この間までのあの気候はどこへやら、すこし蒸し暑くなってきましたね。こんな時は「海岸の波打ち際をドライブしてみたい」なんて思いに駆られます。実際にドライブできるところがあります。2、3年ほど前に能登半島を訪れたとき、波が打ち寄せる砂浜を延々と8kmほどにわたってドライブをしたことがあります。羽咋市の近く、「千里浜なぎさドライブウェイ」です。この海岸は、細かい砂が海水を含んで程よく締まり、本当に波打ち際のドライブが普通の自家用車で楽しめるのです。このように車で走ることができる砂浜は世界でも珍しく、この千里浜以外には、米フロリダ州とニュージーランドの3ヵ所しかないそうです。晩秋の曇天の日でしたが、殆ど車のいない砂浜を自由自在に走りながら、かってみた映画「華麗なる賭け/The Thomas Crown Affair (1968)」を思い出していました。そう、「スティーヴ・マックイーン」と「フェイ・ダナウェイ」がサンドバギーに乗って砂浜を駆けるシーンです。
発症の引き金になる曲は、「Comes Love」、「Close Your Eyes」、「I'll Wait For You」、「I'm A Fool To Want You」 ・・・ などですが、その一つが「風のささやき/The Windmills Of Your Mind」なのです。就職も決まって、4年間過ごした街を離れることも分かっていた大学4年生のときに観た映画で、いまでもすこし感傷的な思いをひきずった映画です。それにはすこし哲学的で、美しい歌詞とメロディを持つ、主題歌「風のささやき /The Windmills Of Your Mind」の存在が大きいようです。作曲は「ミシェル・ルグラン」、その曲に「アラン&マリリン・バーグマン」夫妻が英詩をつけ、イギリスの名優「レックス・ハリソン/Sir Rex Harrison 」の息子の「ノエル・ハリソン」が歌った。
【 The Windmills Of Your Mind (風のささやき) 】
作詞 アラン&マリリン・バーグマン 作曲 ミシェル・ルグラン
「♪ Round, like a circle in a spiral 廻る、螺旋の中の円のように
Like a wheel within a wheel. 車輪の中の円のように
Never ending or beginning, 終わりも始まりもなく
On an ever spinning wheel 廻る車輪の上で
Like a snowball down a mountain 山の斜面を転げ落ちる雪球のように
Or a carnaval balloon あるいは、カーニバルの風船のように
Like a carousell that's turning 廻り続ける回転木馬のように
Running rings around the moon 月の回りをぐるぐる廻る
Like a clock whose hands are sweeping 手でぐるぐる廻す時計の針のように
Past the minutes on it's face 文字盤の上でどんどん時は過ぎていく
And the world is like an apple そして世界はひとつの林檎のように
Whirling silently in space 静かに宇宙で廻っている
Like the circles that you find まるであなたが心の中に見つけた
In the windmills of your mind 風車が描く円軌道のように
Like a tunnel that you follow 出口の見えない堂々巡りの
To a tunnel of it's own トンネルのように
Down a hollow to a cavern 洞穴へ降りてゆくと
Where the sun has never shone そこは決して日が差し込まない場所
Like a door that keeps revolving もう忘れかけた忘れられた夢の中で
In a half forgotten dream 廻り続ける回転ドアのように
Or the ripples from a pebble 誰かが小川に小石を投げて生じた
Someone tosses in a stream. さざなみのように
Keys that jingle in your pocket ポケットの中でジャラジャラしている鍵束
Words that jangle your head 頭の中で鳴っている言葉たち
Why did summer go so quickly どうして夏は足早く通り過ぎてしまったのか
Was it something that I said わたしが言ったことが何か問題だったのか
Lovers walking allong the shore, 渚を並んで歩く恋人達
Leave their footprints in the sand 砂に残されたその足跡
Was the sound of distant drumming 彼方から聞こえてくるドラムの響き
Just the fingers of your hand あなたの手が鳴らしているのか
Pictures hanging in a hallway 廊下に掛けられた何枚かの絵
And the fragment of this song そしてこの歌のかけら
Half remembered names and faces うろ覚えの名前や顔の数々
But to whom do they belong それらは一体誰のものなんだろう
When you knew that it was over すべて終わったとあなたが知ったとき
Were you suddenly aware 突然のようにあなたは気付くに違いない
That the autumn leaves were turning 秋の葉の色が
To the color of her hair 彼女の髪の色に変わりつつあったことを
Like a circle in a spiral 螺旋の中の円のように
Like a wheel within a wheel 車輪の中の円のように
Never ending or beginning, 終わりも始まりもなく
On an ever spinning wheel 廻る車輪の上で
As the images unwind イメージが巻き戻されるにつれて
Like the circle that you find あなたが心の中に見つけた
In the windmills of your mind 風車が描く円軌道のように ♪」
数多くの歌手にカバーされているこの曲、私が聴き惚れるイチオシは、「Carla Helmbrecht/カーラ・ヘルムブレヒト」の「Be Cool Be Kind」に収録されているバージョン。日本でも殆どなじみのない女性JAZZボーカルですが、Amazonからのオススメで手に入れた一枚。ウィスコンシン州出身で、このアルバムは2001年発表されたが、グラミー賞3部門にノミネートされたことから分かるように実力派。おとなの女の魅力にあふれる本格派といえる。寡作で、私の知るかぎり、このほかデビュー・アルバム「One For My Baby」、日本人アーティストとコラボした「Here's To Love」の3枚のみ。もっと評価されてもいい歌手。
Be Cool Be Kind
Carla Helmbrecht / Heart Music
ISBN : B0000560GJ