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大屋地爵士のJAZZYな生活

スイング・ガール、シンデレラ・ガール

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レンタルビデオ店のJAZZコーナーで、「無料レンタルCD、TSUTAYA限定、2010年8月31日まで」というPOPカードが目についた。JAZZでは多分はじめて見たセールス・プロモーションである。音楽配信やレンタルに押されて、音楽CDの売り上げがあまり芳しくないという情況に押されてであろうか、レンタルビデオ店で新人アーティストのプロモーションとは ・・・。このレコード会社の新しいマーケティングの手法であるが、新人の知名度のアップには効果があるかもしれないが、CDの売り上げには、果たしてどうだろうか? 

その無料レンタルCD、なんと18歳、現役の女子高校生のJAZZプレイヤー、「寺久保エレナ」のデビュー・アルバム「NORTH BIRD」のプロモーションCDであった。そこから、オリジナルとスタンダード2曲のピックアップ、それと大御所「グラント・スチュアート」の新作から1曲の計3曲である。

「寺久保エレナ」。札幌の女子高校生、18歳、アルト・サックス・プレイヤー、まさに「スウィング・ガール」。現役の女子高生ながら、山下洋輔、渡辺貞夫、日野皓正など、数々のビッグネームとの共演を今まで積んできたという。2曲聴いただけであるが、ベテラン、「ケニー・バロン」(p)などを従えてのデビュー・アルバム、ややおずおずしたところはあるにせよ、18歳のデビューアルバムだからたいしたものである。しかし、NYでバリバリのベテランJAZZメンをバックにそろえたのだからこの程度の出来は当たり前という見方もできよう。現役の女子高校生を担ぎ出さねばならなかった程、JAZZ界には新しいスター、人材がいないのかという皮肉な見方もできよう。同じアルト・サックスの「矢野沙織」がデビューしたときほどの衝撃は感じなかったことを正直に告白しておこう。

ずば抜けてという印象はなかったが、その音色とスピード感には才能を十分感じることができ、今後大化けすることも大いに期待できそうである。デビューアルバム「NORTH BIRD」。出身の北国、北海道と 「チャリー・“バード”・パーカー」をもじってつけたタイトルであろう。その名は重いが、「その意気やよし」としよう。気合は十分である。「スイング・ジャーナル」休刊などというネガティブなニュースの中で、この新人のデビューは明るい話題であることは間違いない。ともあれ、「スウィング・ガール」転じて、「シンデレラ・ガール」になることを祈ろうではないか。無料レンタルのCDの後、ほどなくしてアルバム「NORTH BIRD」が棚に並んだ ・・・ 。 

NORTH BIRD

寺久保エレナ / キングレコード




2004年度の「矢口史靖」監督作品、映画「スウィングガールズ」からもう6年。この映画に影響を受け、若手しかも女性のJAZZプレーヤーが育ってきたのかも知れない。自分自身もエレキ・バンドで汗も涙を流した学生時代。この映画はそんな時代を懐かしく思い起こさせてくれる青春映画の傑作である。

野球部の応援に行った吹奏楽部にお弁当を運んだ補習クラスの女子だったが、炎天下、チンタラ運んでいたせいで、お弁当は腐り、吹奏楽部は体調を崩してしまう。ひとりだけお弁当を食べなかった男子・中村は、即席で吹奏楽部を作ろうと思いつく。責任をとらせようと補習クラスの女子を誘うが、吹奏楽をやるには人数が足りなかったため、ビッグ・バンドでジャズをやることに。でも女子たちは楽器などロクにやったことがなかった…。

スウィングガールズ スタンダード・エディション

上野樹里 / 東宝



観てみますか。 映画の演奏シーンを。 上野樹里、貫地谷しほりなど楽器はまったくずぶの素人の若い女優たちが練習に練習を重ねた結果の見事な演奏、ハーモニー。

          

うっそ~~!、信じられない ・・・。 私も映画を観たときはてっきり「アテレコ」だと思っていましたから無理もないでしょう。それでは証拠をお見せしましょう。映画のプロモーションのため、彼女達がワイドショーのTVスタジオで生演奏した映像があります。 「シング・シング・シング」。 納得いただけましたか? 人間、努力すれば何とかなるもんだという見本ですね。

          
by knakano0311 | 2010-07-15 07:48 | おやじのジャズ | Comments(0)
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