快晴に恵まれた山遊びのクラブの秋のバスツアー。兵庫県では、法人県民税の超過課税を財源にして、県民のカルチャー・スポーツ・レクリエーション(CSR)活動の場として、里山林を活用し、自然に親しむことができる「ふるさとの森公園」を整備している。今年の行く先は、兵庫県内に6ケ所あるそんな「ふるさとの森公園」のうち、「国見の森公園」(宍粟(しそう)市山崎)と、「ゆめさきの森公園」(姫路市夢前)の2か所。ボランティア・スタッフを中心に、里山の整備やクラフトづくりなどの活動を行っているという「ふるさとの森公園」の見学も兼ねてのツアーである。まず最初は、「国見の森公園」。標高465m、国見山山頂から見る360度のパノラマ、まさに国見の絶景が素晴らしい。
二つ目は、「ゆめさきの森公園」。ここは、かって麓の集落が里山として利用していたところで、農地、ため池、樹林などが一体となった里山公園である。自然観察、森林整備、木工クラフト、農作物の作付け・収穫などのプログラムを、ボランティアたちが中心となって企画、活動をし、一般市民や学童と一緒に楽しんでいるとのこと。しばらくの間、広大な園内の一部を散策してみた。やはり、ここも森林特有の静けさに満ちている。そして、水辺があるというのも、水鳥や水辺の生きものの観察ができ、多様性があっていい。そんな散策路にも秋の野草がいくつか。やはりここの里山は、秋の深まりが一足早いことを感じさせる。
写真左は、「ツルニンジン(蔓人参)」。キキョウ科の蔓性多年草で、東アジア一帯の森林に生育するという。写真右は、「セトウチホトトギス(瀬戸内杜鵑草)」。「ヤマジノホトトギス」とよく似ているが、花被片の下部が黄色く、花柱にも紫斑があることから別種とされ、また、瀬戸内沿岸でしか分布しないため「セトウチホトトギス」と呼ばれていると先達が教えてくれる。よく晴れたハイキング日和の一日。
さて、1989年、世界三大ジャズ祭の一つ、スイスのモントルー・ジャズ・フェスティバルに招聘され、その衝撃的な演奏で、一夜にしてヨーロッパ中にセンセーションを巻き起こしたピアニストがいる。今宵の美メロ・ピアノ、弾き手はその人、「ゴンサロ・ルバルカバ/Gonzalo Rubalcaba」。その超絶技巧で、当時は「キューバからやってきたピアノの魔術師」とも呼ばれていた。
わたしが初めて聞いたのは、国内デビュー2作目のアルバム「ブレッシング/Blessing」。なかでもラテンの名曲として超おなじみの「べサメ・ムーチョ/Besame Mucho」。表面のクールさのなかに垣間見える情熱。パーカッシヴともいえるそのリズム感。とにかく驚いたことを覚えている。はたしてこの美メロ、その超絶的技巧がなせる業なのか、ラテンのDNAがなせる業なのか ・・・・ 。
Blessing
Gonzalo Rubalcaba / Blue Note Records
「GONZALO RUBALCABA - Besame Mucho」
(Gonzalo Rubalcaba - piano、Charlie Haden - bass、Jack Dejohnette - drums. Recorded in 1991)