1984年に、オランダの若手ジャズ・ミュージシャン三人によって結成され、以来25年以上にわたって変わらぬこだわりの音づくりをしてきたトリオがある。「ヨーロピアン・ジャズ・トリオ/Europian Jazz Trio (EJT)」である。彼らが取り上げるのは、ジャズのスタンダードはもちろん、ポップスのヒット曲やクラシックの人気曲。それらを、リリカルでメランコリックなJAZZサウンドにアレンジして演奏し続けている。この親しみやすさ、垣根の低さが、幅広いファンまでをも魅了し、本国より日本で大きな人気を定着させてきた。
そんなアルバムの一枚から。ジャズ・ギターの貴公子と呼ばれる「ジェシ・ヴァン・ルーラー/Jesse Van Ruller」をフィーチャーしたアルバム「哀愁のヨーロッパ」。 「サンタナ」の「哀愁のヨーロッパ」、「ジョビン」の「白と黒の肖像」、ギターのために書かれた「アランフェス協奏曲」、「ジョニ・ミッチェル」の「青春の光と影」、「ビートルズ」の「ブラックバード」、そして「エリック・クラプトン」の「ティアーズ・イン・ヘヴン」。いずれもお馴染みのメロディの数々である。アルバム12曲のうち4曲を、トリオとジェシが素晴らしいプレイを繰り広げる。相変わらずの幅広い選曲であるが、一貫した響きとアレンジ、こだわりの音づくりが浮かび上がってくる。