なつかしい映画を劇場で観ました。1964年のフランス映画、ジャック・ドゥミ監督『シェルブールの雨傘』(Les Parapluies de Cherbourg)。見終わって、45年前と同じ胸キュンの感動に胸が熱くなっていました。そこで、「我が青春のシネマ・グラフィティ」のいまだ夢覚めぬ兄弟編として、「シネマな生活」のカテゴリーにときどきあの頃、スクリーンの女優に胸とときめかせた「青春のシネマ・グラフィティ」を織り込んでいきたいと思っています。実のところは、独立したカテゴリーとするだけの鑑賞力と記憶力がともなわないのが本音なんですが・・・。
マゾヒスティックな妄想に取り付かれた、上流婦人の表裏二面的生活を描いた「昼顔 Belle de jour (1967)」での危ないまでの美しさ。自我に目覚め、若い画家と恋に落ち、パトロンから自立していく若い女性をりりしく描いた「哀しみのトリスターナ Tristana(1970年)」。独立運動の拡大しつつあった旧フランス領インドシナで、ゴム園を経営するフランス人女性を描き、アカデミー外国映画賞を受賞した「インドシナ Indochine(1992年)」。
ドヌーヴは脇で重要な役を存在感ある演技で示した「ラース・フォン・トリアー」監督、「ビョーク」主演で話題となった、ミュージカル仕立てのデンマーク映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク Dancer In The Dark (2000年)」 。運命の糸に操られ殺人の罪で絞首台へと追いやられていく女性を描いたこの作品は、この年のカンヌ国際映画祭では最高賞であるパルム・ドールを受賞し、音楽も担当し たビョークは映画初出演にして主演女優賞を獲得した。。
そしてつい最近は、「輝ける女たちLe héros de la famille (2006)」。大切な人の死によってそれまで疎遠だった“ファミリー”が南仏のキャバレーに再び集い、新しいスタートを切る人間讃歌。「カトリーヌ・ドヌーヴ」の重厚かつ華やかな演技は、「さすが本物の大女優!」という貫禄で、劇中では見事な歌まで披露する。
わが永遠の憧れ、「カトリーヌ・ドヌーヴ」・・・。
そして音楽はといえば、「ミシェル・ルグラン」。主題歌はご存知の「I Will Wait For You」。スティーブ・マックイーン、フェイ・ダナウェイ主演の「華麗なる賭け(The Thomas Crown Affair)1968年」で、アカデミー主題歌賞を受賞した「風のささやき」、1969年の映画「The Happy Ending」に使われた「What are you doing the rest of your life」などが有名であるが、これらの歌は、ミシェル・ルグラン作曲、アランとマリリン・バーグマン夫妻作詞のコンビによる曲である。
ミシェル・ルグランの名曲、それこそ何人ものアーティストにカバーされているが、まずは、リリースするアルバムが、いつも一幕の芝居のような感じを抱かせる「ホリー・コール」のアルバムから選んでみよう。
オランダが生んだジプシー・ジャズ・ギターの実力者でジ、「ジャンゴ・ラインハルト」を継ぐと称されている「ローゼンバーグ・トリオ」のリーダー、「ストーシェロ(ストーケロ)・ローゼンバーグ」のソロアルバムから。何しろギター・テクが抜群に凄く、テンポの早いジャズ・ナンバーも鮮やかに、軽々と弾きこなす。「I Will Wait For You/シェルブールの雨傘」も、パッショネートにロマンチックに演奏される。
Ready'n Able
Stochelo Rosenberg / Iris Music
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