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大屋地爵士のJAZZYな生活

60歳過ぎたら聴きたい歌(66) ~ Here's To Life ~

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 ある歌を聴いて、大げさに言えば、鳥肌が立ったり、衝撃が走ったことが今までに何度かある。そんな歌のひとつが、アジアの癒し姫「ジャシンサ/Jacintha」の歌う「Here's To Life」であった。

 定年を迎えた頃であったろうか、会社人生に一区切り付け、多分定年後の暮らし方や生き方に、多少不安や戸惑いを覚えていたのであろう。そんな時に、この歌の歌詞がすっと心に入ってきた。この歌が収録されていたアルバム「Autumn Leaves」は、その時期より大分前に手に入れていたのに、その時までこの歌をそんなに気に留めることがなかったのだ。その歌「Here's To Life」は、この「ジョニー・マーサー/Johnny Mercer」へのトリビュート・アルバムの中で、ただひとつ、「ジョニー・マーサー」以外の手になる詩としてボーナス・トラックに収録されていた。


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 Autumn Leaves
 Jacintha
 Groove Note







「Jacintha」が歌う「Here's To Life」を聴いてみましょうか。

          

 「これこそ人生、人生に乾杯」。私の心に入ってきた歌にはそんなタイトルがつけられていた。少し長いが、全文をあげておきましょう。作詞「フィリス・モリナリー」、作曲「アーティー・バトラー」。改めて読んでみても、ちょっと胸がキュンとなる詩ですね。

英語歌詞はこちらをクリック。

【 Here’s To Life 】
             Lyrics;Phyllis Molinary, Music;Artie Butler

「♪  不平も無いし、後悔もしていません
    私はまだ信じて夢を追いかけ、その夢に賭けているのです
    あなたは得たもの全てを私に与えてくれていたんですね 
    そう、あなたは自分が得たもの全てを私に与えてくれたのです

    それに比べ私は自分の取り分をもらうと、自分だけで目一杯飲んでいたのです
    それで満足すべきなのに、まだ満ち足りていないと思っていました
    丘の向こうにつづいているもうひとつの道を見て
    全てをもう一度やり直そうと思ったのです

    だから、これこそが人生なんです
    あらゆる喜びをもたらしてくれる人生がね
    そう、これこそが人生なんです
    夢見る人たちやその夢のために

    どうして時は速く過ぎてしまうでしょう、不思議ですね
    どうして愛は暖かい出会いから悲しい別れへと移ってしまうのでしょう
    どうして愛はあなたに想い出を残して去っていってしまうのでしょう
    あなたを暖かい気持ちにしてくれたあの冬の思い出をのこして
    でも、昨日存在していたものは、もうここにはありません
    明日が何をもたらして何を持ち去るかなんて誰が分かるというのでしょう
    私がまだこの人生ゲームに参加しているならば
    笑いや人生や愛のためにゲームをしたいと思うのです

    だから、これこそが人生なんです       
    あらゆる喜びをもたらしてくれる人生なんです
    そう、これこそが人生なんです
    夢見る人たちやその夢のために
    あなたを襲ってくる全ての嵐を切り抜けて
    良いものはますます良くなっていくでしょう

    これこそが人生なんです
    これこそが愛なんです
    人生に乾杯 ・・・    ♪」



 気になって、少し調べてみると、この歌のオリジナルは、「シャーリー・ホーン/Shirley Horn」が1992年にリリースしたアルバム「Here's To LIfe」らしい。「シャーリー・ホーン」といえば、「ダイアナ・クラール/Diana Krall」などに代表される、ピアノ弾き語りスタイルの女性ジャズ・シンガーの元祖として、50年代半ばから活躍したアーティスト。「マイルス・デイヴィス/Moles Davis」らの勧めでニューヨークに進出した後、人気を獲得したという。しかし晩年は、乳がんと糖尿病と関節炎と闘い、脚も切断し、満身創痍の日々を送っていたが、2005年に脳卒中で倒れ、亡くなった。71歳だった。
  
 代表する傑作アルバムは「Here's To LIfe」と、「I Remember Miles」(1998年)である。アルバム「Here's To Life」を1990年にレコーディングするに当たって、マイルスが2曲に参加することになっていたらしいが、レコーディングが実現する前に、マイルスは死んでしまい、「I Remember Miles」は、彼へのトリビュート・アルバムとしてレコーディングされたという。この歌を聴くと、彼女の71年の人生がこの歌に凝縮されているような思いがこみ上げててくる。多くのアーティスト達がカバーしているこの歌、多分、この歌はもう「スタンダード・ソング」になっているといってもいいだろう。


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 Here's to Life
 シャーリー・ホーン
 Uni/Verve







「ジョニー・マンデル/Johnny Mandel」がアレンジ、指揮を担当した大編成のストリングスをバックにして、聴かせるHere's To Life」。



 「バーブラ・ストレイサンド/Barbra Streisand」のドラマチックな歌唱も忘れがたい。2009年11月にリリースされた最新作「Love Is the Answer」に収録されている。このアルバムは、バーブラがジャズのスタンダードに挑戦したもので、それも、全13曲をオーケストラ・ヴァージョンと、カルテット・ヴァージョンの2ヴァージョンで録音した。カルテットは、かの「ダイアナ・クラール・カルテット」である。


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 Love Is the Answer
 バーブラ・ストライサンド
 Sony






「Here's to Life (Quartet Version) - Barbra Streisand」


「Here's to Life (Orchestra Version) - Barbra Streisand」




   
by knakano0311 | 2011-01-14 10:17 | 60歳過ぎたら聴きたい歌 | Comments(2)
Commented by ジジイになった天使 at 2022-11-04 07:09 x
Here's to は「~に乾杯」の決まり文句です。「これこそ~ 」? 何それ?
Commented by knakano0311 at 2022-11-04 15:10
> ジジイになった天使さん
  ご教示ありがとうございます。大好きな歌なんですが、最後のフレーズの訳に違和感があり、腑に落ちました。喜寿をむかえるJAZZ好き爺さんが、ボケ防止と歌の意味を知りたいと続けているブログです。これからもご指摘、ご教示歓迎ですので、よろしくお願いいたします。
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