大屋地爵士のJAZZYな生活

60歳過ぎたら聴きたい歌(32)  ~You Must Believe In Spring~

やっと季節は春。しかしアメリカの強欲資本主義や日本の政治の無策によって、これから冬の時代を迎える人たち、もうすでに迎えている人たちがいる。歌や音楽がどれほどの力を持っているか、決して過信はしていないが、凍てつくような日々をすごしている人たちに、「春はきっと巡ってくる」と、せめてものエールを贈りたい。明日はわが身かもしれないのだが・・・・・。

贈りたい曲は、「You Must Believe In Spring」。「ビル・エヴァンス」の演奏のほうが有名かもしれないが、スタンダードとして色々な人に歌われている。原曲は、我が永遠の憧れ「カトリーヌ・ドヌーヴ」が出演したフランス映画「ロシュフォールの恋人たち」で使われた名曲。いまでは英語のタイトルと詩のほうが有名であるが、仏語の原曲はジャック・ドゥミ監督、自らが作詞した「CHANSON DE MAXENCE(マクサンスの歌)」。 作曲は「ミシェル・ルグラン」で、英詞は、「風のささやき」(Windmills of My Mind)などでもルグランとコンビを組み、彼の曲の英詞をこれまでも手がけている「アラン&マリリン・バーグマン」夫妻。歌詞は、とくにひねった意味などなく、文字を追っているだけで、心に余韻が残る詩的な世界が拡がる。英詞全文をあげておきましょう。私の下手な訳が台無しにしてしまわないことを祈るばかり・・・。


『You Must Believe In Spring (やがては春が・・・)』 
                  英詞;アラン&マリリン・バーグマン 作曲;ミシェル・ルグラン
                      (Alan & Marilyn Bergman / Michel Legrand)

「♪ When lonely feelings chill
   The meadows of your mind,
   Just think if Winter comes,
   Can Spring be far behind?

   Beneath the deepest snows,
   The secret of a rose
   Is merely that it knows
   You must believe in Spring!

   Just as a tree is sure
   Its leaves will reappear;
   It knows its emptiness
   Is just the time of year

   The frozen mountain dreams
   Of April's melting streams,
   How crystal clear it seems,
   You must believe in Spring!

   You must believe in love
   And trust it's on its way,
   Just as the sleeping rose
   Awaits the kiss of May

   So in a world of snow,
   Of things that come and go,
   Where what you think you know,
   You can't be certain of,
   You must believe in Spring and love
   You must believe in Spring and love  ♪」

「♪ 孤独な想いがあなたの心を凍らすとき
   冬の後には春がやってくることを思い浮かべてみませんか?

   深い雪の下にもバラのつぼみが隠されていることは知ってますね
   だから、やがては春がくることを信じましょうよ!

   木々は、その葉が落ちても、再び芽吹いてくることをわかっています
   すっかり葉が落ちてしまった時期も、一年の季節に過ぎないと知っているのです

   氷に閉ざされた山は、やがて来る4月の雪融けの流れを夢見ています
   今はかたい水晶のように見えても、やがて融けることを知っているのです
   やがては春がくることを信じましょうよ!

   あなたは愛を信じ、その愛はこれから花開くのだと信じてください
   バラの蕾みが5月のキスを待ち続けているように・・・

   雪に覆われた世界の中でも、万物は変化しているのです
   あなたが考えたり、知っている世界は、決して定まった世界なんかではありません
   春がくることを、愛が生まれることを信じましょうよ!
   ほら、もうそこに春が・・  ほら、もうそこに愛が・・・   ♪」



まずは、「エミリー・クレア・バーロウ」の新作アルバムの歌唱を選んでみよう。カナダで活躍中の実力派女性ヴォーカリスト。高速スキャットなどを駆使し、おなじみのジャズ・スタンダードからボサノバ、ストリングスをバックにしたバラードなど彼女の魅力がたっぷり詰まったアルバム。アルバム、ラストで自ら指揮するオーケストラをバックに「You Must・・・」を熱唱。本作ではプロデュース、アレンジ、そしてストリングス・アレンジ&指揮に至るまで、シンガーという枠に留まらない才女ぶりを見事に発揮しています。

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ハヴント・ウイ・メット?

エミリー・クレア・バーロウ / ビクターエンタテインメント





「マリーナ・ショウ」のアルバムから。「Who is this bitch Anyway(1974年)」のアフロ・ヘアのイケイケ娘もあれから35年。すっかり素敵に年輪を重ねた女性になった。彼女の出自であるR&Bのエッセンスを存分に注ぎ込んだ1972年、若かりし頃のアルバム。こちらもフル・オーケストラをバックに切々と唄い、スケールの大きいヴォーカルを聴かせてくれる。

マリーナ

マリーナ・ショウ / EMIミュージック・ジャパン



耽美派といわれるJAZZピアニスト「ビル・エヴァンス」の「You Must Believe in Spring」について触れない訳にはいかないが、このアルバムは、エールを送るどころか、かえって逆効果になりそうなので、あまり詳しく触れずに紹介だけにとどめておこう。
タイトル曲を含め、バラードを中心にした選曲で、なぜか没後に追悼盤として発表された後期エバンスの代表アルバム。元妻や兄が自殺し,自分の死もすぐそこという状況で収録されたセンチメンタルでなんともいえない寂寥感の漂う晩年のアルバム。度重なった悲劇、逆境を乗り越えるためか、自分の内面に語りかけるように弾くエヴァンス・・・。

ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング(+3)(SHM-CD/紙ジャケットCD)

ビル・エヴァンス / Warner Music Japan =music=


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by knakano0311 | 2009-03-18 23:40 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Trackback | Comments(0)
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