ずらっと並んだアルバム・ジャケット。今までに発売されたデンマークの新進気鋭の歌姫「シーネ・エイ/Sinne Eeg」のアルバムである。リリースされた順に並べると、
デビュー・アルバム「
Sinne Eeg 」;2003年、
「
Waiting for Dawn 」;2007年、
「
Remembering You 」;2009年、
「
Don't Be So Blue (ブルーな予感) 」;2010年、最新作「
The Beauty Of Sadness 」;2012年 という5枚である。(注;3rdアルバム「Remembering You」のデンマーク・オリジナル版「Kun en drøm (only a dream)」がほかに一枚ある)
「シーネ・エイ/Sinne Eeg」を知ったのは去年。Amazon のオススメで、始めてその名を知った。神戸に遊びに行くときは大抵、「日本のジャズの発祥地」に敬意を表して、「今まで聴いたことのない、何か新しいJAZZアーティストのCDを買い求めよう」と勝手な屁理屈をつけていた。そして、その時買い求めたのが「シーネ・エイ」であったのだ。なんとなくスムース・ジャズ系かなと思っていたが、いやあ、驚きました。声に張りと力がある。そしてうまい。スムース・ジャズに流れていない正統派のジャズ・ボーカルで、しかもこの美貌ときた。何と言っても、もうこれは図鑑入りでしょう。
1977年デンマーク生まれ。1997年20歳の時に、国立音楽アカデミーで音楽を学ぶ。2003年にデビュー、2007年にリリースした、全曲オリジナル楽曲に挑戦したセカンド・アルバム「Waiting for dawn」が、その年のデンマーク音楽賞/ジャズ・ボーカル部門賞を獲得したという。日本のジャズ界に大きな反響を巻き起こしたのは、第4作、「ブルーな予感」であった。バラードに彼女の力はいかんなく発揮されるが、バラード良し、軽快なスイングも良し、オリジナル良しの北欧で、今後もっとも期待される若手イチオシのシンガーであろう。
そして、先日届いた最新作は、「ビューティ・オブ・サドネス」。オリジナル5曲とカヴァー5曲で構成。デンマーク・国立室内オーケストラをバックに、オリジナルの表題曲ほか、「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」、「風のささやき」などを歌い上げる。まさに「美しきバラード歌い」の本領発揮である。洋盤には珍しく、歌詞ページと彼女の写真が対になったブックレットがうれしい。この5月の「富士通コンコード・ジャズ・フェスティバル 2012」への出演のため、初の来日を果たしたとも聞く。
第2作のタイトル曲、バラード唄いの真骨頂。オリジナルのバラードは、「Waiting For Dawn」。
「SINNE EEG - Waiting For Dawn」
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小気味よく弾むスタンダードは、デビュー・アルバムから、「夜は千の眼を持つ」、「カムズ・ラブ」の2曲メドレーで ・・・。
「SINNE EEG - Night Has A Thousand Eyes~Comes Love」
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