連休にガソリンと雪を気にしながら、母親のケアのために帰省した。名神、中央高速では、消防車、自衛隊車両、自治体からの派遣車両など災害地へ向かう数多くの車を見た。日本中が応援しているという実感。給油制限はあったものの何とか帰省はできた。
自宅近辺の地域に入るところで、交通規制に出くわした。「すわ、何事か?」と思って聞くと、地域の氏神様、「須々岐水(すすきがわ)神社」の「一の御柱」の「中出し」の最中だという。「そうだ!今年は御柱の年だ」と改めて気がついたのだ。去年は総大社・諏訪大社の御柱祭が行われた。松本平、安曇野のいくつかの社(末社?)では、諏訪大社の次の年に同じように、7年ごと(正確には満6年間隔)に御柱祭が行われる。「里曳き」と柱の建立が行われる5月5日の本番に先立って、この時期に御柱を山から切り出す「山出し」、山から神社の近くまで曳行する「中出し」が行われる。諏訪大社の御柱の起源は、平安時代以前とされるから、この神社の御柱の歴史も相当なものであろう。
諏訪大社は4宮に4本づつ計16本の御柱が建つが、わが須々岐水神社の御柱は2本である。2月27日、28日には「ニの御柱」の「山出し」と「中出し」が、3月19日には「一の御柱」として樹齢100年以上、根回り1.8m、長さは15mほどある杉の大木を古式に則った神事の後切り倒し、20日には多くの氏子により、木遣り歌にあわせ曳行された。私はちょうどその場に出くわしたのである。先を急いでいたため、曳行行事そのものは見なかったが、あとで立ち寄ってみると、写真のような立派な「御柱」が置かれていた。大震災のため今年は例年より時間を短縮して行ったという。
東北地方には、郷土色豊かな数々の祭や伝統行事がある。そんな地域の皆さんの生活や心のよりどころとなる伝統行事が一日も早く復活してほしい。神社や寺なども崩壊したり喪失しているであろうが、そんな伝統行事が復活したときこそが、歴史の継続を再び始めたという意味で、地域の真の復活かもしれない。
被災者の方々の心の中に「心柱」を建てて、いち早く復興に向かってほしいことも願って、5月5日には勇壮に御柱が建てられるのである。
かって親父が丹精を込めていたが、もうほとんど手入れもしてない実家の庭。小雨の中、「サンシュユ」の花が静かに咲いていた。
YOUTUBEで見つけたオランダのJAZZボーカルの名花「リタ・ライス/Rita Reys」の「You Must Believe In Spring」。キーボードは夫の「ピム・ヤコブス/Pim Jacobs」。
「♪ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
木々は、その葉が落ちても、再び芽吹いてくることをわかっています
すっかり葉が落ちてしまった時期も、一年の季節に過ぎないと知っているのです
氷に閉ざされた山は、やがて来る4月の雪融けの流れを夢見ています
今はかたい水晶のように見えても、やがて融けることを知っているのです
やがては春がくることを信じましょうよ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」
「You Must Believe In Spring - Rita Reys」