カナダ出身のシンガー・ソングライター、「ジョニ・ミッチェル/Joni Mitchell」の名を一躍有名にした衝撃的なセカンド・アルバム「青春の光と影/Clouds」(1969年)に「Songs To Aging Children Come」という曲がある。直訳すれば、「年老いていく子供たちの歌が聴こえてくる」という意味であろうか、彼女の歌にはそんな歌が多いのであるが、最初に聴いたころは、かなり哲学的というか、意味不明というか、相当戸惑ったことを覚えている。そして、年老いた今になっても、歌の意味はよく分からないが、いま聴いてみると、不思議な静けさ、哀しみにも似た諦めといった感じが漂う歌である。年老いてしまった今だから、なんとなく親しみや共感を覚える歌なのかもしれない。さて、われわれ年老いた子供たちの歌はどこにある? そしてどう聴こえるのだろうか?
【 Songs To Aging Children Come 】 作詞、作曲;Joni Mitchell
「♪ Through the windless wells of wonder 不思議という名の滑車のない井戸を通じて
By the throbbing light machine ぶるぶるとうなるエンジンによって
In a tea leaf trance or under マリファナの夢うつつの中で
Orders from the king and queen あるいは王と女王の命令のもとで
Songs to aging children come 年老いていく子供たちの歌が聴こえてくる
Aging children, I am one 年老いていく子供たち、私もその一人