大屋地爵士のJAZZYな生活

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60歳過ぎたら聴きたい歌(75) ~ハートに火をつけて~

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「だんだんよくなる法華の太鼓」という言葉があるが、そんな感じで受け止めている歌がある。聴いているうちに好くなるというのではなく、カバーが変わるたびに、すなわちカバーする歌手が変わっていくにつれて、好くなるのである。その歌は「ハートに火をつけて/Light My Fire」。

言わずと知れた「ドアーズ/The Doors」の1967年のヒット曲である。初めに聴いたときは、さほどの印象を受けなかったが、翌年、プエルトリコ出身の盲目の歌手、ギタリスト、「ホセ・フェリシアーノ/José Feliciano」が、アルバム「フェリシアーノ!/Feliciano!」で歌うに至って、がぜん印象が変わったのである。まさに、ラテンの哀愁と情熱がほとばしる熱唱で、この曲のオリジナルはホセと思い込んだ人も相当いたのではないだろうか。そんなインパクトがあった。

ハートに火をつけて

ドアーズ / ワーナーミュージック・ジャパン



フェリシアーノ!(紙ジャケット仕様)

ホセ・フェリシアーノ / SMJ



そして、次に私が魅かれたのは北欧スエーデン出身の「リーサ/Lisa、Lisa Lovbrand」の「ハートに・・・」であった。「ドアーズ」から経つこと40年、2007年にリリースされたアルバム「Embraceble」であった。大変な美貌のの持ち主で、女優業もこなしているという。ホセのラテンのパッションから一転して、スロー・ボッサ。北欧的透明感の中に漂う、まったり感。癒し、クールダウンといった言葉が当てはまるほどのリラックス・バージョン。 私が定年を迎えて間もないころ聴いたこともあってか、心のモヤモヤがずいぶんとこの歌で解消されたことを覚えている。

エンブレイサブル

リーサ / スパイス・オブ・ライフ



そしてとどめは、「イリアーヌ・イリアス/Eliane Elias」。「イリアーニ・アライアス」あるいは単に「イリアーヌ」と呼ばれることが多いが、1960年、ブラジルのサンパウロ生まれ、今年51歳の女盛り。6歳よりクラシックピアノを始めるが、幼少から「ビル・エヴァンス/Bill Evans」や「ハービー・ハンコック/Herbie Hancock」、「キース・ジャレット/Keith Jarrett」などにずいぶん影響を受けたという。1980年代よりアメリカで活躍し、トランペッターの「ランディ・ブレッカー/Randy Brecker」と結婚、その後離婚するが、「アマンダ・ブレッカー/Amanda Brecker」は彼との娘である。現在は、かつてエヴァンスの最後のトリオのベーシストだった「マーク・ジョンソン/Marc Johnson」を夫とし、マークは彼女のトリオでもベースを弾いている。ジャズからボサノヴァまで幅広いジャンルや亡きエバンスとのコラボなど意欲的なアルバムを次々と発表し、最も脂ののった時期といえようか。

「ハートに火をつけて」。聴き手もそうであるが、歌い手の思いや人生、その人の背景しだいでいろいろな顔をみせる、あるいは顔に見えてくる曲。きっとこんな歌が名曲なんだろうな。 

英詩は「コチラ」

「♪ You know that it would be untrue  本当じゃないってあなたは気が付いてしまう
   You know that I would be a liar     私が嘘をついてるかもしれないってことも
   If I was to say to you             もし私があなたに、二人はこれ以上ないくらい
   Boy(Girl), we couldn't get much higher    最高よなんて言ったとしたら

   Come on baby, light my fire         だからもっとこっちへ来て、私に火をつけて
   Come on baby, light my fire         もっとこっちへ来て、私に火をつけて
   Try to set the night on fire          今夜はもっと燃えましょうよ
       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   ♪」

少しきわどくなってきましたね。「私に火をつけて! ね、 ・・・ 」。いや、こんな風に熟女に迫られたら、どうしましょうか? まっ、そんな心配は全くありませんが ・・・。そんな先入観を持って「イリアーヌ」の歌う「ハートに・・・」を聴いたのだが、そちらの期待は裏切られてしまった。

しかし、「ロマンス、それは美しいメロディー、美しいハーモニー、そして心地いいリズムだったりするけど、そういったものに私は惹かれる。でも何よりも私が今回のアルバムで歌っているのは、さまざまな側面をもった愛についてなの。今作が一番興奮するわ。」と語っている「イリアーヌ」。「ハート ・・・」をゆったりと囁くように歌っている。愛を語ったというこのアルバム、家族や仲間に向かって、「ハートに愛の火をつけて」と語りかけていると受け止めれば、また新しいこの歌の顔が見えてくる。彼女の心の火が灯した暖かい歌になったようだ。このアルバム、夫の「Marc Johnson(b)」はもちろん、元夫の「Randy Brecker(tp)」、愛娘「Amanda Brecker(vo)」も参加するアット・ホームなアルバムでもあったのだ。

ライト・マイ・ファイアー

イリアーヌ・イリアス / ユニバーサル ミュージック クラシック



「Eliane Elias - Light My Fire」
 
          
 
 
 
 
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by knakano0311 | 2011-08-22 11:12 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Trackback | Comments(0)