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大屋地爵士のJAZZYな生活

電気自動車と天才科学者

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今年世界各地で行われたモーターショーではエコカー、特に電気自動車が注目を集めた。しかも、旧来の自動車メーカーでないベンチャー、新興企業の参入が眼を惹いたからだ。簡単にいってみれば、電池とモーターの組み合わせ、原理はいたって簡単なので、自動車とは関係なかったメーカーも比較的参入しやすいといえるかもしれません。そんな新興企業の代表が、米電気自動車ベンチャー、シリコンバレーに本社をもつ「テスラ・モーターズ/Tesla Motors」 (本社カリフォルニア州パロアルト)だ。この4月には米ナスダック市場に上場したが、これはなんと1956年のフォード以来の快挙であるという。さらに「テスラ・モーターズ」は、最近「パナソニック」と共同で次世代バッテリーを開発すると発表し、「トヨタ自動車」とも業務提携することで合意した。私の周辺でもハイブリッド・カーはかなり普及してきているが、さあ、電気自動車の成長がどの程度のスピードで本格化していくのか大変興味あるところである。私はって? すんません、ハイオク仕様のガソリン車。少し肩身が狭いでしょうか?

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「車がただの移動手段ならクーペなんて必要ない」という日産の秀逸なコピーがあったが、テスラ社は、実用車でなくスポーツカーから参入した。なんとも夢のある話ではないか。写真は、いずれも「テスラ・ロードスター/Tesla Roadster」である。2006年7月、カリフォルニアのサンタモニカ空港にて、招待客350人の前で「ロードスター」のプロトタイプが初披露され、そののち全米各地のモーターショーに何度か出展された。いくつかプロトタイプを開発ののち、市販車発売は2008年3月となったが、発売前から「ロードスター」の注目度は高く、98,000ドル(約1,000万円)の高値にもかかわらず、650台の受注生産枠を超える注文が殺到したという。多くのアメリカの著名人も「ロードスター」を購入しており、ハリウッド俳優「レオナルド・ディカプリオ」が「トヨタ・プリウス」から「ロードスター」に乗り換えたことで話題を呼んだほか、「ジョージ・クルーニー」、「ブラッド・ピット」、「アーノルド・シュワルツェネッガー」なども購入したという。2008年の発売開始以来、アメリカやヨーロッパで1,000台以上が販売されているが、2010年4月21日にテスラ社が「ロードスター」の日本での発売開始を発表した。日本仕様は、日本の安全基準に適合させ、一部意匠を変更するなどの改良がくわえられている。初出荷分12台は売約済みで、注目の価格は1810万円であるという。もうどこかその辺を走っているかも知れません。先立つものさえあれば、この車ならぜひ乗ってみたいですね ・・・ 。

この車は、バッテリーと三相交流誘導モーターだけで車輪を動かす完全な電気自動車で、リチウムイオン・バッテリーを電源としている。最高出力215kW(288hp、292ps)、最大トルク370 N・mとなっており、1回の充電で236マイル(378km)まで走行可能。最高時速は、安全のため201kmに制限されているが、時速100キロに達するまでにおよそ4秒しかかからないという、30万ドルのスーパーカーにも劣らない驚異的な加速性能を備えていると、メーカーは発表している。 (参照Wikipedia)

テスラ社は、「M. Eberhard」と「M.Tarpenning」という二人の技術者によって、2003年に創業された。その社名と主力車種につけられた名前、「テスラ」には大きな意味があるのだ。あの発明王「エジソン」と同時代の科学者で、彼に匹敵、いやそれ以上の発明や業績を残しながらも、冷遇され、山師的な扱いさえされている「ニコラ・テスラ」の名をあえてつけているのは、多分、フォードやエジソンを超えるという、野心やチャレンジ、そして彼へのリスペクトの意味を込めているからであろう。事実、現時点でテスラの発明による誘導モーターを使っている電気自動車は「ロードスター」だけである。

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「ニコラ・テスラ/Nikola Tesla」(1856年7月10日 - 1943年1月7日)は、旧ユーゴスラヴィア出身の電気工学者で発明家。交流モーター、交流発電機、高周波コイル、高周波治療器、ラジコン(無線トランスミッター)、高周波照明/蛍光灯、空中放電実験で有名なテスラコイルなどの多数の発明、またレーダー、誘導ミサイル、無線送電システム(世界システム)を提唱したことでも知られる。とりわけ電気自動車の心臓部である三相交流モータの発明は特筆すべきこと。マルコーニが発明者とされている無線電信やラジオも真の発明者はテスラだといわれている。そんな科学者でありながら、わけありで歴史の中に埋もれ、その業績は、わずかに磁束密度の国際単位「テスラ」にその名を残すにすぎない。中でも「エジソン/直流発電」VS「テスラ/交流発電」の戦いは、科学史によく知られた話で、当時はエジソンに凱歌が上がったが、後世の結果から見ればテスラが正しかったことは明らかである。

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その奇抜とも取れる研究内容や、地震兵器、プラズマ兵器、殺人光線などを開発していたとされる数々の伝説、冷遇された人生なども相まって、彼や彼の発明であるテスラコイルはカルト団体や疑似科学方面から熱い注目を集めることが多々ある。オーム真理教団が多大なる興味を持ったことも有名な話である。特に、晩年は霊界との通信装置の開発に乗り出すなど、研究にオカルト色が強まったこともあり、テスラの名を一層胡散臭い山師的なものに響かせる原因ともなっており、彼への正当な評価を余計に難しくさせている。しかし、100年以上の時を経て甦った「テスラ」の名前。電気自動車の普及によって、彼がマッド・サイエンティストや山師でなく、正当な評価をえる日も近いと信じている。(参照;新戸 雅章「発明超人ニコラ・テスラ」、Wikipedia)

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新戸 雅章 / 筑摩書房



映画の世界でもテスラが取り上げられたことが何度かある。最近の映画では、競い合う二人の天才魔術師の虚虚実実の駆け引きを描いた「クリストファー・ノーラン/Christopher Nolan」監督、「プレステージ/The Prestige」(2008)。テスラはこの映画の中で脇役として登場するが、なんと「デヴィッド・ボウイ」が扮している。

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そしてテスラについて囁かれている影の部分、「マッド・サイエンティスト」、実はこちらの方もすこぶる面白いのだ。「フィラデルフィア・エクスペリメント(フィラデルフィア実験)」事件をご存知だろうか?第2次世界大戦中に米海軍が物体消失実験を行い、これにテスラが関与していたとされているのだ。もちろん事件の存在そのものも含めて真偽のほどはかなり疑わしいのだが ・・・ 。

1943年、第二次世界大戦のさなか、アメリカのフィラデルフィアで驚くべき実験が行われたという。アメリカ海軍が行ったこの実験の目的は、レーダーから放射された電波を吸収して、軍艦をレーダーから見えなくするというものであった。ところが、フィラデルフィア実験では、軍艦はレーダーから消えたのではなく、人間の目から消えたというのである。実験台となった軍艦エルドリッジは、いったん消滅し、数百マイル離れたノーフォークに突然現れ、再びフィラデルフィアに現れた。つまり、ワープしたのである。さらにワープした軍艦エルドリッジの中では、異常な事態が発生していたという。この実験に、時空間を曲げるための巨大なテスラコイルが使われたというのだ。時空間を歪曲することができるほどの巨大な磁場を発生させるコイルなど存在するはずもなく、常識的にはこの事件は「ガセ」であろうと思う。

しかし、これはかなり有名な話で、しかも面白いため、SF映画の絶好の題材となった。娯楽映画の巨匠、「ジョン・カーペンター」が製作総指揮を務めたタイムスリップ・アドベンチャー、「フィラデルフィア・エクスペリメント」である。タイムスリップものとしてはかなり面白い映画に仕上がっていると思う。

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それから、私は聴いたことがありませんが、「テスラ」に心酔する5人組のロックバンド「テスラ」も存在します。その1987年のデビュー・アルバムは、「メカニカル・レゾナンス/Mechanical Resonance」(機械的共振)。

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ロック・バンドはさておき、車とくれば、音楽は「ルート66/Route 66」をあげるしかないでしょう。

「ケーラフフォーニヤ・トリップ ・・・ 」なんて軽快にスイングするのは「ナット・キング・コール/Nat King Cole」の大ヒット曲聴いてみますか?

          
 
 
これは珍しい。 「ローリング・ストーンズ/The Rolling Stones」がうたう8ビートの「ルート66」。

          
 
 
 
 
by knakano0311 | 2010-07-06 09:33 | マーケッターとしてのシニアから | Comments(0)
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