いつもの山遊び。いつものように雑木の伐採、処理に汗を流す。そして、今日は子供たちにクリスマスのリース作りを楽しんでもらうための材料にするの蔦や蔓集めも。いつもの山道を外れ、けもの道を奥へと分け入っていく。紅葉が始まったクヌギやコナラの林からきらきらと漏れてくる日差しが心地よい。昔の里人が使った「炭窯」の跡や、山師たちが一攫千金を夢見たかもしれない鉱石掘りのための「間歩(坑道のこと)」が、まだところどころに残っている。アケビ、山ブドウ、藤などの蔓がたくさん採れた。「アオツヅラフジ(青葛藤)」の実の青が鮮やかで、美しい。これも秋の色。そして、駐車場脇の「イロハモミジ(いろは紅葉)」はもうすっかり紅に染まっていた。陽に透かして見ると、その紅の一層の鮮やかさに心を奪われる。さあ、綾錦の季節が始まったのだ。
色々の国を旅したが、日本の秋の美しさ、その情緒は格別である。このブログでよく取り上げるヨーロッパのジャズ・アーティストたち。ピアノといいい、ボーカルといい、日本人の好みに合うというか、はっきり言えば、極めて情緒的で日本人好みのジャズと言っていいかもしれない。アメリカのジャズとは一味も二味も違うジャズである。そんなヨーロッパのJAZZアーティストの一人が、「バルネ・ウィラン/Barney Wilen」(1937-1996)である。少し泣きの入った哀愁のテナー・サックスであるが、ジャズのグルーヴ感をフランスのエスプリで包みこんで、パリの薫りに仕立て上げたジャズである。
「バルネ・ウィラン」は、映画「死刑台のエレベーター」でマイルスに抜擢されて一躍有名になった。当時、映画音楽として、ジャズを取り入れられたヌーベル・バーグ映画の「殺られる」、「彼奴らを殺せ」や「危険な関係のブルース」などの音楽にも参加している。フランスを代表するモダン・ジャズ・テナーでありながら、残念にも若くして逝去してしまった。
私のお気に入りは、ジャケットが変わったりしているが、まず「ふらんす物語/French Story」。「記憶の中のフランス映画」というアルバム・タイトルでもリリースされていたと思うが、ジャズ&映画ファンにはたまらない一枚。ジャケットからして何かしら粋な雰囲気が漂いますね。「マル・ウォルドロン・クァルテット/Mal Waldron Quartet」とのコラボ。それと、スタンダード集「ニューヨーク・ロマンス/New York Romance」、哀愁の美学「SANCTUARY」あたりでしょうか。
ふらんす物語
バルネ・ウィラン&マル・ウォルドロン・クァルテット / ポニーキャニオン
ニューヨーク・ロマンス
バルネ・ウィラン・カルテット / ヴィーナス・レコード
SANCTUARY
BARNEY WILEN / IDA
「ふらんす物語」から、お馴染み「シェルブールの雨傘/I'll Wait For You」。
「Barney Wilen - Les Paraplues de Cherbourg」