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大屋地爵士のJAZZYな生活

春を感ずる美女ボーカル三人 ~巧みなジャケット・マーケティング~

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日課としているウォーキングの道の傍らの水仙がほぼ満開。 こんなところから早くも春の息吹が感じられる・・・・。

まちどおしい春。ひな祭りには少し早いが、久し振りの「三人官女」ならぬ、「ジャケ買い」美形ボーカル三人特集を始めましょうか。聴けば、春めいたうきうきした心になるかもしれません・・・。

まず最初は、「ガブリエラ・アンダース(Gabriela Anders)/Bossa Beleza」。最初の彼女のアルバム「Waiting」は、楚々とした全身の遠景のショットが気に入り思わずジャケ買い、秘密の花園入り。2枚目は顔のアップ、猫科の動物を思わせるような目に魅かれて、これもジャケ買い、またも秘密の花園入り。そして3枚目も成熟した女性の色気に魅かれて、またもやジャケ買い。3枚もジャケ買いしたのは彼女くらいであろう。余談であるが、このようにジャケット、特に女性アーティストのそれは、私の購買動機に決定的に影響を与える要因でもあるのです。

1997年、ユニット「Beleza」の歌姫として、ジョビンのトリビュート・アルバムでデビューし大ブレイクしたアルゼンチン出身の美しきシンガー、「ガブリエル・アンダース」。彼女の最大の魅力である、ささやくような、くすぐるような、シルキー・タッチの歌声、その容姿とあいまって世のオジサンたちの心をつかんだ彼女。ジョビン・トリビュート・アルバムはジョビン誕生80周年の去年、待望の再リリースがされた。彼女の音楽スタイルは、ボサノヴァ、ジャズ、ポップス、サルサ、レゲエ、ファンクなど多くのジャンルをミックス・ブレンドし、彼女独自のボサノヴァ・カラーに染め上げてしまうのが特長。あまた世に発売されている、「SONIA」などに代表されるいわゆる「フェイク・ボサノヴァ」の元祖として、根強い人気をもっているのです。そんなガブリエラが久々にニュー・アルバムをリリース。ボサノヴァの名曲から、欧米ポップスのヒット曲などを彼女風に仕上げた、お得意の洒落た「フェイク・ボサノヴァ」集。収録されている曲がちょっと平凡で、「Waiting」のようなJAZZY色が濃くないのがちょっと不満だが、相変わらずのジャケットのよさに免じて、いいじゃないかとしよう・・・。

ボッサ・ベレーザ

ガブリエラ・アンダース / ビクターエンタテインメント


澤野工房初の女性ボーカルのアルバム・リリースは、「ニコレッタ・セーケ/A Song For You」。これはジャケットのせいも勿論あるが、「澤野初」、「歌伴はロバート・ラカトッシュ」、この二つのキーワードで即購入決定。
1983年生まれ、「ロバート・ラカトッシュ」と同じハンガリー出身のシンガー、「ニコレッタ・セ-ケ」。ジプシー音楽の名門に生まれ、2005年のモントルー・ジャズ・フェステイバルでは、ジャズ・ヴォーカル・コンペティションにおいて第一位に輝いたシンガーという。ジャケットをみると、キャッチコピーにあるとおり、まさに妖精と言える美貌。澤野デビューとなる本作では、スタンダード、そしてポップの名曲を、若さを生かしながら、華やかに歌います。やはり、澤野氏の審美眼が色濃く反映した、アメリカとは一味違うヨーロッパ・ジャズ・ボーカル。彼女、今後大きく成長し、澤野の女性ボーカル看板になるかもしれません。そしてラカトッシュのピアノも、今回は歌伴に徹していますがファンには聴き逃せないものとなっています。

パーソナルは、Nikoletta Szoke (vo)、Robert Lakatos (p)、Thomas Stabenow (b)、Klaus Weiss (ds)。「ラカトシュ」、「ティティアン・ヨースト」、そして今、「ニコレッタ・セーケ」を立て続けに澤野から世に送り出した「Klaus Weiss 」は残念なことに、年末に逝ってしまった。

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ニコレッタ・セーケ/A Song For You





さて三人目ですが、私が持っているヴィーナス・レコードのCDでは、「シモーネ」、「ニッキ・パロット」に続く多分三人目?の女性ボーカルだと思います。「テッサ・ソーター」。さすがヴィーナスレコードですね、「エロカッコいい(もう死語かな?)」、またもやオヤジの心をくすぐる本格女性JAZZボーカルです。ジャケット・マーケティングは、ヴィーナス・レコードさんは本当にうまい。何かしら意味深なストーリー性のある写真で想像を掻き立てるエロジャケが過去にいくつもあり、心をくすぐられ、何枚買ったことか・・・・。

「テッサ・ソーター/Tessa Souter」。トリニダード・ドバゴ人の父と英国人の母の間に生まれ、ロンドンに育った。そして米国に渡り、サンフランシスコでジャーナリスト(なんとVogue, Elle,The Guardian,the Times などと言うから驚く)として活躍した後、ジャズ・ヴォーカリストに転身、96年にニューヨークへ移り、JAZZ歌手活動を本格的に始めたそうである。作詞、作曲もするセンス抜群な実力派女性ボーカルの日本デビュー・アルバムが「キー・ラーゴの夜」である。ベイルート、NY、モスクワ、ロンドンなど世界各地のJAZZクラブで活動をする中で、フラメンコや中近東音楽がもつ情熱やソウルに影響を受け、バラードを最も得意とするようであるが、自然体で優しく素直でありながら、濃蜜な情感のこもった歌唱が、粋で心地よい。大型新人誕生の予感。

キー・ラーゴの夜

テッサ・ソーター / ヴィーナスレコード



アルバム・タイトルの「キー・ラーゴ」には、すこし想い出もあります。フロリダ州、マイアミから「キー・ウエスト」まで約400kmに渡って点々と延びる細い砂州、小島。その砂州と小島をつないで、NYを出発点とし、キー・ウエストまで海を貫くほそい一本道が国道1号線。よく映画などで出てくるところです。キー・ラーゴは、その途中にあるリゾートで、スキューバと釣りのメッカ。海の中にキリスト像か何かがおかれていたと思うし、たしかヘミングウェイ「老人と海」もこのあたりがモデルだったか?。
そしてジョン・ヒューストン 監督、ハンフリー・ボガート、ローレン・バコール主演の映画「キー・ラーゴ」の舞台となったところでも有名で、その関係か、おなじボガード主演の「アフリカの女王」という映画で使った船が係留されていました。
そして、1号線沿いには沈船から見つけた金やお宝を買い取る店がいくつもあったことを覚えています。そうそう「Sade(シャーデー)」の「Smooth Operator」という歌の中にも登場しますね。

キー・ラーゴ [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ



ここは、大西洋から昇る朝日とメキシコ湾に沈む夕日とが両方望めるところ。一日中海を見ていようとしたことがありますが、悲しいかな、日本のサラリーマンの性で2時間程度が限度だった・・・・。そんな思い出が、この「キー・ラーゴ」にはあります。

最後におまけは、「テッサ・ソーター」のHPから無断借用した「お宝写真」を・・・。これ以上の「お宝写真」を見たい人は、英語ですが彼女のオシシャル・サイトにアクセスしてみてください。

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「All Or Nothing At All - Tessa Souter」。アルバム「キー・ラーゴの夜」より。

         
by knakano0311 | 2009-02-08 09:25 | ミューズたちの歌声 | Comments(0)
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