今宵の「60歳過ぎたら聴きたい歌」。今日は少し幸せな気分を味わった一日だったから、「アン・バートン/Ann Burton」の「A Lovely Way To Spend An Evening」を選んでみた。「恋に過ごせし宵」などという古風な邦訳タイトルがついているが、もうすこし柔らかく、「素敵な宵のひとときを」とでも訳しておきましょうか。私にとって、今日などはまさに「A Lovely Way To Spend An Afternoon」であった。
非英語国出身なるが故の英語の解りやすさに加え、その魅力は何と言っても、しっとりと歌い上げるなかに込められたその情感。もう30年以上聴いていても飽きない私の愛聴盤となっている彼女の名盤は、「BALLADS&BURTON」(1969)。伴奏の「ルイス・ヴァン・ダイク/Louis van Dyke」のトリオもバートンの唄にピッタリ寄り添っている。
「A Lovely Way To Spend An Evening」は、「ハロルド・アダムソン/Harold Adamson」(詞)と「ジミー・マクヒュー/Jimmy McHugh」(曲)によって、1940年に書かれた愛らしい歌。「フランク・シナトラ/Frank Sinatra」のレパートリーでもあった曲。
「♪ This is a lovely way to spend an evening, こんなに素敵な宵のひととき
I can't think of anything I'd rather do ほかの事は何も考えられない
This is a lovely way to spend an evening, こうして過ごす素敵な宵のひととき
I can't think of anyone as handsome as you あなたのことしか考えられない
A casual stroll through a garden くつろいだ気持ちで庭を散歩して
A kiss by a lazy lagoon 物憂げな池のほとりでキスをして
Catching a breath of moonlight そして月の吐息を浴びて
Humming our favorite tune お気に入りの歌をハミングするの
This is a lovely way to spend an evening こんなに素敵な宵のひととき
I want to save あなたと過ごすために
All my nights とっておきたいわ
And spend them with you わたしの夜はすべて ♪」