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大屋地爵士のJAZZYな生活

過ぎゆく夏に ・・・ ~母の歌集から~

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歳をとったからそう感じるのか、月日の経つのは早い。ついこのあいだ激しい雨の被害をもたらした梅雨が明け、夏になったと思ったら、もうその夏も逝こうとしている。今年の夏は、オリンピックのためか、あっという間に過ぎてしまった感じ ・・・。一か月ほど前に会いに行ったが、もうイメージを膨らませたり、鉛筆を握ることも出来なくなってしまった母親の歌集を久しぶりに開いてみた。夏を詠んだ歌も多く、読んでいると、その文字の間から、故郷の短い夏、子供の頃の夏の情景や思い出が浮かんできた。

    風速計はげしく廻る学校の屋根の向こうはもう夏の雲

そして今日は終戦の日。私の歳プラス1年目の夏でもある。そして、戦争のことはあまり多くを語らなかったが、海軍兵だった親父が逝ってから8年目の夏でもある。親父の位牌に供物を簡単にお供えする。

    軍帽の錨の徽章を砂浜に夫と埋めし日又めぐり来る

お盆。私の故郷では迎え火に白樺の樹皮を燃やして迎えるのが風習であった。キュウリとナスを馬と牛に見立てて供えるのは同じだが、麻がら(オガラ)を足にしたり、箸に見立てるのは関西地方の風習のように思う。義母が亡くなってから半月、「新盆」は来年である。

    み葬りの済ませ畳みし喪の服の箱に淋しさ又ひとつ入れ

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帰省していた息子が帰り、京都五山の送り火、猪名川の花火大会、地蔵盆、池田の「がんがら火祭り」、多田神社の「萬燈会」と行事が続き、そして甲子園の熱戦が終われば、私の住む地方にも秋の気配が目に見えて濃くなってくる。


    甲子園の熱戦終り夕風にノウゼンカズラの残り花散る

スポーツは、高校野球と相撲のTV観戦が好きだった母。歓声と雷鳴と花火が、夏空に響く ・・・。これが一番好きな歌。遠花火。

    遥かなりし祭り屋台の賑わいを思ひ出させて遠花火

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それにしても、去年の12月22日、大阪の堂島リバーフォーラムでのヨペックのコンサートを見逃したのは残念極まりない。もう少し早く彼女を知っていれば ・・・。

母が歌ってくれた子守歌は、もう全く記憶にないが、この夏、私の心を捕まえて離さなかった「アナ・マリア・ヨペック/Anna Maria Jopek」の歌う子守歌は、「Kołysanka rosemary(Rosemary’s Lullaby)」。ポーランドにおけるジャズの先駆者的存在、「クシシュトフ・コメダ/Krzysztof Komeda」の作曲。アルバム、「BAREFOOT」(「Bosa」のインターナショナル版)に、ライブ・バージョンは、アルバム2作目となる「SZEPTEM」に収録されている。

Barefoot

Anna Maria Jopek / Emarcy Import



Szeptem

Anna Maria Jopek / Universal Poland



「Rosemary's Lullaby (Kołysanka rosemary) - Anna Maria Jopek」

          
by knakano0311 | 2012-08-15 21:20 | ふるさとは遠くにありて・・・ | Comments(0)
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