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大屋地爵士のJAZZYな生活

60歳過ぎたら聴きたい歌(35) ~ Moondance ~

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今月22日、日本の南端トカラ列島などでは皆既日食が観測できるという。ご存知の通り、太陽と地球の間に月が入り、太陽を遮ることによって起こる自然現象であるが、そんなことを知らない古代の人はさぞびっくりしたに違いないだろう。子供の頃、下敷きや煤をつけたガラスなどで日食を観測した記憶があるが、科学で説明がつくとはいえ、子供心にはやはり不思議な天体ショーであった。そして今日は七夕・・・。

古来、月には魔力があると信じられていた。そして色々な物語りや詩歌で月の持つ魔力や魔法について語られている。JAZZの世界でも、ちょっと思い浮かべれば、「Blue Moon」、「Moon River」、「Fly Me To The Moon」、「Yellow Moon」、「Moon Glow」、「Moon Flower」、「Moonlight Serenade」、「Moon & Sand」、「Moonlight In Vermont」 ・・・ など、月をタイトルにした曲がいくつかたちどころにあがってくる。そんな「月」をタイトルにした「聴きたい歌」は、「Moondance」。ロック界のカリスマ「ヴァン・モリソン/Van Morrison」の作詞・作曲である。

ある曲をそれまで何度も聴いていながら、映画のなかで効果的に使われているのを観て再認識し、大好きになった経験が何回かあるが、「Moondance」は、そんな曲の一つである。その映画はカーステン・シェリダン監督「奇跡のシンフォニー/原題;August Rush(2008年日本公開)」。「きっと会える」と信じて両親を探す少年の一途な想いと、その再会の奇跡を呼び起こす「音楽の魔法と感動」のファンタジー。ラスト10分間のドキドキ感とラストの感動に誰もが涙する。日本映画によくある予定調和の感動・お涙映画と違ってストーリーがよく出来ていて、分かっていながらも涙腺がつい緩んでしまった・・・。

ニューヨーク近郊の孤児院で暮らすエヴァンは、両親が必ず迎えに来ると信じているものの、11歳になるいままでその願いがかなう事は無かった。ある日不思議な音に導かれるように彼は孤児院を抜け出してしまう。たどり着いたマンハッタンで様々な出会いを経てエヴァンは、天才とも言える音楽の才能を一気に開花させる。
一方エヴァンは死んだと思っていたチェリストの彼の母ライラ、そしてライラと結ばれること無く一時は悲嘆にくれていたロック・ミュージシャンの父ルイスの二人も音楽に導かれるかのようにマンハッタンへ… 。

主人公の両親が、月が輝く夜に初めて出会い、一夜の恋に落ちる場面で、そのシーンに効果的に使われていた曲が「ムーンダンス」。映画の中では、「ロビン・ウィリアムズ」扮するストリート・ミュージシャンが吹くハモニカにあわせて、準主役の「ジョナサン・リース=マイヤーズ」が歌っているが、かれは「ヴァン・モリソン」と同じアイルランド出身であることに因縁を感じる。この映画、音楽映画としてもかなりのできばえで、クラシックからロックまでの幅広いジャンルの音楽が沢山盛り込まれているとともに、勿論アテレコであろうが、主人公が奏でるギターの音やテクニックにすっかり感心してしまう。

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ポニーキャニオン



下手な訳や解説などないほうがいいと思えるほどの美しい詩であるが、参考までに拙訳をつけておきましょう。

【 Moondance 】   作詞・作曲;Van Morrison (1970年)

「♪ We'll,it's a marvelous night for a Moondance
   With the stars up above in your eyes
   A fantabulous night to make romance
   'Neath the cover of October skies
   And all the leaves on the trees are falling
   To the sound of the breezes that blow
   And I'm trying to please to the calling
   Of your heart-strings that play soft and low
   And all the night magic seems to whisper and hush
   And all the soft moonlight seems to shine in your blush

   Can I just have one more Moondance with you,my love
   Can I just make some more romance with you,my love
                ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  ♪」


「♪ ムーンダンスにはこれ以上はないほど素晴らしい夜
   君の瞳に映った天空に星は煌く
   恋をするには信じられないほど素晴らしい夜
   10月の空を覆う満天の星の下

   樹々の葉を落としていく風の吹き渡る音
   僕を呼ぶような君の心の琴線が奏でる柔かく低い音色に
   僕は喜んで応えよう

   そうすれば夜は囁きと静けさの魔法につつまれ、  
   柔らかな月の光は君のほほをてらす

   さあ、ムーンダンスをもう一度君と・・・
   さあ、ロマンスをもう少し君と・・・    ♪」

この歌は何人かが歌っているが、「テッサ・ソーター」のアルバム「キー・ラーゴの夜」をあげたい。トリニダード・ドバゴ人の父と英国人の母の間に生まれたというから、歌いぶりにラテンの濃蜜な血を感じる。ミディアム・テンポの静かな歌いだし、そしてあの「And all the night magic ・・・・」のサビの部分のスイング感がぞくぞくするほど心地よい。ヴィーナス・レコードより大型新人女性ボーカル誕生。

キー・ラーゴの夜

テッサ・ソーター / ヴィーナスレコード



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ヴァン・モリソン(Van Morrison、1945年8月31日 - )はイギリス(北アイルランド出身)のミュージシャン。1964年にゼムを結成し、デビュー。1966年にゼムを脱退し、ソロに転向。高い音楽性と歌唱力で多くのミュージシャンからの尊敬を集める。2000年にロックの殿堂入り。マスコミ露出が少なく、また飛行機嫌いで外国へ出ることも少ないことからあまりその素顔が知られず、カリスマ性を高めている一因にもなっている。そのような事から日本のロック・ファンの間では彼こそが「来日していない最後の大物」とされ、孤高の「アイリッシュ・ソウル・シンガー」とも称されている。

オリジナルのアルバムは、70年のアルバム『ムーンダンス』。このアルバムでは命の喜びを爽快に表現したという。これを含む一連の初期の作品はソウル/フォーク/ブルース/ジャズ、そして自身のルーツでもあるケルト・ミュージックをミックスしたものである。

ムーンダンス

ヴァン・モリソン / Warner Music Japan =music=



「Van Morrison - Moondance」

          

巷では全盲の天才ピアニスト、「辻井伸行」さんが大変話題を呼んでいる。そのサクセス・ストーリーもまた音楽の奇跡といえる・・・。
by knakano0311 | 2009-07-08 09:59 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Trackback(1) | Comments(1)
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Tracked from 映画スタイル(MOVIE.. at 2009-07-19 21:52
タイトル : ■奇跡のシンフォニー
心地よくて迫力のあるサウンドが圧巻! 見終わった後にサントラが欲しくなる。 音楽が本当に聴き応えがあっていい! あの男性のロック歌手誰だろ?知ってる人がいたら教えてください。アルバムが欲しいです〜 音楽が家族の絆を結びつけるという観点もなかなか新鮮。 面白か...... more
Commented by knakano0311 at 2009-07-19 22:02
「ジョナサン・リース=マイヤーズ」というアイルランド出身の俳優さんです。Googleなどで探せば、他の出演さくなどわかりますよ。爵士
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