さて、地上のディーヴァ、わがディーヴァといえば、「ステイシー・ケント/Stacey Kent」がその一人。「In Love Again」をジャケ買いしてからのお付き合い。1968年生まれというから、43歳。歌手として最も充実している時期を迎えているといえる。元々はアメリカ生まれであるが、カレッジ卒業後、イギリスへ渡り、「London's Guildhall School of Music and Drama」で音楽を学ぶ。その時知り合ったのが、現在のパ-トナーでサキソフォン奏者でもある「ジム・トムリンソン/Jim Tomlinson」。その後ずっと有名なジャズ・クラブ「ロニー・スコッツ/the Ronnie Scott's」など、ロンドンを中心に音楽活動をしてきた。デビューは、1997年、「クローズ・ユア・アイ/Close Your Eyes」。キュートなルックスと歌声で日本でも高い人気を誇っているが、私もまた、そのボーイッシュなキュートさに参った一人でもある。2007年、フランスの「ブルーノートEMI」と契約し、日系の人気作家「カズオ・イシグロ/ Kazuo Ishiguro」を作詞に起用してリリースしたアルバム、「市街電車で朝食を/Breakfast on the Morning Tram」は、大きな反響を呼んだ。そして2010年、移籍第2弾アルバムは、全編フランス語で歌うアルバム、「パリの詩/Raconte-moi... (Tell me...) 」。私は、フランス語はまったく駄目であるが、あのスモーキーな甘い声がフランス語によく似合い、新しいテイストのフレンチ・ジャズといった雰囲気を醸し出している。