最初に彼を知ったのは、ずいぶんと昔、高校生の頃であった。友人の兄貴が大変なミステリーやSF好きで、友人の家に遊びに行った時に、教えてもらった。それは当時、早川書房から「異色作家短篇集シリーズ」として刊行されたうちの一冊、「メランコリイの妙薬」(原題:A Medicine for Melancholy)という短編集であった。ホラーを書いても血生臭くはならず、SFを書いても小うるさくならないその奇妙なテイストに魅了され、すっかりファンになった。その後、「10月はたそがれの国 (The October Country)」をはじめとして、「ウは宇宙船のウ (R Is for Rocket)」、「スは宇宙(スペース)のス (S Is for Space)」、最新の「二人がここにいる不思議 (The Toynbee Convector)」、「社交ダンスが終わった夜に(One More for the Road)」にいたるまで短編集、 「華氏451度 (Fahrenheit 451)」、「火星年代記 (The Martian Chronicles)」、「たんぽぽのお酒 (Dandelion Wine)」など長編のほとんどを読んでいるという熱烈ファンなのである。そのファン振りも、このブログにも書いたこともある。(参照拙ブログ「10月はたそがれの国 ~本棚の片隅に潜む闇~」、「ハロウィーンがやってきた ~さらなるブラッドベリ~」、「ゴジラを観た夜」など)