時折、食事に行く箕面のカフェ・ダイニングからたよりが届く。ぼたん鍋、三田牛のしゃぶしゃぶ ・・・ 食欲をそそる秋のメニューが並ぶ。
ちょっと珍しいが、箕面といえば、「もみじの天ぷら」。今から1300年ほど前、「役行者(えんのぎょうじゃ)」が、箕面山中で修業をしていた頃に、美しく色づいたもみじを天ぷらにして食したのが始まりという言い伝えがあり、いろいろの工夫を重ねた上、今日にいたっているという。この「もみじの天ぷら」、関西では有名な箕面名物である。
天ぷらに使うもみじの葉は、製造元所有の山林で育て、一番色づくころに収穫した、軸が柔らかい食用のもみじの葉である。それを水洗いして樽で塩漬けにし、湿度と温度を一定に保ち、一年以上寝かせ、塩抜きをした後、衣をつけてパリッと揚げるという。紅葉の葉そのものの形に揚げるのは、結構技術が必要らしい。大変な手間暇かかっているんだ。
数日早いが妻の誕生祝いを兼ねてランチに出かける。栗、秋刀魚、茸 ・・・ 秋の味覚一杯のランチであった。もちろん「もみじの天ぷら」も買い求める。私の誕生日にもここで食事をしたが、その日はあの3.11、その日であった。あれからもう7か月近くなるのだが ・・・。
今宵の美メロJAZZは、現在最高のベーシストといっていい、「チャーリー・ヘイデン/Charlie Haden」が、キューバ出身のピアニスト「ゴンサロ・ルバルカバ/Gonzalo Rubalcaba」らと組んだアルバム、「ノクターン/Nocturne」から。ヘイデンは1986年の「ハバナ・ジャズ・プラザ・フェスティバル」でルバルカバと初めて出会い、気に入ったのでしょう前回も紹介した「ブレッシング/Blessing」を初めとして、たびたび共演している。
私がヘイデンを現在最高のベーシストと思うのは、そのベースラインの美しさにある。力強く、正確で整然としたリズムを崩すことなく刻むのはもちろんだが、時にベースとは思えないような滑らかで美しい音を漂わす。これがピアノやギター、時にはボーカルなど、彼がコラボしてきたプレイヤー達をリラックスさせ、思いがけない美しい旋律を引出し、奏でさせるマジックのようにも思える。このアルバムも、とんがったり、ひっかかったりするところは一つもなく、ヘイデンの本領がいかんなく発揮された屈指のアルバムである。
Nocturne
Charlie Haden / Umvd Labels
「ゴンサロ・ルバルカバ」のピアノに、心揺さぶる「フェデリコ・ブリトス・ルイス」のヴァイオリンと、「ジョー・ロヴァーノ」のテナーが絡むと、あたりにはもう夜のとばりが下りてくる。そんなムード一杯の曲。灯りを少し落として聴くことをおすすめします。
「Charlie Haden & Gonzalo Rubalcaba - En La Orilla Del Mundo (At The Edge Of The World)」
Charlie Haden(b), Gonzalo Rubalcaba(p),Joe Lovano(t-sax), Federico Britos Ruiz(violin)