いまやジャズ、フュージョン界の大御所として知られる「デイブ・グルーシン/Dave Grusin」が、今から30年以上も前、ジャズ・シーンで活躍を始めた頃に録音した「カレードスコープ/Kaleidoscope」(1964)というアルバムがある。「Straight No Chaser」、「星影のステラ/Stella By Starlight」などのスタンダードを取り上げたジャズ・アルバムである。全編にわたってハード・バップ色の濃い演奏。この演奏でドラマーを勤めた「ラリー・ローゼン/Larry Rosen」は、この後、スムース・ジャズ、フュージョンのレーベルとして名高い、独立系音楽製作事務所「グルーシン・ローゼン・プロダクション(Grusin/Rosen Productions)」を共同設立するなど、音楽でもビジネスでも、グルーシンの無二のパートナーとなってゆく。彼らの人生も万華鏡であったようだ。