4か月ほど前にこのブログで書いた「小曽根真」のコンサート、「プレシャス・タイム」。(参照拙ブログ
「プレシャス・タイム」 ) 公演日の23日兵庫県立芸術文化センター・小ホールへいってきました。土曜日の午後三時開演とあってか、いつもより若い人も多く、7~8割が女性のお客さん。たしか発売後すぐにチケットは完売したと記憶しているが、女性ファンが多いという「小曽根人気」を目の当たりにした。
ホールに入ってすぐに気が付いたのがピアノ。ステージに置かれているピアノは「ヤマハ」製。いままで私が聴いた、ここでのコンサートは、全て「スタインウェイ」製を使っていたので、これは小曽根の指定であったに違いない。「さあ、どんな音がするのか」と興味津々。そして、いつものコンサートなら、セットされているアンプ、スピーカー、PA、そして録音用機材などは一切なし。ステージに置かれているのは、MC用のマイク、2本のみであった。このことから、前出のブログでも紹介した小曽根の言葉、「一回一回のステージが完全燃焼。人生のラスト・ステージも熱い心でいたい」が思い浮かび、まさに「一期一会のコンサート」がこれから開演するのだという予感を強くする。
開演。この400人収容の全て木貼りの小ホール、音の通りが極めていい。たしかにPAなどは必要ないのである。日本のジャズ・トロンボーンの第一人者「中川英二郎」がゲスト。開演前は、小曽根のソロが殆どで、数曲、中川とのデュエットがあるのでは、と思っていたが、各々1曲づつのソロがあっただけで、後はすべてデュエットであった。スタインウェイより明るい感じのするYAMAHAの音、切れのいい中川のトロンボーン。すべての音が粒だって耳に届く。
絶妙のコラボ、白熱のインタープレイ。いままで私が観た多くのジャズ・ライブの中でもベストにあげてもいいくらいの、スリリングでエキサイティングなライブであった。小曽根と中川にとっても、二人と観客にとっても、「一期一会」、そして私にとっては、まさにプレシャスタイムのコンサートであった。
アンコール曲は、多分と半ば予想していたが、ハンガリーの民族舞曲の「チャルダッシュ」。前出のブログから再録しておきます。
「中川英二郎(eijiro nakagawa) & 小曽根真(makoto Ozone) - chardash」
VIDEO
そして、参考までにコンサートの演目をあげておきます。
【コンサート演目】
1) Journey of A Rose (中川英二郎)
2) Sidewinder (Lee Morgan)
3) But Beautiful (Johnny Burke)
4) G線上のアリア (J.S.Bach)
5) Donna Lee (Miles Davis)*注)
~ 休憩 ~
6) Nova Alborada (新しい朝) (小曽根真)
7) Longing for Past (小曽根真)
8) Itar Park (小曽根真);小曽根真ソロ
9) 懐かしのニューオリンズ(Louis Alter);中川英二郎ソロ
10) Into The Sky (中川英二郎)
アンコール) チャルダッシュ/chardash (Monti)
*注)「チャーリー・パーカー/Charlie Parker」作と言われてきたが、本当はマイルス・デイヴィス作で印刷ミスでパーカー作と表記されてしまったという。
本コンサート演目のうち、4曲は小曽根が参加している「中川英二郎」のアルバム、「E」からであり、2曲は小曽根のトリオ最新アルバム、「My Witch's Blue」からであった。
E
中川英二郎 / キングレコード
マイ・ウィッチズ・ブルー
クリスチャン・マクブライド,ジェフ“テイン"ワッツ 小曽根真 / ユニバーサルクラシック