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大屋地爵士のJAZZYな生活

猪名川散歩

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少し洗車をさぼっていたため、車が相当汚れていたが、ふるさとに帰省したため、それに輪をかけて汚れてしまったので、近くのガソリン・スタンドに洗車と掃除をお願いした。その待ち時間に猪名川界隈の散歩をしてみた。少し前にも猪名川界隈の散歩をブログにのせたが、あの時は池田、呉服橋(くれはばし)付近であった。今回はもっと上流、猪名川が大阪平野に抜ける手前、隘路のように一段と狭まった箇所がある。そこの近辺には「鼓ヶ滝」という地名がついている。

実際には滝はないのだが、川幅が急に狭まり、急流が岩を食み、轟々と音をたてて流れているので、その名がついたのであろう。そこに、能勢電鉄の鉄橋が架かり、画になりやすいので、結構「鉄っちゃん」たちの撮影ポイントとなっているようだ。この時は、「鉄っちゃん」ならぬシラサギ(ダイサギ;大鷺)が、小さな岩の上でちょこんと通過する電車を見上げていた。

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そして、この鉄橋のすぐ上流に架かる人、車用の橋には「銀橋」という、ちょっとレトロでしゃれた名前がついている。この橋は1934年(昭和9年)に建設され、当時、大阪に銀色のバスが走っていて人気があったので「銀橋」としたという訳がよくわからない説明板が橋のたもとにあった。橋と国道173号との交差点の反対側には、大河ドラマ「平清盛」と同時代の歌人「西行」の歌碑がある。

  音にきく鼓が瀧(たき)をうちみれば
      川邊(かわべ)にさくやしら百合(ゆり)の花  
                      
この歌には次のような逸話がある。西行が和歌の道を志して間もないころ、猪名川のほとりで滝をながめてうとうとしていると、「はるばると鼓が滝にきてみれば岸辺に咲くや白百合の花」という歌が頭に浮かんだ。やがて「西行」は、とある民家に一夜の宿を頼むと、老夫帰と孫娘らしい幼子が快く迎えてくれた。そこで、先ほど頭に浮かんだ鼓が滝の歌を披露したところ、老夫婦と幼子は「音に聞く鼓が滝をうちみればかわべに咲くや白百合の花」に変えてはどうかと言い、「西行」は己の歌の未熟さを反省した。眠りから覚めると、そこは住吉大明神の祠の前だった。以後「西行」は歌の道に精進したという。

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すこし川べりを散歩し、昼食をとり、車を受け取って、後はお茶はご贔屓のカフェ、「HANARE」へと向かう。ちょうど、ギャラリーで「冬じたくのうつわたち ~山田洋次展~」が開かれていた。有名な映画監督と同姓同名であるが、1980年生まれのイギリスで修業した新進気鋭の若手陶芸家だという。食卓で日常に使ってもらうことを念頭に置いた作品作りをしているように思える。気に入った皿があったので2枚ほど買い求めた。夕食時に早速、焼酎の肴にと信州で買ってきた蛹(さなぎ)の佃煮、蝗(いなご)の佃煮をのせてみたが、なかなかいい感じである。

さて、焼酎片手の今宵の音楽は、アルバムが出るたびに新しい音楽の引き出しを開けて見せてくれるわがジャズミューズの筆頭、「カサンドラ・ウィルソン/Cassandra Wilson」。ピアノとずっしりとした女性ボーカルが聴きたくなったからである。迷って選んだアルバムはスタンダード集、日本語のアルバム・タイトルが「テネシー・ワルツ」。原題は「ランデヴー/Rendez-vous」で、売れ易いという理由だけでカサンドラが込めた思いをまったく無視して変えたとしか思えないタイトルである。たしかにスタンダード集には違いないが、そこはカサンドラ、やはり普通のスタンダード集ではない。ピアノの「ジャッキー・テラソン/Jacky Terrasson」との邂逅、ランデヴーが作り出す、カサンドラの鮮烈な世界なのである。

テネシー・ワルツ

カサンドラ・ウィルソン&ジャッキー・テラソン カサンドラ・ウィルソン ジャッキー・テラソン ロニー・プラキシコ ケニー・デイヴィス ミノ・シネル ロニー・ブラキシコ東芝EMI




「Cassandra Wilson - Tennessee Waltz」

          
 
by knakano0311 | 2012-11-15 17:03 | 地域の中で・・・ | Comments(5)
Commented by nardis at 2012-11-16 09:07 x
大屋地爵士さん
またお邪魔します。お皿もさることながら、いいですね肴。これに蜂の子があればまさにゲテモノ(信州人はいわねえずら)三羽烏のそろい踏みですね。
Commented by knakano0311 at 2012-11-16 11:08
nardisさん たしかに蝗(いなご)、さなぎ、蜂の子は我らにとって3種のソウルフード。入社したて仁頃、帰省土産にと上司に蝗を持っていき、ひんしゅくを買ったことを思い出しました。あんな美味しいものなのに ・・・。
Commented by nardis at 2012-11-16 15:29 x
大屋地爵士さん
洒落の解らない上司ですね。(笑)ここだけの話!
Commented by knakano0311 at 2012-11-16 16:17
nardisさん たしかに初めての人にはちょっとグロテスク??? 家内はイナゴはOKですが、蛹はだめのようです。
Commented by nardis at 2012-11-16 18:40 x
大屋地爵士さん
世評でもサナギが一番まずいようですから、奥様は本物の”グルメ”でいらっしゃる? では又、お邪魔します。
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