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大屋地爵士のJAZZYな生活

ノーベル平和賞受賞報道で思い出したのは ・・・

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 ノルウェーの「ノーベル賞委員会/Norwegian Nobel Committee」は9日、2020年の「ノーベル平和賞/Nobel Peace Prize」を、飢餓との闘いと紛争地域での平和活動をたたえ、国連(UN)の「世界食糧計画/World Food Programme(WFP)」に授与すると発表した。 同委員会は、「紛争地域での平和に向けた環境改善への貢献と、飢餓を戦争や紛争の武器に利用することを防ぐ取り組みで先頭に立っている活動」を受賞理由に挙げた。
   
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 この報道で思い出したのが、最近TVやネットのCMでよく見る「WFP」からの寄付依頼。1年ほど前だっただろうか、「WFP」から寄付依頼の手紙が舞い込んだ。多分、過去に同じ国連機関である「ユニセフ(UNICEF:国連児童基金)」の寄付に協力したことがあり、そんなことからの依頼だったのであろうか。同封されていたのが、趣意書、振込用紙、写真のトート・バッグとネーム入りのボールペン。しかし、WFPという団体は初耳。このご時世、新手の詐欺か?と訝って差出先やらHPなどを調べてみたが、どうやら実在し、ちゃんとした意義ある活動をしている団体と分かった。ペンやバッグにかかる資金をまわしたらとも思ったが、結構ペンは書きやすいし、レジ袋有料化でトート・バッグも必要としていた。結局、わずかばかりの寄付をしたが、ペンとバッグはその後も愛用している。「ただ」で貰ってしまうことに抵抗感のある、私のような日本人の心理をついた新たな寄付マーケティングだろうか。
  
 今まで平和賞には、その受賞に首をかしげる政治家への授与も多く、納得できない場合もあったが、今回のWFPの受賞は納得できる。もっとも私は、残念にも、銃撃されて死亡してしまったが、井戸や農業用水路を建設し、砂漠化した土地を緑の農地に生まれ変わらせるなど、生涯をアフガニスタンの支援に捧げた医師の「中村哲」さんが受賞されることを期待していたが ・・・。
  
 ノーベル平和賞を授与するのは、スウェーデンではなく、ノルウェー。ということで、ノルウェーのご贔屓ピアニスト、「トルド・グスタフセン/Tord Gustavsen」のカルテットの演奏する「Eg Veit I Himmerik Ei Borg」を。「天にある砦を知っている」という意味のトラディショナル聖歌で、ノルウェーではよく知られている曲だという。アルバム、「Extended Circle」(2014)から。
     
 ピアノ・トリオでの美メロ・アルバムがお馴染みであるが、本作はテナー・サックスを加えたカルテットである。パーソネルは、「Tord Gustavsen - p」、「トーレ・ブルンボルグ/Tore Brunborg - ts」、「マッツ・アイラーツェン/Mats Eilertsen - b」、「ジャール・ヴェスペスタッド/Jarle Vespestad - dr」。YOUTUBEには、カルテット・バージョンとソロ・ピアノ・バージョンがアップされていたので、両方お聴きください。
 
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 Extended Circle
 Tord Gustavsen Quartet
 Ecm Records






「Eg Veit I Himmerik Ei Borg- Tord Gustavsen Quartet/XX Festiwal Jazz na Starówce 2014.8.30.」
             
    
「Tord Gustavsen - Eg Veit I Himmerik Ei Borg」  
          
    
    
 ノーベル平和賞。一層、分断や断絶、差別が顕わになったコロナ禍の世界。平和を願って奏でる「大石学」の「Peace」。アルバム、「FAZIOLI F278 AGAIN」(2020)から。YOUTUBEには、札幌にある、「奥井 理(おくい みがく)ギャラリー」で、2014年6月に収録された演奏がアップされていました。
   
   
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 FAZIOLI F278 AGAIN
 大石学
 北千住プロジェクト






   
「Amazing Grace ~ Peace - 大石学(2014/6/29 奥井理ギャラリーにて収録)」  
          
     
    
   




# by knakano0311 | 2020-10-11 10:13 | マーケッターとしてのシニアから | Comments(0)

ご近所のフェイク

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 私のご近所、スーパーに買い物に行く道筋に、フェイクな城が二つある。ひとつは、国道173号沿い、能勢電鉄「一の鳥居」駅近くにある「大阪青山歴史文学博物館」。外見はかなり本格的な模擬天守で、ひときわ目立ち、春は桜の名所ともなっている。この博物館は、「大阪青山大学」が、古文書や典籍等の文化財を調査・収蔵・展示する目的で建てられたもので、「紀貫之」の国宝「土左日記」や、「藤原定家」の重文「明月記」等を所蔵していて、私も一度見学したことがある。
    
 近くに清和源氏「源満仲」の末裔で「織田信長」と親交のあった「塩川長満」の居城「山下城」跡があり、それに因んでこの模擬天守の博物館も建てられたという。
   
 もう一つのフェイクな城は、多分自作?の城もどき。20年以上、かなり前から林の中にポツンと一軒だけ建っていた建物。一見3階建ての住宅と思ったが、屋根の形、外見からすると、どう見ても城を模した建物、城もどき。初めて見た当時から、電気を引き込んでいるような形跡もなく、人が住んでいる気配は全くないため、何のために建てられたのかも、今って全くわからない謎の建物である。20数年たって新名神高速インターへのアクセス道路開通によって建物の周囲が削られ、孤立した今も、相変わらず人が住んでいる気配もなく、その用途もわからないまま、ポツンと建っている。
   
 そして下は、わが故郷のシンボル、国宝「松本城」の端正な佇まい。TVなどで見かけるとやはり心が故郷に引き戻される。
   

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 トランプ大統領が連発する「フェイク・ニュース」という発言で一般にもすっかり馴染みとなった「フェイク/fake」という言葉。もともと、「偽り」とか「遊び」とかいう意味の俗語だが、ジャズでは「自由に崩して歌う、演奏する」という「アドリブ/ad lib」、「インプロヴィゼーション/Improvisation」の一つの手法、つまり、テーマと呼ばれる曲のメロディをもとに変化をつけることを「フェイク」と呼んでいる。
  
 今宵の曲。存分に「フェイク」を味わいましょうか。さて、こんなアルバムがあります。2005年に夭折したサンパウロのシンガー・ソングライター、「ホドリーゴ・ホドリゲス/Rodrigo Rodrigues」が遺した、アコースティック・ギターで弾語られる美しくも哀しいスタンダード・カヴァー集、「フェイク・スタンダード/Fake Standards」(2007)。そこから、スタンダードを2曲。「Get Along Without You Very Well」、「Cry Me a River」。
     
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 Fake Standards/フェイク・スタンダード
 Rodrigo Rodrigues/ホドリーゴ・ホドリゲス
 Rip Curl Recordings






      
【 I Get Along Without You Very Well 】 
              by Hoagy Carmichael , Jane (Brown) Thompson
   
「♪ I get along without you very well, あなたなしでもうまくやっているよ
   Of course I do,          もちろんうまくね
   Except when soft rains fall     でもダメね、優しい雨が降って
   And drip from leaves, then I recall  木の葉から滴がこぼれると貴方を思い出すの
   The thrill of being sheltered in your arms. 貴方の腕に抱かれた時のあのときめきを
   Of course, I do.          そうだけど、もちろんうまくやっているわ
   But I get along without you very well.  一人でもね
   
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」
   
     
「I Get Along Without You Very Well - Rodrigo Rodrigues」   
             
   
    
「Cry Me a River - Rodrigo Rodrigues」  
          
   
   
 そして、「城」と言えばヨーロッパでしょう。イングランド、スコットランド、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、スペイン、フランス、スイス、オーストリア、イタリア ・・・。旅の途中にいくつも見たし、「Schloss(城) Hotel」に泊まったことも懐かしい思い出。
   
 ということで、欧州ジャズ・ピアニスト・オン・パレードによる「欧州Jazzy城紀行」。まずは、「スウェーデンの城/Chateau en Suede」。「ヨーロピアン・ジャズ・トリオ/European Jazz Trio」のアルバム、「Chateau en Suede (スウェーデンの城)」(1989)から。そして、「ケニー・ドリュー・トリオ/Kenny Drew Trio」の演奏でも。「Recollections/欧州紀行」(1989)から。フェイクの妙を聴き比べるのも一興。
   
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 Chateau En Suede/スウェーデンの城
 European Jazz Trio/ヨーロピアンジャズトリオ
 M&I
  





   
「Chateau En Suède - European Jazz Trio」  
           
   
   
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 欧州紀行/Recollections
 ケニー・ドリュー・トリオ/Kenny Drew Trio
 M&I






    
「Kenny Drew trio - Chateau en Suede」   
            
    
     
 「Castle of Solitude(孤独の城)」は、まだまだその活動力に衰えを見せないイタリアの巨匠、「エンリコ・ピエラヌンツィ/Enrico Pieranunzi」のアルバム、「Dream Dance」(2009)から。映像は、2018年のライブ動画から。
     
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 ドリーム・ダンス/Dream Dance  
 エンリコ・ピエラヌンツィ/Enrico Pieranunzi
 CAM Jazz







  
「Enrico Pieranunzi - Castle of solitude」  
            
   
    
 二人目のイタリア出身の美メロピアニストは、ご贔屓「ジョバンニ・ミラバッシ/Giovanni Mirabassi」。宮崎アニメのテーマ曲、「ハウルの動く城/Howl'S Moving Castle」は、アルバム「Prima o Poi」(2005)から。
      
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 プリマ・オ・ポワ/ Prima o Poi
 ジョバンニ・ミラバッシ・トリオ/Giovanni Mirabassi Trio
 Bang




      
「Howl's Moving Castle - Giovanni Mirabassi」
             
   
   
 3人目のイタリア出身、これもご贔屓の美メロ・ピアニストは、「ロベルト・オルサー/Roberto Olzer」。ムソルグスキーの曲をアレンジした「The Old Castle」は、アルバム、「Celeste」(2018)から。このメンバーでの彼のステージも忘れ難い。
   
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 CELESTE
 ロベルト・オルサー・トリオ/Roberto Olzer Trio
 澤野工房
     
  



      
「Old Castle (Mussorgsky) - Roberto Olzer Trio」  
          
 
   
 スウェーデン出身、「マーティン・ティンヴァル/Martin Tingvall」は「Castle Song」。ソロ・ピアノ・アルバム、「The Rocket」(2019)から。
    
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 The Rocket
 Martin Tingvall
 Soulfood Music Distribution GmbH






              
「Castle Song - Martin Tingvall」  
            
     
    
 さて、城紀行もそろそろ終わりに近づいてきました。異色の組み合わせによるコラボも聴いてみましょうか。これまたご贔屓のノルウェーのピアニスト、「トルド・グスタフセン/Tord Gustavsen」。コラボ相手は、ドイツ生まれのアフガニスタン系女性ボーカル、「シミン・タンデール/Simin Tander」。グスタフセンの全アルバムに参加している盟友、「ヤーレ・ヴェスペシュタ/Jarle Vespestad」を加え、ピアノ、ドラムスに女性ヴォーカルが加わった変則的なトリオ編成の演奏で「A Castle in Heaven」。アルバム、「What Was Said」(2016)から。アップしているのは、アムステルダムでのライブ。「シミン・タンデール」は語るように歌う。静かに浮かび上がる声。神秘的なパシュトー語の響き。イスラムとキリスト教文化の融合。
    
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 What Was Said  
 Tord Gustavsen Trio,Simin Tander, Jarle Vespestad
 ECM





    
「Tord Gustavsen & Simin Tander - A Castle In Heaven」  
          
  
    
 最後は、「ウォルター・ラング/Walter Lang」。ドイツのピアニスト。「Snow Castle」はトリオ演奏のアルバム、「Starlight Reflections」(2013)に収録されているが、ノルウェイのサックス奏者、「トリグヴェ・セイム/Trygve Seim」との2016年のライブを ・・・。
    
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 STARLIGHT REFLECTIONS
 ウォルター・ラング・トリオ
 澤野工房






    
「Walter Lang & Trygve Seim - Snow Castle」  
           
   
   
 長旅、お疲れさまでした。


# by knakano0311 | 2020-10-10 00:15 | 地域の中で・・・ | Comments(0)

10月には ・・・


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 「レイ・ブラッドベリ―/Ray Bradbury」が好きだった。短編集「10月はたそがれの国/The October Country」。日本語版が発刊されたのが、1965年、発刊。高校入学したてのまだ子供だった私だが、友達に勧められたこの本の、蠱惑的なそのタイトル、イラストレータ、「ジョー・マグナイニ/Joseph Mugnaini」の表紙絵(日本語初版の表紙は原著と同じイラスト)、挿絵に強く惹かれ、その後「レイ・ブラッドベリ―」のファンになっていった。「10月」という言葉に私は特別の魅惑的な響き、あるいは郷愁にも似た感傷を感ずるのは、青春時代に読んだこの本の影響が多分にある。
   

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 「10月はたそがれの国」は、SFの抒情詩人といわれるブラッドベリの名声を確立した処女短編集「闇のカーニバル」の全編に、新たに五つの新編を加えた作品集。後期のSFファンタジーを中心とした短編とは異なり、ここには怪異と幻想と夢魔の世界がなまなましく息づいている。そして、「ジョー・マグナイニ」の挿絵12枚を付してさらに雰囲気を醸し出している決定版。

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 10月はたそがれの国 (創元SF文庫)
 レイ・ブラッドベリ 、宇野 利泰 (訳)
 東京創元社







           
 さて、今宵の歌は、「When October Goes」。「10月が過ぎ去ると ・・・」そんな意味でしょうか。「バニー・マニロウ/Barry Manilow」自身の作曲になる彼のヒット曲。「ミスター・アメリカ」と呼ばれ、「Moon River」、「酒とバラの日々/The Days Of Wine And Roses」などでオスカーをとった、「ジョニー・マーサー/Johnny Mercer」(1976年没)の作詞である。マーサーの妻が彼の死後、遺品を整理していた時にこの詩を偶然見つけ、そのとき直ちに「マニロウに曲をつけて歌ってもらおう」というインスピレーションが閃いたそうである。
   
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 「バリー・マニロウ/Barry Manilow」。1943年生まれ。私たちと同世代で、「コパカバーナ/Copacabana」という大ヒット曲をもつアメリカのポピュラー音楽の歌手、ピアニスト・作曲家・アレンジャー・プロデューサー。
  
 この歌は、1984年ポピュラー畑の彼にしてはJAZZ・ブルース色の濃厚な、全曲オリジナルで構成されたアルバム、「2:00 AM Paradise Cafe」(1984)に収録されている。これからの秋の夜長、グラスを傾けながらゆったり聴くにはぴったりの一枚であろう。まるでニューヨークあたりの小さなジャズ・クラブの片隅に居るような気分に浸れる極上のジャズ・バラード・アルバム。

【 When October Goes 】  by Johnny Mercer / Barry Manilow

「♪ And when October goes    そして、十月が過ぎ去ると
   The snow begins to fly     雪が降り始める
   Above the smokey roofs    煙たなびく煙突の上を
   I watch the planes go by    飛行機が飛んでゆく
   The children running home  子どもたちは家路へと急ぐ 
   Beneath a twilight sky      暮れなずむ空の下
   Oh, for the fun of them     なんと楽しかったか
   When I was one of them    私もそんな子供達の一人だった

   And when October goes      そして、十月が過ぎ去ると
   The same old dream appears  あの夢がよみがえる
   And you are in my arms      今あなたは私の腕の中で
   To share the happy years     幸せな時を共に味わっているが
   I turn my head away         私は頭を逸らせ         
   To hide the helpless tears      流れる涙を隠す
   Oh how I hate to see October go  ああ、十月よ、行かないで
  
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  ♪」
   
   
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 2:00 Am Paradise Cafe
 バリー・マニロウ/Barry Manilow
 Sbme Special Mkts.





    
「When October Goes - Barry Manilow」
          
   
    
 さて、魅惑的な女性シンガーの4人の競演特集としましょうか。最初は、いぶし銀のようなダークで渋い歌唱の、ノルウェー出身の「インガー・マリエ(・グンデルセン)/ Inger Marie Gundersen」。寡作ながらアルバムは、「Feels Like Home」(2017)から。
  
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 Feels Like Home (SACD/Hybrid)
 Inger Marie Gundersen/インガー・マリエ・グンデルセン
 Master Music

   




   
「Inger marie-When october goes」   
          
   
   
 続いては「ナンシー・ウィルソン/Nancy Wilson」。1937年生まれ、御年83歳。アメリカ合衆国、オハイオ州出身の女性ジャズ&ブルース歌手。アルバム、「With My Lover Beside Me」(1991)からのピックアップ。今までに70枚以上のアルバムをリリースし、3度のグラミー賞を受賞したレジェンド的な大ベテラン。「グラミー賞・ベスト・ジャズ・ボーカル・アルバム」を獲得した「Turned to Blue」(2006)を最後に、2011年に引退。長い間闘病に苦しんだが、2018年12月、81歳でこの世を去った。私としては、「高倉健」主演の映画、「夜叉」のエンディングでの歌唱、「Winter Green And Summer Blue」がいつまでも心に残っている。
  
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 With My Lover Beside Me
 ナンシー・ウィルソン/Nancy Wilson
 Sony
    





     
「Nancy Wilson ー When October Goes」

          
        
     
 レトロで懐かしい歌唱は、「ローズマリー・クルーニー/Rosemary Clooney」。「Sings The Lyrics Of Johnny Mercer」(1987)から。「ジョージ・クルーニ―/George Clooney」は彼女の甥で、ジョージが出演している人気TVドラマ、「ER緊急救命室」に彼女がゲスト出演したことがある。
   
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 Sings The Lyrics Of Johnny Mercer
 ローズマリー・クルーニー
 Concord Records






 
「When October Goes - Rosemary Clooney」  
          
    
   
 最後は「モニカ・マンシーニ/Monica Mancini」。こちらは、「ヘンリー・マンシーニ/Henry Mancini」の愛娘。アルバム、「The Dreams Of Johnny Mercer」(2000)から。
   
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 The Dreams Of Johnny Mercer
 Monica Mancini
 Concord Records






     
「When October Goes - Monica Mancini」  
            
   
    


# by knakano0311 | 2020-10-08 01:48 | 音楽的生活 | Comments(0)

10月になると ・・・


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 10月に入ると、来年1月からの炭焼きに向けて、そろそろ準備を始めなくてはならない。来年のことを言うとなんとやらであるが、もう早いもので、もうそんな時期である。 10月には炭材となる「クヌギ(橡、椚)」の調査、伐採計画を立て、11月、12月には、伐採、玉切りをし、最低でも800本からの窯木を準備しなくてはならない。 それに先立っての炭窯の点検を行った。

   
 我々の使っている炭窯は、現在も黒川地区で炭を焼いているI氏の指導により 、平成15年につくられた。炭窯も家と同じで、メンテをしながら、大事に使えば、100年持つといわれている。年に数10窯も焼くプロと違って、我々の炭焼きは年2,3窯。使うことより、使わないことによる傷みの方が気になる。前回修理したのが、7年ほど前、そろそろ補修しなければならない箇所もあるだろう と思っていたが、窯に潜って点検したところ、10数か所ほどの壁の剥がれが見つかった。 早速補修計画を立てねば ・・・。   

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 窯の中には住み心地がよほどいいとみえて、大きな「ゲジゲジ(蚰蜒)」の番(つがい)が、私の侵入に驚いて、狂ったように這いずり回ってる。雨に濡れない窯の外側の砂地には、無数の「アリジゴク(蟻地獄)」が、静かな罠を仕掛けている。
   
 10月になれば ・・・。今宵の曲は、「ティズ・オータム/’Tis Autumn」。以前の記事からの採録です。1941年に「ヘンリー・ニモ/Henry Nemo」が作詞・作曲した美しい歌。“'Tis” は、古語あるいは詩的な表現で、“It is” の略。
   
【 'Tis Autumn 】
        作詞・作曲:Henry Nemo
   
「♪ Old Father Time checked,    時の爺さんは、
     so there'd be no doubt,  もう疑いを挟む余地がないほど確かめてから
   Called on the north wind to come on out, 北風さんに、来てくれるよう呼ぶんだよ
   Then cupped his hands,     両手でメガホンを作り、
     so proudly to shout,     誇らしげに叫ぶんだとさ
   "La-de-da, de-da-de-da,     「ラ・ディ・ダ、ディ・ダ・ディ・ダ、
       'tis Autumn!".        もう秋になったよぉ!」とね  
     
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  ♪」
   
 歌うのは我がミューズ、「ステイシー・ケント/Stacey Kent 」。寓話的なこの歌を、子供に語り聞かすような優しく愛らしい歌唱。サックスは、彼女のパートナーの「ジム・トムリンソン/Jim Tomlinson」。アルバム、「The Boy Next door」(2003)から。
   
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 The Boy Next Door
 ステイシー・ケント/Stacey Kent
 Candid Records





    
「Stacey Kent - 'Tis Autumn」
          
    
     
 そして、「チェット・ベイカー/Chet Baker」のトランペット。アルバムは、「Chet」(1959)から。雰囲気ががらりと変わり、都会的な気だるさが伝わってくる。
     
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 チェット+1/Chet+1
 チェット・ベイカー/Chet Baker with Bill Evans
 ユニバーサル ミュージック
 




      
「Chet Baker - 'Tis Autumn」

          
    


       


# by knakano0311 | 2020-10-06 00:14 | 炭焼き小屋から | Comments(0)

編隊が飛んで行く

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 空を揺るがす轟音。毎年10月に開催される自衛隊、中部方面隊、伊丹駐屯地のイベント、その予行演習と本番のため、この時期いつもCH-47J輸送ヘリコプターやAH-1S対戦車ヘリコプターなどのヘリコプターの10機を超える編隊が我が団地の上空に飛来する。その最初はびっくりしたが、その轟音はもう風物詩となっている。戦争を知らない世代の私。兵器にもかかわらず、理屈は抜きで戦闘用飛行機にもかっこいいと思ってしまう。今年は、10月4日(日)に開催されるが、コロナ禍のため、創隊60周年記念行事は、一般参加者を入れずに行われるという。
    
 今宵の曲、「コンドルは飛んでいく/El Cóndor Pasa」。1970(昭和45)年に、アメリカのフォークロック・デュオ、「サイモン&ガーファンクル/Simon and Garfunkel」が、南米ペルーのフォルクローレ(民族音楽)で、「ロス・インカス/Los Inkas」の演奏に歌を乗せ、大ヒットした。「コンドルは飛んで行く」など名曲が目白押しで、名実ともに彼らの代表作であるとともに、音楽史上に残る不朽の名盤、「明日に架ける橋/Bridge Over Trouble Water」(1970)から。

【 El Condor Pasa (If I Could) 】
          by Paul Simon / Jorge Milchberg / Daniel Alomia Robles
   
「♪ I'd rather be a sparrow than a snail. カタツムリになるよりもスズメになりたい
   Yes I would,If I could,I surely would. なれるものなら できるなら 本当にそう思う
   I'd rather be a hammer than a nail. 釘よりもハンマーになりたい
   Yes I would,If I only could,I surely would. なれるものなら できるなら 本当にそう思う
  
   Away, I'd rather sail away       遠く海を渡って行きたい
   Like a swan that's here and gone   この地に来、飛び立ってゆく白鳥のように
   A man gets tied up to the ground   人間は大地に縛り付けられ
   He gives the world           世界に向かって
   It's saddest sound,It's saddest sound.  悲しく叫ぶだけ 一番悲しい叫びを
   
   I'd rather be a forest than a street.    街路樹になるよりも森になりたい
   Yes I would.If I could,I surely woud. なれるものなら できるなら 本当にそう思う
   I'd rather feel the earth beneath my feet, 足の真下に大地を感じたい
   Yes I would.If I only could,I surely would. なれるものなら できるなら 本当にそう思う 
 
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪
   
    
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 明日に架ける橋
 サイモン&ガーファンクル
 SMJ




  
「Simon & Garfunkel - El Condor Pasa (If I Could) 」
          
   
  
 「コンドルは飛んでいく」に似た、ゆったりとした飛翔感を感じる歌唱は、「鈴木重子」の「Song Of A Bird( とりのうた)」。アルバム、「My Best Friends」(2001)から。
     
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 マイ・ベスト・フレンズ/My Best Friends
 鈴木重子/Shigeko Suzuki
 BMG JAPAN





   
「Song Of A Bird (とりのうた)- 鈴木重子」  
          
  
   
 最後は、私も2度ほど訪れたことがあるバルセロナを中心都市にもつ、スペイン、カタロニア地方の民謡、「鳥の歌/El cant dels ocells」。この地出身の「パブロ・カザルス/Pablo Casals、カタルーニャ語:Pau Casals」の演奏。アルバム、「鳥の歌~ホワイトハウス・コンサート」(2000)から。
    
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 「パブロ・カザルス」。1876年、スペイン・カタルーニャ地方に生れ。4歳でピアノを始め、9歳になるとオルガンを始め、11歳でチェロを弾き始めたという。チェロの名手としてその名を確立した後、1939年、スペイン内戦のため、フランスへ亡命。1945年、演奏活動を再開するも、フランコ政権に抗議して演奏活動を停止した。
  
 カザルス84歳の1961年11月13日、ケネディ大統領に招かれホワイトハウスで披露した曲が、「鳥の歌」。この曲には、故郷への思慕と、平和の願いが結びついており、カザルスの愛奏曲である。さらに、1971年10月24日(国連の日)、ニューヨーク国連本部にて演奏会、国連平和賞が授与されている。この時も、「私の生まれ故郷カタルーニャの鳥は、ピース、ピース(英語の平和)と鳴くのです」と語り、「鳥の歌」をチェロ演奏したという。
   
 1961年11月13日、ホワイト・ハウスでのコンサートの「鳥の歌」を。ピアノは、ポーランド出身のピアノ奏者、「ミェチスワフ・ホルショフスキ/Mieczysław Horszowski」。
   
 今のホワイトハウスの主は、すべてが「ディール」、「損か得か」。「音楽を愛でる」というような心のゆとりや、「カザルス」の想いに心を寄せる弱者への共感の心は、到底持っていないように思えるが ・・・。
     
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 鳥の歌~ホワイトハウス・コンサート
 パブロ・カザルス
 SMJ
    




    
「Pau Casals - El cant dels ocells (at the White House) 」

          
   


    


# by knakano0311 | 2020-10-04 09:33 | 音楽的生活 | Comments(0)