人気ブログランキング | 話題のタグを見る

大屋地爵士のJAZZYな生活

60歳過ぎたら聴きたい歌(42) ~SHE~

60歳過ぎたら聴きたい歌(42) ~SHE~_b0102572_1752982.jpg

秋の気配が近づくと、年甲斐もなくベタなラブソングが聴きたくなる。たしか妻とヨーロッパへ向かう機内で観た映画で使われていた曲。映画を観ていて「ああ、なんていい歌なんだ」といたく感動した記憶がある。その映画は「ジュリア・ロバーツ&ヒュー・グラント」主演の「ノッティングヒルの恋人」(1999年公開)。オープニングとエンディングで使われていた曲を帰国してから早速調べてみたら、これがなんと「エルヴィス・コステロ」が歌う「She」であった。あのシニカルな詩人でロックからJAZZまで幅広く才能を発揮する才人、そしてわがミューズ「ダイアナ・クラール」と結婚してしまった憎っくき「エルヴィス・コステロ」であったのだ。しかし、この曲は才人コステロの手になるものでなく、シャンソンの大御所「シャルル・アズナブール」が作曲し、日本でも、初演以来何度も公演を重ねている超ロングランミュージカル 「レ・ミゼラブル」の作詞をしている「ハーバート・クレッツマー」の作詞であることが分かった。しかも映画のオープニングで歌っているのは、「シャルル・アズナブール」その人であったのだ。

「ノッティングヒルの恋人(原題;Notting Hill)」。有名ハリウッド女優と平凡な男の恋の行方を、ユーモアたっぷりに描く。華やかなハリウッド女優を演じるロバーツと、どこか頼りない青年に扮したグラントがハマリ役。ウェストロンドンにある平凡な街“ノッティングヒル”。そこで小さな本屋を経営するウィリアムの店に、ある日偶然ハリウッドスターのアナ・スコットが訪れる。互いに運命を感じた2人は、やがて恋に落ちるが……。

ノッティングヒルの恋人 [DVD]

トレヴァー・ジョーンズ / 松竹


この「She」、洋楽版ド演歌と言ってもいいくらい、私にはたまらないほどベタな甘い歌詞が綴ってある。だから結婚式にもよく使われるといわれるほど甘い甘い名曲です。ビターでまずい拙訳など必要もないのですが、まあ参考までに・・。

『 She 』  作詞;Herbert Kretzmer 作曲;Charles Aznavour

「♪ She may be the face I can't forget
   The trace of pleasure or regret
   May be my treasure or the price I have to pay
   She may be the song the summer sings
   May be the chill the autumn brings
   May be a hundred different things
   Within the measure of a day

   She may be the beauty or the beast
   May be the famine or the feast
   May turn each day into a heaven or a hell
   She may be the mirror of my dream
   The smile reflected in a stream
   She may not be what she may seem inside her shell

       ・・・・・・・・・・・

   She may be the reason I survive
   The Why and when for I'm alive
   The one I'll care for through the rough in many years
   Me,I'll take her laughter and her tears
   And make them all my souvenirs
   For where she goes I've got to be
   The meaning of my life is she,she,she     ♪」

「♪ きっと忘れないだろう彼女の表情
   彼女は愛の喜び、それとも後悔の軌跡
   彼女は僕の宝物、それとも代償
   彼女は夏が奏でる詩
   彼女は秋が運んでくる涼やかな風
   彼女は一日のなかで起こるたくさんの出来事

   彼女は美女、それとも野獣
   彼女は餓え、それともご馳走
   彼女によって毎日毎日が天国にも地獄にもなるんだ
   彼女は僕の夢を映す鏡
   彼女は小川のせせらぎに映った微笑
   でもひょっとしたら彼女は見かけとは本当は違うかもしれない

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   彼女は僕が辛くても負けずに生きている理由
   彼女はなぜ、そして今僕が生きている理由そのもの
   これまで何年もの間様々な起伏を乗りこえて彼女を見守ってきた
   僕は彼女を時には笑わせ、時には泣かせ
   それが今はたくさんの思い出になっている
   たとえ彼女がどこへ行こうと僕はついていこう
   僕の人生の意味は、彼女、そう彼女だから   ♪」

この曲は、映画の主題歌のため、コステロの独立したアルバムではなくベスト盤、あるいはラブソングのコンピ盤などにのみ収録されている。深みのある声、流麗なストリングス、これぞ泣かせ節・・・。コステロにこんな一面があるとは知りませんでしたね。アンディ・ウォーホル風のPOPなCDジャケット、これはいい。

ベスト・オブ・エルヴィス・コステロ

エルヴィス・コステロ / マーキュリー・ミュージックエンタテインメント


そして、最近の来日がもう最後であろうといわれているオリジナルの作曲者、大御所「シャルル・アズナブール」のこの歌も、いくつかのベスト盤に収録されている。こちらのほうは、邦題は「忘れじのおもかげ」となっている。

「Elvis Costello - She」

          

グレイテスト・ヒッツ・フォー・ジャパン

シャルル・アズナブール / EMIミュージック・ジャパン


フリューゲル・ホーンの若手の名手でありながら、その甘い声とマスクで女性に人気があるという「TOKU」。なんのCMだったか忘れたが、TVCFでもこの曲が使われていたとおもう。

ラヴ・アゲイン

TOKU / SMJ(SME)(M)


ピアノソロで美しいメロディを紡ぎだすのは神戸出身の「小曽根真」。ピアノによる「She」もロマンチックで流麗でうっとりするほど美しい。「伊藤君子」をプロデュースしたり、自ら率いるJAZZオーケストラ「No Name Horse」などで最近の彼の活躍が著しい。ソロからオーケストラまで最近の活躍を集めたバラード・ベストアルバムから。

バラード

小曽根真 / ユニバーサル ミュージック クラシック


これからは結婚式シーズン。もし誰か大切な人にラブソングをプレゼントしたいなら、この「She」なんか最適ですね。コステロが歌う「She」をふくむラブソングがいっぱいのお薦めCDは、ずばり「I Love You」。

I Love You

オムニバス / ワーナーミュージック・ジャパン


by knakano0311 | 2009-09-19 09:20 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Comments(0)
<< 萩の寺、秋櫻の寺、古都の初秋を... キタイ?ギタイ?△×◆ >>