手を輩出している。そして、アムステルダムといえば思い出すのが、「チェット・ベイカー/Chet Baker」の終焉の地であったこと。1988年、彼はアムステルダムのホテルの窓から転落死してしまった。(参照拙ブログ「男唄に男が惚れて(1) ~チェット・ベイカー 無頼派への憧れ~」「60歳過ぎたら聴きたい歌(55) 終わりなき闇 ~チェット・ベイカー/My Funny Valentine ~」など」

2004年は「チェット・ベーカー生誕75周年」だったそうだ。「フェイ・クラーセン」ら、オランダの「チェット・ベイカー」ゆかりのJAZZアーティスト達が、生誕75周年のトリビュートアルバムを企画した。それが、「フェイ・クラーセン・シングズ・チェット・ベイカーVol.1、Vol.2」。「アムステルダムのため息」などとも呼ばれている彼女のハスキーな声に「チェット・ベイカー」を偲ぶ。

フェイ・クラーセン・シングズ・チェット・ベイカーVol.1

フェイ・クラーセン3Dシステム



フェイ・クラーセン・シングズ・チェット・ベイカー Vol.2

フェイ・クラーセン / SPACE SHOWER MUSIC



まだちょっと日がありますが、「マイ・ファニー・バレンタイン」。まっ、いいか。バックは、アルバムでも歌伴をしている「カレル・ボエリー・トリオ/Karel Boehlee Trio」。

「My Funny Valentine - Fay Claassen」

          

そして「エルヴィス・コステロ/Elvis Costello」の名曲、「Almost Blue」。

「Almost Blue - Fay Claassen」
 
          





 
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by knakano0311 | 2015-01-16 16:01 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)

妖しの炎は炭化が順調に進んでいる証拠

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さて、炭焼き三日目と四日目のレポートである。窯内の温度が窯木が自身で熱分解を起こす温度(300~400℃)に達したため、薪を燃やすのを止め、空気孔を残し、窯口をレンガで遮蔽するところまでが前日の作業であった。三日目は、温度計で排煙口の温度を測り、窯内の温度を推定しながら、空気孔の開け具合を調節する。これは、ゆっくりと炭化を進行させ、翌日の日中に「くどさし」と呼んでいる、窯内への空気を遮断し、それ以上の炭化、すなわち灰になってしまうことを防ぐための作業を実施したいがための調節である。

冒頭の写真のように、補助口から窯の内部を覗いてみると、倒れ掛かったトタン板の奥に、熱分解を起こして真っ赤になった窯木がかすかに見える。なんと妖しく、そして不思議で美しい赤なんだろうか。


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そして、四日目。いよいよそのときを迎える。炭焼きの工程の中で最大の山場である「くどさし」である。このタイミングが早すぎると生焼け状態となり、遅すぎると灰化が進んでしまう。炭の出来栄えを決める重要なポイントである。我々は、「くどさし」を行うか否かを、窯内の温度の想定、煙の色と出方、排煙口でのマッチの点火時間で判断をしている。この日も朝から温度測定を繰り返していたが、窯焚きに用いた薪の乾きが良くなく、その影響が後々まで及び、なかなか温度が上がらない。空気孔は全開にしたままである。これは、熱分解、炭化の進行が遅れていることを意味するので、すこしハラハラしたが、どうやら、「くどさし」の時期を迎えたようである。

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排煙口をしっかり閉じ、窯口の空気口も閉じて、砂で完全に覆ってしまう。これで空気は完全に遮断され、炭化の進行は止まり、徐々に窯の温度は下がってゆく。プロの炭焼き師は、炭焼きの効率を上げるために、100度もある窯に入り炭を取り出すというが、我々はそんな危険なことはできないので、十分に窯が冷えた10日ほど経ってから炭を取り出す。この「くどさし」を終えたあとはもうなす術は何もない。後はいい炭ができるようにと天に祈るばかりである。さて、どうなりますか ・・・。

さて、今宵は「ソフィー・ミルマン/Sophie Milman」。ちょっと変わりだね、ロシア・ウラル山脈出身のジャズ・ボーカリスト。現在はカナダに住み、デビュー時はトロント大学経営学部の学生でもあった。

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1983年、ロシアのウラル山脈に生まれ、ユダヤ人差別から、1990年代前半の冷戦崩壊後の混乱の中、7歳の時に家族と共にロシアからイスラエルに移住するという厳しい生活環境に育ったが、10代の頃からミュージカルのオーディションに合格するなど、音楽的才能を発揮していた。その後、15歳の時に家族と共にカナダに移住した。その後、大物プロデューサー、「ビル・キング/Bill King」に見いだされ、2004年に彼女自身の名前を付けたアルバム、「ソフィー・ミルマン」で、カナダでのデビューを果たした。2007年にリリースされたアルバム「Make Someone Happy」は、2008年のジュノー賞で最優秀ボーカルジャズアルバム賞を受賞した。ジャズ・スタンダードから、ポピュラー・ソング、ボサノヴァにシャンソン、ロシア民謡といった幅広い選曲と、その美貌と華麗な歌声で、日本でも高い人気を誇っている。

Sophie Milman

Sophie MilmanLinus Entertainment



「Sophie Milman - Agua De Beber」

         

デビュー・アルバムに比べ、やや地味めの2ndアルバム、「メイク・サムワン・ハッピー/Make Someone Happy」から、タイトル曲を。

Make Someone Happy

Sophie Milman / Linus



「Sophie Milman - Make Someone Happy」

          

Take Love Easy

Sophie Milman / Koch Records



「Sophie Milman - Beautiful Love」

          

In the Moonlight

Sophie Milman / Ent. One Music


  

「Sophie Milman - Moonlight」


          
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by knakano0311 | 2015-01-15 17:27 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)

蛇の舌は窯口遮蔽の合図 ~ 待望の炭焼き始まる ~

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いよいよ待ちに待った炭焼きが始まった。第一回目は10名ほどの一般参加者を交えての炭焼きである。初日は、炭焼きの歴史や作業工程をすこし学んでもらい、窯前で二拝二拍手一拝、例年通りの窯開きの神事を終え、作業に取り掛かる。まずは、我々が昨年伐った窯木とバイタを集積所から軽トラに積み、窯の前まで運ぶ作業。そして窯入れである。手渡しで順々に窯の中に入れ、窯の中では窯木の細い方を下にしてぎっしりと詰め込んでいく。そして窯木の上部にはバイタも同じようにして詰め込んでいく。我々の窯の大きさだと、約400本近くの窯木と約80束のバイタが詰め込まれる。そして、窯木と薪とを遮断するトタンを設置すれば、窯入れ作業は完了。下の図は窯入れ後の窯の断面図である。このあと、古式に則り、火打石によって発火させた火を薪に点火し、冷え切っている窯を温めるための予備乾燥を行って、初日の作業を終える。

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さて、二日目は、ただただひたすらに焚口で一日薪を燃やす日である。炭焼きというのは、窯木を直接焼くのではなく、窯口で薪を燃やすことによって、窯内の温度を数百度まで上げ、詰め込まれた窯木の熱分解を促進させ、炭化させる作業である。従って経験上、最低でも8時間は窯焚きを行わなくてはならない。このとき重要になるのが、薪の乾きの状態である。十分乾燥させた薪を使わないと、強い火力を得られず、窯の温度が上がらない。今回もそんな乾きが十分でない薪が混じっていたため、窯の温度が上がらず、ハラハラ、イライラした窯焚きであった。

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やがて十分に温度が上がってくると、熱分解されたセルロース、リグニンなどのガスが窯内に充満し、窯口へと逆流し、火がつく。それが冒頭の写真のように、「蛇の舌」のように見えるのである。この現象が始まると、もう薪を燃やさなくても、窯内の温度が十分に上がっているため、空気を送ってやりさえすれば、熱分解を促進していく。空気穴を残して窯口をレンガで遮蔽する、その作業に取り掛かる合図が、「蛇の舌」なのである。この作業で二日目を終えるが、終える頃は、あたりは真っ暗で冷気が肌を刺す午後6時をとうに超えた時間である。乾きの十分でない薪を使ったことの反省や、済の出来栄えの心配、明日からの作業の思案などを頭に描きながら帰路に着く。

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さて、今宵のお久しぶり歌姫は、「キャロリン・レンハート/Carolyn Leonhart」。1971年、ニューヨーク生まれのジャズ・ボーカリスト。彼女は、ベーシストの「ジェイ・レンハート/Jay Leonhart」と、ヴォーカリストの「ドンナ・レンハート/Donna Leonhart」の娘で、兄はトランペッターの「マイケル・レンハート/Michael Leonhart」。そんな音楽一家に育ったため、早くからその音楽的才能の開花を期待されていたという。高校で音楽教育を受け、ゴスペル・コーラス・グループで歌う一方、家では、父親と兄の演奏にあわせてスタンダードを歌っていた。ロチェスター大学へ入学し、そこでも一層ジャズへの傾倒を深めていった。

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やがて、「スティーリン・ダン/Steely Dan」のバック・コーラスとしての活動や、アルバム参加で実力を積み上げてきたところを、「マンハッタン・ジャズ・クインテット/Manhattan Jazz Quintet(MJQ)」の「デヴィッド・マシューズ/David Matthews」に見出され、2002年、日本のレコード会社、「キングレコード」から自信名義のアルバム、「Autumn in New York」でデビューを果たした。

たしかこの頃、音と映像で綴られたジャズのTV番組「パナソニック・サウンド・エッセイ 名曲物語」で、「デヴィッド・マシューズ」などとともに登場した彼女の歌と美貌に、一躍人気が出てきたように記憶している。そんなことから、このアルバムは、多分日本のレコード会社が彼女に目をつけた結果の企画物だったんではないかと思えるが、このデビューをきっかけに本国でも評価が高まったという。

美人ジャズ・ヴォーカリスト、「キャロリン・レンハート」デビューのスタンダード・ジャズ・アルバム。大人の雰囲気が漂う演奏は「デヴィッド・マシューズ・トリオ」。
  

ニューヨークの秋

キャロリン・レンハート デヴィッド・マシューズ・トリオキングレコード



そのアルバムからスタンダードを2曲。まずタイトル曲、「ニューヨークの秋」。

「Carolyn Lenhart - Autumn in New York」

          

「ハンク・ジョーンズ/Hank Jones」の伴奏で歌うパナソニックのCMが話題になった「What´s new」。その時のハンクの決め台詞は「ヤルモンダ」。アルバムからアップとCMを続けて ・・・。

「Carolyn Leonhart - What´s new」

          

「Panasonic Plasma TV Commercial」

          
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by knakano0311 | 2015-01-14 18:07 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)

初山遊びは、安全祈願と炭焼き準備から始める

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今日が今年の山遊びの初日。海抜350mほどの山頂まで登り、お神酒を捧げ、2拍2礼1拍。クラブ員一同で、山の神に今年の山作業の安全の祈願と遊ばせてもらう事への感謝を祈念する。そのあとは、早速土曜日から始まる炭焼きの準備に取り掛かる。今年、予定している炭焼きは2回、2月の上旬までかけて実施するのである。

前回の炭焼きから10ヶ月ほど使わなかった窯である。窯の傷みなどは既に点検を済ませているが、湿った窯の予備乾燥、木酢液の回収装置の設置と点検、炭焼きで使ういろいろな道具や温度管理の計測機器などの点検、砂の採取、そしてなによりも、窯木、バイタ、薪が2回の炭焼きを十分賄うことができるかを確認し、仕分けをする。

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我々の焼く炭は、「備長炭」に代表される白炭ではなく、黒炭である。しかも、焼いた炭の木口に現れる放射状の割れ目模様が、美しい菊の花を思わせる模様になるところから、「菊炭」と呼ばれている炭である。古来、太閤秀吉の頃から茶会で重用されているという。材料は「クヌギ(椚、櫟)」。「クヌギ」だけが、このような美しい菊の花の模様になるのである。下の写真はNETより拝借したものであるが、こんな美しい菊炭をいつも焼けるようになりたいと思うのが、私の本音であり、願いでもある。

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しかし、典型的な日本の里山風景とも言われる「クヌギ林」は、この地域でも、かって炭焼きを生業としていた里の近くの山にしか見られない。「クヌギ」の原産地は、日本(本州~九州)、中国、朝鮮南部と広い地域にわたっているにもかかわらずである。我々の活動する公園に隣接する山でも、自生しているのは、ほとんどが「コナラ(小楢)」で、「クヌギ」は見当たらない。そんなところから、もともと日本の山には自生していなかったが、炭を焼くために中国、朝鮮半島あたりから持ってきて、植林したものではないかという説もあるのである。

必ずしも明確な根拠が示されているものではないらしいが、次のような説を聞いたことがある。
『クヌギは外来種であり、約1200年ほど前、「弘法大師」が炭焼き技術を中国大陸から持ち帰ったときに、一緒に持ってきたもの。 そして、この地域に残るクヌギ林も、元々は炭焼きのため、古くから人の手で植林されたものである』という説。

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この辺の地域の特徴や歴史を当てはめてみた素人考えではあるが、クヌギ林が炭焼きを生業とする里の近くだけに存在すること、炭焼き窯の窯床と煙道とをつなぐ孔を「弘法の孔」とよぶこと、更にこの地域一体は、奈良の大仏鋳造の際に必要な銅を産出したとも伝えられる「多田銀銅山」の鉱脈が走っている地域であり、銅の精錬には大量の炭が必要であろうことから、「弘法大師」は別としても、先の説にも一定の説得力があり、うなづけるのである。

いずれにせよ、かっては立派な里山だったが、1960年代の燃料革命を契機として、次第に「クヌギ林」が放棄され、さらにダム建設により、放棄が決定的になった里山には常緑広葉樹が勢力を拡げ、かっての里山としての機能が失われてしまった。その林を、「クヌギ林」として蘇らせ、古来からこの地域の特産であった「菊炭」を焼く炭焼き技術を伝承しようとする我々の活動のメインの行事、炭焼きが今年もまた始まったのである。

昼過ぎまでかかって、点検・準備を終え、土曜日からの炭焼きにワクワクしながら山を下りる道筋、ダム湖には雪混じりのにわか雨が降り始めた。

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さて、長くなりましたが、お待ちかね?今宵の歌姫は、新春から元気をもらえる歌手。前回とりあげた、「ヒンダ・ホフマン/Hinda Hoffman」がリスペクトするという「シェイラ・ジョーダン/Sheila Jordan」。ピアニストの「デューク・ジョーダン/Duke Jordan」の元夫人で、ご長寿白人女性ジャズ・ボーカリストの登場。

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1928年ミシガン州デトロイト生まれ。1941年に地元のジャズクラブでピアノを弾き、歌を唄い、セミプロとしての活動を始めたという。この時期に共演した「チャーリー・パーカー/Charles Parker」の音楽に大きな影響を受けた。1951年、ニューヨークに活動の場を移し、「チャーリー・パーカー」のグループのメンバーでピアニストの「デューク・ジョーダン/Duke Jordan」と結婚する。その後、「グリニッジ・ビレッジ」を中心に様々なジャズ・クラブで演奏やセッションを重ね、現在のキャリアを築く。

彼女は、ビー・バップ時代のジャズをベースに、現代のモダン・ジャズなスタイルも取り入れ、ヴォーカルを楽器のように自在にスキャットでインプロヴィゼーションさせるジャズ・ヴォーカリストとして伝説的な存在になっているといっていい。

1970年代、80年代、LP時代最後の頃の女性ジャズ・シンガー、芸術肌の伝説的シンガーが、ブルーノートに残した「幻の・・・」といわれたアルバムの復刻盤が、「チャーリー・パーカー」に心酔していた初期の傑作といわれる「Portrait of Sheila Jordan」である。

Portrait of Sheila Jordan

Sheila Jordan / Blue Note Records



「ビリー・ホリディ/Billie Holiday」の名唱で知られる「I'm a fool to want you」を。ビリーとはまた一味違う、揺れる切なさが伝わってくる絶品のバラード。

「Sheila Jordan - I'm A Fool To Want You」

          

御年86歳。まだ現役バリバリらしく、2008年には、80歳を記念してバースディ・ライブを行い、驚くなかれ、ピアノ・トリオをバックに新しいアルバムをリリースしている。まさにレジェンドリー・ジャズ・シンガー、「シェイラ・ジョーダン」 ・・・。そのアルバムが、「Winter Sunshine」。「老いてもなお輝きを失わない冬の太陽のように」。アルバム・タイトルが、なにか今の彼女の心根を象徴しているみたいで聴いてみたいですね。

Winter Sunshine

Sheila Jordan / Justin Time Records


 
最後に「レジェンド・シェイラ」の2012年7月のライブから ・・・。84歳にしてこのグルーヴ感、このスキャットの冴え、ステージの迫力。いや、年の初めから元気がもらえますね。

「SHEILA JORDAN - SHEILA'S BLUES」

          




 
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by knakano0311 | 2015-01-09 10:43 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)