大屋地爵士のJAZZYな生活

路傍の花、樹々の鳥(179) ~ オルタナティヴ ~

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 「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」。 美人を形容する古き常套句。「百合」は優雅さの象徴であった。ところで写真は、台湾原産の「タカサゴユリ(高砂百合)」。グランドの脇、石垣、公園、林の中、住宅の庭、道路脇、空き地、池の端 ・・・・。この時期団地のいたるところで見かける雑草といっていい花。温暖化の影響か、今、日本のあちこちでものすごい勢いで増えているという。始末の悪いことに、実の中にあるものすごくたくさんの種が、風によってまき散らされ、あっという間に広がってしまうらしい。常套句にあるように、見かけは優雅な百合の花だけに、外来種、雑草と認識して抜く人もほとんどないので、広がりに輪をかけてるという。日本原種の百合、「テッポウユリ(鉄砲百合)」との自然雑種も多いらしく、「百合」には違いないが、実はエレガントとは程遠いしたたかでしぶとい「オルタナティヴ・リリー」といえよう。

 注)alternative(オルタナティブ);「代わりとなるもの、代替物、代替案」、「選択肢」、「もうひとつの」

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 一見する容姿、歌唱の可憐さとは違って、したたかさを感じるのが、「ガブリエラ・アンダース/Gabriela Anders」。音楽ジャンル的には、「オルタナティヴ」にカテゴライズされるという。

 1972年、ブエノスアイレス生まれ。デビュー・アルバム、ジョビンのカバー集「ベレーザ:ジョビンに捧ぐ/TRIBUTE TO ANTONIO CARLOS JOBIM」(1995年)が大ヒットしたボサノバ・ユニット、「ベレーザ/Beleza」のリード・ヴォーカルとして一世を風靡した。ユニットとはいうが、実質は一人ユニットであったことが、アルバムのクレジットからもうかがえる。

 1999年、初の本名でのソロ・アルバムが、「Wanting」をリリース。その後も、彼女の最大の魅力であるシルキー・タッチの歌声を武器にして、ジャズ、サルサ、クンビア、ボンバ、レゲエ、ジャズ、ファンク、タンゴ等々、多くのジャンルをブレンドさせて、脱ボサ・ノヴァだけではなく彼女にしかできない音楽づくりへの挑戦など、したたかな音楽活動を続けている。まさに、「オルタナティヴ・リリー」。

 「ベレーザ」時代のセカンド・アルバムで、全曲、彼女のオリジナルのアルバム、「セヴン・デイズ/Seven Days」(1996)からいくつか ・・・。 
   

セヴン・デイズ

ベレーザ / インディペンデントレーベル



「Beleza - Por Siempre (Spanish version of "Forever")」

          

「Beleza - Don't Stop Listening」

          
   

「Gabriela Anders - Feels So Good」


          
  
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# by knakano0311 | 2017-08-25 10:04 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

丹波路から但馬路を走る 

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 新車が納車されたのがちょうどお盆前。お盆休みの混雑を避けて、高速道路のテスト走行を今まで我慢してきた。やっと混雑も収まったようなので、待ちかねた様に緑濃い丹波から但馬地方へと車を走らせる。前の車はアウトバーンを巡航速度200km/時で走らせることを前提に設計、仕様付された車、ほとんどスポーツカーといっても差し支えないような車であった。

 しかし、今度の車は国産、しかもコンパクト・カーである。特に高速道路においては、全ての面において、前の車と同じように運転するわけにいかない。今までの運転イメージを払拭し、新しい車に慣れるため、安定性、コーナリング、加速性能などのドライバビリティを体感しようと高速道路を走ってみたというわけである。もう一つは、今度の電脳鉄馬の最大の特徴である安全サポートシステムの確認である。わざと車線をはみ出すなどして、どんな警報や表示が出るのかを確認した。こうしとけば、突然の警報に慌てたり、パニクったりすることは防げるだろうと思う。

 途中、道の駅に寄り、地元の野菜をたっぷりと仕入れる。目玉は早生の黒豆の枝豆。今宵のビールが早くも楽しみ。外気温は35℃を示している。かなり黄金色に色付きだした稲穂。秋へ移る前の最も深い緑。爽快な夏の終わりのテスト・ランであった。

 さて、夏の終わりのテストラン。ドライブのお供は、「ポール・デスモンド/Paul Desmond」。決して悪い意味ではないのだが、私にとって、究極のJAZZ的BGMというか、BGM的JAZZか、そんな存在で、ドライブ中の私を適度に活性化いてくれる。まずは、CTIシリーズのアルバム、「サマータイム/Summertime」 (1969) から。

「Samba (struttin') With Some Barbecue - Paul Desmond」

          

「Ob-La-Dì Ob-La-Da - Paul Desmond」   

          

 「なにかJAZZYでBGMにぴったりのアルバムを ・・・」と問われれば、真っ先にこのアルバムを上げるであろう、そのくらいBGMの真髄のようなアルバム、「テイク・テン/Take Ten」(1963)。タイトルから想像できるように、「テイク・ファイヴ/Take Five」の続編、兄弟曲といってもいい。きっと、これからもエバーグリーンなアルバム。

「Paul Desmond - Take Ten」

          

 フルアルバムがアップされていましたが、オリジナルは8曲の構成。リストをアップしておきます。
1. Take Ten
2. El Prince
3. Alone Together
4. Embarcadero
5. The Theme From Black Orpheus
6. Nancy
7. Samba De Orpheu
8. The One I Love Belongs To Somebody Else
(9. Out Of Nowhere))
( 10. Embarcadero (Alternate Take))
( 11. El Prince (Alternate Take))

「Paul Desmond ー Take Ten Full Album」

          
  


  
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# by knakano0311 | 2017-08-23 09:43 | JAZZY紀行 | Trackback | Comments(0)

60年代へのリスペクト満載のパンドラの箱 ~ 「ビビビ・ビ・バップ」を読む ~

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 「僕の葬式でピアノを弾いて頂きたいんです」 フリージャズ・ピアニスト兼音響設計士の「フォギー」こと、「木藤桐」は、巨大ロボット企業で、世界的ロボット研究者、年齢130歳の「山荻貴矢」社長から奇妙な依頼を受ける。それがすべての始まりだった。

 そして、墓参者が「アバター(分身)」をつかって墓参できる、VR(ヴァーチャル・リアリティ)による架空の墓の音響空間演出を依頼される。そのVR墓空間というのが、なぜか上高地大正池、自分が青春をおくった強烈な思い入れがある、1960年代の新宿東口界隈、新宿末広亭、ジャズクラブ「ピットイン」などであり、その電脳空間に、「大山康晴」十五世名人、「古今亭志ん生」、「立川談志」、「マイルス・ディヴィス/Miles Davis」、「エリック・ドルフィー/Eric Dolphy」、60年代のジャズの巨人たちによるオールスターズなどのアンドロイドたちが登場し、高座やセッションなどを繰り広げる。

 「奥泉光」著、「ビビビ・ビ・バップ」(講談社)を読んだ。人工知能が人類を支配する日がくるか、迫り来る電脳ウィルス大感染を前に人類を救うのは誰か。人工知能社会をさもありなんと思えるほど、ヴィジュアルに描き、時空を超えて軽やかに奏でられる約650ページの大長編エンタテインメント近未来小説。

 「ビ・バップ」と聞いて懐かしい気分になる人。あるいは「半村良」、「植草甚一」、「伊達邦彦」、「横尾忠則」、「寺山修司」、「伊丹十三」、「浅川マキ」、「野坂昭如」、「タモリ」、「唐十郎」 ・・・などと聞いて、ニンマリとする人には、近未来小説なるがゆえに、ディジタル革命前夜の1960年代へのリスペクトやノスタルジーがいっぱい詰まっているこの本が、「パンドラの箱」になること請け合いです。自身もJAZZバンドでフルートを演奏するという奥泉氏、未来の人工知能社会では、もう死語となり、ナツメロとなってしまっているジャズやライブ音楽が、先の著書、「鳥類学者のファンタジア」以上にヴィヴィッドに描かれている。結構大変であるが、最後まで読み終えた人にのみ得られるであろう読後感が、ある種の達成感とともに爽やか。

ビビビ・ビ・バップ

奥泉 光 / 講談社



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 ということで、今宵取り上げるのは、「エリック・ドルフィー/Eric Dolphy」。しかし、かく言う私自身もほとんど聴いたことがありません。オリジナルは別のジャケットだったようだが、「ビビビ・ビ・バップ」の表紙に使われているのは、ロサンゼルス生まれのジャズ・アルト・サックス、フルート、バスクラリネット奏者、「エリック・ドルフィー」の事実上の遺作となった、アルバム、「ラスト・デイト/Last Date」の写真のようだ。

 このレコードは1964年6月2日にオランダのヒルバーサムで行われたライブの実況録音で、「エリック・ドルフィー」は、この約1ヶ月後の6月29日に糖尿病による心臓発作のため、ベルリンにて急逝。若干36才の若さだった。それにより、このレコードのタイトルは「ラスト・デート(LAST DATE)」と名づけられたという。

Last Date

Eric Dolphy / Verve



 そして、本の後半の方に出てくるこのアルバムの美しいフルートが優しく浸みわたる曲は、「恋をご存知ないのね/You don't know what love is」。

「Eric Dolphy - You don't know what love is」

          

 私は全く見ていませんが、その時のセッションをめぐって、こんなドキュメンタリーも、1991年にオランダ?で制作されているという。ドルフィー・ファンにはたまらないのでは ・・・。

Last Date [DVD] [Import]

Eric Dolphy / Rhapsody Films



「Eric Dolphy - Last Date (1991 documentary) 」

          



   
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# by knakano0311 | 2017-08-22 09:43 | 読むJAZZ | Trackback | Comments(0)

終わりに近づく夏

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 夏も終わりに近づいてきた。咲く「アサガオ(朝顔)」も、なんとなく寂しげに見える。今年もいろいろあったが、71回目の夏もいつものように終わりに近づいてゆく。

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 71回目の夏の終わりに聴く曲は、「桑田佳祐」作詞・作曲の、「夏をあきらめて」。ちょっとアンニュイでほろ苦く感じそう。歌姫は、いまや「寺嶋レコード」の看板女性ボーカル、「MAYA」。インディー・レーベル時代、コロンビア時代に随分と聴いていたシンガー。ハスキーがかった声で、ジャズ、ラテン、ポップスを自在に歌いこなす。その中でもラテンのフレーバーが抜群で、小悪魔的な独特の魅力を持つ。

 彼女に、インディ・レーベル時代から魅かれていた。まっ、彼女の振り撒く「恋の特効薬」、「ラブ・ポーションNo.9/Love Potion No.9」(2005)というアルバムから。

Love Potion No.9

Maya 松尾明 TAKE TEN フェビアン・レザ・パネ 吉野弘志 岩瀬立飛コロムビアミュージックエンタテインメント


「MAYA ー 夏をあきらめて」

          

 同じアルバムから、もう一曲。「ある恋の物語/Historia De Un Amor」。

「MAYA ー ある恋の物語」


          <
  


  
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# by knakano0311 | 2017-08-20 10:33 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

路傍の花、樹々の鳥(178) ~ 屁糞葛も花盛り ~

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 この時期、いたるところで見かけるのが、この「ヘクソカズラ(屁糞葛)」。わたしの住んでいる住宅地でも、手入れができず、ほったらかしになっている実家の庭でも。蔓性多年草で、刈っても刈っても、毎年生えてくる雑草。葉や茎に悪臭があることからその名があるが、ひとつだけでもえげつないのに二つもそれが重なるとは、なんたる不幸。名付けた人は相当な恨みでもあったのか ・・・。しかし、花は意外と可愛らしい。ところが花言葉は、その臭いが人を寄せつけないことから、「人嫌い」。花言葉までもがネガティヴで、ここまで来ると、いささかかわいそうな気さえする。

    「屁糞葛も花盛り」

 その臭いからあまり好かれない「ヘクソカズラ」でも、こんな愛らしい花を咲かせる。「不器量な娘でも年頃になればそれなりに魅力がある」という意味の諺(ことわざ)であるとか。

 また、万葉集(巻十六)に、

    「かわらふじに 延ひおほとれる屎葛 絶ゆることなく宮仕えせむ」 (高宮王)

 別名、「カワラフジ(河原藤)」、「ジャケツイバラ(蛇結茨)」の木にしがみつくように、まとわりつく「クソカズラ(屎葛)」。そんな葛のように、臭いと嫌われても、いつまでもしがみついて宮仕えをしたいものだ。そんな意味か。なにか、先の国会での答弁を行う官僚たちを見ているみたいで、もう哀れというか、けったくそ悪いというか ・・・。

 「図書館戦争」や「阪急電車」でも知られている「有川浩」の恋愛小説、「植物図鑑 (幻冬舎文庫)」の第1章にこの花が出てくる。ひょんなことから、家事万能のスーパー家政夫のうえ、重度の植物オタクで、イケメンの「樹(イツキ)」と奇妙な同棲生活を始めた女の子の話。そこには、「花の姿の愛らしさは雑草の中でもかなり上位に入る」と弁護するように書かれている。

植物図鑑 (幻冬舎文庫)

有川 浩 / 幻冬舎



 さて、今宵、「花はどんな花でも愛らしい」という意味を込めて、「A Flower Is A Lovesome Thing」。「A列車で行こう/Take The ”A” Train」の作者として知られ、アメリカのジャズピアノ奏者、作曲家、アレンジャーであった、「ビリー・ストレイホーン/Billy Strayhorn」の有名な曲。訳はいりませんね。(luscious;薫りがいい)

「♪ A flower is a lovesome thing
   A luscious living lovesome thing
   A daffodil, a rose, no matter where it grows
    Is such a lovely lovesome thing ・・・  ♪」

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 歌姫は「フェイ・クラーセン/Fay Claassen」。1969年生まれのオランダのジャズ・シンガー。最初はダンスとバレーを学んだが、1990年頃からアムステルダムの音楽学校でジャズ・ボーカルを学び始めた。天賦の才は隠せないらしく、在学中に2つの賞を獲得したという。やがてプロ歌手としての活動を始め、多くのジャズ・フェスなどで著名なミュージシャンたちとのコラボも重ね、もうベテランといってもいい30年近いキャリアが積み重ねられ現在に至っている。」。そのハスキーな声は、「アムステルダムのため息」などとも呼ばれているという。

Sing!

Fay Claassen / Challenge



「Fay Claassen / A Flower Is A Lovesome Thing」

          
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# by knakano0311 | 2017-08-19 13:21 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

お盆にヒサカキを伐る

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 お盆の山作業。みんな高齢者、熱中症を警戒しながら、あまり無理をせずに、山頂までのぼり、軽い伐採作業で終える。いつもは植生の多様性を妨げているため、伐採の対象となっている、常緑広葉樹の「ヒサカキ(非榊、柃、姫榊)」を伐る。仲間の何人かは、持って帰り、墓や仏壇に備えるそうだ。「サカキ(榊)」が手に入らない場合、「ヒサカキ」を代わりとして、墓・仏壇へ「仏さん柴」として供え、また玉串として利用することが多いと聞く。我々も新年、炭窯の「窯開き」の時に玉串として奉じている。間伐の対象木であるが、お盆のこの期間は役に立っているようだ。

 英語で、「alternative(オルタナティブ)」というと、「代わりとなるもの、代替物、代替案」、「選択肢」などの意味で使われるが、最近では、トランプ政権が、黒を白と強弁する手段として、「オルタナティブ・ファクト/alternative fact(もうひとつの事実)」と言葉を使ったことでも話題となった。

 音楽のジャンルを表す言葉としても、「alternative」、「alternative music」が使われることがある。「従来の音楽の型やジャンルにはまらない」、あるいは「既存のポップ・ミュージックの概念を打ち壊す」という意味で「alternative」が使われているようだ。そんな、「alternative music」としてカテゴライズされている二人が今宵の歌姫。

 なにが従来の型にはまらないかって? 講釈無用。聴いていてだければ、直ぐにわかります。最初に聴いたときは、結構、衝撃的でした。「ガブリエラ・アンダース/Gabriela Anders」のアルバム、「Wanting」(1999)と「スザンヌ・ヴェガ/Suzanne Vega」のアルバム、「Solitude Standing(孤独 ひとり)」(1987)から。

Wanting

Gabriela AndersWarner Bros.



 ボッサ・ユニット、「ベレーザ/Beleza」のリード・ボーカルだったアルゼンチン出身の歌姫の歌う「イパネマの娘」。

「Gabriela Anders - The Girl From Ipanema」

          

 ア・カペラが衝撃的だった、「トムズ・ダイナー/Tom's Diner」。NYの雨の朝。カフェで一人朝食をとる女性の目に映った情景を通じて、大都会に生きる人々の孤独を歌い上げている。
  
【 Tom's Diner 】   by Suzanne Vega

「♪ I am sitting  In the morning  At the diner  On the corner
   I am waiting  At the counter  For the man To pour the coffee
   And he fills it  Only halfway  And before   I even argue

   He is looking  Out the window  At somebody  Coming in

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」

Solitude Standing

Suzanne Vega / A&M



「Suzanne Vega - Tom's Diner (original version) 」

          
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# by knakano0311 | 2017-08-18 10:02 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)

きな臭くなってきた

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 夏休みも半分を超えたが、山の遊び場、水の流れには相変わらず多くの子供たち。そんな平和な風景をよそに、妙にきな臭くなってきた。異様なほどエキセントリックなふたりの指導者の脅しあい、舌戦が、チキン・レースへとエスカレートしている。独裁、圧政、権力世襲がつづく隣国、北朝鮮からあのような指導者が出てくるのは、至極当たり前と思うのだが、わからないのはその対極にある米国。自由、人権擁護、民主主義のお手本のような国から、あのような大統領が選出されたこと。選挙中も、就任当初からもその行動や手腕が危ぶまれていたものの、ここに来て露骨に危惧されたとうりの正体を現してきたように思える。結局、国の体制などとは関係なしに、どこの国でも、出るときはとんでもない指導者は出てくるということか。「アメリカ・ファースト」を実践すれば、この危機が戦争になり、結果大きな被害を受けるのは韓国と日本である。我々はただ黙って、愚かなふたりの繰り広げる、この馬鹿げたチキン・レースを見守るしかないのか。
   
 かって、高校の名画鑑賞会で見た映画に、「渚にて(原題:On the Beach)」(1959)がある。第三次世界大戦が勃発し、世界全土は核攻撃によって放射能汚染が広がるという核戦争後の恐怖を淡々と描いた、「スタンリー・クレイマー/Stanley Kramer」監督、「グレゴリー・ペック/Gregory Peck」主演の映画である。有名になったその主題歌が、オーストラリアが発祥の歌で、同国を代表とする歌、「ワルチング・マチルダ/Waltzing Matilda」。「Waltzing」は「当てもなくさまよい歩く」という意味らしく、身寄りのない貧しい放浪者が、「マチルダ」と名付けた毛布とともに、オーストラリア大陸を彷徨うという歌だという。

渚にて [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン



「On The Beach - opening scene - Waltzing Matilda」

          

 その「ワルチング・マチルダ」を自分の歌の中で効果的に活かしきったのが、「トム・ウェイツ/Tom waits」。1976年に発表したアルバム、「スモール・チェンジ/Small Change(小銭)」の1曲目、「トム・トラバーツ・ブルース/Tom Traubert's Blues」で、「放浪の旅」の隠喩として「Waltzing Matilda」の一節が使われている。また、このブルースが、フジテレビのドラマ、「山崎豊子」の「不毛地帯」でもエンディング・テーマとして使われたことが記憶に残っている。

【 Tom Traubert's Blues 】   by Tom waits

「♪ Wasted and wounded,          疲れ果てて傷ついてしまったんだ
    it ain't what the moon did       でも、それは月のせいではないんだ 
  I got what I paid for now         今になって昔の報いを受けてるだけさ
  See ya tomorrow             また明日会おうよ
    hey Frank can I borrow         ヘイ、フランク、金を貸してくれないか
  a couple of bucks from you        2、3ドルでいいんからさ
  To go waltzing Matilda, waltzing Matilda, ワルチング・マチルダさ、放浪の旅に出るんだ
  You'll go waltzing Matilda with me     お前もいっしょに俺と行こうぜ
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ♪」

Small Change

Tom Waits / Elektra / Wea



「Tom Waits - Tom Traubert's Blues "Waltzing Matilda" 」

          
  


  
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# by knakano0311 | 2017-08-17 13:37 | 想うことなど・・・ | Trackback | Comments(2)