今日も山遊び。アベマキやクヌギの木の下にまだ十分に成長していないどんぐりをつけた小枝が散乱しだした。チョッキリ虫の仕業である。あの「穴開け・枝切り名人」が活動を開始したのである。この虫は、どんぐりの真ん中に穴を開け、卵を産みつけた後、蓋をし、枝ごと切ってどんぐりを地表に落としてしまうのである。その枝の切り口の見事さ、そして、まるで道具か機械でも使ったようにどんぐりの真ん中に穴を開けるその技も「いよっ!名人」と感心するくらい見事なのだ。
まだまだ暑いし、百日紅(さるすべり)、夾竹桃(きょうちくとう)や槿(むくげ)、黄槿(はまぼう)などの「炎天の花」もまだ満開である。しかし、山では、こんなかすかな秋の訪れの兆しが感じられるのである。
人や機械と自然との共生をテーマにして長編アニメ映画を作り続けているのが、「宮崎駿(はやお)」と彼が率いてきた「スタジオジブリ」。実は私はジブリ・ファンで、初期の作品から「ハウルの動く城」までの20作ほどのDVDを持っているほどである。そして、「モンキー・パンチ」、「松本零士」など素晴らしいアニメ作家は、主役以上に大事とも言える「メカ」のデザイン、造形力にも非常に優れていて、「宮崎駿」ももちろんその一人である。調べてみると、「スタジオジブリ」の名称は、リビアなどアフリカ北部にサハラ砂漠から吹く乾いた熱風を意味するイタリア語「ghibli」に由来しているといい、また第二次世界大戦中のイタリアの飛行機の名前でもあるという。私が最も好きな宮崎アニメ「紅の豚」において登場する飛行機のエンジンに「GHIBLI」の名前もあり、「宮崎駿」のこの飛行機への思い入れがうかがえるとのこと。
【写真は、ドイツ軍の記章をつけた「カプローニCa309ギブリ爆撃/偵察機/Caproni Ca.309 Ghibli」。ブログ「
Keyのミリタリーなページ 」 から無断拝借】
また、「宮崎駿」には、共著であるが、「巨樹を見に行く―千年の生命との出会い」(講談社カルチャーブックス)という著書もある。彼のエコロジカルな世界観、自然観の一面がうかがえる。かってバルセロナにある「サグラダ・ファミリア(聖家族教会)」はじめ一連の「アントニ・ガウディ/Antoni Plàcid Guillem Gaudí i Cornet」の建築を観たとき、なんとはなしに「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」を思い浮かべたことがある。きっ宮崎とガウディに共通するなにかを感じたからであろう。
巨樹を見に行く―千年の生命との出会い (講談社カルチャーブックス)
梅原 猛 / 講談社
さあ、「コクリコ坂から」でも観にいきますかねえ。
ジブリの映画音楽をアレンジした「ジブリ・ジャズ」なるCDなども多く出ている。そんな中でTSUTAYAからレンタルして聴いてみたのが、「東京ブラススタイル/アニジャズジブリ Final Note」。「東京ブラススタイル」は、女性メンバーのみ11人で編成されたビッグ・バンドである。アニメソングを中心とした様々な楽曲のジャズ・アレンジを専門に演奏するバンド。女性だけのビッグ・ジャズ・バンドがこれだけのスイング感と迫力を生むとは知りませんでした。脱帽!。
アニジャズジブリ Final Note
東京ブラススタイル / ハピネット
ここでは、イタリアが生んだジャズ・ピアノ・トリオの奇才「ジョバンニ・ミラバッシ/Giovanni Mirabassi」の演奏する、「ハウルの動く城/Howl's Moving Castle」のテーマ曲を紹介しておきます。日本では、澤野工房より1999年にデビューしたミラバッシだが、その柔らかく美しい旋律とタッチで、かくいう私を含め、たちまち多くのファンを獲得した。このアルバム「プリマ・オ・ポワ/PRIMA O POI」では、トランペット、フリューゲル・ホルンの「フラビオ・ボルトロ/Flavio Boltro」をゲストに迎え、その音の柔らかさ優しさは一層際立っている。また、 この曲に惚れ込んだシャンソン歌手「クミコ」が詩をつけてもらい、「人生のメリーゴーランド」というタイトルでも歌っていますね。
プリマ・オ・ポワ
ジョバンニ・ミラバッシ・トリオ with フラビオ・ボルトロ / ビデオアーツ・ミュージック
「Howl's Moving Castle_Giovanni Mirabassi」
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