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大屋地爵士のJAZZYな生活

懐かしい音、そして秋の音

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先日、山で集めてきた「どんぐり」で笛を作ってみた。昔懐かしい「どんぐり笛」である。どんぐりの底部に錐(きり)かドリルで直径3mm程度の穴を開け、しばらく水に浸して果肉を柔らかくしたのち、殻を破らないように注意して、果肉を適当に掻き出せば、出来上がりである。わたしはハンガーの針金を加工して作った「耳掻き」のような道具を使って掻き出したが、針金、釘の頭、木ねじなどでも代用できそうである。

早速、フルートや横笛を吹く要領で吹いてみる。音階を奏でることはできないが、「ピーーッ」という、甲高いが素朴で懐かしい音が響いた。こども達が作ったらきっと喜びそうな笛である。穴に小枝でも差し込めば、独楽(こま)にもなる。こんなどんぐりひとつでも十分楽しめるのだ。

「フルート」という、それまではおよそジャズとは縁のなかった(?)楽器をJAZZの主役、ソロ楽器に仕立て上げ、「フュージョン」という言葉すらなかった時代(当時は「ジャズロック」といった)に、ジャズとロックを融合させた音楽を先駆けたのは「ハービー・マン/Herbie Mann」である。その初期の代表作である「カミン・ホーム・ベイビー/Comin' Home Baby」は、それまでのJAZZ、「ビ・バップ/be bop」にはなかった「祭り囃子」のような、R&Bあるいはロック的雰囲気を持つ明るい曲で、当時のJAZZ喫茶に立ち込めていた重苦しい空気を一掃するように、一時期、どこのJAZZ喫茶でもかかっていた曲である。マンがリーダーで、作曲者でもある「ベン・タッカー/Ben Tucker」がベースを務めている1962年のアルバム「At the Village Gate」が大ヒット。そして、我が学生バンドのレパートリーでもあった懐かしい曲。これも私には懐かしい音のひとつ ・・・ 。

ヴィレッジ・ゲイトのハービー・マン

ハービー・マン / Warner Music Japan =music=



まるで、ベースが太棹三味線、フルートが祭囃子の横笛、ドラムが鼓か和太鼓のように聴こえる懐かしい音色のJAZZ。 Herbie Mann - Comin' Home Baby (Live At the Village Gate, NYC, November 17, 1961)
 
           
 
この曲に作詞をしたのが、「ボブ・ドロー/Bob Dorough」。ボーカルとしてはあまり取り上げられないのだが、「メル・トーメ/Mel Torme」のボーカルバージョンも聴きたくなった。「ベイビー、帰ってきてくれ ・・・」というフレーズが、まるで呪文のように繰り返して歌われる不思議な雰囲気を持つ歌で、マンの演奏もそうだが、一度聴いたらいつまでも耳に残る。

Comin Home Baby

Mel Torme / Collectables



JAZZ的呪文、「Mel Torme - Comin Home Baby」
 
          
 
 
by knakano0311 | 2010-10-26 00:02 | 音楽的生活 | Comments(0)
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