彼女を知ったのは、2ndアルバム「Close Your Eyes」がたまたまTSUTAYA店頭で目にとまり、あまり期待もせずにレンタルして聴いてみたが、これが大当たりであった。久しぶりのハスキー系、ウィスパー系の歌い口にすっかり魅了されてしまったのである。そして、17歳から仏教寺院で尼僧の修行をし、山を下りてからJAZZに目覚めたが、修行中に授かった法名、それが「Woong San(雄山)」であったという彼女の特異な経歴にも興味を覚えた。
1曲目、彼女のオリジナル「クローズ・ユア・アイズ/Close Your Eyes」のハスキーとスイング感の絶妙なマッチングに驚かされる。そして3曲目、ハスキー・ウィスパリングの極み、「マイケル・フランクス/Michael Franks」作詞作曲のカバー「ヴィヴァルディーズ・ソング/Vivaldi's Song」で、はやくもノックアウトにいたってしまう。日本人の女性JAZZシンガーにありがちな声量の無さをカバーするような「ウィスパリング」ではないのである。