久しぶりに出かけた図書館で、ふと眼に留まった本があった。「フィリップ・マーロウの拳銃」という詩集。「フィリップ・マーロウの拳銃」といえば、たしか「S&W M36」、通称「チーフ・スペシャル」である。ガン・マニアでもない私が何故こんなことを知っているのかといえば、昔、ハードボイルドの大ファン、とりわけ、「レイモンド・チャンドラー/Raymond Chandler」の「フィリップ・マーロウ/Philip Marlowe」シリーズが大好きだった時期があるからだ。「大いなる眠り/The Big Sleep(1939年)」、「さらば愛しき女よ/Farewell, My Lovely(1940年)」など、長編シリーズはたった7作であるが、ずいぶん夢中になって読んだものである。しかし、マーロウは拳銃を所有しているが、普段は携行しておらず、滅多に撃つことはなかったはずである。
「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない。」(プレイバック)、「さよならをいうのは、少しだけ死ぬことだ。」(ロング・グッドバイ)、なんて名セリフを皆さんもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?わたしは、とりわけ「長いお別れ/ロング・グッドバイ/The Long Goodbye(1953年)」が好きであった。