大屋地爵士のJAZZYな生活

「ミシェル・ペトルチアーニ」の奇跡

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全盲というハンディ・キャップを背負いながらも人気を博したジャズ・ピアニスト「ジョージ・シアリング」逝去の記事を見ながら、同じようにハンディ・キャップを背負いながらも、大変な人気のあった、もう一人のジャズ・ピアニストに思いを馳せた。

かってこのブログでも一度取り上げたことがある「ミシェル・ペトルチアーニ/Michel Petrucciani (1962年12月28日 - 1999年1月6日)」である。すこしショッキングではあるが、写真を見ていただければ、そのハンディキャップはお分かりいただけると思う。フランス出身のジャズ・ピアニスト。生まれつきの骨形成不全症という障害を克服し、フランス最高のジャズ・ピアニストと評価されるほどの成功を収めた。

「ペトルチアーニ」は、障害のため、身長は成長期になっても1メートルほどにしか伸びず、しかも様々な病気にも悩まされ、同年代の普通の少年ができるようなことは一切できなかったため、彼の関心はもっぱら音楽、それもJAZZに向けられるようになった。なんと15歳でプロ・デビュー、そして18歳でトリオを組み、CDデビューを果たしたという。ピアノまで他人に運んでもらわねばならず、またペダルに足が届かないため、ペダル踏み機を使わねばならなかったが、腕は標準的なサイズであったため、鍵盤を弾くことができたのである。デビューするや否や、その天才的な演奏ぶりは広くファンの注目と話題を集めたのである。「寿命は20歳程度まで」と言われていたが、実際には、それよりはるかに寿命を長らえ、ツアー先のニューヨークで急性肺炎を起こし、他界したときは36歳であった。

「ペトルチアーニ」は大変な人気があったし、いまでもそうである。もし写真を見ずに、演奏だけ聴いているならば、とても大変なハンディキャップを背負ったピアニストだとは思わないでしょう。その人気はハンディキャップとは関係なく、天才的とも評された彼の音楽性にあったのである。豪快、ロマンチック、繊細、メランコリック、ダイナミック、鮮烈、清清しさ ・・・。すべて「ペトルチアーニ」の演奏の印象に当てはまるほど、多彩な表現ができたのである。千変万化、鮮烈なタッチで縦横無尽に鍵盤上を駆けめぐる、その独自性の強い演奏スタイルはファンを虜にしたのである。

「ミシェル・ペトルチアーニ」の生き生きとした生命力に満ちた演奏、その一方で繊細でロマンチックな演奏は、1997年11月に行われた「ブルーノート東京」でのライヴ演奏にも遺憾なく発揮されている。「Trio in Tokyo」として組んだ「スティーヴ・ガッド/Steve Gadd」のドラム、「アンソニー・ジャクソン/Anthony Jackson」のベースに一歩も引けを取っていないのだ。

ライヴ・アット・ブルーノート東京

ミシェル・ペトルチアーニ / ビデオアーツ・ミュージック



オリジナルの中でただ一曲、ひときわ異彩を放つ、マイルスの「So What」。
Michel Petrucciani - So What (Trio in Tokyo)

          
 
 
 
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by knakano0311 | 2011-02-18 09:07 | もしもピアノが弾けたなら | Trackback | Comments(0)
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