大屋地爵士のJAZZYな生活

梅は咲いたか、桜はまだかいな ~

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 昨日とは一転、寒さが逆戻り。今日の山作業は先週に引き続き、「アラカシ(粗樫)」、「ヒサカキ(非榊)」、「ソヨゴ(冬青)」などの常緑広葉樹を伐採し、「エドヒガン(江戸彼岸)」の群生林の周辺整備。写真のように、すっかり見通しが良くなった。

 そして、里に1月ほど遅れて、山にも梅が ・・・。

 「♪ 梅は咲いたか、桜はまだかいな~ ♪」なんてね。

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 さて、今宵のピアノ。1981年イスラエル、テルアビブ生まれ、現在はフランス在住のピアニスト、「ヤロン・ヘルマン/Yaron Herman」のデビュー・アルバム、「Piano Solo Variations」 (2006)。邦題は「ヤロン・ヘルマン・デビュー」。このCDを引っ張り出すのはずいぶんと久しぶり。梅の花に誘われて、Blossomを聴きたくなった・・・とでもしておきましょう。

 「ヤロン・ヘルマン」。ピアノを始めたのはかなり遅く、16歳だったという。それまではスポーツ少年だった彼は怪我をしたことが、ピアノを学ぶきっかけだった。ところが、あっという間に頭角を現し、2年後には賞を取るほどに。ボストンのバークリー音楽院で学んだあと、パリを活動拠点と定め、演奏活動をはじめたという。2006年、25歳で本作のピアノ・ソロでデビュー。

 「Variations(変奏)」というタイトルですが、例えば、冒頭の曲は、ガーシュインの名作「Summertime」ですが、その後いずれもヘルマンのオリジナルですが、「var.1」として「Blossom」、「var.2」として「Facing Him」、「var.3」として「Jerusalem Of Gold」が続くという趣向になっている。すなわち、「Blossom」、「Facing Him」は、「Summertime」をモチーフに使った変奏曲としてのオリジナル曲と見ることができ、またそのモチーフが随所に出てくるので、3曲が一体となった組曲といえるでしょう。その意味で、JAZZ的なアプローチと言えなくもない。時折、かすかに「キース・ジャレット/Keith Jarrett」ばりの唸り声が入るが、キースほど耳障りではない。

ヤロン・ヘルマン・デビュー

ヤロン・ヘルマン / ビデオアーツ・ミュージック



 主題「Summertime」と「var.1/Blossom」と「var.2/Facing Him」を続けて ・・・。

「Summertime - Blossom (var.1) - Yaron Herman」

          

「Yaron Herman - Variations - Facing Him (Var. 2) 」

          

 同じアルバムから、「スティング/Sting」のヒット曲、「フラジャイル/Fragile」。パーカッションを加えての、ファンキーな演奏。

「Yaron Herman - 【Piano Solo Variations】 - Fragile」

          
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# by knakano0311 | 2017-03-10 17:37 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)

続々・春を告げる食卓は

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 蓋を開けた途端に磯の香りが台所に立ち込める。私のリクエストがかなっての「鯛めし」である。 「タイ(鯛)」と呼ばれる魚は何種類もあるが、いわゆる鯛の仲間は、「マダイ(真鯛)」、「クロダイ(黒鯛)」、「キダイ(黄鯛)」の3種類だけ、それ以外は「鯛」の仲間ではないという。

 今日の「鯛めし」の鯛は、「レンコダイ(連子鯛)」。「キダイ (黄鯛)」の別名である。「黄鯛」は群れを作るため、漁獲し易く、延縄で次々と連なって漁獲されるため、この名があるという。「真鯛」より安価で流通し、身が柔らかいため、時々スーパーでも見かける。ともあれ、やはり「鯛めし」、美味いのだ。

 海への感謝シリーズ、第3弾はボサノヴァの創始者、「アントニオ・カルロス・ジョビン/Antônio Carlos Jobim」が遺した名曲、「波/Wave」(1967)。ジョビン自ら作詞したポルトガル語題名では、「Vou te contar(あなたに説明しよう)」という意味だそうだ。

【 Wave 】

「♪ So close your eyes        さあ、目を閉じてごらん
  For that's a lovely way to be    それが君の本当の心に気づくための
  Aware of things your heart     いちばんの方法
  alone was meant to see       寂しいように感じたとしても
  The fundamental loneliness goes   きっと寂しさは消えていく
  whenever two can dream a dream  ふたりで夢を見さえすれば
  Together               ふたり一緒に夢を

  You can't deny            否定しないで
  don't try to fight the rising sea    荒波に抗おうとしないで
  Don't fight the moon, the stars above 月や星に荒波に抗おうとしないで
  and don't fight me           僕にも
  The fundamental loneliness goes    きっと寂しさは消えていく
  whenever two can dream a dream   ふたりで夢を見さえすれば
  Together                ふたり一緒に夢を

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ♪」

 聴き比べの最初は、御大「アントニオ・カルロス・ジョビン」のアルバム、「Wave」(1967年録音)から。

WAVE

ANTONIO CARLOS JOBIM / A&M



「Antonio Carlos Jobim - Wave」

          

 もうひとりのボサノヴァ創始者、「ジョアン・ジルベルト/João Gilberto」も聴いてみましょうか。アルバム、「Amoroso」(1977)から。

AMOROSO(イマージュの部屋)

ジョアン・ジルベルト / ワーナーミュージック・ジャパン



「João Gilberto - Wave」

          


 「マンハッタン・ジャズ・クインテット/Manhattan Jazz Quintet(MJQ)」もまさかのボサノヴァのアルバムをリリースしてます。

ブルー・ボッサ

マンハッタン・ジャズ・クインテット / ビデオアーツ・ミュージック



「Manhattan Jazz Quintet - Wave」

          

 最後は’60年代の極めつけ、「セルジオメンデス&ブラジル '66/Sergio Mendes & Brasil '66」。

Equinox (Special Packaging)

Sergio Mendes / Umvd Labels



「Sergio Mendes & Brasil '66 - Wave」

          





  
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# by knakano0311 | 2017-03-09 17:04 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(2)

続・春を告げる食卓は

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 「サクラダイ(桜鯛)」の鯛茶漬け。「マダイ(真鯛)」は、12月初頭から3月の終わりにかけてが、旬だという。特に産卵期である春は、桜のように鮮やかな美しい色彩を持っていて、オスの「真鯛」には、ちょうど開花する桜の花びらのような斑点が浮かび出ることことから、別名「桜鯛」や「花見鯛」とも言われ、瀬戸内の春の訪れの代名詞のようになっている。そんな「桜鯛」の贅沢な茶漬けが食卓に ・・・。感謝。しかし、次は「鯛めし」が食べたくなるから、わがままなものだ。

 さて、海への感謝、第2弾は「桜鯛」ならぬ、名花3人のボッサ競演。「リーサ」、「ガブリエラ・アンダース」、「アストラッド・ジルベルト」。

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 まず、「リーサ/Lisa (Lisa Lovbrand)」。スウェーデン、ストックホルム生まれの美女シンガーで、ハリウッド映画で女優としても活躍するというコケティッシュ&セクシーなディーヴァ。ジャズ歌手としてのデビュー作は「エンブレイサブル/Embraceable」(2007年)。そのアルバムから、「Seagulls(かもめ)」。

エンブレイサブル

リーサ / スパイス・オブ・ライフ



「Seagulls - Lisa」

          

 ボッサ・ユニット、「ベレーザ/Beleza」のリード・ボーカルだったアルゼンチン出身の歌姫、「ガブリエラ・アンダース/Gabriela Anders」。その抜群の容姿と美貌は、初のソロ・アルバム「Wanting」(1999)を見て、即、ジャケ買いをしたほど。「ベレーザ」時代のアルバム、「Tribute To Antonio Carlos Jobim」から、「Wave」。

Tribute To Antonio Carlos Jobim

Beleza / Snapper Bay's Music Company



「Wave - Beleza」

          

 最後は、なつかしい私の最初のJAZZディーヴァ、「アストラッド・ジルベルト/Astrud Gilberto」。1940年、生まれ、リオ・デ・ジャネイロ育ち。その後離婚することになったが、あの「ジョアン・ジルベルト/João Gilberto」と結婚したことでも知られている。彼女はプロの歌手として歌ったことはなかったが、キッチンか何かで、鼻歌を口ずさんでいるのを、夫のジョアンがきいて、「これはいける」というんで、プロデューサーの「クリード・テイラー/Creed Taylor」に推薦し、彼女が英語で歌う「イパネマの娘」がレコーディングされ、これがアメリカを中心に大ヒットする。これがボサノバ・ブームの発端である。

 日本でも、「The Astrud Gilberto Album/邦題:おいしい水」(1965年)、「The Shadow of Your Smile(邦題:いそしぎ」(1965年)と立て続けにアルバムをリリースし、瞬く間にボサノバのミューズとなっていった。歌は、「Beach Samba」。アルバム、「The Best Of Astrud Gilberto」から。

イパネマの娘~ベスト・オブ・アストラッド・ジルベルト

アストラッド・ジルベルト / ポリドール



ビーチ・サンバ

アストラッド・ジルベルト / ユニバーサル ミュージック クラシック




「Astrud Gilberto - Beach Samba」 (1966)


         


  

  
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# by knakano0311 | 2017-03-08 15:13 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

春を告げる食卓は

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 「イカナゴ(玉筋魚、鮊子)」の釘煮と並んで、この時期我が家の食卓に上がるのが、「ホタルイカ(螢烏賊)」。日本近海では日本海全域と太平洋側の一部に分布しており、特に富山県と兵庫県で多く水揚げされている。漁期は2月から5月頃。普段は200m - 700mの深海に生息しているが、産卵のため上がって来るという。触手の先にはそれぞれ3個の発光器がついており、海岸に産卵のため、寄せる姿が幻想的で、富山では「身投げ」と呼んでいるという。私はまだ見たことがないが、いつかきっと見てみたいと思う。(「身投げ」の写真はNETより拝借)

 「ホタルイカ」は「晩春」を表す季語の1つであるとういが、はやくも近所のスーパーに初物が並んでいた。佃煮、酢味噌和え、沖漬け など食べ方はいろいろあるが、やはり「酢味噌和え」か。この時期、もうひとつの旬の海の幸は、瀬戸内の「サクラダイ(桜鯛)」。もちろん刺身もうまいが、絶品の「鯛茶漬け」がこたえられない。

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 今宵は、海への感謝にちなんだ曲のピアノ。まず、環境音楽?からの二人。「海辺のピアニスト」と呼ばれている、「ディディエ・スキバン/Didier Squiban」。1959年、フランス、ブルターニュ出身のピアニスト、作・編曲家である。故郷「ブルターニュ」、そして「海」が一貫した彼のテーマで、ソロ・ピアノ3部作となるアルバムを発表し、大きな評価を得た。

 その「ピアノ・ソロ」三部作の最後は「ROZBRAS ~12の色彩」(2001)。ブルターニュ地方の伝統的な「Gwerz/グウェルス」と呼ばれるアカペラ・ソロで歌われる「哀歌」を、イメージして、12曲のバラードをちりばめたアルバム。曲ごとに日本語で色のイメージがつけられている。そのラストのイメージ、「イメージ12/淡水色の記憶」。

Rozbras

Didier Squiban / L'oz



「didier squiban - image 12」

          

 「ウィンダム・ヒル/Windham Hill Records」を代表するピアニスト、「ジョージ・ウィンストン/George Winston」のアルバム、「Autumn」から「Sea」。

Autumn

George Winston / Windham Hill Records



「George Winston - Sea」

          

 最後は、JAZZファンなら知らない人はいないでしょう、「ビル・エヴァンス/Bill Evans」。「I Will Say Goodbye」(1977)から、「Seascape」。トリオのパーゾネルは、「Bill Evans - piano」、「Eddie Gomez - double bass」、「Eliot Zigmund - drums」。

I Will Say Goodbye

Bill Evans / Ojc



「Bill Evans Trio - Seascape」

          


  
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# by knakano0311 | 2017-03-07 10:15 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

路傍の花、樹々の鳥(147) ~ 切通しを抜けたら、そこは ~

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 いい天気。ウォーキングがてら、ぶらぶらと買い物にでる。都会の近くの住宅地にあるとは思えない風景が広がっている。そんな切通しを抜けたら、そこはもう春だった。「梅」、「連翹(レンギョウ)」、「水仙」 ・・・。野の仏にたむけられた花も。気持ちがいい。途中でたまらず、ダウンのコートを脱いでしまった。そんな私の前を一匹の「イタチ(鼬)」がつつぅーと横切っていった。

 今宵、名花3人の競演。歌は「A Blossom Fell」。「ナット・キング・コール/Nat King Cole」の歌唱が一番知られているでしょう。「花は散ってしまった」という意味なので、これから春という今の時期にはふさわしくないかもしれないが、美しいメロディのせつない思いの曲である。1954年につくられた曲で、「ハワード・バーンズ/Howard Barnes」、「ハロルド・コーネリアス/Harold Conelius」、「ドミニク・ジョン/Dominic John」による。

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名花3人。「シモーネ/Simone Kopmajer」、「ダイアナ・クラール/Diana Krall」、「スー・レイニー/Sue Raney」。

【 A Blossom Fell 】
         written by Howard Barnes, Harold Cornelius, and Dominic John

「♪ A blossom fell from off a tree  枝から花びらが散った
  It settled softly on the lips you turn to me 僕の方を振り向いた君の唇にそっと付いた
  The gypsies say and I know why ジプシーの言伝えにあるようにその訳を僕は知っている
  A falling blossom only touches lips that lie 散った花びらは嘘をついた唇に付くってね

  A blossom fell and very soon   花びらが散ってすぐに
  I saw you kissing someone new  君が別の人とキスをしているのを見てしまったんだ
  Beneath the moon         月の光の下で

  I thought you'd love me    君は僕を愛していると思っていた
  You said you love me      たしかそう言ったよね
  We planned together      二人一緒に夢も描いていたね
  To dream forever        永遠に続く夢を

  The dream has ended      でも夢は終わってしまった
  For true love died        まことの愛は死んでしまったから
  The day a blossom fell      花びらが散り
  And touched two lips that lied  嘘をついた唇に付いたあの日に ♪」

 まずは、欧州はオーストリア出身、2000年以降ニューヨークを中心に活動している新進女性ジャズ歌手「シモーネ/Simone」(本名はSimone Kopmajer)の日本デビュー第2作「ロマンス」から。大人の色気を感じさせ、雰囲気のあるスタンダードを歌う女性ボーカル。

ムーンライト・セレナーデ/ロマンス

シモーネ / ヴィーナスレコード




「Simone Kopmajer - A Blossom Fell」


          

 カナダ出身。1990年代以降に最も成功したジャズ歌手の一人といわれ、1999年から5度のグラミー賞を獲得している。「ナット・キング・コール/Nat King Cole」へのオマージュ・アルバム、「All For You: A Dedication To The Nat King Cole Trio」から。

All for You

Diana Krall / Universal Jazz




「Diana Krall - A Blossom Fell」


          

 ちょっとレトロになりますが、1960年代に活躍した白人美人シンガーのひとり。大ヒットした2枚目のアルバム 「雨の日のジャズ/Songs for a Raney Day」(1960)は、女性ジャズボーカルの名盤に必ず選ばれるほど、「スー・レイニー」の代名詞的アルバムとなっている。今年御年77歳、彼女はいまも現役として活躍しているとか。

雨の日のジャズ

スー・レイニー / ユニバーサル ミュージック



「Sue Raney - A Blossom Fell」

          
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# by knakano0311 | 2017-03-06 09:50 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

路傍の花、樹々の鳥(146) ~ ふくらむ蕾 ~

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 はち切れんばかりに膨らんでいるのは、「コブシ(辛夷)」、「ウメ(梅)」の蕾。春の訪れを実感できる毎日 ・・・。

 さて、今宵のピアノ。ご贔屓のイタリアの巨匠、「エンリコ・ピエラヌンツィ/Enrico Pieranunzi」のずばり、「The Flower」。EGEAレーベルのアルバム、「Un'alba Dipinta Sui Muri(壁に描かれた朝日)」のトリオ演奏が好みだが、残念だが、YOUTUBEにアップされていないので、アップされていた同じEGEAの「Les Amants(恋人たち)」よりストリングスをバックの演奏を ・・・。

Un'alba Dipinta Sui Muri [輸入盤]

Enrico Pieranunzi / EGEA



Les Amants

Pieranunzi Enrico & String Q / Egea



「Enrico Pieranunzi - The Flower」

          

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 「フェイ・クラーセン/Fay Claassen」。「チェット・ベイカー/Chet Baker」生誕75周年のオマージュ盤で一度とりあげたことがある、1969年生まれのオランダのジャズ・シンガー。YOUTUBEで見つけたのは、彼女の歌唱で「A Flower Is A Lovesome Thing」。もうベテランといってもいい20年以上のキャリアに積み重ねられた歌唱、「アムステルダムのため息」などとも呼ばれているという彼女のハスキーな声にが光る。

Sing!

Fay Claassen / Challenge




「Fay Claassen - A Flower Is A Lovesome Thing」


          
  


  
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# by knakano0311 | 2017-03-05 10:13 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

山も春を迎える準備に

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 (上段は開花を待つ今年のエドヒガン、下段は昨年のエドヒガンの写真)

 私が所属している森林ボランティア団体の活動フィールド、「兵庫県立一庫公園」には、兵庫県版レッドリストBランクに指定されている「エドヒガン(江戸彼岸)」桜が、60数本自生している。そのうちの2個体群28本が、川西市の天然記念物に指定されている。最も樹高の高い桜は、樹高31m、最も太いものは、直径が65cmを超え、「さくらひとくら」との愛称がついている。そんな「エドヒガン」桜が、例年通りの開花時期ならば、この月末には、「ソメイヨシノ(染井吉野)」より1週間ほど早く、開花を迎える。

 そんなことで、今日の山作業は、春を迎える準備。朝方は小雨だった雨も上がり、薄日が差し込む中で、「エドヒガン」群生地の周辺整備。「アラカシ(粗樫)」、「ヒサカキ(非榊)」、「アセビ(馬酔木)」などの常緑広葉樹を伐採して、エドヒガンを見えやすく際立たてることを目的とする作業である。開花時期までの何回かの作業をすれば、迎える準備はすっかりと整うはずである。

 さて、3月の歌と言えば、「三月の水/Águas De Marco/Waters Of March」くらいしか思い浮かばない。不確かな記憶ですが、戦前に「3月生まれは浮気者」というタイトルの洋楽(?)があったらしいが、放送禁止になったという。理由は当時の昭和天皇の皇后(長子様)が、3月生まれであったとか。ちなみに私も3月生まれですが ・・・。今宵も続けます「三月の水」。

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 ボサノバ創生期、「エリス・レジーナ/」と並んで、学生たちの間でミューズ、女神と呼ばれたのは、「ナラ・レオン/Nara Leão (1942年1月19日 - 1989年6月7日)」である。ナラは軍部に徹底的に目をつけられ、結局、1968年ナラは「カエターノ・ヴェローゾ」、「ジルベルト・ジル」等と同様パリに亡命し、ボサノバと決別した。しかし、自身の出自と向き合い、ボサノバとの和解を決意し、1971年、堰を切ったように全編ボサノバのアルバム「Dezanos Depois(美しきボサノバのミューズ)」を録音するが、47歳の若さで夭折してしまった。

 シンプルなギターの伴奏で、ボサノバの定番をうたう。陰影に富んだ、深みのある歌唱。その歌声はいま聴いても瑞々しさを失わず、心に染みる。「ナラ・レオン」の歌う「三月の水」。アルバム、「イパネマの娘/Garota De Ipanema」から。

Garota De Ipanema

Nara Leao / Universal Brazil



「NARA LEÃO - ÁGUAS DE MARÇO」

          

 「ジョン・ピザレリ/John Pizzarelli」のアルバム・タイトルは、ずばり「ボサ・ノヴァ/Bossa Nova」(2007)から。イケメンで人気ジャズ・ヴォーカリスト&ギタリストの全編ボサ・ノバ・アルバム。本作では本業のギターは控えめ、あくまでも歌で勝負している。名人「ドン・セベスキー/Don Sebesky」のアレンジも素晴らしい。

ボサ・ノヴァ

ジョン・ピザレリ / ユニバーサル ミュージック クラシック



「John Pizzarelli - Águas De Marco」

          


  
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# by knakano0311 | 2017-03-04 10:20 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)

年度末です

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 3月です。すっかり暖かくなりました。そして、年度末。現役時代は年度末といえば、棚卸、決算、来期計画などと、まあいろいろと忙しかったが、定年後は全く無関係と思っていた。しかし、意外なことに、定年後もその忙しさは変わらないようだ。代表をしているボランティア団体の総会のための資料作り、公園への活動報告書提出と次年度の登録、ボランティア保険やレクリエーション保険の精算と更新 ・・・。年度末特有の活動が、結構集中してある。これも、シニアにとって貴重な社会参加の一つと思っている。この日は、我々の活動に対し、支援金を頂いている兵庫県の関連団体が主催する活動事例報告会。発表を聞きながら、同じような悩みを抱え、同じような活動をしているグループがあることに、心強さを覚えながら、参考になった一日。

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 さて、今宵は3月の定番曲。ボサノヴァの名曲中の名曲として知られる「アントニオ・カルロス・ジョビン/Antonio Carlos Jobim」が書いた「三月の水/Waters Of March」(1972)。ジョビン自身によって、ポルトガル語と英語の歌詞が書かれ、自身による多くのバージョンと、JAZZ歌手による多数のカバーがある。

 南半球のブラジルでは、3月は夏の終わりの雨季。あちこちで豪雨による水害が多数発生するという。そんな光景にインスパイアされて書かれた歌だという。洪水でいろいろなものが流されるように、小枝、石ころ、ガラス片、切り株 ・・・といった言葉が、イメージを伴って、次から次へと自由に溢れ出てくる。いろいろなものが洪水で流されてしまっても、いつかは川岸から優しく聞こえてくる「三月の水」の流れにつながっていくという、希望や光を強く予感させる歌である。

【 Waters Of March 】

「♪ A stick, a stone, it's the end of the road,  小枝 石ころ 道の果て
  It's the rest of a stump, it's a little alone,  切り株の残り、ちょっと寂しい
  It's a sliver of glass, it is life, it's the sun,  ガラスの破片、いのち、太陽
  It is night, it is death, it's a trap, it's a gun. 夜、死、罠、銃

  The oak when it blooms, a fox in the brush, 花を咲かせた樫、茂みに潜む狐
  The knot of the wood, the song of a thrush, 木の節 ツグミのさえずり
  The word of the wind, a cliff, a fall,     風の言葉、崖、転落
  A scratch, a lump, it is nothing at all.  引っかき傷、たんこぶ、どうでもいいこと

  It's the wind blowing free, it's the end of a slope, 風のそよぎ、坂は終る
  It's a beam, it's a void, it's a hunch, it's a hope. これは光、隙間、予感、希望
  And the riverbank talks of the waters of March,  川岸から聞こえる三月の水
  It's the end of the strain, it's the joy in your heart. 重圧からの解放、そして心の喜び
 
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  ♪」

 ジョビン自身による歌と演奏は、アルバム、「JOBIM」(1973)から。

Jobim

Antonio Carlos Jobim / Polygram Records



「Aguas de Março - Tom Jobim」

          

 人気が高く、私もこのバージョンが一番好きである、「エリス・レジーナ/Elis Regina」とのデュエットは、アルバム、「Elis & Tom」1974)から。

ELIS & TOM

Antonio Carlos Jobim & Elis Regina / EMARC



「Antonio Carlos Jobim & Elis Regina - Águas De Março (Waters Of March) 」

         

 「エリス・レジーナ」による歌唱は、「Elis」(1972)に収録されていますが、何かのTV番組でしょうか、ライブ映像がアップされていました。

Elis

Elis Regina / Universal Brazil



「Elis Regina - Águas de Março」

          
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# by knakano0311 | 2017-03-03 10:08 | Trackback | Comments(0)

淀川をぼけっと眺めて

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 すっかり暖かくなり、日も長くなった。妻は前に住んでいたマンションのお友達から誘われてお茶。車で送っていったあと、私は、マンションの横を流れている淀川の堤防でひなったぼっこ。ひさしぶりに開放感あふれる景色のなかで、橋のシルエットが逆光に映える暮色に染まる夕暮れまでの2時間ほど、ぼけっと川を眺めたり、本を読んで過ごす。

 春の海 終日[ひねもす]のたり のたりかな  蕪村

 たしか近くの淀川堤に、現在の大阪市都島区毛馬町の生まれだと言われている「与謝蕪村生誕地」の碑が建っていることを思い出した。句碑には蕪村自筆の「春風や 堤長うして 家遠し」の句が刻まれている。

 こんなゆったりした気分になった宵は、歌の上手さにかけては、日本の女性ジャズ歌手の中では最高峰だと私は思っている「伊藤君子」。曲は、「フォロー・ミー/Follow Me」。

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 私と同じ1946年生まれで、香川県小豆島町出身。4歳のときに、ラジオ番組から流れる「美空ひばり」の歌声に魅了され、もう歌手を志したという。1982年、ポップ演歌歌手としてデビューするも、その後、ジャズ・ピアニストとの出会いをきっかけに、ジャズ・シンガーの道へ進み、1984年に半年間ニューヨークに滞在、ジャズ・クラブに出演し、腕を磨いた。1989年、日米同時リリースされたアルバム「Follow Me」が、米、「ラジオ&レコード」誌のコンテンポラリー・ジャズ部門の16位に、日本人女性歌手で初チャート・イン。そのアルバムのタイトル曲、「Follow Me」は、「ロドリーゴ/Joaquín Rodrigo」作曲の「アランフェス協奏曲・第2楽章/Adagio, Concierto de Aranjuez」に、「ヘルベルト・クレッツマー/Herbert Kretzmer」らが歌詞を付けたもので、「押井守」監督による長編アニメ映画「イノセンス/Innocence」の主題歌として使われた。

【 Follow Me 】
       作曲;Jeaquin Rodrigo   作詞;Herbert Kretzmer/Hal Shapey

「♪ Follow me to a land across the shining sea さあ、私について来て 光り輝く海を渡ろう
   Waiting beyond the world we have known 私たちが知っている世界を超えた世界へと
   Beyond the world the dream could be   夢見た世界を超えた世界へと
   And the joy we have tasted.        すでに味わっている喜びを超えた世界へと

   Follow me along the road         さあ、私について来て
         that only love can see        愛だけが示すことができる道を通って
   Rising above the fun years of the night  幾度も重ねた歓楽の夜より立ち上がって
   Into the light beyond the tears      涙を超え 無駄に費やしてきた月日を越え
   And all the years we have wasted.     あの光の中へと
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     ・・・・・・・・・・・・・・・・    ♪」

フォロー・ミー

伊藤君子 / ビデオアーツミュージック



「伊藤君子 - Follow me」

          

 彼女のもう一曲は、「小曽根真」とのデュオによる「武満徹」作曲、「谷川俊太郎」作詞の「MI・YO・TA」。「日本語でぜひ歌いたい」という「伊藤君子」の想いで実現したという。深い哀しみを湛えた曲、「MI・YO・TA」は、武満氏の山荘があった長野県の町名、「御代田町」である。

【 MI・YO・TA 】

「♪ 木もれ陽のきらめき 浴びて近づく
   人影のかなたに 青い空がある
   思い出がほほえみ 時を消しても
   あの日々の歓び もう帰ってはこない

   残されたメロディ ひとり歌えば
   よみがえる語らい 今もあたたかい
   忘れられないから どんなことでも
   いつまでも新しい 今日の陽のように 
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  ♪」

一度恋をしたら~Once You’ve Been In Love

伊藤君子 / ビデオアーツ・ミュージック



「伊藤君子 - mi yo ta」

          
  



  
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# by knakano0311 | 2017-03-01 09:58 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

失敗の本質は ・・・

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 2012年に新たに森林ボランティアのグループを立ち上げ、炭焼きを引き継いでから、5年目の炭焼きを終えた。それ以前の炭焼きはといえば、ノウハウを知っている長老格の采配に従って、作業をするだけで、炭焼きの奥深いところや、詳細なノウハウなどはほとんど教えてもらえなかった。

 新しいクラブを立ち上げてからは、「炭焼き技術の伝承」という目標を掲げるなら、そんなやり方を改めようと、「より美しい菊炭をめざす」、「科学的なアプローチで」、「全員参加でノウハウ共有」を方針としてやってきた結果、昨年は、今までの私の炭焼体験では最高レベルとも言える菊炭が焼けた。しかし、「今年も!」と意気込んで焼いた炭は、失敗とまでは言えないが、昨年の品質に比べたら大幅に品質ダウンを認めざるを得ない結果であった。

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 しかし、今回のこの結果の反省から得られるものも、相当大きかったと実は思っている。そのひとつは、かって先達に教えてもらった常識、定説を疑ってみたことである。ただひたすら薪を焚くだけと、いままであまり目を向けて来なかった「窯焚き」の有り様が、結果として炭の出来栄えに大きく影響するということがわかったこと。焼き急ぎをしないよう、むしろ温度上昇を抑え、時間をかけてじっくりと焼くことなど、目からウロコが落ちたように、新たな知見も得られた。来年に向けての新たな目標や確かめたい課題が設定でき、もう来年の炭焼きが待ち遠しくてならないのだ。

 素人がプロの炭焼き師に少しでも近づくためには、データを収集し、それを分析・活用することが、よりよき菊炭づくりにつながると思ってやってきたが、その方向は間違っていなかったと思う。そして、失敗は、成功するためへの必然であり、いつまで続けられるかわからないが、失敗は私の炭焼きへの挑戦や、森林ボランティアへ駆り立てる原動力となっている。とはいえ、年に2回しかできない炭焼き。できるだけ失敗はしたくないのが本音ではあるが ・・・。

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 今宵の春の歌。「There'll Be Another Spring」。「待っていればもう一度春がやってくる」という傷心を自ら慰める女心を歌った古いスタンダード。歌姫は、「ダイアン・リーヴス/Dianne Reeves」。ちょっと地味な歌手ですが、アルバムで4度のグラミー賞を獲得、ベスト・ジャズボーカル賞も受賞、卓越した歌唱力に恵まれたシンガーで、私のご贔屓のひとり。

 この歌は、近年、「ダイアン・リーヴス」が、音楽を担当し、自らもクラブ歌手役として登場した、「ジョージ・クルーニー/George Clooney」監督・主演の映画、「グッドナイト&グッドラック/原題:Good Night, And Good Luck」(2005)の挿入歌としても使われた歌。作詞・作曲は、あの「ペギー・リー/Peggy Lee」と、「ヒュービー・ホィーラー/Hubie Wheeler」で、1959年の作品。たしか「ダイアナクラール/Diana Krall」も、アルバム、「Love Scenes」の中で歌っていました。

 映画の舞台は、1950年代アメリカ。「ジョセフ・マッカーシー/Joseph Raymond "Joe" McCarthy」上院議員による「赤狩り」が、数千人に及ぶ国民から職を奪い、恐怖がアメリカ全土を覆っていた。報復を恐れるマスコミが批判を控える中、議員の真の姿を報じ、アメリカに自由を取り戻したのは、一人のニュース・キャスターで、「テレビ・ジャーナリズムの父」と今も讃えられている、「エド・マロー/Edward R. Murrow」。彼と共に闘った記者たちの実話基づく物語である。タイトルの「Good Night, And Good Luck」は、番組を締めくくるのにマローが毎回使っていた言葉だという。

 この映画が製作されたのは、9.11テロ後の2005年、アメリカがテロによって右傾化してゆくブッシュ政権時代。そしてまさかのトランプ政権誕生後、人種差別的傾向や、言論封鎖、政権とマスコミとの敵対が強まっているアメリカの今、この国に再び「エド・マロー」は現れるのであろうか。そして、このような映画をつくる映画人も ・・・。そして、我が国はとも ・・・。もう一度、この映画を観てみたいと率直に思う。

グッドナイト&グッドラック 通常版 [DVD]

東北新社



【映画「グッドナイト&グッドラック」(05 米/06 日本公開) 予告編】

           

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 さて、話を元に戻して、「ダイアン・リーヴス」。 1956年ミシガン州デトロイト生まれのジャズ歌手。ダイアンの家族は音楽一家で、父親は歌手、母親は、トランペット奏者だったという。子供時代、ダイアンはピアノのレッスンを受け、あらゆる機会に歌を歌った。11歳のとき、音楽が生徒を最善の道へ導くと教えている教師によってインスパイアされ、彼女の音楽への関心はより高まったという。

 やがて歌手を志した彼女に、叔父は、「エラ・フィッツジェラルド/Ella Fitzgerald」から「ビリー・ホリデイ/Billie Holiday」まで、ジャズ・シンガーを彼女に教えた。ダイアンは、特に「サラ・ヴォーン/Sarah Vaughan」に感銘を受け、デンバー大学で音楽を学び始めた。その後、歌手としての道を歩み始め、現在に至っている。

【 There'll Be Another Spring 】 by Peggy Lee /Hubie Wheeler

「♪ Don't cry, there'll be another spring  泣かないわ、きっとまた春は来るから
   I know our hearts will dance again  わかっているの、二人の心はもう一度弾み、歌う
   And sing again, so wait for me till then だからその日まで待ちましょう

   Be glad the bird is on the wing    喜びましょう、鳥が羽ばたき
   Another time to love         いつか再び愛しあい、共に笑える日が来ることを
   And laugh with me, just wait and see  その日がくるまで見守って待ちましょう

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ♪」

 映画のサントラ盤から、「There'll Be Another Spring」。

Good Night, and Good Luck.

Concord Records



「Dianne Reeves - There'll Be Another Spring」

            


  
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# by knakano0311 | 2017-02-27 09:55 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(1)