古いポピュラー・ソングに、「A Cottage for Sale」という歌がある。1929年に「ウィラード・ロビンソン/Willard Robison」が作曲し、「ラリー・コンレイ/Larry Conley」作詞によって発表された歌である。以後、「フランク・シナトラ/Frank Sinatra」、「ビリー・エクスタイン/Billy Eckstine」、「ナット・キング・コール/ Nat King Cole」、「ダイナ・ワシントン/Dinah Washington」、「ジュリー・ロンドン/Julie London」、「ペギー・リー/Peggy Lee」など、あまたの有名シンガーによってカバーされた曲でもある。
「60歳過ぎたら聴きたい歌」に取り上げようと思ったのは、その「空家」の看板を見たのがきっかけで、「A Cottage for Sale」という古い歌があったのを思い出し、あらためて聴いてみたら、妙に心にひっかかってくるようになった歌詞だっただからである。間違いなく、「歳」が私のセンチメンタリズムを刺激したのである。
「♪ Our little dream castle 過ぎ去った夢が一杯詰まっていた
With every dream gone 小さいかったが私たちの夢の城
Is lonely and silent いまは寂しく静かに佇んでいる
The shades are all drawn あの夢の影はすっかり色褪せ
And my heart is heavy 私の心は重く沈んでしまう
As I gaze upon 「売家」の看板を
A cottage for sale じっと眺めていると
・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ♪」
そして、こんなフレーズも浮かんできた。「♪ 二人でドアを閉めて、二人で名前消して ・・・」。
1991年にRHINOレーベルより発売された、「ジュリー・ロンドン」のべスト盤、「Time for Love: The Best of Julie London」からの歌唱を選んでみました。