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大屋地爵士のJAZZYな生活

ふるさとエレジー(6)  ~ bitter and sweet ~

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「敵に塩を送る」。こんな故事の由来をご存知だろうか? 戦国時代の永禄年間(1558-1570)、武田氏と対峙する駿河の大名、今川氏は戦略として武田氏の領地である信濃・甲斐を兵糧攻めにするため、太平洋側からの「塩の道」を封じて、甲州や信州の人々の生活を困窮させた。この状況を見かねた越後の上杉謙信は「戦うのは武士である」として、信濃、甲斐に塩を送ったのである。この故事から、敵対する相手を助ける意味の「敵に塩を送る」という慣用語が生まれたのである。越後から、日本海の塩を牛に積んで糸魚川より、「塩の道」をまっすぐ松本に届けたのである。1568年(永禄11)1月11日、謙信からの塩を積んだ牛車が松本にたどり着いた。そのときに牛をつないだといわれる石が「牛つなぎ石」として今も残っている。(写真参照) 上杉謙信に感謝した松本の領民は、この日を記念して、1月11日に初市(塩市)を立つようにしたが、明治時代に塩は国の専売になったこともあって、塩市から飴市に変わったのである。

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「塩がます」の袋をかたちどったのが、今でもあめ市で売られる縁起物「福飴」である。私の子供のころ、「飴市」には福飴のほか、いろいろなものを売る露店が軒を連ね、「正月」の後は、「三九郎」(関西で言う「どんと焼き」)、そして「飴市」とつづく楽しい冬の行事のひとつであった。昔風の金太郎飴やさらし飴であるが、懐かしいあの味を今でもまだ舌が覚えている。まるで少年時代に何度も味わったbitter & sweet な夢のように・・・。 「飴市」は、塩の大事さを本当に実感している山国の民の素朴な伝統行事なのである。

柳田民俗学とは別の視点を切り拓いた民俗学者「宮本常一」の没後に刊行された名著のひとつ「塩の道」。あくまでも生活者からの視点にこだわった観察眼には今でも驚かせられる。

塩の道 (講談社学術文庫 (677))

宮本 常一 / 講談社



「リズ・ライト/Lizz Wright」に「ソルト/Salt」という曲がある。彼女、「カサンドラ・ウイルソン」の後継者なんてささやきもあるが、あの「眼力(めぢから)」は共通したところ。「ジョー・サンプル」の「ザ・ピーカン・ツリー/The Pecan Tree」(2002)で一躍注目され、彼女自身のアルバムを待っていたファンも多かったという。そのデビュー作が「ソルト」。南部ジュージア州出身で、幼少よりゴスペルに親しんできたため、彼女の音楽の原風景はゴスペルにあるという。ソウル、ジャズ、R&B、ゴスペルといった豊富な素材を、ゴスペルで培った深みと憂いのあるスピリチュアル・ボイスで彼女自身のブルースの世界に仕立て上げている。こんなところもカサンドラと似ているかも ・・・ 。

ソルト

Lizz Wright / ユニバーサル ミュージック クラシック



聴いてみます? 「Lizz Wright - Salt 」。

          

「ジョー・サンプル/Joe Sample」とくれば、若くしてこの世を去った「ダニー・ハザウェイ/Danny Hathaway」の愛娘レイラとコラボしたアルバムの中に、「Bitter,Sweet 」という曲がある。このアルバムをリリースした1999年、サンプルはなんと還暦、60歳というから驚き。「When Your Life Was Low」、「When The World Turns Blue」などしっとりくるバラードが中心で、おすすめの一枚は「Lalah Hathaway & Joe Sample /The Song Lives On 」。R&B、ブルースの好きな方、これは「買い」ですよ。

Song Lives on

Joe Sample / Pra Records


by knakano0311 | 2010-08-21 15:49 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Comments(0)
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