大屋地爵士のJAZZYな生活

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路傍の花、樹々の鳥(98) ~ 人生にも似た樹 ~

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先日のことである。「黒川里山まつり」の会場の脇にある樹に目が止まった。「キンモクセイ(金木犀)」によく似た樹であるが、花の色が白で違うし、何よりも香りがあれほど強くしない。そしてよく見ると、樹の上部の葉は丸いのに、下部の葉は「ヒイラギ(柊)」のように棘があり、尖っている。ひとつの樹に2種類の葉がついているのだ。(写真参照) 先達曰く、「ヒイラギモクセイ(柊木犀)である」。

調べてみると、「ヒイラギモクセイ」は、「ギンモクセイ(銀木犀)」と「ヒイラギ(柊・疼木・柊木)」の雑種である。どうも花は「ギンモクセイ」の、葉は「ヒイラギ」の遺伝子の影響を受けているようである。

「ギンモクセイ(銀木犀)」は、花には香気があるが、近縁の「キンモクセイ(金木犀)ほどは強くない。中国名は「桂花」。そして、「ヒイラギ」の和名の由来は、葉の刺に触るとヒリヒリ痛む、古語の疼(ひひら)く、疼(ひいら)ぐ、ということから来ているというが、この刺は、木が歳を取ったり、樹勢が弱くなったりすると次第に少なくなり、ついには無くなってしまうという。このことが学名の、「heterophyllus=異なった葉」の由来だという。

両方の親の遺伝子を継ぎ、香る花も咲かすが、若い頃は突っ張ったりもする。年を取るとその刺々しさや荒々しさが消え、丸くなってしまうなど、まるで人の人生を象徴するような樹である。まあ、丸くなるのがいいか悪いかは別問題ですが ・・・。

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さて、今宵の歌。「アン・バートン/Ann Burton」の「グッド・ライフ/The Good Life」が聴きたくなりました。たった2分半ほどの短いバラードであるが、真のグッド・ライフとは何なのか、山あり谷ありをすべて受け入れて「グッドライフ」とする人生の真実を歌った深みのあるバラード。「60歳超えたら聴きたい歌」でも取り上げている歌である。(参照拙ブログ「60歳過ぎたら聴きたい歌(27)  ~ The Good Life ~」

ということで、引っ張り出してきたのは、34歳の遅咲きのデビュー・アルバム、「ブルー・バートン/Blue Burton」(1967)。とりたてて技巧があるわけではないが、低めの声で淡々と歌う。それがかえって成熟した内面からにじみ出る深みを感じさせる。

Blue Burton

Ann Burton / Music on CD



残念ながら、YOUTUBEにアップされていないようなので、拙訳を上げておきます。

「The Good Life」   作詞 ジャック・リアドン  作曲 サッシャ・ディステル

「♪ そうね、グッドライフ
     楽しさ一杯で理想的な生活におもえるわね
       ふ~ん、グッドライフ
         あなたが悲しみを感じてもみんな覆い隠してくれるかも・・・
           でもあなたが本当の恋に落ちることはないでしょうね
              あなたにそんなチャンスは訪れないだろうから
                だから自分自身に正直になりなさいよ
                   偽りのロマンスを作り上げてはいけないわ

    グッドライフ、私が思うには
      それはまだ経験していないことを恐れずに求めていくことだと思うの
        それがたったひとりで向き合わなければならない「心の痛み」だとしても
          どうぞ忘れないでほしい 私がまだあなたを想っていることを
            そして人生に疑問を感じたり、道に迷ったら
              目を覚まして、あなたの考えている「グッドライフ」に
                 さよならをしてほしい                ♪」 

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「アン・バートン/Ann Burton」は、1933年オランダのアムステルダムの生まれ。プロ歌手になってから、ある日、「ビリー・ホリディ/Billie Holiday」のレコードを聴いて感動し、ホリディのように自分自身の歌の世界を持ち、それを歌っていこうと決心したという。厳しい難しい道を歩みだし、経済的には恵まれなかったが、自身の納得できる歌だけを歌っていた。1989年惜しくも死去。 享年56歳であった。死して26年、いまだに人気のある女性ボーカル。

その歌唱を貫いているのは、静寂とある種倦怠感のような大人の落ち着き。そして深い哀愁。私がなにか人生の節目にさしかかったと感じた時、必ずといってもいいほど聴く2枚のアルバムが、「Blue Burton」ともう一枚の「バラード・アンド・バートン/Ballad And Burton 」(1969)。バックは、「ルイス・ヴァン・ダイク・トリオ/Louis Van Dijk Trio」とアルト・サックスの「ピノ・ノールディク/Piet Noordijk」。(参照拙ブログ「60歳過ぎたら聴きたい歌(23) ~ Someone to watch over me ~」

そのアルバムから3曲を ・・・。この歌も「60歳超えたら聴きたい歌」でも取り上げた歌。(参照拙ブログ「60歳過ぎたら聴きたい歌(6)  ~ Bang Bang ~」など)

バラード・アンド・バートン

アン・バートン / SMJ




「Someone to Watch Over Me / Ann Burton」


          

「Ann Burton - Bang Bang」

          


「Ann Burton - Try a Little Tenderness」


          
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by knakano0311 | 2015-11-05 13:32 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(2)

雨が上がったら、きのこの山に

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家を出るときは雨が降っていたが、遊びの山に着くと、ほとんど雨は上がっていた。山のあちこちから立ち登る水蒸気が、山や森を幻想的に見せてくれる。「こんな雨だから ・・・」と思っていたが、なんと14人の仲間の内、11人もが集まってきた。みんな暇なんだろうか? いやいや、仲間たちと山に入りたい思いが強いのだ。

ゆっくり登り出すと、雨上がりの森のいたるところに、いろいろな種類のきのこ(茸)が顔を出している。まるで「きのこの山」のようだ。「きのこ」のことはほとんどわからないので、もちろん手も出さないし、実際のところ多分ほとんどが「毒きのこ」であろう。しかし、こんなところに、秋の訪れと自然の豊かさを感じる。いつものように、山頂まであがると、一気に視界が開け、まだ8月だというのに、ひんやりとした風が吹きあがってきて心地よく、爽快な気分になる。天気予報では、10月上旬の気候とか ・・・・。

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さて、今宵は「ルイス・ヴァン・ダイク・トリオ/Louis van Dijk Trio」。少し甘すぎるかもしれません。「ルイス・ヴァン・ダイク」といえば、「アン・バートン/Ann Burton」の傑作、「ブルー・バートン/Blue Burton」(1968年)、「バラード&バートン/Ballad And Burton」(1969年)の歌伴で素晴らしい演奏を聴かせてくれたオランダのピアニスト。

1941年、アムステルダム生まれの71歳、このお方もご長寿ピアニストに入れてもいいくらいの十分なお歳。1959年、18歳で「アムステルダム音楽院」に入学、他の欧州ジャズ・ピアニストと同様、クラシック・ピアノを学んだ。程なくしてジャズに出会い、ジャズに傾倒し独学でジャズの理論をマスターし、19歳にルースドレヒトのジャズ・コンクールで優勝、衝撃のデビューを果たすと一躍トップピアニストの地位を得たという。

「アン・バートン」の歌伴のイメージが強く、なかなか彼自身のトリオでのアルバムを聴くモチベーションは起きなかったのだが、上質のBGMと割り切ってしまえば、スタンダード中心の選曲と上品な演奏が聴ける「バラード・イン・ブルー」、「おもいでの夏」はおススメ。

バラード・イン・ブルー

ルイス・ヴァン・ダイク・トリオエムアンドアイカンパニー



「The Shadow of Your Smile - Louis van Dijk Trio」

          

夏ももう終わり ・・・。

おもいでの夏

ルイス・ヴァン・ダイク・トリオ / エム アンド アイ カンパニー



「Louis Van Dijk Trio - A Lovely Way To Spend An Evening」

          

2曲いずれも「アン・バートン」のアルバムで、歌伴をした曲である。聴き比べてみるのも面白いかも ・・・。
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by knakano0311 | 2014-08-29 10:00 | 炭焼き小屋から | Trackback | Comments(0)

60歳過ぎたら聴きたい歌(76) ~素敵な宵のひとときを~

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孫娘の1歳の誕生日であった。生後9か月で母親の入院、手術という大事件に見舞われたが、幸い術後の経過もよく、お嫁さんの快気祝いもかねて、彼女の家族共々お祝いの食事会であった。

大阪を一望のもとに見下ろす雲雀ヶ丘にある和風ダイニング、鎌倉時代の公家で、「新古今集」や「新勅撰集」などの選定した歌人でもある「藤原定家」にちなんだ屋号を持つ「明月記」での食事。「明月記」は定家の日記で、難解なことでも有名であるが、たしかその日記の中に「超新星爆発」のことと思われる記述があり、そのことでも一躍有名になったと記憶している。食事が美味しいかったこともさることながら、家族一同健康でいられることの喜び、幼い命が目に見えて育っていることの喜びを祝い、和気あいあいとした楽しいお祝いの宴であった。ささやかながらこんな喜びがいつまでも続いてほしいものだ。

日記といえば、このブログもいわば私の日記のようなもの。「爵士記」とでもタイトルを変えましょうか ・・・。定家について調べてみたら、秋の日の一日にふさわしいこんな歌があった。

   「大方の 秋のけしきは くれはてて ただ山の端の ありあけの月」 (定家)

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今宵の「60歳過ぎたら聴きたい歌」。今日は少し幸せな気分を味わった一日だったから、「アン・バートン/Ann Burton」の「A Lovely Way To Spend An Evening」を選んでみた。「恋に過ごせし宵」などという古風な邦訳タイトルがついているが、もうすこし柔らかく、「素敵な宵のひとときを」とでも訳しておきましょうか。私にとって、今日などはまさに「A Lovely Way To Spend An Afternoon」であった。

このブログでも何回も取り上げている「アン・バートン/Ann Burton」。 1933年オランダのアムステルダム生まれ。何回か来日もしているが、私はステージは観れずじまいで、残念なことに、1989年に56歳で他界してしまった。しかし、いまだに日本での人気は高いと聞く。死後20年以上たっても、未発表曲のアルバムが次々と発売されているのだ。

非英語国出身なるが故の英語の解りやすさに加え、その魅力は何と言っても、しっとりと歌い上げるなかに込められたその情感。もう30年以上聴いていても飽きない私の愛聴盤となっている彼女の名盤は、「BALLADS&BURTON」(1969)。伴奏の「ルイス・ヴァン・ダイク/Louis van Dyke」のトリオもバートンの唄にピッタリ寄り添っている。

バラード&バートン

アン・バートン ジャック・スコルズ ルイス・ヴァン・ダイク ジョン・エンゲルス ルディ・ブリンクソニーミュージックエンタテインメント



「A Lovely Way To Spend An Evening」は、「ハロルド・アダムソン/Harold Adamson」(詞)と「ジミー・マクヒュー/Jimmy McHugh」(曲)によって、1940年に書かれた愛らしい歌。「フランク・シナトラ/Frank Sinatra」のレパートリーでもあった曲。

「♪ This is a lovely way to spend an evening,  こんなに素敵な宵のひととき
   I can't think of anything I'd rather do      ほかの事は何も考えられない
   This is a lovely way to spend an evening,    こうして過ごす素敵な宵のひととき
   I can't think of anyone as handsome as you  あなたのことしか考えられない

   A casual stroll through a garden      くつろいだ気持ちで庭を散歩して
   A kiss by a lazy lagoon             物憂げな池のほとりでキスをして
   Catching a breath of moonlight       そして月の吐息を浴びて
   Humming our favorite tune          お気に入りの歌をハミングするの

   This is a lovely way to spend an evening  こんなに素敵な宵のひととき
   I want to save                       あなたと過ごすために   
   All my nights                         とっておきたいわ 
   And spend them with you              わたしの夜はすべて ♪」

「A Lovely Way To Spend An Evening - Ann Burton」  Ann Burton;vocal,Louis van Dyke;piano,Jacques Schois;bass,John Engels;drums
 
       
 


 
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by knakano0311 | 2011-11-15 09:45 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Trackback | Comments(0)

雨の日と月曜日は

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13日、月曜日は神戸「ルミナリエ」の最終日。しかし、朝から一日雨が降り続いていた。天気がよかったら神戸に行こうと思っていたのだが、今年は仕方なく断念せざるを得なかった。その代わりといってはなんだが、年賀状をそろそろ作ろうと思い立って、作業に取り掛かった。大分動きが重たくなったので、古くなったOS、XPを夏に入れ替えした際、年賀状の住所録のバックアップを取っておくのを忘れたため、住所録作りからである。定年後は大分減らしたがそれでも百数十名ほどある。そして孫のお宮参りのときの写真をベースに、文面を作成したら一日がかりの作業になってしまった。

かって若い頃は、年賀状にあまり大きな価値や意味を感じなかったこともある。特に、会社の同僚などは、年が明けて出社すれば顔を合わせるのに必要ないではないか思っていた。しかし、定年になって大分考えが変わってきた。年に一回、懐かしい人からの届く年賀状に「元気でやっているよ」といううれしいメッセージを感じ取ることができるのだ。メールによる若い人の年賀状離れも進んでいるようだが、メールにせよ、年賀状にせよ、年に一回くらいお互いに友人の顔を思い浮かべてみることもいいことだ。

それにしてもパソコンで年賀状を作るようになってから、本当に楽になったものだ。ちゃんとした手作りの版画の賀状を送ってくれる友には申し訳ないが ・・・ 。

1971年、「カーペンターズ/The Carpenters」で大ヒットした曲に、「雨の日と月曜日は/Rainy Days And Mondays」という歌がある。私の大のご贔屓、オランダの歌姫、「アン・バートン/Ann Burton」はこの曲が好きだったようで、アルバム「雨の日と月曜日は」、「宵のひととき」、「He’s Funny That Way」で3回も収録している。そして、没後20年となった去年、2009年には復刻盤が相次いだ。そして今年、最近発掘された未発表の録音から作られた形見といえるようなアルバムが発売された。「ラフィング・アット・ライフ/Laughing at Life」である。そこにもあらたなバージョンが収録されていた。しかも、あの名作「ブルーバートン/Blue Burton」、「バラッズ&バートン/Ballads & Burton」で歌伴を務めた「ルイス・ヴァン・ダイク/Louis Van Dijk」との共演である。楽天的で明るいタイトル曲も前向きでいい。再び彼女を聴ける喜び。

ラフィング・アット・ライフ~ウィズ・ルイス・ヴァン・ダイク

アン・バートン / MUZAK



雨の日と月曜日は(紙ジャケット仕様)

アン・バートン / アブソードミュージックジャパン



「雨の日と月曜日は」。この歌は残念ながらYOUTUBEにアップされていないので、替わりに同じように彼女お気に入りの歌で、「ラフィング・・・・」ほかいくつかのアルバムに収録されているが、「バラッズ&バートン」から「宵のひととき/A Lovely Way To Spend An Evening」をどうぞ。

          
 
 
 
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by knakano0311 | 2010-12-15 00:27 | 音楽的生活 | Trackback | Comments(0)

傍らにある秋

定年退職してから後の生活習慣で大きく変わったことのひとつに、自然をすごく身近に感じ、楽しめるようになったことがあげられよう。時間だけはたっぷりある、日々の平凡な生活の中で、その傍らにある自然を楽しめることを素直に喜びたい。そんな「傍らにある秋」、五題を・・・。

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毎日のウォーキング・コースの途中にあるため池のほとりには、もう薄の穂がいっぱい。このため池には、「おしどり」のつがいが何組か住みついていて、そのためバード・ウォッチングを楽しむシニア世代を時々見かけることがある。それにしても、日本の池などは、どこの行政も責任リスクを恐れ、殆どの水辺に住民が立ち入れないよう鉄条網を張り巡らしてあるのは悲しい。
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たまに行く大型スーパーマーケットの近くの池には、「ばん」の親子や「かいつぶり」が住みついている。そして、ここにもちゃんと鳥達が生きているかどうかを、毎日見に来ることを生活の日課にしているシニアの方がいるのだ。この日も、その方は、ほとりには萩が咲き乱れる池の中を楽しそうに囀りながら遊ぶ「ばん」を、眼を細めて見守っていた。

ばん;番偏に鳥。ツル目の鳥で大きさは鳩くらい。水辺に住み、よく泳ぎ、笑い声に似た鳴声をだす。

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秋から冬にかけて、子供達に工作をしてもらうための材料採集に近所の林に出かけた。「夜叉ぶし」、「どんぐり」、「松ぼっくり」がたくさん採集できた。これで当分、材料は間に合いそうだ。

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里山の木立にかこまれたカフェのウッド・デッキで、憩いながらコーヒーを飲む。まだ午後、日差しも強い木陰であるが、戸外は少し肌寒く感じるくらい。里山では、もう秋の気配も深まってきたのだ。こんなゆっくりと流れる時間を味わえるようになったのも定年後の楽しみ方の一つ。


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我が家近辺のたんぼや畑の畦には、この時期、どこ行っても彼岸花(曼珠沙華)が、紅い妖艶な花をつけている。彼岸花の根には毒があるらしく、モグラや野鼠を寄せ付けないようにするために、かっては農夫達が畦に植えたらしい。それが増えて、今ではすっかり秋の風景を形づくっているのだ。


ささやかであるが、いまのところ穏やかな日々が送ることができていることに、感謝・・・。

「山も谷もすべて受け入れたうえで人生を「グッドライフ」と考えたい」という人生への想いを歌ったバラード「The Good Life」を思い浮かべる。「アン・バートン」が歌う珠玉の「The Good Life」は、アルバム「ブルー・バートン/Blue Burton」から。

ブルー・バートン
アン・バートン ジャック・スコルズ ルイス・ヴァン・ダイク ピエ・ノールディク ジョン・エンゲルス / ソニーミュージックエンタテインメント
ISBN : B00005G4A3
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by knakano0311 | 2009-09-29 09:12 | 地域の中で・・・ | Trackback | Comments(0)

60歳過ぎたら聴きたい歌(27)  ~ The Good Life ~

日経ビジネスオンラインにこんな記事が載っていた。「悪いニュースが嫌いな人たちへの良いニュース/“Good news for people who hate bad news”」というコラム。

「新聞を見ると、調子の悪い見出しが大きく出ている。株価がさらに下がった、ある企業の売り上げが落ちた、別の企業が赤字になった、レイオフ(一時解雇)が至る所で行われている。…そういう悪いニュースを毎日読んでいると、気持ちが縮む。そして世の中の調子がもっと悪くなる。見出しはちらっと見る程度でいい、すぐ仕事に戻り、自分の製品やサービスをひたすら磨くべきだ。大きなイノベーションは、不景気の時に起きている。」

発言者は、インターネットビジネスの起業家として著名なジェイソン・カラカニス氏。その発言を紹介したコラムを書いたのは、日経ビジネスオンラインの谷島 宣之氏。(「悪いニュースが嫌いな人たちへの良いニュース」)

「世の中の暗いニュースを読んでいると、自分の気分がそんなに落ち込んでいなくても、気分が暗くなり、物事に対して悲観的になってしまう。世の中の人々が、そういった連鎖反応を続いていくと、ますます世の中は悪くなっていく。だから、事実から目をそむけてはならないことは勿論だが、そういうニュースはちらっと見出しを見るだけにして、すぐにその悪いニュースのことは忘れて、自分のなさねばならない仕事に専心すること。多くの人々がそうすれば、きっとその総和や連鎖がいずれ世の中を好転させる。」 カラカニス氏のメッセージはこんな風に読み取れる。

マスコミも悪いニュースのほうが視聴率を取れるし、興味や話題を呼ぶと考えて、そんなニュースを大きく扱うが、カラカニス氏の言うように、来年は、悪いニュースは、そこそこにして、数少ないが、いいニュースをじっくり読み、たいしたことはできないかも知れないが、自分のなすべきこと、出来ること、やりたいことに専念してみよう。

そして、この危機の時にこそ、日本の在り様を定め、世界のなかで21世紀に真の豊かな国を築きあげるために、苦しくても国を挙げて大改革をするためのチャンスと捉えたい。来年こそ日本のあらゆる所から湧き上がるポジティブな「Good News」を期待したい。

このささやかなブログでも、読者に少しでも明るさや和みを感じてもらえるような「ちょっといい音楽話」や「いい曲」を紹介できたらいいなと思っている。

今年最後の「60歳過ぎたら聴きたい歌」は「The Good Life/グッド・ライフ」。かってトニー・ベネットが歌ってヒットした、このスタンダード・ソングも様々な歌手が歌っているが、歌い手に選んだのは、「アン・バートン」。アンは、1933年オランダのアムステルダム生まれ。プロ歌手になってから、ある日ビリー・ホリディのレコードを聴いて感動し、ホリディのように自分自身の歌の世界を持ち、それを歌っていこうと決心したという。厳しい難しい道を歩みだし、経済的には恵まれなかったが、自身の納得できる歌だけを歌っていた。とりたてて技巧があるわけではないが、低めの声で淡々と歌う。それがかえって成熟した内面からにじみ出る深みを感じさせ、いまだに人気のある女性ボーカル。1989年惜しくも死去。 享年56歳であった。

たった2分半ほどの短いバラードであるが、真のグッド・ライフとは何なのか、山あり谷ありをすべて受け入れて「グッドライフ」とする人生の真実を歌った深みのあるバラード。今、彼女の「The Good Life」を聴きたい。

「The Good Life」   作詞 ジャック・リアドン  作曲 サッシャ・ディステル

「♪ そうね、グッドライフ
     楽しさ一杯で理想的な生活におもえるわね
       ふ~ん、グッドライフ
         あなたが悲しみを感じてもみんな覆い隠してくれるかも・・・
           でもあなたが本当の恋に落ちることはないでしょうね
              あなたにそんなチャンスは訪れないだろうから
                だから自分自身に正直になりなさいよ
                   偽りのロマンスを作り上げてはいけないわ

    グッドライフ、私が思うには
      それはまだ経験していないことを恐れずに求めていくことだと思うの
        それがたったひとりで向き合わなければならない「心の痛み」だとしても
          どうぞ忘れないでほしい 私がまだあなたを想っていることを
            そして人生に疑問を感じたり、道に迷ったら
              目を覚まして、あなたの考えている「グッドライフ」に
                 さよならをしてほしい      ♪」 
          


収録されているアルバムは彼女の第一作で、1967年に録音された「Blue Burton」。34歳の遅咲きのデビュー作。「SUNNY」、「But Not For Me」などのスタンダードを、淡々とした中にも、ブルージーで深い味わいをこめて歌い上げている。

ブルー・バートン
アン・バートン ジャック・スコルズ ルイス・ヴァン・ダイク ピエ・ノールディク ジョン・エンゲルス / ソニーミュージックエンタテインメント
ISBN : B00005G4A3
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それでは、皆様良いお年をお迎えください。
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by knakano0311 | 2008-12-29 00:37 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Trackback | Comments(0)

60歳過ぎたら聴きたい歌(6)  ~  Bang Bang ~

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30年ほど前のある日、何気なくFMラジオを聴いていて、流れてきた曲と女性JAZZ歌手に衝撃を受けた。歌手は、「Ann Burton アン・バートン」、そのとき流れていた曲は、1966年に「シェール」のヒットで有名になった「Bang Bang」であった。すぐにレコード屋に走って、LPを買ったことを覚えている。この歌が、当時、コンボ・JAZZ一辺倒であった私を、JAZZボーカル、特に女性JAZZボーカルの世界へ誘ってくれた想い入れ深い曲である。

「アン・バートン」は、1989年に56歳で亡くなったオランダの女性歌手であるが、未だにファンの間に根深い人気がある。俳優の「リチャード・バートン」の大ファンだったので、この芸名を名乗るようになったという。彼女は、アップ・テンポよりもスロー・バラードを好み、低音で、じっくりと語りかけるように、そして小声でささやくように、つぶやくように歌うのがうまい。またそれが、じわっと心の深いところに語りかけてくるのだ。彼女のデビュー作は67年録音の「ブルー・バートン」。今回の聴きたい歌「Bang Bang」が収録されているのは、それに続く69年録音の第2作で、スタンダードやポップ曲をゆったりとしたテンポで歌っているアルバム「バラード&バートン」。バックは「ルイス・ヴァン・ダイク・トリオ」に一部サックスが加わる編成。

「Bang Bang」という歌のタイトルは、子供が、「鉄砲遊び」をするときに発する「バン、バン」という声。母親がチェローキー・インディアンの血をひくという美形のシェールの66年のヒット曲。歌詞の内容は、幼馴染が恋に発展し、やがて大人になって突然の別れがきたが、幼い時代からの恋心を思いだして切なくなるといった内容。そんな「Bang Bang」も、アン・バートンが歌うと、がらっと変わって、このうえもないジャジーな仕上がりのなかに、せつない恋の傷みと思い出を淡々と歌い上げる大人の歌として、ものすごく味わい深くせまってくる。もともと「シェール」は、「ソニー&シェール」としてデビューしたが、実生活でもその時期、夫であった「ソニー・ボノ」の作詞・作曲である。


バラード&バートン
アン・バートン ジャック・スコルズ ルイス・ヴァン・ダイク ジョン・エンゲルス ルディ・ブリンク / ソニーミュージックエンタテインメント
ISBN : B00005G4A4
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男はずっと気になっていた。何十年ぶりかで開催された小学校の同窓会のことである。確かに見覚えがあるのだが、まったく思い出せない女性がいて、ずっと気になっていたのである。勿論、他の出席者についても、歳月が容貌と記憶をすっかり変えてしまっていて、すぐには分からなかったが、思い出話をしたり、名前を聞いているうちに少しずつ子供時代の記憶がもどってきていた。しかし、彼女についてはまったく思い出せないままに時間が過ぎていった。やがて、会もお開きの時間となり、なんとなくすわりの悪い思いを抱きながら、彼女のあとに続いて店をでた。そのとき、くるりと振り返った彼女は指で鉄砲の形を作って彼に向けると、「バン」と言って、撃つ真似をした。その瞬間すべての記憶が甦った。・・・・



「♪ 私が5歳で彼が6歳だった頃  二人でよく木馬に乗ったわ  彼は黒い服、私は白い服で
     よく西部劇のまねをして遊んだものね  いつもあなたの勝ちだったわ
       バンバンといって私を撃ち  私は地面に倒れ  バンバンとすごい声をだして
         彼は私を撃った

   季節が過ぎ去り  時が変わり  大きくなった私は彼を恋人呼び   彼は微笑みながら       昔二人でよくした遊びを覚えているかい?といつも言っていた 
      バンバンといって僕が君をを撃ち  君は地面に倒れ  バンバンとすごい声をだして
         僕は君を撃ったものさ

   どうしてか理由は分からないけど彼はもういない   今でも時々涙が出るの  
     彼はさよならも言わなかったし   嘘を言う間もなく去っていった
       バンバンといって私を撃ち  私は地面に倒れ  バンバンという恐ろしい音ともに
          彼は私の心をも撃ってしまった          ♪ 」


「Ann Burton - Bang Bang」

          
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by knakano0311 | 2007-11-10 00:34 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Trackback(9) | Comments(0)