妻にとって今年の「母の日」はいつもとちょっと違った格別な日になったようである。私達夫婦の子供は男の子が三人。幼少の頃は別として、長じてからは「母の日」のプレゼントなど息子たちからもらったことなどなかったように私は記憶している。それが昨年末に二男が結婚してから、ちょと情況が違ってきた。二男夫婦からミニバラと紅茶のプレゼントがあったのだ。多分、お嫁さんから二男へ強力なアドバイス?があったに違いないだろうが、さぞかし嬉しかったのであろう、妻は「気を使わなくていいのに」といいながらも、素直に喜んでいた。こんなことから新しい家族が増えたことをきっと実感できたに違いないのである。
(写真;ハーバーランドから見るメリケンパーク)
「私も何かしてあげよう」と遅ればせながら希望を聞くと、「神戸をぶらぶらしたい」ということで早速神戸で街歩きを・・。港が見えるメリケンパークのホテルで昼食をしたあとは、お気に入りの街・栄町界隈から元町、三宮への街歩きコース。メリケンパークで気がついたのですが、神戸は明治29年(1896年)に外国映画が初めて日本に上陸し、洋画シアターが誕生した街。そのことを記念した、映画ファンの私としては見逃せない碑が建っていました。記念碑の裏側には、神戸出身の映画評論家、故・淀川長治さんがえらんだチャップリン、ヘップバーンなど世界の映画スター42人の名前が刻んでありましたね。ちょっと感激・・・。かって神戸はゴルフ、JAZZ、映画などが日本で一番早く上陸したエンタメ最先端の街であったのです。
さて、「いもたこなんきん」へと話を戻すと、ぶらり歩きの最初は、ダイエット中もなんのその、乙仲通のちょっとレトロでオシャレな
「パティスリー モンブリュ」の紅茶とケーキのデザートから始まったのです。私は辛党でありながら、餡子(あんこ)の和菓子に眼がない両刀使いですが、普段は洋菓子、ケーキの類は殆ど食べないのです。しかし妻のお相伴で食したこのバナナのミルフィーユは絶品でしたね。しっかりと焼き上げたパイ生地にカスタードと季節のフルーツはバナナ。食感といい、しつこくない甘さといい、食後の爽やか感といい、和菓子派の私が、宗旨を変えたくなるほど本当においしかった。
そして、本日一番のお買い物は、乙仲通から目立たない路地をちょっと入った赤レンガ造りのビルにあったブティック
「H.P.FRNCE アッシュペーブチック」で、彼女が一目で気に入った小物入れ。中南米あたりの雰囲気を感じさせるデザインで丁寧に編み上げてある。話を聞くと、デザイナーはパリ在住のブノア・ジャマンとイザベル・マリー・ビュエッシュの若手二人だそうで、変わった手触りの素材はドミニカ?の椰子の繊維を染色して編み上げているとのこと。妻、一番のお気に入りの持ち物になりそうな気配である。
そして、彼女が趣味としている編み物の材料やお気に入りの播磨屋のおかきなどを買い、彼女、大満足の半日であった。今回は、タウン情報誌風の「いもたこなんきん」レポートでした。さあ、いくつ「いもたこなんきん」が増えたことやら・・・。
私はといえば、ご贔屓のレコードショップ
「ディスク・デシネ」で、店長ご推薦のスエーデンの新人ピアノトリオのアルバム「Tingvall Trio(ティングヴァル・トリオ)/NORR」を購入、帰宅後早速聴いてみたがこれが大当たり・・。
「そのメロディは初めてなのに懐かしいデジャ・ヴュを引き起こしてくれる。大自然の鼓動に耳を澄ましているかのような錯覚にとらわれ、せつなく甘い郷愁に包まれる官能的でドリーミーなTingvall Trioワールドにワープする。」 ~ライナーより抜粋~
派手さはないものの美しいメロディがちりばめられている。しかし決して耽美に走るのではなく、聴くほどに味わい深い演奏。霧のたちこめる白夜の森のジャケットも美しく、聴いた瞬間、北欧の乾いた空気と北欧JAZZ特有の感性を感じるアルバムで、「Tingvall Trio」は、今後注目すべき新人の一人となった。
「北の大地は静けさの中/孤独の歌を奏でるのはただ海だけ/踊るのは森の樹木達だけ・・・」
NORR (輸入盤 帯・ライナー付)
TINGVALL TRIO / DISK UNION (原盤:skip records)
ドイツ語ですが
「Tingvall Trio」のHPはこちら。試聴やビデオクリップが楽しめます。
「Tingvall Trio - Snarestad Folkvista」