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大屋地爵士のJAZZYな生活

60歳過ぎたら聴きたい歌(56) ~青春の光と影/Both Sides Now ~

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バンクーバー・オリンピックの開会式をTVで見ていたら、懐かしい曲が流れてきた。少年が空中を飛ぶパフォーマンスのシーンに流れていた曲である。それは、カナダ出身の女性シンガー・ソングライター、「ジョニ・ミッチェル/Joni Mitchell」の「青春の光と影/Both Sides Now」であった。この歌は、「ジョニ・ ミッチェル」の作品ですが、同名の映画 の主題歌で「ジュディ・コリンズ/Judy Collins」が歌い、一躍大ヒットした歌である。私は、この映画は見ていませんが、この歌が収録されているジョニのアルバム「青春の光と影/Clouds」(1969年)は、当時「トム・ウェイツ」など並んで本当によく聴いたものです。恋への憧れや社会で自立して生きていくことへの期待と恐れを抱き社会人への一歩を歩みだした当時の私。そんな私を惹きつけたこの歌の歌詞は、まさに「わが青春の光と影」を歌った歌といえるかもしれない。

青春の光と影

ジョニ・ミッチェル / ワーナーミュージック・ジャパン



ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell、1943年11月7日 - )は、画家など多彩な顔も持っているカナダのシンガー・ソングライター。そして1997年にはロックの殿堂入りを果たしている。しかも1969年から2007年にかけてグラミー賞を9回も受賞しているほどのシンガー。1969年リリースのセカンド・アルバム「青春の光と影/Clouds」のヒットにより、一躍その名が広く知られるようになった。そして、1970年のアルバム「レディズ・オブ・ザ・キャニオン/Ladies of the Canyon」に収録されている「サークル・ゲーム/The Circle Game」は、映画「いちご白書/The Strawberry Statement」の主題歌として、アメリカ原住民の血を引くカナダ人「バフィ・セント=マリー/Buffy Sainte-marie」が歌い、これも1970年に大ヒットした。

大ヒットしたジョニのオリジナルのアルバムは「邦題;青春の光と影/原題;Clouds」である。しかし彼女には、「At Last」、「Comes Love」などJAZZのスタンダードを歌ったもう一枚の「Both Sides Now」というアルバムがあるのをご存知であろうか。邦題「ある愛の考察~青春の光と影」がついたこのアルバムは、2000年にリリースされた。この「Both Sides」が、元来彼女が身を置くロックの世界とJAZZの世界を指していることは明らかである。かって、ジョニには実験的な「ミンガス/Mingus」(1979年)や「夏草の誘い/The Hissing of Summer Lawns」(1975年)などのJAZZを志向した作品があるが、このアルバムはまた違った角度からジャズに向かっているといえる作品である。ウエイン・ショーター、ハービー・ハンコック、ピーター・アースキンらが、脇役に徹しながらも、さりげなく、さすがのサポート。

Both Sides Now

Joni Mitchell / WEA



そして、7年後の2007年、「ハービー・ハンコック/Herbie Hancock」は、JAZZ界からのアンサー・アルバムとして、ジョニに捧げたアルバム「リヴァー〜ジョニ・ミッチェルへのオマージュ」をリリースした。ジョニ本人もゲスト・ボーカリストとして参加している、このアルバムはこの年のグラミー賞最優秀アルバム賞を獲得した。

リヴァー~ジョニ・ミッチェルへのオマージュ

ハービー・ハンコック / UNIVERSAL CLASSICS(P)(M)



勿論、両方のアルバムに「Both Sides Now」が収録されているのは言うまでもない。少し長いけど全歌詞をのせておきましょうか。

【 Both Sides Now 】  作詞作曲;Joni Mitchell

Bows and flows of angel hair   幾重にも列をなして流れる天使の髪
And ice cream castles in the air  アイスクリームのお城が空に浮かんでる
And feather canyons everywhere 羽の峡谷があそこにもここにもある
I've looked at clouds that way  私はずっと雲をそんな風に見ていました

But now they only block the sun  でも今 雲は太陽をさえぎって
They rain and they snow on everyone  みんなの上に雨や雪を降らせる
So many things I would have done  私は一杯いろんなことをしたかったけど
But clouds got in my way       雲が私の行く手の邪魔をした

I've looked at clouds from both sides now 私が雲を見たのは二つの面からだけ
From up and down, and still somehow  上と下から、今でもそれが精一杯
It's cloud illusions I recall       でも、それは私の雲のイメージであって
I really don't know clouds at all  本当は何もわかっていません、雲のことは
   
Moons and Junes and Ferris wheels  何度も巡ってくるお月様、六月、観覧車
The dizzy dancing way that you feel  めまいがする踊りのようね
As every fairy tale comes real   一つ一つのおとぎ話が現実になるたびに
I've looked at love that way    私はずっと愛をそんな風に見ていました

But now it's just another show  でも今は別のショーの始まりです
And you leave 'em laughing when you go 笑いたい人には笑わせておきなさい
And if you care, don't let them know  もし気になっても放っておきなさい 
Don't give yourself away     自分らしさを失ってはダメ

I've looked at love from both sides now 私が愛を見たのは二つの面からだけ
From give and take, and still somehow ギブとテイク、今でもそれが精一杯
It's love's illusions I recall  でも、それは私の愛のイメージであって
I really don't know love  本当は何もわかっていません
Really don't know love at all  愛のことなどまったく

Tears and fears and feeling proud  涙と不安、そして誇りを感じながら
To say "I love you" right out loud 「愛してる」と大声で言う
Dreams and schemes and circus crowds 夢と計画、サーカスの群集
I've looked at life that way 私はずっと人生をそんな風に見ていました

Oh but now old friends they're acting strange でも昔からの友達は奇妙な振舞いばかり
And they shake their heads    頭を振って
And they tell me(said) that I've changed 私が変わってしまったと言う
Well something's lost but something's gained そう失ったものもあるし得たものもある
In living every day  毎日暮らしていればね

I've looked at life from both sides now 私が人生を見たのは二つの面からだけ
From win and lose and still somehow 勝ちと負け、今でもそれが精一杯
It's life's illusions I recall  でも、それは私の人生のイメージであって
I really don't know life at all  本当は何もわかっていません、人生のことは

It's life's illusions I recall  人生のイメージが浮かんだだけ
I really don't know life  何もわかっていません、人生のことは 
I really don't know life at all 本当に何一つわかっていません、人生のことは 



多元的な価値観を肯定し、カナダ人「ジョニ・ミッチェル」が歌ったこの歌、「民族の融和」をテーマにしたバンクーバー・オリンピックにこそふさわしい歌であると思う。

「Joni Mitchell」がうたう「青春の光と影」のYOUTUBE


by knakano0311 | 2010-02-14 10:03 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Comments(0)
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