大屋地爵士のJAZZYな生活

我が青春のシネマ・グラフィティ(8) ~ティッピー・ヘドレン/鳥~

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グレース・ケリー的正統派美人女優でありながら、たった2作限りで忘れがたい印象を残したまま、映画界から消息不明となった女優がいる。「ティッピー・ヘドレン/Tippi Hedren」。映画は、アルフレッド・ヒッチコック監督の「鳥 (1963)」、「マーニー(1964)」である。

「ティッピー・ヘドレン」は、1930年1月19日、アメリカのミネソタ州で生まれ。大学卒業後NYに出てファッション・モデルの仕事に就く。50年に映画デビューし、52年「ピーター・グリフィス」と結婚。57年に後の女優「メラニー・グリフィス」を出産したが61年離婚。その後、ぱっとせず、CMなどに出演していたところヒッチコックに見出され、63年の「鳥」で本格デビュー。従ってこのとき33歳の遅咲きデビューである。翌年「エクソシスト」のプロデューサー、ノエル・マーシャルと再婚して、「マーニー (1964)」、67年の「伯爵夫人」を最後に女優業を休止。しかし、マーシャルと82年に離婚して以降、TVMを中心に復帰を果たしたという。日本では未公開の映画やTV映画に出演しているため、消息がつたわらなかった。やはり「鳥」、「マーニー」の印象が強く、2作限りといわざるを得ないのだが・・・。

「鳥」。鳥が人間を襲い、食いちぎるという残酷なホラー映画。原作は女流作家「ダフネ・デュ・モーリア」の「鳥」であり、製作・監督は巨匠「アルフレッド・ヒッチコック」。出演者は「ロッド・テイラー」、「「スザンヌ・プレシェット」、「ジェシカ・タンディ」、そして遅咲きの、新人女優「ティッピー・ヘドレン」など。

突然、舞い降りてきた1羽のかもめが、メラニー・ダニエルズ(ティッピー・ヘドレン)の額をつつき飛び去った。これが事件の発端だった。不吉な影がボデガ湾沿いの寒村を覆った。若い弁護士ブレナー(ロッド・テイラー)は異様な鳥の大群を見て、ただならぬ予感に襲われた。そして、ほどなくブレナーの予感は現実となった。鳥の大群が人間を襲い始めたのだ。アニー(スザンヌ・プレシェット)の勤める小学校の庭では、無数のかもめが生徒を襲撃した。メラニーが恋人ブレナー家へ夕食によばれた夜、暖炉の煙突から、突然、すずめに似たフィンチが何百羽となく舞い込んできた。が、ブレナーがやっとのことで追い払った。どこからともなく飛来してくる鳥の群れは、ますます増える一方だった。そして、ついに鳥による惨死者が出た。農夫が目玉をくり抜かれて死んでいたのだ。

化け物や怪物、狂人が出てくるわけではない。ただ鳥の大群が人を襲うという意表をついたストーリー、そして恐怖。まさしくストーリーと脚本、演出によって日常生活が一転恐怖に転ずるという先駆者的ホラー映画であったといっていい。ロッド・テイラー、スザンヌ・プレシェット、ティッピー・ヘドレンなど典型的な、古典的といってもいい端正な顔立ちのアメリカの美男美女俳優が恐怖と不安に駆られるから、その日常から恐怖への暗転が一層際立つ。まさに巨匠「アルフレッド・ヒッチコック」の演出が冴える作品であった。そして、「ティッピー・ヘドレン」の新人女優らしからぬ落ち着いた表情と演技が際立っていたが、それもそのはず、このときすでに33歳、遅咲きのデビューであったのだ。

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「ティッピー・ヘドレン」が、その翌年に同じヒッチコック監督で主演したのは「マーニー」。共演は、「ショーン・コネリー」、「ダイアン・ベーカー」であった。幼児期の精神的衝撃から赤い色を恐れ、無意識の内に盗みを重ねる妻マーニーと、彼女を救おうとする夫の心理的な葛藤を描いた心理サスペンス。この作品も端正な美貌を持つ女性の裏に潜む異常心理の落差を描くには、やはり「ティッピー・ヘドレン」の主役はうってつけであったといえる。こうして、ヒッチコック監督によってデビュー連続2作にしてかなりキャラクターを作られてしまった「ティッピー・ヘドレン」はその後の女優としての役作りに苦労したのではないだろうか。それが2作にしてスクリーンから去っていった原因ではないだろうか。そしてこのとき65歳のヒッチコック、この作品以降、彼もまた演出の冴えを失っていった。

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「アルフレッド・ヒッチコック・ミステリ・マガジン」(ALFRED HITCHCOCK'S MYSTERY MAGAZINE 通称:AHMM) は、1956年に創刊。ヒッチコックの死後も雑誌は続いて、現在も刊行されており、「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」(EQMM)に続く、現存する世界で2番目に古いミステリ専門雑誌である。 日本版「ヒッチコックマガジン」も、宝石社から1959年から1963年まで発行されていた。高校、大学時代、外国ミステリーやSFにめざめた私が、日本版EQMMと並んで読み漁った想い出の雑誌でもある。

「鳥」といえば「バード」の愛称で親しまれたビ・バップの創始者でモダン・ジャズの父と呼ばれる「チャーリー・パーカー」。そのすさまじい閃きとドライブ感で繰り出されるアドリブは、いまなお誰も超えることが出来ないといわれている。ビ・バップ黎明期のパーカーの魅力と代表曲が詰まったアルバム。

名盤JAZZ 25選~Historical Albums of The 20th Century チャーリー・パーカー・オン・サヴォイ~マスター・テイクス

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by knakano0311 | 2009-07-03 09:04 | シネマな生活 | Trackback | Comments(0)
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