(写真はご贔屓のCafeにて)
キリスト教徒でもないし、老いて私自身はすっかり縁がなくなってしまったと思っているが、また今年もクリスマスが近づいてきた。買い物に出かければ、ショッピング・センターやデパートはきらびやかなクリスマスのデコレーション一色に彩られ、カフェに入ってもクリスマス・ムードのしつらえが雰囲気を一層盛り上げる。そして、次男一家が孫娘を連れ、クリスマスには来るという。それならばと、妻も狭き我が家をクリスマス・ムードにしつらえる。この身自身はすっかり縁がなくなっても、世間のしがらみや、家族の縁の中で、やはりクリスマスとは、無縁にはなれないようである。
この時期、ジャズだけでなく、クラシック、POPSなどいろいろの分野から、クリスマス・アルバムが多く発売される。私自身は、このクリスマス・アルバムというものが苦手で、2枚の例外を除いては持っていないのだが ・・・。その一枚が、「スラヴァ/Slava」の「アヴェ・マリア/Ave Maria」集。16世紀のカッチーニから20世紀のストラヴィンスキーまで10人の作曲家による9曲(日本盤は12曲)の「アヴェ・マリア」を「スラヴァ」がヴォーカルとシンセサイザーによって聴かせてくれるアルバムである。
「スラヴァ」。1964年生まれ、本名、「ヴャチェスラフ・カガン=パレイ/ロシア語: Вячеслав Каган-Палей」という、旧ソ連・ベラルーシ出身のカウンター・テナーである。1995年、「アヴェ・マリア」という1枚のアルバムが話題になった。そのアーティスト名が、「スラヴァ」であった。日本国内だけでも30万枚を超える異例の大ヒットを記録したのだ。本名とは別に、日本では専らスラヴ語で「栄光」を意味する「スラヴァ」の愛称を用いている。現在はイスラエル国籍を取得し、同国を拠点に活動しているという。
「スラヴァ」本人は自身の声域を「男声アルト」と称しているらしいが、その美声は「タイムズ」紙に「声のダイヤモンド」と讃えられたという。
ave maria
スラヴァ / ビクターエンタテインメント
その中でも、バッハ、モーツアルトでもシューベルトでもなく、カッチーニ(ジュリオ・カッチーニ/Giulio Caccini 1545年頃 - 1618年)の「アヴェ・マリア」に心を奪われてしまう。神性すら感じるというのは大げさに過ぎるだろうか ・・・。
「SLAVA -Ave Maria」