個人的に思い出のある曲は「バラの刺青/The Rose Tatoo」と「ブルー・レディに紅いバラ/Red Roses For A Blue Lady」。
洋楽を聴き出した中学か高校の頃、最初に好きになった歌手のひとりが「ペリー・コモ」。「♪ He Wore The Rose Tatoo・・」で始まる哀愁を帯びた美しいワルツ。その題名の持つ退廃的で官能的な響きが勝手に私の想像を膨らませたものでした。「Perry Como/ペリィ・コモ」が歌う『バラの刺青』は映画の中では歌われていませんが、同名の映画(1955年)にインスパイアされた歌として大ヒットしました。
「Red Roses For A Blue Lady」。スタンダード。1948年にシド・テッパーとロイ・ブロドスキーが作った曲です。「ヴォーン・モンロー」の歌でヒットしましたが、1964年に「ベルト・ケンプフェルト楽団」の演奏でリバイバル・ヒットし、翌年「アンディ・ウィリアムス」もレコードにしました。以後、「エンゲルベルト・フンパーディング」、「ポール・アンカ」など多くの歌手がカバーしています。当時この曲を聴きながら、「想いのある女性に薔薇の花束をいつかは贈りたい」とませたことを考えていましたが、そんな機会はついぞありませんでした。が、定年を迎えた年の妻の誕生日に、照れくささを抑えて、はじめて長年のきざな思いをかなえました。