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大屋地爵士のJAZZYな生活

我が青春のシネマ・グラフィティ(22) ~ メリナ・メルクーリ  ~

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国家財政破綻、欧州金融危機、ユーロ安の焦点となっている国はギリシャ、今何かと話題のギリシャということで思い出す映画は、これまた、高校の名画鑑賞会で観た「日曜はダメよ」。我が青春の肉体派女優、最後にあげるのは、その主演女優「メリナ・メルクーリ 」である。

「メリナ・メルクーリ/ Melina Mercouri (1920年 - 1994年)」はギリシャ・アテネ出身の女優、政治家。夫は映画監督の「ジュールズ・ダッシン」。そんなにずば抜けてグラマラスではないのに「肉体派女優」にあげる理由は、その大柄で骨太の体格、ヘビー・スモーカーで、そのせいかハスキーを通り越した、まるで男のようなシャガレ声、大口開けて笑う豪快さに、なにかマッチョな男っぽさを感じるからです。もちろん組合系ではなく、れっきとした女性なのですが ・・・。

彼女は、祖父が元アテネ市長、父が元内務大臣という名門の政治家一族に生まれますが、幼い頃から女優を志して、1946年に舞台デビューを果たす。しかし、映画デビューは遅く、1955年、35歳のときに主演した「ステラ」が初めての作品だったという。この「ステラ」がカンヌ映画祭に出品されたためにカンヌに行き、「赤狩り」でアメリカを追われてヨーロッパに来ていた映画監督の「ジュールス・ダッシン」と出会い、恋に落ち、その結婚することになる。「ジュールス・ダッシン」は、メルクーリを主役に多くの作品を撮ったが、一番、有名になったのは、1960年の「日曜はダメよ/Never On Sunday」である。この作品でメルクーリはカンヌ映画祭で主演女優賞を受賞、彼女が歌った主題歌の「日曜はダメよ」は世界中でヒットした。

「日曜はダメよ」は1967年、ブロードウェイでミュージカル化され、メルクーリは主役の娼婦、イリヤを演じることになるのですが、このミュージカルに出演中に祖国ギリシャで軍事クーデターが起こり、クーデターを批判した彼女は、ギリシャ国籍を剥奪されてしまう。骨太は体格だけではなく、その性格もそうだったようです。軍事政権は1974年に崩壊し、彼女はギリシャ国籍を回復するのですが、晩年は政治家一族の血のせいか、国会議員に当選、文化大臣に任命されるという快挙。その文化大臣のときには、大英博物館に収められている多数のギリシャ彫刻の返還をイギリス政府に要求したりして話題になった。1994年に74歳で死去。片時もタバコが途切れなかったチェーン・スモーカー、死因はやっぱり肺がんであった。 (Wikipedia参照)

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「日曜はダメよ/Never On Sunday」(1960)。ギリシャの港町ピレウスに住む金髪でナイスバディ、底抜けに明るく陽気、そして日曜には必ず古典悲劇を鑑賞するために仕事を休む娼婦イリヤ(メリナ・メルクーリ)。彼女に惚れてしまったアメリカ人の古代ギリシャ研究家ホーマー(ジュールズ・ダッシン)の二人が繰り広げる、明るくて大らか、そしてウィットの利いたラブ・コメディ。主演の「メリナ・メルクーリ」はカンヌ国際映画祭女優賞を受賞。主題曲「ネヴァー・オン・サンデー」はアカデミー賞歌曲賞受賞。出演と監督を兼ねた「ジュールズ・ダッシン」はメリナと1966年に結婚。

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そして「ジュールス・ダッシン」監督が手掛けた犯罪コメディ「トプカピ/Topkapi」(1964)が面白い。トルコのトプカピ宮殿博物館に所蔵された秘宝「スルタンの宝剣」の強奪計画を企てる「メリナ・メルクーリ」扮する女盗賊と、彼女を捕まえようと躍起になる警察のスパイが繰り広げる丁々発止のやり取りを、軽妙なテンポで描く。グラマラスな美女盗賊と男たちのお洒落で粋な泥棒映画は、後の「ルパン三世」や「黄金の七人」の原型とも言われている。長い間DVD化が待たれていたが、やっと実現した。

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観てみますか? レコードに合わせて、イリアが「日曜はダメよ/Never On Sundey」を歌うシーンを。 今観ればなんともないこのシーン、やはり50年近く前の田舎の高校生にはちょっと過激ではなかったでしょうかね?

           
 
 
 
by knakano0311 | 2010-07-08 08:41 | シネマな生活 | Comments(0)
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