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大屋地爵士のJAZZYな生活

最後の炭の出来は ・・・

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ずらっと並んだ400本を超える炭。壮観である。

先日、今年度3回目の炭焼きが「窯出し(炭出し)」を迎えた。1月から始めた炭焼き、事前の準備作業から数えれば、昨年11月から始まった最後の工程である。2回目の炭の出来も素晴らしかったが、3回目はそれにもまして、いい炭が焼けたのである。なんと、窯入れした窯木の本数479本に対して、いい炭として焼けた本数が442本、良炭率=歩留り92%という信じられないような結果であった。これで、1月から始まった最大の活動行事、「炭焼き」を最高の結果で終えることができた。

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いろいろあって、以前所属していたクラブから独立、昨年の四月に山の手入れを中心として活動するボランティア・クラブを立ち上げ、初めて「炭焼き」を受託した。受託した当初は、気負いと不安と自信とが相半ばであったが、淡々と作業をこなし、特に炭焼きに入ってからは、3回とも素晴らしい結果が得られたので、色々と考え、工夫してやってきたことが間違っていなかったと大きな自信につながった。この公園で炭焼きを始めて10年目の節目の年。今回新しいノウハウも積み上げ、太閤秀吉の古から続いている菊炭の炭焼き技術を、ちゃんと先輩から受け継げたのではないかと思っている。

反省会を終え、また新たな課題や工夫の必要も明らかになり、「炭焼き」の奥深さを認識しつつ、このような楽しみを与えてくれた炭窯に感謝しながら窯を閉め、今年度の炭焼きを終えた。

さて、炭焼きの仕事は、まさに「3K(きたない、きつい、きけん)」の労働といわれる。大げさに言えば、血と汗と涙の結晶。となれば今宵の曲は「ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ /Blood, Sweat & Tears (BS&T)」から一曲ということになる。

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BS&T。アメリカで1960年代後半から1970年代にかけて活躍したロック・バンドである。1967年に写真左の「アル・クーパー/Al Kooper (ボーカル、キーボード)」を中心に結成され、1968年にメジャー・デビュー。ロックとジャズを融合させ、リズム・セクションに重厚なホーンを加えたサウンドで、人気を博した。バンド名は、「ジョニー・キャッシュ/Johnny Cash」の曲名をそのままバンド名としたもの。このころは、私もまだロックなるものをよく聴いたのである。リズム・セクション4人、ホーン・セクション4人からなる8人編成のロック・バンドなんて驚きそのものだった。

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しかし、デビューから間もなく「アル・クーパー」、「ランディ・ブレッカー/Randy Brecker」(彼が所属していたんですねえ ・・)、「ジェリー・ワイス(トランペット)の3人が脱退し、以降メンバー・チェンジを繰り返した。「デヴィッド・クレイトン・トーマス/David Clayton-Thomas」(ボーカル、写真右)等が加入した後、リリースされたセカンド・アルバム、「Blood, Sweat & Tears」は、1969年グラミー賞の最優秀アルバムを受賞し、「BS&T」はブラス・ロックの中心的バンドとなった。しかし「D.C.トーマス」の良くも悪くも個性的な振る舞いに多くのメンバーが反発し、バンドを去っていくことになる。そして、バンドの名声も実力も衰退していくこととなる。

そんなことから、「BS&T」の代表作といえば、以下の2枚であろうか。しかしこの2枚、全く別のバンドのアルバムと言っていいのである。ジャズ、ブルース、カントリーなどさまざまなジャンルの音楽を内包し、「アル・クーパー」色の強い、「子供は人類の父である/Child Is Father To The Man」(1968年)。そして、やや頼りないクーパーの声に比べると、野太く野性的な「D.C.トーマス」の声を前面に押し出し、JAZZ色が強くなった第2作、「血と汗と涙/Blood, Sweat & Tears」。どちらが好きかは人それぞれであるが、私は若いころは、間違いなく、「スピニング・ホイール/Spinning wheel」に代表される、あのエネルギッシュで、野太い声の「D.C.トーマス」が好きであった。しかし、歳をとるにしたがって、むしろ、「I Love You More Than You'll Ever Know」のように、ブルース唄いのような「アル・クーパー」の声の方に魅かれるようになったのも事実である。

子供は人類の父である

ブラッド・スウェット&ティアーズ / ソニーレコード



血と汗と涙

ブラッド・スウェット&ティアーズ / ソニーレコード



頼りない「アル・クーパー」のボーカル、これがまたいいんですが、ボッサ・テイストの「Without Her (彼女なしには)」を ・・・。
「Blood, Sweat & Tears - Without Her」

         

「D.C.トーマス」のボーカルで「Blood, Sweat & Tears - Spinning Wheel」

          
by knakano0311 | 2013-03-03 10:11 | 炭焼き小屋から | Comments(0)
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