久しぶりに火を焚いた。今季初めてであろうか。地域の障がい者支援団体が企画した、いつも我々が山遊びをしている公園で、障がい者の皆さんに自然に親しんでもらうとというイベントのお手伝いである。料理の下ごしらえは団体の皆さんがやってくれるが、70人分の米7㎏を竈で炊くこと、同じ人数分のカレーを大鍋で作ること、そして焼き芋80個を炭火で焼くこと。その三つが我々、三人の主な仕事であった。
まず、焼き芋用の熾きづくりをするため、不要な間伐材を処分を兼ねて、せっせと火をたく。だいぶ秋は深まって冷えてきたとはいえ、大きく燃え上がる炎は、まるで護摩を焚き、修行でもしているのかと思うほどの熱さ、そして、汗。竈に火を入れ、飯炊きの準備をしながら、一方でトタン板に出来た熾きを移す。結果はといえば、カレーの出来も、飯の炊け具合も上々、障がい者のみんながアルミホイルを巻いた焼き芋もほっこりと美味しく焼け、やはり野外で大勢でする食事は楽しさいっぱい。昼食後はどんぐり拾いの散策を楽しんでもらい、天気にも恵まれ、楽しい一日を過ごしてもらえたようである。
古来、炎は人を妖しくするといわれる。私は決して妖しくはならないが、じっと炎を見ていると、魅入られてしまったのか、ぽかっと頭の中が空白になる瞬間は確かにある。だから魔術やマジックには炎がつきものなのかもしれない。あの「サンタナ/Santana」で一躍有名になった曲は、「Black Magic Woman」。JAZZミュージシャンによるカバーは聞いたことがないが、女性JAZZボーカル&ピアニスト、「パトリシア・バーバー/Patricia Barber」が、JAZZとロックの垣根を自分流に取り払い、「Black Magic Woman」をミステリアスに歌っているアルバムがある。「Companion」。かって「Jazz Life」誌は、彼女をこう評したことがある。「ノワールの語り部、夜の闇をミステリアスに歌うパトリシア・バーバーの青白き情熱の炎」。シカゴ・ブルース、シカゴ・ジャズ発祥の地、音楽の街シカゴで生まれた彼女は、今もシカゴを中心に音楽活動をしている。この「Black Magic Woman」、まさにノワールの語り部の本領発揮。
Companion
Patricia Barber / Blue Note Records
「Patricia Barber - Black Magic Woman」 Patricia Barber (vocal, piano, organ) 、John McLean (guitar)、 Michael Arnopol (bass) 、Eric Montzka (drums, percussion) 、Ruben P. Alvarez (percussion) 。Recorded live at the Green Mill, Uptown Chicago; July 17-19, 1999。
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