この曲には、ポルトガル語、それを訳した英語詩がついているが、「Beija-Flor = Hummingbird」ということからでしょうか、彼女は詩を歌わず、ハミングというか、スキャットで歌い、ギターの「Serge Merlaud」を際立たせている。ちなみに英語詩は、「Go hummingbird/Kiss the rose bush/Remind me/of my love/Today I'm sad/I miss you/Back to me ・・・」。このアルバム、この年の「グラミー賞・最優秀ジャズ・ヴォーカル・アルバム賞」にノミネートされている。
サンバをさらに一曲。かの「ヴィニシウス・ヂ・モライス/Vinicius de Moraes」の曲で、「O velho e a Flor(老人と花)」。まるで私のテーマソングじゃないですか。ブラジルが誇る速弾きギターの名手、「セバスチャン・タパジョス/Sebastião Tapajós」に、女性シンガーの「マリア・ナザレス/Maria Nazareth」、ベーシスト兼ボーカリストの「アルナルド・エリンケス/Arnaldo Henriques」を加えた3人が紡ぎ出す極上のボサ・ノヴァの数々。アルバムは、「Sebastião Tapajós Maria Nazareth Arnaldo Henriques+3」(1976)から。
【 O velho e a Flor(老人と花) 】 Vinicius de Moraes
「♪ Por céus e mares eu andei 空と海を彷徨っている時 Vi um poeta e vi um rei 詩人と王様に会った Na esperança de saber o que é o amor 愛とは何かを知りたいと願って聞いたが Ninguém sabia me dizer ふたりとも答えられなかった E eu já queria até morrer それで私は死にたくなるほどだった Quando um velhinho その時花を持った老人が com uma flor assim falou こう話してくれた
O amor é o carinho 愛は優しさだが É o espinho que não se vê em cada flor 花の中にある見えない棘でもある É a vida quando 生命は Chega sangrando 血を流しながらやってくるとき Aberta em pétalas de amor 愛の花びらを咲かせるのだ ♪」
日本のグループ・サウンズのカバーから、「Colar De Flores(Hana No Kubikazari)/花の首飾り」。1975年生まれのブラジルのジャズ歌手、「キャロル・サボヤ(カロル・サボイアとも)/Carol Saboya」が歌っています。アルバムは、コンピ・アルバム、「Lohas Music Style」(2005)、オリジナルは、「BOSSA NOVA」(2003)。
「60歳過ぎたら聴きたい歌(110)」は、「スージー・アリオリ/Susie Ariol」の「It's a Good Day」。そう、あの「ペギー・リー/Peggy Lee」の作詞なんですね。「今日はいい日、だからくよくよしないで過ごそう」という歌。この人の笑顔は人を和ませますね。アルバムは、「That's for Me (feat. Jordan Officer)」(2004)から。
【 It's a Good Day 】 by Peggy Lee , Dave Barbour
「♪ Yes, it's a good day for singing a song, 今日はいい日。歌を歌うのに。 And it's a good day for moving along; そう今日はいい日。前に進むのに。 Yes, it's a good day, いい日なんだって、 how could anything be wrong, どうすりゃ悪くなるのさ A good day from morning' till night 朝から晩までいい日なんだって
Yes, it's a good day for shining your shoes, 今日はいい日。靴を磨くのに。 And it's a good day for losing the blues; 今日はいい日。憂鬱を晴らすのに。 Everything to gain and nothing' to lose, 得るものはあっても失くすものはない A good day from morning' till night 今日は朝から晩までいい日
若き「ピカソ/Pablo Ruiz Picasso」や「ガウディ/Antoni Gaudí」が、ご贔屓だったという、スペイン・カタルーニャ地方バルセロナのカフェ、「四匹の猫/カタルーニャ語: Els Quatre GatsまたはEls 4 Gats/クアトロ・ガッツ」。仕事とプライベートで2度ほど訪れたことがある。1897年から1903年まで営業したが、オリジナルのカフェは1903年に閉店した。その後、1981年には同じ建物の同じ場所に同名のレストランが開店し、主に観光客向けのレストランとして営業している。私が訪れたのはこちらの方。複製ですが、原画はバルセロナの「カタルーニャ美術館」にある壁にかかっていたピカソの絵、「タンデム自転車に乗る二人組の男」という絵が印象的だった。(写真はNETより拝借)
まずご覧いただくのは、「アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズ/Art Blakey & Jazz Messengers」の十八番、ピアニストの「ボビー・ティモンズ/Bobby Timmons」が作曲し、後に、「ジョン・ヘンドリックス/Jon Hendricks」が歌詞をつけた、「モーニン/Moanin'」。
「♪ Every Mornin' finds me moanin' 朝がくるたびに俺は呻き声をあげるのさ I'm alone and crying the blues たった一人で憂鬱な人生に耐えかねて I'm so tired of paying the dues もう責任を背負って生きていくことに疲れたよ Everybody knows I'm moanin' みんな分かってくれるよね 俺のこの苦悩を
デビュー・アルバム、「Emotional Dance」から、「Chega De Saudade(想いあふれて、No More Blues)」。
【 Chega De Saudade/想いあふれて 】 by Vinicius De Moraes / Antonio Carlos Jobim
「♪ Vai minha tristeza e diz à ela 悲しみよ あの娘に言ってやってくれ Que sem ela não pode ser おまえなしでは駄目なんだ Diz-lhe numa prece que ela regresse 頼むから 戻ってきてくれと Porque eu não posso mais sofrer 僕は生きていけないよ Chega de saudade, a realidade é que sem ela 思い出はもうたくさん Não há paz, não há beleza, é só tristeza 彼女なしでは心の平和はない E a melancolia que não sai de mim, 僕に心の中の não sai de mim, não sai この悲しみ、この憂鬱
「60歳過ぎたら聴きたい歌(109)」は、「You Only Live Twice」。ご存知、1967年公開の007シリーズの第5作、「007は二度死ぬ」の主題歌である。「Live Twice」。会社生活とは別の生きがいや目的をもって、定年退職後の人生を過ごすシニアにおあつらえ向きの歌。もっとも、こんな時代である、定年を待つまでもなく、また定年後でも、或いは海外と同じように、キャリアを広げるため、やりたいことを実現させるため、第2、第3の人生を送る方は多いと思う。
歌唱は、「テッサ・ソーター/Tessa Souter」で。アルバムは、「キー・ラーゴの夜/Nights of Key Largo」(2008)から。
プロ・デビューは、1999年で、最初のアルバムは「Listen Love」(2004)。この時48歳。以後、「Nights of Key Largo」(2008)、「Obsession」 (2009)、「Beyond the Blue」(2012)、「Picture in Black and White」(2018)と寡作ながら5枚のアルバムをリリースしている。
【 You only live twice 】 by Leslie Bricusse / John Barry
「♪ You only live twice or so it seems, 2度目の人生を生きているそんな風に見える One life for yourself and one for your dreams. 最初は自分のため、今は夢のために
You drift through the years 長い間漂っていたためすっかり and life seems tame, すっかり従順になってしまったようね Till one dream appears でもそれは愛と呼ばれる and love is its name. 一つの夢がかなうまでのことよ
And love is a stranger who'll beckon you on, 愛は貴方にとって見知らぬ人のよう Don't think of the danger or the stranger is gone. 警戒しないで,去ってしまうから
This dream is for you, so pay the price. この夢は貴方のため だから代償を払うのよ Make one dream come true, you only live twice. 夢をかなえ2度目の人生を
幼い頃にブラジルの大自然に囲まれ育ち、環境問題に対する関心が深く、晩年はアマゾンの熱帯雨林を保護するための活動を行っていたという、ボサノバの創始者「アントニオ・カルロス・ジョビン/Antônio Carlos Jobim」の曲を。「Agua De Marco」。「三月の水」、「三月の雨」、「Waters Of March」、「Les Eaux de Mars」などと訳されて、いろんなアーティストに演奏されている曲。