彼女は、祖父が元アテネ市長、父が元内務大臣という名門の政治家一族に生まれますが、幼い頃から女優を志して、1946年に舞台デビューを果たす。しかし、映画デビューは遅く、1955年、35歳のときに主演した「ステラ」が初めての作品だったという。この「ステラ」がカンヌ映画祭に出品されたためにカンヌに行き、「赤狩り」でアメリカを追われてヨーロッパに来ていた映画監督の「ジュールス・ダッシン」と出会い、恋に落ち、その結婚することになる。「ジュールス・ダッシン」は、メルクーリを主役に多くの作品を撮ったが、一番、有名になったのは、1960年の「日曜はダメよ/Never On Sunday」である。この作品でメルクーリはカンヌ映画祭で主演女優賞を受賞、彼女が歌った主題歌の「日曜はダメよ」は世界中でヒットした。
「日曜はダメよ/Never On Sunday」(1960)。ギリシャの港町ピレウスに住む金髪でナイスバディ、底抜けに明るく陽気、そして日曜には必ず古典悲劇を鑑賞するために仕事を休む娼婦イリヤ(メリナ・メルクーリ)。彼女に惚れてしまったアメリカ人の古代ギリシャ研究家ホーマー(ジュールズ・ダッシン)の二人が繰り広げる、明るくて大らか、そしてウィットの利いたラブ・コメディ。主演の「メリナ・メルクーリ」はカンヌ国際映画祭女優賞を受賞。主題曲「ネヴァー・オン・サンデー」はアカデミー賞歌曲賞受賞。出演と監督を兼ねた「ジュールズ・ダッシン」はメリナと1966年に結婚。